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移り変わる季節と、変わる環境
log-066 竜の炎と厄災の炎
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【---本気で、行きますよ】
【わかっているのなの】
【全力で、短い間に仕留めねば、主殿の頑張りが無駄になるからな】
【グボガァァァァァ!!】
大空を飛び、今もなおフレイムワイバーンたちを全身の穴から生み落とし、数を増やし続けているレッドドラゴン…いや、その姿は何かに寄生されたゾンビ化した末路のような物になっているため、『パラサイトドラゴン』と仮称し、ハクロ達はにらみつける。
先ほどのレーザーをジャックの魔法でどうにか防げたようだが、ほぼ運頼みのものだった。
二度目は流石に防げず、だからこそ相手が動くよりも早く、殲滅する必要がある。
しかし、あいにくながら相手は空中の化け物であり、基本地上戦な彼女たちでは不利。
フレイムワイバーン程度…いや、あのパラサイトドラゴンの生み出したものであればまだ弱い方なのでどうにかなるのだが、ドラゴンのほうはいまだに強さが未知数。
ゆえに、短期決戦で全力をぶちかまし、全てを出し切られるまえに倒すのみ。
【操糸、全力…巨大副腕セット!!】
【周囲の栄養、ちょっともらうなの!!ジャイアントツリー、発芽!!】
【ヘッドオン!!氷炎纏い!!】
各自素早く本気を出し、殲滅の構えを取る。
普段こそ心優しい彼女たちだが、普段は本気を出していないだけ。
モンスターとしての本能よりも、人と過ごすための理性のほうが上回っており、ある程度加減していた部分もあった。
…だがしかし、今は状況が違う。
このまま放置すれば確実にドラゴン及びワイバーンたちは猛攻を仕掛けて来て、この場の皆の命が危なくなる。
いや、それも大事だが…何よりも一番守りたいのは、ジャックの命だ。
【大事な大事な、私の番を疲弊させ】
【このままでは命を奪う相手を】
【野放しにするわけが、無いだろう!!】
ごうっと音が聞こえるような気迫を纏い、それぞれ本気の力をぶちまける。
巨大な糸の拳が宙を舞い、ワイバーンたちを叩き潰し、撃ち落とす。
極悪な木の根が寸分たがわず地上から瞬時に生えそろい、その身を貫いていく。
あの世からの炎がワイバーンの吐く炎すらも凍らしてしまい、全てを氷結させ砕いていく。
どれほど数が増えようとも、彼女たちの前には敵ではなかった。
通常の竜種のワイバーンならばまだしも、異常な方法で増殖したワイバーンたちは確かに脅威だっただろうが、それでも怒りを前にすれば焼き尽くされていくのみ。
竜種のスペックがどのようなものであったとしても、今の彼女たちは負ける気はしないのであった…
…そしてそんな彼女たちの戦闘が繰り広げられる中、遠い場所からその様子を観察している者がいた。
そのことに、今はまだ気が付かれていない。
だが、着実に見ており…記録に残し、どのようなものか調べていく。
貴重な記録を得られるとして、意気揚々と励むそのものの頭には…大きな角が、横についていたのであった…
【わかっているのなの】
【全力で、短い間に仕留めねば、主殿の頑張りが無駄になるからな】
【グボガァァァァァ!!】
大空を飛び、今もなおフレイムワイバーンたちを全身の穴から生み落とし、数を増やし続けているレッドドラゴン…いや、その姿は何かに寄生されたゾンビ化した末路のような物になっているため、『パラサイトドラゴン』と仮称し、ハクロ達はにらみつける。
先ほどのレーザーをジャックの魔法でどうにか防げたようだが、ほぼ運頼みのものだった。
二度目は流石に防げず、だからこそ相手が動くよりも早く、殲滅する必要がある。
しかし、あいにくながら相手は空中の化け物であり、基本地上戦な彼女たちでは不利。
フレイムワイバーン程度…いや、あのパラサイトドラゴンの生み出したものであればまだ弱い方なのでどうにかなるのだが、ドラゴンのほうはいまだに強さが未知数。
ゆえに、短期決戦で全力をぶちかまし、全てを出し切られるまえに倒すのみ。
【操糸、全力…巨大副腕セット!!】
【周囲の栄養、ちょっともらうなの!!ジャイアントツリー、発芽!!】
【ヘッドオン!!氷炎纏い!!】
各自素早く本気を出し、殲滅の構えを取る。
普段こそ心優しい彼女たちだが、普段は本気を出していないだけ。
モンスターとしての本能よりも、人と過ごすための理性のほうが上回っており、ある程度加減していた部分もあった。
…だがしかし、今は状況が違う。
このまま放置すれば確実にドラゴン及びワイバーンたちは猛攻を仕掛けて来て、この場の皆の命が危なくなる。
いや、それも大事だが…何よりも一番守りたいのは、ジャックの命だ。
【大事な大事な、私の番を疲弊させ】
【このままでは命を奪う相手を】
【野放しにするわけが、無いだろう!!】
ごうっと音が聞こえるような気迫を纏い、それぞれ本気の力をぶちまける。
巨大な糸の拳が宙を舞い、ワイバーンたちを叩き潰し、撃ち落とす。
極悪な木の根が寸分たがわず地上から瞬時に生えそろい、その身を貫いていく。
あの世からの炎がワイバーンの吐く炎すらも凍らしてしまい、全てを氷結させ砕いていく。
どれほど数が増えようとも、彼女たちの前には敵ではなかった。
通常の竜種のワイバーンならばまだしも、異常な方法で増殖したワイバーンたちは確かに脅威だっただろうが、それでも怒りを前にすれば焼き尽くされていくのみ。
竜種のスペックがどのようなものであったとしても、今の彼女たちは負ける気はしないのであった…
…そしてそんな彼女たちの戦闘が繰り広げられる中、遠い場所からその様子を観察している者がいた。
そのことに、今はまだ気が付かれていない。
だが、着実に見ており…記録に残し、どのようなものか調べていく。
貴重な記録を得られるとして、意気揚々と励むそのものの頭には…大きな角が、横についていたのであった…
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