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訪れる学園生活
log-052 紐にならぬようにしたいところ
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…基本的に、学生寮に住まう生活は、そこまで不自由なことはない。
だがしかし、本やお菓子等の娯楽品に関しては、自前の所持金で賄う必要がある。
学生の場合、親からのお小遣いやアルバイトが許可されているため、そちらの方で稼いだりするわけだが…ジャックたちに関しては、ギルドで素材を下ろすほうでお金を稼げてはいる。
従魔がいるからの利点であり、ある程度の需要と供給による買取金額に左右されるとはいえ、それでも0ではない収入を得られるのは非常にありがたいことだろう。
「でも、そう考えるとこう…ヒモとかいう扱いになりそうなのが…」
【ヒモ?】
【ミーたちの分で、卒業後も十分楽できるのは良いとは思うのなの】
【我らが、主殿へ尽くすのは問題ないとは思うのだが】
「金銭等の生活面では良いけど…メンタル的にね」
ハクロ達の素材で十分稼げるのは良いのだが、肝心の自分が何もできていないのはいささか不安になってしまうところ。
将来的に卒業後には何かしらの安定した職に就きたいとは思っており、そこで稼ぐのは良い。
けれども、出来れば今の方も彼女たち頼りになり過ぎないようにしたいという思いもあるのだ。
そう考えると、将来のための経験も兼ねて、何かしらの稼ぐ手段を手に入れたいところである。
しかし、いくらバイトが許可されているとはいえ、まだまだやれる範囲は決まっている。
なのでここは、やれることを探るべく…
「王都内の、散策と…こういうのが良いよね」
休日を利用した、王都内の散策。
寮を出てこの王都内の様々な店を巡り歩き、やれるアルバイトや将来的になりたく思えるような職業をこの目で見て探すのだ。
なお、ハクロ達も一緒に散策することも可能だったが、たまには一人でめぐりたい時間もある。
そのため、こればかりはちょっと別行動として…ハクロがかなり惜しがっていたが、それでもどうにか一人で巡り歩くことにした。
「さてと、いいもの見つかるかなー」
【…ううっ、物凄く不安ですよ。ジャックを一人で、散策させるなんて…】
【ハクロ、心配し過ぎなの。彼を信じるのも良いとも思うのなの】
【うむ、主殿はまだまだ子供だが、一人で立派にできると祈らずして何が従魔か】
【そう思うのなら…二人とも、何故私と同じように隠れて見守っているのでしょうかね】
【【…】】
ハクロのジトっとした目に対して、目を背けるカトレアとルミ。
ジャックにわからないように身をしっかりと隠した状態でありつつ、その気配をしっかりと追跡していた。
【ま、まぁ騎士だから…だな。うん。主殿、他にも何か付けている気配があるから、何かがあっても良い様にするのは当然のことであろう?】
【そうなのそうなの】
【むぅ…別に良いですが】
納得はできないが、ここで争う意味はないだろう。
そう判断し、ハクロ達は身を潜め、ジャックの後を付ける。
他にも何か色々と突いてきている気配もあるが、まだこれといった問題があるようなものは無い。
どちらかと言えば、同じような見守る雰囲気と言うか、周囲を警戒している様子があるので、ある程度はそちらに任せたほうが良いのだろう。
(…というか多分、私たちを従えているジャックに対しての、国の監視のようなものですかね。何かあれば困るのは、私たちもそうですが…)
ある程度察しているハクロではあったが、利用できるならしたほうが良いかと考え、追跡に意識を戻すのであった…
だがしかし、本やお菓子等の娯楽品に関しては、自前の所持金で賄う必要がある。
学生の場合、親からのお小遣いやアルバイトが許可されているため、そちらの方で稼いだりするわけだが…ジャックたちに関しては、ギルドで素材を下ろすほうでお金を稼げてはいる。
従魔がいるからの利点であり、ある程度の需要と供給による買取金額に左右されるとはいえ、それでも0ではない収入を得られるのは非常にありがたいことだろう。
「でも、そう考えるとこう…ヒモとかいう扱いになりそうなのが…」
【ヒモ?】
【ミーたちの分で、卒業後も十分楽できるのは良いとは思うのなの】
【我らが、主殿へ尽くすのは問題ないとは思うのだが】
「金銭等の生活面では良いけど…メンタル的にね」
ハクロ達の素材で十分稼げるのは良いのだが、肝心の自分が何もできていないのはいささか不安になってしまうところ。
将来的に卒業後には何かしらの安定した職に就きたいとは思っており、そこで稼ぐのは良い。
けれども、出来れば今の方も彼女たち頼りになり過ぎないようにしたいという思いもあるのだ。
そう考えると、将来のための経験も兼ねて、何かしらの稼ぐ手段を手に入れたいところである。
しかし、いくらバイトが許可されているとはいえ、まだまだやれる範囲は決まっている。
なのでここは、やれることを探るべく…
「王都内の、散策と…こういうのが良いよね」
休日を利用した、王都内の散策。
寮を出てこの王都内の様々な店を巡り歩き、やれるアルバイトや将来的になりたく思えるような職業をこの目で見て探すのだ。
なお、ハクロ達も一緒に散策することも可能だったが、たまには一人でめぐりたい時間もある。
そのため、こればかりはちょっと別行動として…ハクロがかなり惜しがっていたが、それでもどうにか一人で巡り歩くことにした。
「さてと、いいもの見つかるかなー」
【…ううっ、物凄く不安ですよ。ジャックを一人で、散策させるなんて…】
【ハクロ、心配し過ぎなの。彼を信じるのも良いとも思うのなの】
【うむ、主殿はまだまだ子供だが、一人で立派にできると祈らずして何が従魔か】
【そう思うのなら…二人とも、何故私と同じように隠れて見守っているのでしょうかね】
【【…】】
ハクロのジトっとした目に対して、目を背けるカトレアとルミ。
ジャックにわからないように身をしっかりと隠した状態でありつつ、その気配をしっかりと追跡していた。
【ま、まぁ騎士だから…だな。うん。主殿、他にも何か付けている気配があるから、何かがあっても良い様にするのは当然のことであろう?】
【そうなのそうなの】
【むぅ…別に良いですが】
納得はできないが、ここで争う意味はないだろう。
そう判断し、ハクロ達は身を潜め、ジャックの後を付ける。
他にも何か色々と突いてきている気配もあるが、まだこれといった問題があるようなものは無い。
どちらかと言えば、同じような見守る雰囲気と言うか、周囲を警戒している様子があるので、ある程度はそちらに任せたほうが良いのだろう。
(…というか多分、私たちを従えているジャックに対しての、国の監視のようなものですかね。何かあれば困るのは、私たちもそうですが…)
ある程度察しているハクロではあったが、利用できるならしたほうが良いかと考え、追跡に意識を戻すのであった…
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