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面倒事の拭い去りは拒絶したくとも
log-100 凍てつく寒さはゆっくりと
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…大闘争会の時期も過ぎ去り、あちこちの貴族家で悪魔に関しての粛清も少々行われた今日この頃。
冬の寒さを伝える北風が吹き、あちこちで冬支度がされる中…
【ふふふふん♪前の私だったらこの寒さに簡単に音をあげていましたが…今の私なら、問題ないですね】
「といっても、見た目はさほど変わっていないけど…?」
【ええ、ちょっと一回り大きくなったぐらいですが…それでも中身だけ見れば大分変りましたよ】
マナ酔いでぶっ倒れていたハクロだったが無事に回復し、その後に脱皮が行われた。
蟲のモンスターにとっては脱皮は大きく成長する要因にもなるようで、ハクロも例外ではない。
ずるりと脱皮して少しの時間は身体が滅茶苦茶柔らかいらしいのですぐに動けないようだが、それでも時間が経過してまともに動けるようになれば問題はない。
一回りだけ体格が大きくなり、色や艶もよりはっきりとしたが、それ以外にも色々とパワーアップをしたらしい。
糸がより強靭になったり、力や速さも増していたり…いや、元々相当なものだったが、より最適な力の扱いができるようになっていたりするそうだ。
【それに寒さにも強くなってます!!この時期は動きが鈍くなりがちでしたが、このぐらいでも平気ですね!!】
【言われてみればそうかもな?確か、道中で寒い地域に入る前には、毛皮狩りをさっさとしていたほど、対策を早めにしていたはずだったし…】
【何かやらかしているようなの】
「まぁ、人が襲われていないなら良いか…】
さらっと過去話が出てきたが、まともな部類かもしれない。
悪党から着物を剥ぎ取っていてもおかしくはなさそうだったが…それはやらなかったとのこと。
【いやだって、返り血を浴びたものかもしれないですし…そんなもの、身につけたくはないですよ】
「それもそうか」
なお、剥ぎ取りはしなかったが、ルミのあの世の炎で凍えさせたことがある模様。
それはそれで、犯罪者を討伐できているのならば問題はない…か?
とにもかくにも、寒くなってくるこの季節、色々と対策が必要になってくるのは間違いない。
ハクロは成長して対策をある程度緩めることができるようだが、そうでない者に対しては厳しくなってくるだろう。
【大丈夫ですよ、ジャック。寒くなったら私が思いっきり抱きしめて温めてあげますからね】
「また乳窒息死みたいなのは勘弁してほいい」
【いい加減に学ぶほうが良いのなの、淫乱窒息蜘蛛と名乗る羽目になるのなの】
【どういう呼称ですかそれ!?流石に私も学んでますよ!!試しに今、ジャックを突っ込んで…】
「【だからそこを学べって(なの)!!】」
【次主殿にやらかしかけたら、責任もって駄肉ぶった切るぞ】
…ルミの発言にひぇっと凍り付くハクロの姿があったその頃。
グラビティ王国の王都にあるギルドにて、ある情報が流れてきていた。
【モンスターの奴隷ですカ?そんなもの、合ったんですネ】
「そうなのよファイさん、よその国からの情報だけど…】
ギルド内の受付にて、ファイはその話を他の受付嬢たちから聞いていた。
「基本的にうちの国は禁じられているけど、他国だとあったりするからねぇ」
「中には人間を扱うのは非効率的過ぎるから、人以上の力を扱えた方が良いってことで、従魔ではなく奴隷扱いでモンスターを扱う人もいるようだけれども」
【制御しきれずに、大損害を被ったうえに逃亡されたと…悲惨な話ですネ】
どうやら他国の話だが、モンスターを奴隷として利用しようとする商会があったらしいのだが、うっかりで逃げられた上に周囲に大きな被害を与えまくってしまったらしい。
当然、そんなことをやらかした商会は即日潰され、責任者やその関係者は実刑判決を決められたらしいが…その逃げたモンスターが厄介なのだとか。
【それで、逃げたのがオーガですか…よくもまぁ、その種族を取り扱おうとしましたネ。基本的に性格が荒く、怪力なので工事現場とかには役立つとは思うのですが…】
「一部欠損してたりするから、まだどうにかできるだろうと思ってのことらしいわよ」
【甘い、甘すぎますよ、その人間の認識。自分で言うのもなんですがモンスターを甘く見てはいけないのでス。そうでないと、痛い目に遭うのは当たり前ですからネ】
何にしても今、そのオーガは逃亡中らしく、下手するとこの王国内に流れてくるかもしれないとのこと。
単体でも相当な力を持つために、早めに討伐されたほうが良いのだが…群れならまだ見つけやすいが、単独行動の場合だと身軽過ぎて予想できない場所に良そうなのが怖い話。
【何にしても、一応マスターたちに話しておきますカ。オーガぐらいなら、一応、我々の実力であれば何とかできますからネ】
「それは頼みたいわね」
「一番良いのは、この国に来ないほうなんだけどねぇ…」
はぁぁっとため息を吐きつつ、面倒事がやってこないように祈るほうが良いだろう。
他の人が出くわして、命が奪われるようなことにはなってほしくないところ。
色々と思いつつ、業務の中でも情報を少しづつ集めていくのであった…
「そういえば、どうにかできるって話だけど、オーガの怪力に対抗できるの?」
【んー、真正面相手だと力押しが難しそうなので、他の攻撃手段を用いてでの話になりますネ。レーザーで撃ち抜く手段や、ハクロにカトレアの糸や木々の拘束、ルミの場合は最終手段で死の宣告で命を奪うって手もありますし、やりようは結構ありますヨ】
冬の寒さを伝える北風が吹き、あちこちで冬支度がされる中…
【ふふふふん♪前の私だったらこの寒さに簡単に音をあげていましたが…今の私なら、問題ないですね】
「といっても、見た目はさほど変わっていないけど…?」
【ええ、ちょっと一回り大きくなったぐらいですが…それでも中身だけ見れば大分変りましたよ】
マナ酔いでぶっ倒れていたハクロだったが無事に回復し、その後に脱皮が行われた。
蟲のモンスターにとっては脱皮は大きく成長する要因にもなるようで、ハクロも例外ではない。
ずるりと脱皮して少しの時間は身体が滅茶苦茶柔らかいらしいのですぐに動けないようだが、それでも時間が経過してまともに動けるようになれば問題はない。
一回りだけ体格が大きくなり、色や艶もよりはっきりとしたが、それ以外にも色々とパワーアップをしたらしい。
糸がより強靭になったり、力や速さも増していたり…いや、元々相当なものだったが、より最適な力の扱いができるようになっていたりするそうだ。
【それに寒さにも強くなってます!!この時期は動きが鈍くなりがちでしたが、このぐらいでも平気ですね!!】
【言われてみればそうかもな?確か、道中で寒い地域に入る前には、毛皮狩りをさっさとしていたほど、対策を早めにしていたはずだったし…】
【何かやらかしているようなの】
「まぁ、人が襲われていないなら良いか…】
さらっと過去話が出てきたが、まともな部類かもしれない。
悪党から着物を剥ぎ取っていてもおかしくはなさそうだったが…それはやらなかったとのこと。
【いやだって、返り血を浴びたものかもしれないですし…そんなもの、身につけたくはないですよ】
「それもそうか」
なお、剥ぎ取りはしなかったが、ルミのあの世の炎で凍えさせたことがある模様。
それはそれで、犯罪者を討伐できているのならば問題はない…か?
とにもかくにも、寒くなってくるこの季節、色々と対策が必要になってくるのは間違いない。
ハクロは成長して対策をある程度緩めることができるようだが、そうでない者に対しては厳しくなってくるだろう。
【大丈夫ですよ、ジャック。寒くなったら私が思いっきり抱きしめて温めてあげますからね】
「また乳窒息死みたいなのは勘弁してほいい」
【いい加減に学ぶほうが良いのなの、淫乱窒息蜘蛛と名乗る羽目になるのなの】
【どういう呼称ですかそれ!?流石に私も学んでますよ!!試しに今、ジャックを突っ込んで…】
「【だからそこを学べって(なの)!!】」
【次主殿にやらかしかけたら、責任もって駄肉ぶった切るぞ】
…ルミの発言にひぇっと凍り付くハクロの姿があったその頃。
グラビティ王国の王都にあるギルドにて、ある情報が流れてきていた。
【モンスターの奴隷ですカ?そんなもの、合ったんですネ】
「そうなのよファイさん、よその国からの情報だけど…】
ギルド内の受付にて、ファイはその話を他の受付嬢たちから聞いていた。
「基本的にうちの国は禁じられているけど、他国だとあったりするからねぇ」
「中には人間を扱うのは非効率的過ぎるから、人以上の力を扱えた方が良いってことで、従魔ではなく奴隷扱いでモンスターを扱う人もいるようだけれども」
【制御しきれずに、大損害を被ったうえに逃亡されたと…悲惨な話ですネ】
どうやら他国の話だが、モンスターを奴隷として利用しようとする商会があったらしいのだが、うっかりで逃げられた上に周囲に大きな被害を与えまくってしまったらしい。
当然、そんなことをやらかした商会は即日潰され、責任者やその関係者は実刑判決を決められたらしいが…その逃げたモンスターが厄介なのだとか。
【それで、逃げたのがオーガですか…よくもまぁ、その種族を取り扱おうとしましたネ。基本的に性格が荒く、怪力なので工事現場とかには役立つとは思うのですが…】
「一部欠損してたりするから、まだどうにかできるだろうと思ってのことらしいわよ」
【甘い、甘すぎますよ、その人間の認識。自分で言うのもなんですがモンスターを甘く見てはいけないのでス。そうでないと、痛い目に遭うのは当たり前ですからネ】
何にしても今、そのオーガは逃亡中らしく、下手するとこの王国内に流れてくるかもしれないとのこと。
単体でも相当な力を持つために、早めに討伐されたほうが良いのだが…群れならまだ見つけやすいが、単独行動の場合だと身軽過ぎて予想できない場所に良そうなのが怖い話。
【何にしても、一応マスターたちに話しておきますカ。オーガぐらいなら、一応、我々の実力であれば何とかできますからネ】
「それは頼みたいわね」
「一番良いのは、この国に来ないほうなんだけどねぇ…」
はぁぁっとため息を吐きつつ、面倒事がやってこないように祈るほうが良いだろう。
他の人が出くわして、命が奪われるようなことにはなってほしくないところ。
色々と思いつつ、業務の中でも情報を少しづつ集めていくのであった…
「そういえば、どうにかできるって話だけど、オーガの怪力に対抗できるの?」
【んー、真正面相手だと力押しが難しそうなので、他の攻撃手段を用いてでの話になりますネ。レーザーで撃ち抜く手段や、ハクロにカトレアの糸や木々の拘束、ルミの場合は最終手段で死の宣告で命を奪うって手もありますし、やりようは結構ありますヨ】
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