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移り変わる季節と、変わる環境
log-090 闘技場のメンテナンス
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―――ベクトラン闘技場。
いざという時の緊急避難所としても利用されるこの場所だが、大闘争会のための会場としても利用するために、しっかりと日頃から定期的なメンテナンスが施されており、放置されっぱなしの場所ではない。
しかし、そもそもなぜこのような場所があるのかというのも謎があり、様々な調査が行われはしたが…
【それでも謎は解けず、結局のところ無害なのと頑丈なので、こういう時に使える全天候対応闘技場としての利用があると…メンテナンスしつつも、その内部構造や材質などは不明…本当に大丈夫な場所ですよネ?】
「そのはずだけれども、だからこそ万が一に備えて、生徒たちに何か起こらないように、闘技場の状態をギルドのほうでチェックを入れていくのよ」
「そうよ、ファイさんの主も今回の大闘争会に出るのでしょ?安全のためにも、しっかりと確認をしないとね」
大闘争会まであと三日となった頃、その闘技場内ではギルド職員たちによってメンテナンスが行われており、その中にファイの姿もあった。
ジャックの従魔であり、当初は経験目的でギルドの鑑定員としてのアルバイトに努めていた彼女だったが…なんやかんやあってその手腕が認められていき、今ではほぼ正式な職員と変わらない扱いとなっていた。
そのおかげもあって、大闘争会の解説役も務めることになったが…事前の下見も兼ねて、このメンテナンスにも加わったのである。
【それにしても、謎が多いだけあって確かに不思議でス。ちょっと、経験の糧にしようと捕食を試みましたが、出来ないようでス】
「え?スライムってなんでも食べれるイメージがあったけど…」
【スライムに限らず、モンスターはやろうと思えば何でも自身の糧にできるのですが…駄目ですね、弾かれるような感覚がしまス】
「ふむ、今まで従魔の攻撃を当てて耐久力を測定し、避難所として優れた耐久性を確認していたが…そのような感想を述べるとは、人の言葉ができるならではの興味深い話になるな」
腕を伸ばし闘技場のあちこちに触れてそう口にするファイの言葉に、他のギルド職員たちも興味深そうな声を上げる。
「ファイさん、慣れ親しんでいたけどそういえばスライムだっけ…スライムと言えば不定形だけど、人型だから普段忘れがちになるよね」
「いや、喧嘩をしていた冒険者相手に、0距離レーザーで脅した姿でモンスターだと分かるだろ…」
「セクハラをやろうとした馬鹿を、スライムならではの捕食で瞬時に衣服だけ全て溶かして社会的抹殺した光景も良かったよ」
職員の仲間として過ごしている中で、忘れそうにもなるが…しっかりとスライムなのだ。
そんなスライムの有名な特徴としては、色々と取り込めることだが…どうやらこの闘技場は取り込めないらしい。
腐食性が高いのかと思われそうだが…どうやらそれとはまた別の何かがあるようだ。
「改めて、この闘技場の謎が出てきたわね…スライムで融解実験はやったことがあるらしいけれども、その時は単純に溶けない素材…でも、弾かれる感覚と言う感想は初めてのはず」
「そもそもまともなスライムが人の言葉を話せないから、感想を聞こうにも分らないよな」
【モンスターの言語は基本、圧縮されていますからネ。理解できなくとも無理はないというか、大抵鳴き声にしか聞こえないらしいですシ】
感想が聞けたことで謎が増えたが、今はそれを詳しく追及できるようなものは無い。
あくまでも今はメンテナンスのために来ただけであり、そのような情報は後でその手の専門家へ流し、調査を依頼するしかないのである。
仕方が無いのでメンテナンスのほうに彼らは意識を向けつつも、一度疑問が出てくればその他のことにも追求したくなる思いがあふれ出てくるのであった…
「…それにしてもファイさんがスライムなおかげで、いちいち梯子など持ってこなくても、伸びたりするだけで片付くのが凄い楽よね」
【スライムですから、こういう作業はお手の物でス。レーザー…までいかずとも先端を光らせて暗い場所も見やすくしたり、隙間もこうやってじゅぞぞっと中に入り込めば…うん、問題なく確認できますネ】
「本当に便利だなスライム…クリーナースライムとかいうのが欲しがられたりするわけだ」
…ギルド内でも役に立つファイの能力。
スライム系統は最弱のイメージも持たれやすいが、その利便性はかなり優れているのであった。
いざという時の緊急避難所としても利用されるこの場所だが、大闘争会のための会場としても利用するために、しっかりと日頃から定期的なメンテナンスが施されており、放置されっぱなしの場所ではない。
しかし、そもそもなぜこのような場所があるのかというのも謎があり、様々な調査が行われはしたが…
【それでも謎は解けず、結局のところ無害なのと頑丈なので、こういう時に使える全天候対応闘技場としての利用があると…メンテナンスしつつも、その内部構造や材質などは不明…本当に大丈夫な場所ですよネ?】
「そのはずだけれども、だからこそ万が一に備えて、生徒たちに何か起こらないように、闘技場の状態をギルドのほうでチェックを入れていくのよ」
「そうよ、ファイさんの主も今回の大闘争会に出るのでしょ?安全のためにも、しっかりと確認をしないとね」
大闘争会まであと三日となった頃、その闘技場内ではギルド職員たちによってメンテナンスが行われており、その中にファイの姿もあった。
ジャックの従魔であり、当初は経験目的でギルドの鑑定員としてのアルバイトに努めていた彼女だったが…なんやかんやあってその手腕が認められていき、今ではほぼ正式な職員と変わらない扱いとなっていた。
そのおかげもあって、大闘争会の解説役も務めることになったが…事前の下見も兼ねて、このメンテナンスにも加わったのである。
【それにしても、謎が多いだけあって確かに不思議でス。ちょっと、経験の糧にしようと捕食を試みましたが、出来ないようでス】
「え?スライムってなんでも食べれるイメージがあったけど…」
【スライムに限らず、モンスターはやろうと思えば何でも自身の糧にできるのですが…駄目ですね、弾かれるような感覚がしまス】
「ふむ、今まで従魔の攻撃を当てて耐久力を測定し、避難所として優れた耐久性を確認していたが…そのような感想を述べるとは、人の言葉ができるならではの興味深い話になるな」
腕を伸ばし闘技場のあちこちに触れてそう口にするファイの言葉に、他のギルド職員たちも興味深そうな声を上げる。
「ファイさん、慣れ親しんでいたけどそういえばスライムだっけ…スライムと言えば不定形だけど、人型だから普段忘れがちになるよね」
「いや、喧嘩をしていた冒険者相手に、0距離レーザーで脅した姿でモンスターだと分かるだろ…」
「セクハラをやろうとした馬鹿を、スライムならではの捕食で瞬時に衣服だけ全て溶かして社会的抹殺した光景も良かったよ」
職員の仲間として過ごしている中で、忘れそうにもなるが…しっかりとスライムなのだ。
そんなスライムの有名な特徴としては、色々と取り込めることだが…どうやらこの闘技場は取り込めないらしい。
腐食性が高いのかと思われそうだが…どうやらそれとはまた別の何かがあるようだ。
「改めて、この闘技場の謎が出てきたわね…スライムで融解実験はやったことがあるらしいけれども、その時は単純に溶けない素材…でも、弾かれる感覚と言う感想は初めてのはず」
「そもそもまともなスライムが人の言葉を話せないから、感想を聞こうにも分らないよな」
【モンスターの言語は基本、圧縮されていますからネ。理解できなくとも無理はないというか、大抵鳴き声にしか聞こえないらしいですシ】
感想が聞けたことで謎が増えたが、今はそれを詳しく追及できるようなものは無い。
あくまでも今はメンテナンスのために来ただけであり、そのような情報は後でその手の専門家へ流し、調査を依頼するしかないのである。
仕方が無いのでメンテナンスのほうに彼らは意識を向けつつも、一度疑問が出てくればその他のことにも追求したくなる思いがあふれ出てくるのであった…
「…それにしてもファイさんがスライムなおかげで、いちいち梯子など持ってこなくても、伸びたりするだけで片付くのが凄い楽よね」
【スライムですから、こういう作業はお手の物でス。レーザー…までいかずとも先端を光らせて暗い場所も見やすくしたり、隙間もこうやってじゅぞぞっと中に入り込めば…うん、問題なく確認できますネ】
「本当に便利だなスライム…クリーナースライムとかいうのが欲しがられたりするわけだ」
…ギルド内でも役に立つファイの能力。
スライム系統は最弱のイメージも持たれやすいが、その利便性はかなり優れているのであった。
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