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移り変わる季節と、変わる環境
log-058 火急の用事は火球のマッチョが
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…学園内の夏季休暇、寮を出て故郷で過ごすには申請が必要であり、その手続きもすぐに終わる。
ある程度の荷物をまとめつつ、再び寮へ戻ってくるため、最初に訪れた時よりも少ない量で荷物がまとまったのは良いことだろう。
「人数的には、増えているけどね…ハクロ達の私物って少ないというか、なんというか」
【私は自分の糸で色々と補えますし、衣服はここに大半残せますからね】
【ミーは花壇のほうに、色々植えているから問題ないのなの。中には、夏季の宿題として育てたい人もいたようだから、貸しているのもあるのなの】
【我は元々、この鎧と剣が一番のもので、他は特にないからな…手入れ用の道具はこの工具箱一つで済むのもあるな】
メンツは初めてここに来た時より増えたが、それでも手荷物が少ないのは良いだろう。
その分、村へのお土産も多く持って帰りやすいし、両親や村の人に喜ばれそうだ。
「まぁ、手紙で知らせているとはいえ、ナモアリ村の時から比べてカトレアにルミが増えたことに関しては…そこは驚いているだろうなぁ」
【手紙でわかっていても、驚く顔が目に浮かびますよね】
ハクロで慣れた部分もあるだろうが、それでも増えた従魔たち。
嘘も誇張もなく書いており、信じてくれていても…実際に目の当たりにしたら、どうなるのやら。
「それもそれで、ちょっと楽しみだったりするけどね…二人とも、その分気を使っておとなしくしていたほうがいいかも」
【わかっているのなの】
【いざとなれば、霧を起こして身を隠すこともできるから、安心してほしい】
デュラハンの特徴の一つ、霧を起こす能力。
それで身を隠す…不自然過ぎるような気がしなくもないが、その手もありだろう。
何にしても、村への帰郷を楽しみにしつつ、そのための馬車便の予定表を確認するのであった…
「できれば、王都前の旅路と同じくガンゴードさんとタゴサックの馬車に乗りたいけど…うん、ちょうどいい時に、乗れそうだ」
【我は初めてだが…他の者は乗ったのだろう?どういう者たちだ?】
【御者は普通の人間、引くのは馬ではなく熊ですね】
【腕多いのなの!!おもしろいのなの!!】
【…馬車なのに、熊?】
「あー…まぁ、戸惑うのも無理はないよね…」
―――和気あいあいと帰郷の日程を組みつつ、その時が迫るのを楽しむジャックたち。
そんな中、王都のギルドにある一通のマッチョなハトが突っ込んだ。
【マヂョボッボォオオオオオオウ!!】
「うぉぉ!!なんだなんだ、真っ赤に燃える、焼き鳥が突っ込んできたぞ!!」
「違う、火急の用事に使われる、火球と化して突っ込んでくるフレイムマチョポッポ便だ!!」
ごうごうと燃え盛りながら、耐火容器に入った手紙を受付に出すマチョポッポ。
このポッポ便は緊急時に使用されるものであり、嫌な予感がギルド内に駆け巡る。
すぐさまギルドマスターがやってきて、その内容を読み…目を見開いた。
「なっ…!!冒険者及び傭兵、その他騎士団へも緊急要請を出せ!!」
「どうしたんですか、ギルドマスター!!」
「カルク領内の都市カルクリアンにあるギルドのギルドマスター及び、その領地を治める男爵からの、緊急事態の連絡だ!!領内に、竜種が…!!」
ある程度の荷物をまとめつつ、再び寮へ戻ってくるため、最初に訪れた時よりも少ない量で荷物がまとまったのは良いことだろう。
「人数的には、増えているけどね…ハクロ達の私物って少ないというか、なんというか」
【私は自分の糸で色々と補えますし、衣服はここに大半残せますからね】
【ミーは花壇のほうに、色々植えているから問題ないのなの。中には、夏季の宿題として育てたい人もいたようだから、貸しているのもあるのなの】
【我は元々、この鎧と剣が一番のもので、他は特にないからな…手入れ用の道具はこの工具箱一つで済むのもあるな】
メンツは初めてここに来た時より増えたが、それでも手荷物が少ないのは良いだろう。
その分、村へのお土産も多く持って帰りやすいし、両親や村の人に喜ばれそうだ。
「まぁ、手紙で知らせているとはいえ、ナモアリ村の時から比べてカトレアにルミが増えたことに関しては…そこは驚いているだろうなぁ」
【手紙でわかっていても、驚く顔が目に浮かびますよね】
ハクロで慣れた部分もあるだろうが、それでも増えた従魔たち。
嘘も誇張もなく書いており、信じてくれていても…実際に目の当たりにしたら、どうなるのやら。
「それもそれで、ちょっと楽しみだったりするけどね…二人とも、その分気を使っておとなしくしていたほうがいいかも」
【わかっているのなの】
【いざとなれば、霧を起こして身を隠すこともできるから、安心してほしい】
デュラハンの特徴の一つ、霧を起こす能力。
それで身を隠す…不自然過ぎるような気がしなくもないが、その手もありだろう。
何にしても、村への帰郷を楽しみにしつつ、そのための馬車便の予定表を確認するのであった…
「できれば、王都前の旅路と同じくガンゴードさんとタゴサックの馬車に乗りたいけど…うん、ちょうどいい時に、乗れそうだ」
【我は初めてだが…他の者は乗ったのだろう?どういう者たちだ?】
【御者は普通の人間、引くのは馬ではなく熊ですね】
【腕多いのなの!!おもしろいのなの!!】
【…馬車なのに、熊?】
「あー…まぁ、戸惑うのも無理はないよね…」
―――和気あいあいと帰郷の日程を組みつつ、その時が迫るのを楽しむジャックたち。
そんな中、王都のギルドにある一通のマッチョなハトが突っ込んだ。
【マヂョボッボォオオオオオオウ!!】
「うぉぉ!!なんだなんだ、真っ赤に燃える、焼き鳥が突っ込んできたぞ!!」
「違う、火急の用事に使われる、火球と化して突っ込んでくるフレイムマチョポッポ便だ!!」
ごうごうと燃え盛りながら、耐火容器に入った手紙を受付に出すマチョポッポ。
このポッポ便は緊急時に使用されるものであり、嫌な予感がギルド内に駆け巡る。
すぐさまギルドマスターがやってきて、その内容を読み…目を見開いた。
「なっ…!!冒険者及び傭兵、その他騎士団へも緊急要請を出せ!!」
「どうしたんですか、ギルドマスター!!」
「カルク領内の都市カルクリアンにあるギルドのギルドマスター及び、その領地を治める男爵からの、緊急事態の連絡だ!!領内に、竜種が…!!」
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