62 / 178
移り変わる季節と、変わる環境
log-058 火急の用事は火球のマッチョが
しおりを挟む
…学園内の夏季休暇、寮を出て故郷で過ごすには申請が必要であり、その手続きもすぐに終わる。
ある程度の荷物をまとめつつ、再び寮へ戻ってくるため、最初に訪れた時よりも少ない量で荷物がまとまったのは良いことだろう。
「人数的には、増えているけどね…ハクロ達の私物って少ないというか、なんというか」
【私は自分の糸で色々と補えますし、衣服はここに大半残せますからね】
【ミーは花壇のほうに、色々植えているから問題ないのなの。中には、夏季の宿題として育てたい人もいたようだから、貸しているのもあるのなの】
【我は元々、この鎧と剣が一番のもので、他は特にないからな…手入れ用の道具はこの工具箱一つで済むのもあるな】
メンツは初めてここに来た時より増えたが、それでも手荷物が少ないのは良いだろう。
その分、村へのお土産も多く持って帰りやすいし、両親や村の人に喜ばれそうだ。
「まぁ、手紙で知らせているとはいえ、ナモアリ村の時から比べてカトレアにルミが増えたことに関しては…そこは驚いているだろうなぁ」
【手紙でわかっていても、驚く顔が目に浮かびますよね】
ハクロで慣れた部分もあるだろうが、それでも増えた従魔たち。
嘘も誇張もなく書いており、信じてくれていても…実際に目の当たりにしたら、どうなるのやら。
「それもそれで、ちょっと楽しみだったりするけどね…二人とも、その分気を使っておとなしくしていたほうがいいかも」
【わかっているのなの】
【いざとなれば、霧を起こして身を隠すこともできるから、安心してほしい】
デュラハンの特徴の一つ、霧を起こす能力。
それで身を隠す…不自然過ぎるような気がしなくもないが、その手もありだろう。
何にしても、村への帰郷を楽しみにしつつ、そのための馬車便の予定表を確認するのであった…
「できれば、王都前の旅路と同じくガンゴードさんとタゴサックの馬車に乗りたいけど…うん、ちょうどいい時に、乗れそうだ」
【我は初めてだが…他の者は乗ったのだろう?どういう者たちだ?】
【御者は普通の人間、引くのは馬ではなく熊ですね】
【腕多いのなの!!おもしろいのなの!!】
【…馬車なのに、熊?】
「あー…まぁ、戸惑うのも無理はないよね…」
―――和気あいあいと帰郷の日程を組みつつ、その時が迫るのを楽しむジャックたち。
そんな中、王都のギルドにある一通のマッチョなハトが突っ込んだ。
【マヂョボッボォオオオオオオウ!!】
「うぉぉ!!なんだなんだ、真っ赤に燃える、焼き鳥が突っ込んできたぞ!!」
「違う、火急の用事に使われる、火球と化して突っ込んでくるフレイムマチョポッポ便だ!!」
ごうごうと燃え盛りながら、耐火容器に入った手紙を受付に出すマチョポッポ。
このポッポ便は緊急時に使用されるものであり、嫌な予感がギルド内に駆け巡る。
すぐさまギルドマスターがやってきて、その内容を読み…目を見開いた。
「なっ…!!冒険者及び傭兵、その他騎士団へも緊急要請を出せ!!」
「どうしたんですか、ギルドマスター!!」
「カルク領内の都市カルクリアンにあるギルドのギルドマスター及び、その領地を治める男爵からの、緊急事態の連絡だ!!領内に、竜種が…!!」
ある程度の荷物をまとめつつ、再び寮へ戻ってくるため、最初に訪れた時よりも少ない量で荷物がまとまったのは良いことだろう。
「人数的には、増えているけどね…ハクロ達の私物って少ないというか、なんというか」
【私は自分の糸で色々と補えますし、衣服はここに大半残せますからね】
【ミーは花壇のほうに、色々植えているから問題ないのなの。中には、夏季の宿題として育てたい人もいたようだから、貸しているのもあるのなの】
【我は元々、この鎧と剣が一番のもので、他は特にないからな…手入れ用の道具はこの工具箱一つで済むのもあるな】
メンツは初めてここに来た時より増えたが、それでも手荷物が少ないのは良いだろう。
その分、村へのお土産も多く持って帰りやすいし、両親や村の人に喜ばれそうだ。
「まぁ、手紙で知らせているとはいえ、ナモアリ村の時から比べてカトレアにルミが増えたことに関しては…そこは驚いているだろうなぁ」
【手紙でわかっていても、驚く顔が目に浮かびますよね】
ハクロで慣れた部分もあるだろうが、それでも増えた従魔たち。
嘘も誇張もなく書いており、信じてくれていても…実際に目の当たりにしたら、どうなるのやら。
「それもそれで、ちょっと楽しみだったりするけどね…二人とも、その分気を使っておとなしくしていたほうがいいかも」
【わかっているのなの】
【いざとなれば、霧を起こして身を隠すこともできるから、安心してほしい】
デュラハンの特徴の一つ、霧を起こす能力。
それで身を隠す…不自然過ぎるような気がしなくもないが、その手もありだろう。
何にしても、村への帰郷を楽しみにしつつ、そのための馬車便の予定表を確認するのであった…
「できれば、王都前の旅路と同じくガンゴードさんとタゴサックの馬車に乗りたいけど…うん、ちょうどいい時に、乗れそうだ」
【我は初めてだが…他の者は乗ったのだろう?どういう者たちだ?】
【御者は普通の人間、引くのは馬ではなく熊ですね】
【腕多いのなの!!おもしろいのなの!!】
【…馬車なのに、熊?】
「あー…まぁ、戸惑うのも無理はないよね…」
―――和気あいあいと帰郷の日程を組みつつ、その時が迫るのを楽しむジャックたち。
そんな中、王都のギルドにある一通のマッチョなハトが突っ込んだ。
【マヂョボッボォオオオオオオウ!!】
「うぉぉ!!なんだなんだ、真っ赤に燃える、焼き鳥が突っ込んできたぞ!!」
「違う、火急の用事に使われる、火球と化して突っ込んでくるフレイムマチョポッポ便だ!!」
ごうごうと燃え盛りながら、耐火容器に入った手紙を受付に出すマチョポッポ。
このポッポ便は緊急時に使用されるものであり、嫌な予感がギルド内に駆け巡る。
すぐさまギルドマスターがやってきて、その内容を読み…目を見開いた。
「なっ…!!冒険者及び傭兵、その他騎士団へも緊急要請を出せ!!」
「どうしたんですか、ギルドマスター!!」
「カルク領内の都市カルクリアンにあるギルドのギルドマスター及び、その領地を治める男爵からの、緊急事態の連絡だ!!領内に、竜種が…!!」
40
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw
かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます!
って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑)
フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。


てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。


【完結】「図書館に居ましたので」で済む話でしょうに。婚約者様?
BBやっこ
恋愛
婚約者が煩いのはいつもの事ですが、場所と場合を選んでいただきたいものです。
婚約破棄の話が当事者同士で終わるわけがないし
こんな麗かなお茶会で、他の女を連れて言う事じゃないでしょうに。
この場所で貴方達の味方はいるのかしら?
【2023/7/31 24h. 9,201 pt (188位)】達成

先にわかっているからこそ、用意だけならできたとある婚約破棄騒動
志位斗 茂家波
ファンタジー
調査して準備ができれば、怖くはない。
むしろ、当事者なのに第3者視点でいることができるほどの余裕が持てるのである。
よくある婚約破棄とは言え、のんびり対応できるのだ!!
‥‥‥たまに書きたくなる婚約破棄騒動。
ゲスト、テンプレ入り混じりつつ、お楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる