98 / 140
移り変わる季節と、変わる環境
log-091 ノリに乗る人乗れない人
しおりを挟む
『さぁ、いよいよやってまいりました!!貴族と平民、両方のグラビティ学園の生徒たちがぶつかり合う、大闘争会!!今回の司会を務めますのは、わたくし王都ギルドの歩く爆音拡声器のエマスでございまーす!!そして、解説役を務めるのは、同じくギルド勤めのジェリースライムことファイさんです!!』
『どうも、皆さまよろしくお願いいたしまス』
…ベクトラン闘技場内、特別実況席から送られてくる声。
本日、開催された大闘争会…前世で言うところの大運動会の会場となった闘技場の客席には様々な人が入り混じっており、参加した生徒たちの親も大勢来ている様子である。
【ジャック~こっちでしっかり見てますからね~!】
【なのなの、しっかりと頑張るのなの!】
ついでに言えば、ハクロ達もしっかりといるのだが、少しばかり人数が足りない。
ファイは先ほど聞こえてきた実況席のほうで解説役として参加しており、ルミのほうは王城から派遣されてきた警備の騎士たちと共に、警備に当たっているようだ。
【こういうお祭り騒ぎのような場所こそ、変な輩が出やすいからな…主殿の活躍の舞台を穢さぬように、しっかりとぶった切っておくから、安心してほしい】
「物騒過ぎるから、捕縛でどうにか押さえてね」
事前にそう言っておいたが、まぁ血を見るような騒動を引き起こすような馬鹿が出るとは思わない。
この子供がお互いにぶつかり合う競技の中で、そんな血みどろな惨劇を産みだすようなことをしでかすこと自体が考えられないからだ。
とはいえ、安全管理がされているとはいえ、激しいぶつかり合いになるからこそ、転倒や追突による事故もありえなくは無いので、仮保健室のような物も用意されているらしい。
とにもかくにも、始まった大闘争会。
プログラム内容は大まかに前世の運動会と変わらず、違うのは組み合わけが貴族と平民のそれぞれの学園対抗になっていることぐらいだろうか。
「良しみんな、絶対に勝つぞ!!貴族のお子様になんて、負けない心を見せてやるんだ!!」
「「「おおおおお!!」」」
「お前ら、絶対に平民に負けるな!!貴族としての誇りを見せつけてやれ!!」
「「「いぇぇぇあぁぁぁ!!」」」
普段はぶつかり合うことが無い、貴族と平民の学園同士。
そこまでお互いにライバル視をすることはないと思っていたが、こういう場面だからこそ隠れている部分が出るのか、お互いにライバル心のような物が見えるだろう。
今のところはこう、どろどろとした醜い争いになるようなものはないようだが…なってほしくも無いので、このまま平和に過ぎていってほしいものである。
ひとまずは意識を集中して…
「のぉおおおおおおおお!!」
「大玉が!!大玉がメッチャ迫ってくる!!」
「全力で逃げろぉおおお!!」
『さぁ、プログラム№3番、「大玉逃走」!!迫りくる大玉から一定時間以内逃げて、生き残った人数が多い方が勝利だが、どれほど生き残るのか!!』
「こういうのって、普通は大玉競争のほうだよね!?なんで逃走になるんだよぉおお!!」
『どうやら過去は競争でしたが、ある時謝って大玉が暴走して爆走し、その光景から必死に逃げるための足を見て、改変されたようでス。危機に立ち向かう勇気ある心も必要ですが、時として逃げるだけの力も子供たちに養ってほしいと、当時の国王が作ったものになりまス』
「「「絶対にその当時の国王、間違っているってぇぇぇぇぇ!!」」」」
貴族平民を問わず、同時に出た言葉。
ある意味、心が一つになるようなことができる仕掛けを残しているのは、流石と言うべきなのか…いや、迷君と言うべきなのか…?
『どうも、皆さまよろしくお願いいたしまス』
…ベクトラン闘技場内、特別実況席から送られてくる声。
本日、開催された大闘争会…前世で言うところの大運動会の会場となった闘技場の客席には様々な人が入り混じっており、参加した生徒たちの親も大勢来ている様子である。
【ジャック~こっちでしっかり見てますからね~!】
【なのなの、しっかりと頑張るのなの!】
ついでに言えば、ハクロ達もしっかりといるのだが、少しばかり人数が足りない。
ファイは先ほど聞こえてきた実況席のほうで解説役として参加しており、ルミのほうは王城から派遣されてきた警備の騎士たちと共に、警備に当たっているようだ。
【こういうお祭り騒ぎのような場所こそ、変な輩が出やすいからな…主殿の活躍の舞台を穢さぬように、しっかりとぶった切っておくから、安心してほしい】
「物騒過ぎるから、捕縛でどうにか押さえてね」
事前にそう言っておいたが、まぁ血を見るような騒動を引き起こすような馬鹿が出るとは思わない。
この子供がお互いにぶつかり合う競技の中で、そんな血みどろな惨劇を産みだすようなことをしでかすこと自体が考えられないからだ。
とはいえ、安全管理がされているとはいえ、激しいぶつかり合いになるからこそ、転倒や追突による事故もありえなくは無いので、仮保健室のような物も用意されているらしい。
とにもかくにも、始まった大闘争会。
プログラム内容は大まかに前世の運動会と変わらず、違うのは組み合わけが貴族と平民のそれぞれの学園対抗になっていることぐらいだろうか。
「良しみんな、絶対に勝つぞ!!貴族のお子様になんて、負けない心を見せてやるんだ!!」
「「「おおおおお!!」」」
「お前ら、絶対に平民に負けるな!!貴族としての誇りを見せつけてやれ!!」
「「「いぇぇぇあぁぁぁ!!」」」
普段はぶつかり合うことが無い、貴族と平民の学園同士。
そこまでお互いにライバル視をすることはないと思っていたが、こういう場面だからこそ隠れている部分が出るのか、お互いにライバル心のような物が見えるだろう。
今のところはこう、どろどろとした醜い争いになるようなものはないようだが…なってほしくも無いので、このまま平和に過ぎていってほしいものである。
ひとまずは意識を集中して…
「のぉおおおおおおおお!!」
「大玉が!!大玉がメッチャ迫ってくる!!」
「全力で逃げろぉおおお!!」
『さぁ、プログラム№3番、「大玉逃走」!!迫りくる大玉から一定時間以内逃げて、生き残った人数が多い方が勝利だが、どれほど生き残るのか!!』
「こういうのって、普通は大玉競争のほうだよね!?なんで逃走になるんだよぉおお!!」
『どうやら過去は競争でしたが、ある時謝って大玉が暴走して爆走し、その光景から必死に逃げるための足を見て、改変されたようでス。危機に立ち向かう勇気ある心も必要ですが、時として逃げるだけの力も子供たちに養ってほしいと、当時の国王が作ったものになりまス』
「「「絶対にその当時の国王、間違っているってぇぇぇぇぇ!!」」」」
貴族平民を問わず、同時に出た言葉。
ある意味、心が一つになるようなことができる仕掛けを残しているのは、流石と言うべきなのか…いや、迷君と言うべきなのか…?
42
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
破滅を逃れようとした、悪役令嬢のお話
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥その恋愛ゲームは、一見するとただの乙女ゲームの一つだろう。
けれども、何故かどの選択肢を選んだとしても、確実に悪役令嬢が破滅する。
そんなものに、何故かわたくしは転生してしまい‥‥‥いえ、絶望するのは早いでしょう。
そう、頑張れば多分、どうにかできますもの!!
これは、とある悪役令嬢に転生してしまった少女の話である‥‥‥‥
―――――――
(なお、この小説自体は作者の作品「帰らずの森のある騒動記」中の「とある悪魔の記録Ver.2その1~6」を大幅に簡略したうえで、この悪役令嬢視点でお送りしています。細かい流れなどを見たいのであれば、どちらもどうぞ)
異世界転移の……説明なし!
サイカ
ファンタジー
神木冬華(かみきとうか)28才OL。動物大好き、ネコ大好き。
仕事帰りいつもの道を歩いているといつの間にか周りが真っ暗闇。
しばらくすると突然視界が開け辺りを見渡すとそこはお城の屋根の上!? 無慈悲にも頭からまっ逆さまに落ちていく。
落ちていく途中で王子っぽいイケメンと目が合ったけれど落ちていく。そして…………
聞いたことのない国の名前に見たこともない草花。そして魔獣化してしまう動物達。
ここは異世界かな? 異世界だと思うけれど……どうやってここにきたのかわからない。
召喚されたわけでもないみたいだし、神様にも会っていない。元の世界で私がどうなっているのかもわからない。
私も異世界モノは好きでいろいろ読んできたから多少の知識はあると思い目立たないように慎重に行動していたつもりなのに……王族やら騎士団長やら関わらない方がよさそうな人達とばかりそうとは知らずに知り合ってしまう。
ピンチになったら大剣の勇者が現れ…………ない!
教会に行って祈ると神様と話せたり…………しない!
森で一緒になった相棒の三毛猫さんと共に、何の説明もなく異世界での生活を始めることになったお話。
※小説家になろうでも投稿しています。
白露の蜘蛛はあなたを愛しましょう ~転生者以上にチート過ぎませんか~ (仮)
志位斗 茂家波
ファンタジー
転生者というのは、チートを持っているのがお決まりのようなもの
少年ルドはそんな転生者の一人だったが、そんなものは持っていなかったが、それでも平穏に暮らせる今世を楽しんでいた。
しかしある日、とんでもなくチートな魔獣が押しかけてきて…!!
これは、チートを持たないのにチートを持つものに振り回される喜劇の物語である…
―――
小説家になろう様でも連載しております。
誤字脱字報告、その他意見などありましたら是非コメントをどうぞ。
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!
ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。
なのに突然のパーティークビ宣言!!
確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。
補助魔法師だ。
俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。
足手まといだから今日でパーティーはクビ??
そんな理由認められない!!!
俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな??
分かってるのか?
俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!!
ファンタジー初心者です。
温かい目で見てください(*'▽'*)
一万文字以下の短編の予定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる