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王都への道のり
log-027 自由を求める心はここに
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…起床したら、謎の植物少女が咲いてました。
何を言っているのか自分でもわからなくなりそうだが、事実なのは間違いない。
「これは…一体なんだ?」
【ミー?】
問いかけに対して、わからないというように首をかしげる植物の少女。
トレントからもらった木の実を植えて早々に、こんな子が生えるのは流石に想定していなかった。
一応、モンスターが生える確率があったことぐらいは考えていたが…それでも、誰がこの状況を想定できただろうか。
【えっと、私と同じように、人の言葉喋れますかね?】
【ミ?ミ、ミ】
【いえ、そういう風ではなく…ちょっと待ってくださいジャック、しばし人語を切り替えます。えっと、キュル、キュルルル…】
ごにょごにょとハクロが言葉を切り替え、彼女に語り掛ける。
数分ほどで、何とかなったらしいが…
【ミ、ミィ…ミーはミーなの?】
「本人が分かっていない時点で、意味ないじゃん」
言葉の切り替えはどうにかできたが、本人からの説明はできなさそうだった。
「いや、そもそもまず何をどうしたら人語を話せるように…?」
【簡単ですよ。私たち、モンスターの通常の言語はかなり圧縮されているので、それを伸ばして…】
とりあえず、どうにかコミュニケーションが取れるようになったところで、馬車内の異常に気が付いたらしいガンゴードさんが入ってきた。
彼女を見た瞬間は驚いていたが、長年馬車業をやっていたせいか、こういう不測の事態にもすぐに平常心を取り戻した。
「正直言って、物凄く驚いたが…こりゃ、あれだよな?トレントの、種の子だよな?」
「はい、多分そうかと。植えた鉢から生えています」
「そうなると、植物のモンスターなのだろうが…見た目がどう見てもトレントではなく、このタイプだと確か…」
【何か、知っているのでしょうか、ガンゴードさん?】
【ミーのこと、わかるの、おじちゃん?】
「お、おじ‥‥いやまぁ、なんとかな。タゴサックを使役しているのもあって、モンスターに関しての知識はそこそこ学んでいる。まぁ、これから行く王都のある場所にいる、物凄い厄介な研究者に絡まれて三日三晩話されたトラウマもあるが…そこから導き出せるのだと、多分…『アルラウネ』だろう」
「アルラウネ?」
―――
『アルラウネ』
人型の植物のモンスターで、見た目は花から生えている女性の姿が共通している。
気分によって香りが変化するが、大抵の場合は引き寄せる様な香りを放っており、その人型部分も利用して人間の男性をおびき寄せ、蔓を差し込み、栄養分として生きながらにして喰らい続ける凶悪性を持つことがある。
―――
…さらっとかなりえげつない情報が出てきました。
「え、じゃぁ僕らも喰らうの?」
【ミ?そんなの無い無いなの。お父さんの記憶、引き継いでいて、人間、確実に食えないものだと、わっているの】
「お父さんの記憶?…あのトレントのか」
【そうなの】
かくかくしかじかと話を聞くと、どうやら彼女、あの息絶えたトレントから全てを引き継いでいるらしく、僕らに関しての情報も生まれた時から持っているようだ。
でも、どうしてトレントの種から産まれたのに、トレントではないのかというのはわからないが…一つだけ、わかっていることがあるらしい。
【お父さん、友のために悪魔を討つための、力を蓄えまくってたなの。…でも、もしも叶うのであれば自由に行きたかったともあるのなの】
「その願いは友との約束のために抑え込み…次代へ託すことにしたのか」
【そうなの!ミー、お父さんの願い通り、自由に動くなの!】
色々と変わっていたものからは、文字通りの変わり種が出来上がっていたようだが、その思いは純粋なもの。
託されて、より自由に動けるようにと言うことで、今の姿になっていたらしい。
【でも、自由って何なの?】
「あー…どういえば、良いんだろうか」
【えっとですね、自分のやりたいことを、思うがままやるようなことですよ。何事も縛られず…あ、でも他者に迷惑をかけるようなものは、自由じゃなくて我儘になるので、ちょっと難しいところですね】
【そうなの?…んー、よくわからないけど、わかったのなの!!】
「わかったのかわかっていないのか、どっちなの」
ハクロの説明に理解はしてくれたようだが、その回答があやふやである。
【なら、ミーは自由に動くなの!!お父さんの願いと言うのもあるけど、好きにやるのなのー!!】
ぐっとこぶしを掲げ、そう宣言するアルラウネの少女。
【でも、どうしようなの。好きなこと、見つからないなの】
「即座に出鼻をくじかれているね…」
【んー、なら分かるまで、一緒に過ごすなの!!お父さんの記憶から、ミー、今どうすれば良いのかわかるなの!!】
そう言いながらアルラウネの少女は、鉢からよいしょっと花ごと出てきた。
根っこ部分が蠢き、まだ慣れていないのか危なげな足取りながらも、僕の方に来た。
【ミー、あなたとの、従魔契約を結ぶのなの!!お願い、やってほしいなのー!!】
「…え?」
まさかまさかの、契約の懇願。
その言葉に、僕らは再び驚かされる。
「え?本当に、わかって言っているの?契約ってある意味、自由が一つ縛られているようなものだけど」
【問題ないのなの!!やりたければやりたいように、動くのも自由なの!!それに、悪人だったら(ピーピーピー)してしまえと、お父さんからの残された思考でわかっているから、あなたが一番良いとわかっているなの!!】
「あのトレント、何を子供に残しているんだーーーーー!!」
とんでもない置き土産を、残さないで欲しかった。
木の姿ならまだしも、少女の姿の彼女に言わせていい言葉ではないだろう。
【ミ?正確に言えば、この言葉、お父さんのお友達が残した格言らしいのなの!!】
「トレントの友…つまり先代ボボン村村長かよ!!それはそれで、何を口走っているうえに、格言扱いしているんだぁぁぁ!!」
【村長業の傍ら、たまるものでもあったのでしょうか?】
悪魔の負債を残した先々代そうだが、先代は先代でろくなものを残していないのではなかろうか。
今代の村長は大丈夫な方だと思いたい。
【それはともかく、契約してほしいなの!】
「うーん、しても良いけど…ガンゴードさんのほうは良いの?」
「あ、こっちは別に良いぞ。うちはタゴサックだけで十分だからな」
ガンゴードさんもできなくはなさそうだが、やる気はないらしい。
やっている仕事がこの馬車業なので、タゴサックが病気とかで動けなくなった時に備えて、可能なら他の馬車をしっかりと牽引できるモンスターを次に迎えたいそうだ。
「ハクロは反対しない?契約を結ぶ相手が、追加されるけど」
【えっと、私は…うーん、そうですね。ジャックのやりたいことであれば、反対はしませんよ。ですが…もしも、ジャックに危害を加えようとしたら、除草剤効果の猛毒を突っ込みますからね】
【ひぇっ、絶対にそんなことはしないなの!!】
ハクロの言葉に青ざめつつ、答えるアルラウネの彼女。
植物のモンスターだけあってか、除草剤の類は本能的に危険だと分かるのだろう。
「なら、契約するか…ハクロとの時は、本を使っていたけど…」
【ああ、大丈夫ですよ。契約用の文言を唱えながら、名前を与えれば良いだけですから。ジャック、覚えてますか?】
「あれか…まぁ、覚えているよ」
彼女に名前を与えたあの行為は、忘れようと思っても忘れることはない。
結びつけるために必要なものは、しっかりと覚えている。
問題は、名前をどうするかだが…植物のモンスターなら、花言葉的なものが良いのだろうか。
美しい、とかそういった花言葉はちょっと疎いが…うーん、知っているものなら、あれでいいだろうか。
「それじゃ、契約の文言を唱えるよ。---『汝、その思いに偽りは無し。契りをかわして、名を与える。汝が拒絶するならば、名は与えられず、それもまた良し。汝に与える名は…《カトレア》。それで、良きか』」
【カトレア、その名前、ミーは受け入れるなの!!】
そう答えた瞬間、バシュンと音を立て、契約が成立した。
見れば、従魔契約の証である赤い線でひし形とその中身にハートマークがあるものが、ハクロは蜘蛛の背中部分についていたが、アルラウネの少女には…カトレアには、お腹の上に浮かび上がっていた。
「それじゃ、これからよろしくね、カトレア」
【わかっているのなの!!よろしくなのー!!】
王都までの道中、あと少しでたどり着く場所。
そこで、新たなモンスターが加わってくれたのであった…
「しかし、ついた場所がそこか…こういう契約印って、つく場所がランダムなんですよね?」
「ああ、そうだぞ。ほれ、タゴサックだとここで、嬢ちゃんらと違う場所にあるだろ。知り合いだと、舌の上や顔の真ん中に浮かぶこともあったが、法則性は決まっていないらしい。…あの研究者の話でも、今もなお不明だとかなんとか…」
…ガンゴードさんがいう研究者って、どういう人なのだろうか。話を聞く限り、絶対に会わないほうが良いような気がする。
「そうしたほうが良いだろう。あのモンスター馬鹿は、下手すりゃ延々と話し続け、これまで何十人もの犠牲者は出ているからな。一度、首になって去ったこともあったが…まぁ、なんやかんやあって、監視の目が無いとむしろよりやらかすことがわかって、戻されたがな。もしも出会うようなことがあれば、あわてず騒がず、周囲の大人に助けを呼べ」
「そんな人がいる時点で、相当ヤバいのでは?」
「いや、むしろ坊主よりも嬢ちゃんたちのほうにいうべきか。モンスターのほうにしか目を向けないから、もしもの時は束縛許可が出ているぐらいだから、やってしまえ」
【わかりました、何となく、絶対にやらかすヤバい人だという認識で、警戒しておきます】
【ミーもわかったなの!!不審者にはこの、花粉団子を投げつけるなの!!お父さん直伝で、直撃すれば最後、くしゃみと鼻水で悶え苦しみながら干からびるなの!!】
…名前の割には、相当えげつないものを伝授されてないか、この子。
何を言っているのか自分でもわからなくなりそうだが、事実なのは間違いない。
「これは…一体なんだ?」
【ミー?】
問いかけに対して、わからないというように首をかしげる植物の少女。
トレントからもらった木の実を植えて早々に、こんな子が生えるのは流石に想定していなかった。
一応、モンスターが生える確率があったことぐらいは考えていたが…それでも、誰がこの状況を想定できただろうか。
【えっと、私と同じように、人の言葉喋れますかね?】
【ミ?ミ、ミ】
【いえ、そういう風ではなく…ちょっと待ってくださいジャック、しばし人語を切り替えます。えっと、キュル、キュルルル…】
ごにょごにょとハクロが言葉を切り替え、彼女に語り掛ける。
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「本人が分かっていない時点で、意味ないじゃん」
言葉の切り替えはどうにかできたが、本人からの説明はできなさそうだった。
「いや、そもそもまず何をどうしたら人語を話せるように…?」
【簡単ですよ。私たち、モンスターの通常の言語はかなり圧縮されているので、それを伸ばして…】
とりあえず、どうにかコミュニケーションが取れるようになったところで、馬車内の異常に気が付いたらしいガンゴードさんが入ってきた。
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「正直言って、物凄く驚いたが…こりゃ、あれだよな?トレントの、種の子だよな?」
「はい、多分そうかと。植えた鉢から生えています」
「そうなると、植物のモンスターなのだろうが…見た目がどう見てもトレントではなく、このタイプだと確か…」
【何か、知っているのでしょうか、ガンゴードさん?】
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「アルラウネ?」
―――
『アルラウネ』
人型の植物のモンスターで、見た目は花から生えている女性の姿が共通している。
気分によって香りが変化するが、大抵の場合は引き寄せる様な香りを放っており、その人型部分も利用して人間の男性をおびき寄せ、蔓を差し込み、栄養分として生きながらにして喰らい続ける凶悪性を持つことがある。
―――
…さらっとかなりえげつない情報が出てきました。
「え、じゃぁ僕らも喰らうの?」
【ミ?そんなの無い無いなの。お父さんの記憶、引き継いでいて、人間、確実に食えないものだと、わっているの】
「お父さんの記憶?…あのトレントのか」
【そうなの】
かくかくしかじかと話を聞くと、どうやら彼女、あの息絶えたトレントから全てを引き継いでいるらしく、僕らに関しての情報も生まれた時から持っているようだ。
でも、どうしてトレントの種から産まれたのに、トレントではないのかというのはわからないが…一つだけ、わかっていることがあるらしい。
【お父さん、友のために悪魔を討つための、力を蓄えまくってたなの。…でも、もしも叶うのであれば自由に行きたかったともあるのなの】
「その願いは友との約束のために抑え込み…次代へ託すことにしたのか」
【そうなの!ミー、お父さんの願い通り、自由に動くなの!】
色々と変わっていたものからは、文字通りの変わり種が出来上がっていたようだが、その思いは純粋なもの。
託されて、より自由に動けるようにと言うことで、今の姿になっていたらしい。
【でも、自由って何なの?】
「あー…どういえば、良いんだろうか」
【えっとですね、自分のやりたいことを、思うがままやるようなことですよ。何事も縛られず…あ、でも他者に迷惑をかけるようなものは、自由じゃなくて我儘になるので、ちょっと難しいところですね】
【そうなの?…んー、よくわからないけど、わかったのなの!!】
「わかったのかわかっていないのか、どっちなの」
ハクロの説明に理解はしてくれたようだが、その回答があやふやである。
【なら、ミーは自由に動くなの!!お父さんの願いと言うのもあるけど、好きにやるのなのー!!】
ぐっとこぶしを掲げ、そう宣言するアルラウネの少女。
【でも、どうしようなの。好きなこと、見つからないなの】
「即座に出鼻をくじかれているね…」
【んー、なら分かるまで、一緒に過ごすなの!!お父さんの記憶から、ミー、今どうすれば良いのかわかるなの!!】
そう言いながらアルラウネの少女は、鉢からよいしょっと花ごと出てきた。
根っこ部分が蠢き、まだ慣れていないのか危なげな足取りながらも、僕の方に来た。
【ミー、あなたとの、従魔契約を結ぶのなの!!お願い、やってほしいなのー!!】
「…え?」
まさかまさかの、契約の懇願。
その言葉に、僕らは再び驚かされる。
「え?本当に、わかって言っているの?契約ってある意味、自由が一つ縛られているようなものだけど」
【問題ないのなの!!やりたければやりたいように、動くのも自由なの!!それに、悪人だったら(ピーピーピー)してしまえと、お父さんからの残された思考でわかっているから、あなたが一番良いとわかっているなの!!】
「あのトレント、何を子供に残しているんだーーーーー!!」
とんでもない置き土産を、残さないで欲しかった。
木の姿ならまだしも、少女の姿の彼女に言わせていい言葉ではないだろう。
【ミ?正確に言えば、この言葉、お父さんのお友達が残した格言らしいのなの!!】
「トレントの友…つまり先代ボボン村村長かよ!!それはそれで、何を口走っているうえに、格言扱いしているんだぁぁぁ!!」
【村長業の傍ら、たまるものでもあったのでしょうか?】
悪魔の負債を残した先々代そうだが、先代は先代でろくなものを残していないのではなかろうか。
今代の村長は大丈夫な方だと思いたい。
【それはともかく、契約してほしいなの!】
「うーん、しても良いけど…ガンゴードさんのほうは良いの?」
「あ、こっちは別に良いぞ。うちはタゴサックだけで十分だからな」
ガンゴードさんもできなくはなさそうだが、やる気はないらしい。
やっている仕事がこの馬車業なので、タゴサックが病気とかで動けなくなった時に備えて、可能なら他の馬車をしっかりと牽引できるモンスターを次に迎えたいそうだ。
「ハクロは反対しない?契約を結ぶ相手が、追加されるけど」
【えっと、私は…うーん、そうですね。ジャックのやりたいことであれば、反対はしませんよ。ですが…もしも、ジャックに危害を加えようとしたら、除草剤効果の猛毒を突っ込みますからね】
【ひぇっ、絶対にそんなことはしないなの!!】
ハクロの言葉に青ざめつつ、答えるアルラウネの彼女。
植物のモンスターだけあってか、除草剤の類は本能的に危険だと分かるのだろう。
「なら、契約するか…ハクロとの時は、本を使っていたけど…」
【ああ、大丈夫ですよ。契約用の文言を唱えながら、名前を与えれば良いだけですから。ジャック、覚えてますか?】
「あれか…まぁ、覚えているよ」
彼女に名前を与えたあの行為は、忘れようと思っても忘れることはない。
結びつけるために必要なものは、しっかりと覚えている。
問題は、名前をどうするかだが…植物のモンスターなら、花言葉的なものが良いのだろうか。
美しい、とかそういった花言葉はちょっと疎いが…うーん、知っているものなら、あれでいいだろうか。
「それじゃ、契約の文言を唱えるよ。---『汝、その思いに偽りは無し。契りをかわして、名を与える。汝が拒絶するならば、名は与えられず、それもまた良し。汝に与える名は…《カトレア》。それで、良きか』」
【カトレア、その名前、ミーは受け入れるなの!!】
そう答えた瞬間、バシュンと音を立て、契約が成立した。
見れば、従魔契約の証である赤い線でひし形とその中身にハートマークがあるものが、ハクロは蜘蛛の背中部分についていたが、アルラウネの少女には…カトレアには、お腹の上に浮かび上がっていた。
「それじゃ、これからよろしくね、カトレア」
【わかっているのなの!!よろしくなのー!!】
王都までの道中、あと少しでたどり着く場所。
そこで、新たなモンスターが加わってくれたのであった…
「しかし、ついた場所がそこか…こういう契約印って、つく場所がランダムなんですよね?」
「ああ、そうだぞ。ほれ、タゴサックだとここで、嬢ちゃんらと違う場所にあるだろ。知り合いだと、舌の上や顔の真ん中に浮かぶこともあったが、法則性は決まっていないらしい。…あの研究者の話でも、今もなお不明だとかなんとか…」
…ガンゴードさんがいう研究者って、どういう人なのだろうか。話を聞く限り、絶対に会わないほうが良いような気がする。
「そうしたほうが良いだろう。あのモンスター馬鹿は、下手すりゃ延々と話し続け、これまで何十人もの犠牲者は出ているからな。一度、首になって去ったこともあったが…まぁ、なんやかんやあって、監視の目が無いとむしろよりやらかすことがわかって、戻されたがな。もしも出会うようなことがあれば、あわてず騒がず、周囲の大人に助けを呼べ」
「そんな人がいる時点で、相当ヤバいのでは?」
「いや、むしろ坊主よりも嬢ちゃんたちのほうにいうべきか。モンスターのほうにしか目を向けないから、もしもの時は束縛許可が出ているぐらいだから、やってしまえ」
【わかりました、何となく、絶対にやらかすヤバい人だという認識で、警戒しておきます】
【ミーもわかったなの!!不審者にはこの、花粉団子を投げつけるなの!!お父さん直伝で、直撃すれば最後、くしゃみと鼻水で悶え苦しみながら干からびるなの!!】
…名前の割には、相当えげつないものを伝授されてないか、この子。
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