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訪れる学園生活
log-042 目的は忘れずに
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…自業自得な、最後の怨念の様な呪いによる悲劇とも喜劇とも言える話は置いておくとして、今はここに来た目的を行わなければいけない。
そう、何故か従魔を介してならば発動できる魔法と、その魔法の数の増加に関して。
魔法だけではなく、モンスターに関してのものもあるだろうからこそ、その専門家と言えるシルフィさんを呼ぶことになったのだが…
「ふむふむふむ…これは非常に興味深いわね…従魔の魔石を利用した魔法実験は確かにあるけど、成功した事例はなかった。契約によるつながりがあるとはいえ、モンスター自体が生きているからこそ、その魔石に対しての生体防御が働き、主からの魔力の作用を受けられらないという結論が付いていたはずだが…」
ぽうっと手を光らし、魔法を使っている僕らを分析しながらそう口にするシルフィさん。
その様子は見た目がエルフだからこそ美しくもあり、様になっていると言えるだろう。
中身を知らなければ、それこそエルフのイメージにしっくりする光景になっている。
「生体防御…ということはつまり、ハクロ達の体内の魔石は、僕らの干渉を許していると?」
「そうなるね。でも、どれほど絆が強い関係だとしても、基本は防がれるはずだから…従魔たちの種族自体が相当珍しい類だから、その影響を受けているのかもしれないが…大きな要因としては、君の方にあると言って良いだろう」
ハクロ達が特殊だから起こりえた要因かと思いきや、そうでもないらしい。
原因はジャックのほうにあると、シルフィは断言する。
【ジャックのほうにですか…私たちが原因ってことはないのですか?】
「無いね、確実に。君たちがどれほど珍しいモンスターだとしても、その中の魔石の性質は変えようがない。いや、もっと深く分析できれば多少異なるところが見えるかもしれないが…基本的に魔法の杖を繰る材料になる時点で、魔石のほうがより多くの研究をされているからこそ、わかってしまうんだ‥‥何で、その魔石を生み出すもとになるモンスターよりも、魔石のほうが…!!」
ぐっとこぶしを握り締め、物凄く悔しそうな声を上げるシルフィ。
研究者としては得られるデータが多くなるのは良いことなのだが、彼女にとってのメインはモンスターの方であり、その他の素材や魔石といった副産物では複雑な気持ちしか抱けないのである。
「だけどだけど、ここにきて君たちが出てくれたのは素晴らしいことなんだ!!そう、モンスター界隈の中でも珍しいアラクネにアルラウネ!!しかも、通常種とは異なるようにも見えるし、ああ、ああ!!もっと深く深く調べ尽、」
「そこまで」
ごきっ
「こひゅっ」
【…今、明らかに首が】
「大丈夫です。この方はこの程度でくたばることは無いですからね」
何やら研究者としての熱がヒートアップしすぎそうになっていたところで、お目付け役であるというカンナさんが素早く後ろに回り込み、ちょっと首をあらぬ方向に曲げて強制的に止めた。
常人であれば確実に逝ってしまうだろうが…エルフは寿命が人間よりも長いからこそ、身体もそこそこ丈夫にできているらしく、このぐらいの仕置きならば問題ないらしい。
「流石に首が飛んだら駄目ですが、そうでない限りは本当にしつこいぐらい…この収め方を習得するだけでもそれなりにかかりましたからねぇ」
物凄く苦労したように溜息を吐き、疲れ切った目をするカンナさん。
節々に何やら抱え込んだ苦労が垣間見えるようである。
「いたたた…この止め方はやめてほしいって、前に言ったと思うんだけど…」
「なら、空中に投げて、固定し顔からたたきつけて黙らせる方法を望まれますか?」
「…すみません、首で良いです」
既に味わったことがあるのか、すんっとすぐに引っ込むシルフィさん。
いわゆるいづな落としだとかサイドロックボムなどと呼ばれるような方法を、受けていたのか…というか、本当に何事もなかったかのように、平然と起き上がっていることにも驚かされるだろう。
とにもかくにも、そのあと数回ほど確認してもらい、どういう状態になっているのか詳しく知ることになった。
ハクロ達の影響が完全に0ではないとはいえ、それでも何やら…僕自身のほうに影響があるので、今すぐにでも従魔を利用した魔法の悪用をする輩が出る可能性はなさそうだ。
「ですが、その分ジャック、貴方が狙われる可能性がありますね。なので、この件に関しては…いったん保留として、上の方にあずからせてもらうことにするわ」
せっかく杖無しで魔法が使えたとはいえ、この特異性に関しては色々と手を回す必要があるようで、当分使わせてもらえないらしい。
残念に思いつつも、面倒事を避けるためならば素直に従うのであった…
【まぁ、まずジャックが狙われるようなことがあっても、私たちがそれを許す気は無いですね】
【敵、潰す。これ、自然の掟。危害を加えるもの、養分にしていいと知識にある】
…早めに解決して、魔法が使えたらいいなぁ。何か物騒な声が聞こえたけど、聞こえなかったふりをしようかな。
そう、何故か従魔を介してならば発動できる魔法と、その魔法の数の増加に関して。
魔法だけではなく、モンスターに関してのものもあるだろうからこそ、その専門家と言えるシルフィさんを呼ぶことになったのだが…
「ふむふむふむ…これは非常に興味深いわね…従魔の魔石を利用した魔法実験は確かにあるけど、成功した事例はなかった。契約によるつながりがあるとはいえ、モンスター自体が生きているからこそ、その魔石に対しての生体防御が働き、主からの魔力の作用を受けられらないという結論が付いていたはずだが…」
ぽうっと手を光らし、魔法を使っている僕らを分析しながらそう口にするシルフィさん。
その様子は見た目がエルフだからこそ美しくもあり、様になっていると言えるだろう。
中身を知らなければ、それこそエルフのイメージにしっくりする光景になっている。
「生体防御…ということはつまり、ハクロ達の体内の魔石は、僕らの干渉を許していると?」
「そうなるね。でも、どれほど絆が強い関係だとしても、基本は防がれるはずだから…従魔たちの種族自体が相当珍しい類だから、その影響を受けているのかもしれないが…大きな要因としては、君の方にあると言って良いだろう」
ハクロ達が特殊だから起こりえた要因かと思いきや、そうでもないらしい。
原因はジャックのほうにあると、シルフィは断言する。
【ジャックのほうにですか…私たちが原因ってことはないのですか?】
「無いね、確実に。君たちがどれほど珍しいモンスターだとしても、その中の魔石の性質は変えようがない。いや、もっと深く分析できれば多少異なるところが見えるかもしれないが…基本的に魔法の杖を繰る材料になる時点で、魔石のほうがより多くの研究をされているからこそ、わかってしまうんだ‥‥何で、その魔石を生み出すもとになるモンスターよりも、魔石のほうが…!!」
ぐっとこぶしを握り締め、物凄く悔しそうな声を上げるシルフィ。
研究者としては得られるデータが多くなるのは良いことなのだが、彼女にとってのメインはモンスターの方であり、その他の素材や魔石といった副産物では複雑な気持ちしか抱けないのである。
「だけどだけど、ここにきて君たちが出てくれたのは素晴らしいことなんだ!!そう、モンスター界隈の中でも珍しいアラクネにアルラウネ!!しかも、通常種とは異なるようにも見えるし、ああ、ああ!!もっと深く深く調べ尽、」
「そこまで」
ごきっ
「こひゅっ」
【…今、明らかに首が】
「大丈夫です。この方はこの程度でくたばることは無いですからね」
何やら研究者としての熱がヒートアップしすぎそうになっていたところで、お目付け役であるというカンナさんが素早く後ろに回り込み、ちょっと首をあらぬ方向に曲げて強制的に止めた。
常人であれば確実に逝ってしまうだろうが…エルフは寿命が人間よりも長いからこそ、身体もそこそこ丈夫にできているらしく、このぐらいの仕置きならば問題ないらしい。
「流石に首が飛んだら駄目ですが、そうでない限りは本当にしつこいぐらい…この収め方を習得するだけでもそれなりにかかりましたからねぇ」
物凄く苦労したように溜息を吐き、疲れ切った目をするカンナさん。
節々に何やら抱え込んだ苦労が垣間見えるようである。
「いたたた…この止め方はやめてほしいって、前に言ったと思うんだけど…」
「なら、空中に投げて、固定し顔からたたきつけて黙らせる方法を望まれますか?」
「…すみません、首で良いです」
既に味わったことがあるのか、すんっとすぐに引っ込むシルフィさん。
いわゆるいづな落としだとかサイドロックボムなどと呼ばれるような方法を、受けていたのか…というか、本当に何事もなかったかのように、平然と起き上がっていることにも驚かされるだろう。
とにもかくにも、そのあと数回ほど確認してもらい、どういう状態になっているのか詳しく知ることになった。
ハクロ達の影響が完全に0ではないとはいえ、それでも何やら…僕自身のほうに影響があるので、今すぐにでも従魔を利用した魔法の悪用をする輩が出る可能性はなさそうだ。
「ですが、その分ジャック、貴方が狙われる可能性がありますね。なので、この件に関しては…いったん保留として、上の方にあずからせてもらうことにするわ」
せっかく杖無しで魔法が使えたとはいえ、この特異性に関しては色々と手を回す必要があるようで、当分使わせてもらえないらしい。
残念に思いつつも、面倒事を避けるためならば素直に従うのであった…
【まぁ、まずジャックが狙われるようなことがあっても、私たちがそれを許す気は無いですね】
【敵、潰す。これ、自然の掟。危害を加えるもの、養分にしていいと知識にある】
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