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運命の結びつき
log-009 隠されているけど、出るものも出て
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「ふぅ、とりあえず今日は疲れたな…思いのほか、商品が売れたのも良かったか」
「視察の傍らにやっていた商売も、無事に済みましたな」
…夕暮れ時、男爵邸に明かりが灯り、行商人に扮していたカルク男爵は変装を解き、自室の椅子に腰を掛けて休んでいた。
目的を達成するために視察を行っていたが、その傍ら変装のついでにやっていた商売にも精を出し、利益が出たのは良かったことだろう。
ついでに言えば、今回の視察の目的に関しても、無事に達成できたのは良かったというべきだろうが…
「それで、男爵様。例のモンスターに関して、わかりましたか?」
「大体の部分ならばそうだと返答しよう。特徴からしていくつかの候補が予想できていたが、そのうちの一つに違いない」
視察の目的、村のある少年の元に住み着いた、ハクロという名のモンスター。
その外見の特徴からして、モンスターとしての種族はまだ完全特定に至っていないのだが、モンスターの分類…通常種や異常種、特異種などに分けられる部分に関してはどのようなものか、大体の見当がついたのだ。
「…モンスターを細分化した際の、分類には様々なものがあるが…この中、3つほど予想していた」
「というと、何がありますか?」
男爵の言葉に、話を聞いていた従者が問いかける。
「まずは、『通常種』。モンスターとして並のもの…まぁ、こんな分類名が付く意味があるのかと言いたくなるが、とりあえずその種族としては普通の分類に該当するものだ。彼女の場合、恐らくはアラクネと呼ばれる、滅多に目撃例が無いとされる希少なモンスターであり、その中での通常のものだと思った。しかし、そうではないだろう」
「その根拠としては?」
「目撃されるアラクネは、どれも非常に残酷・残忍なものが多いようでな…猫を被っている可能性も否定できないが、彼女の様子からしてアレは天然もので、通常種として出せるものではないと判断した」
ハクロの種族…上半身が人型で、下半身に蜘蛛があるモンスターに関しては、どのようなものがあるのかはいくつかの該当例があった。
その中で当てはめるのであれば、かなり希少なモンスター、アラクネと呼ばれるものに確定しそうだが、その性格が従来のものとは大幅に異なっており、通常種ではないと判断できたのだ。
「次に、予想したのは…白い蜘蛛の体、白を基調としたモンスターということであれば、『神獣種』の可能性があると考えた。他のものもありそうだったが、能力や知能の高さ、人との協調性が高い面など、様々な部分が該当するだろう。神獣種であれば、より周囲に富をもたらす一面もあるようで、可能であれば積極的に勧誘したくなるほどの逸材でもある。実際に、他国の一部では、神獣種に該当するモンスターに定住してもらい、富を得ているという話もあるからな」
「しかし、その言い方だと、そうではないと」
「ああ、そうだ。神獣種はその特徴の一つに、多くを囲うようにして愛するというが…彼女は、そうではない。番という話があれども、一人に対してかなり固執し、そうではないものに対してはそれなりに向けていても、それはあくまでも人として見るだけの対応に見えた」
神獣種も希少性が非常に高いが、それでも人と触れる機会が多いからか、その情報は多く、得られたものからハクロには、その部分が抜け落ちていた。
そうなってくると、神獣種ではないと判断が出来て…残る一つに、絞られる。
「…可能であれば、この3つ目の可能性ではなく2つ目の神獣種に該当して欲しかったところだが…対応を誤れば、厄介なことになるだろう」
「いったい、何が該当するのでしょうか」
「考えつつ、今回の視察でほぼ間違いなく、この3つ目が該当する。神獣種ほどの希少性は無いとも言うが、それ以上の力を持つ…扱いを間違えれば、国を滅亡させてしまうという『厄災種』。本来であればドラゴンなどの強力なモンスターに付くものだが、極まれにそうではないモンスターにも発現するということがあるものだ」
「厄災…いるだけで、周囲に害が及ぶと?」
「いや、そうではない。間違った扱い方をしなければ、神獣種と似たようなものである。だが、薬は時として扱い方を間違えれば毒に転じるように、厄災種も扱い方を間違えればとてつもない猛毒に転じるのだ」
カルク男爵の言葉に、ごくりと唾をのむ従者。
行商人たちと紛れて見ていたとはいえ、彼女はそんな恐ろしいものがつくとは思えなかったのだ。
「…厄災種の特徴は、大部分が神獣種と似ている。そのため一説では、神獣種のカテゴリの中でもさらなる特異性を有してしまったものではないかとも言われているだろう。だがしかし、神獣種とは異なると言われているのが…一つのものに、非常に固執するとされることだ」
「固執…もしや、あの少年に対して、番として固執しているところですか?」
「そうだ。神獣種の中にも、番に対しての愛を見せるものがあるという話もあるが…厄災種は、その愛が強すぎるのが特徴的だ。多少の常識を持っているはずだが、その愛が脅かされるようなことがあれば、瞬時にその常識も何もかも吹き飛ばし、動いてしまう。過去には、神獣種と勘違いし、手に入れようとしてその愛した相手を奪った結果…一夜と持たず、国が3つほど滅んだという話もあるからな」
「…一夜で国一つが滅びたではなく、持たなかったうえで数が…とんでもないですね」
愛ゆえに狂うことがある話もあるが、それがモンスターでも例外ではないらしい。
それが厄災種であればさらに恐ろしいほどのものとなり、計り知れないものになるだろう。
「…そのため、その愛ゆえに狂い過ぎてしまうことから、別名称として『狂愛種』と、そのままの形で呼ばれることもある。まぁ、要は愛する者に対して害を与えなければ問題は無いが…それでも神獣種と似たような特徴が多いゆえに、そうとは知らずにやらかす馬鹿はいつの時代もどこの国でもいたようだ」
「よく、男爵様はそれが判断できましたね」
「この国の貴族の学び舎、王都の学園のモンスター科の教授が相当研究熱心な方で…うっかり捕まれば最後、朝から晩まで三日三晩モンスターとはどういうものなのかという説明を、他の教員から罰として与えられるようなものとして受けて…うう、今でもトラウマが…」
…過去にどういうことがあったのかはともかく、それはそれで何か頭のねじが外れた人にやられていないかと言いたくなるが、その教育の結果として、見分ける知識はついていたらしい。
トラウマレベルになるほどだからこそ、否応なく判断できてしまい、それゆえにハクロがどのようなものなのか男爵は見抜けたのだ。
「だからこそ、慎重にならなければいけないだろう。彼女の扱いは細心の注意をもって、なおかつ愛ゆえに狂うその性質ゆえに、番とされた少年の方にも目を向けなければならない。念のため、国にも報告を上げておくが…何もないことを、祈るだけだ」
厄災種の恐ろしさは、国でも重要視されるだろう。
だがしかし、その危険性から討伐へと叫ぶ声が出る可能性も否定はできない。
しかしながら、討伐の声が出てきたとしても、それは潰されるだろう。
厄災種に対する扱いとしては、すでに確立されたものとして…
「…愛ゆえに狂うのであれば、その愛を邪魔しなければいい。我々はおとなしく、大人として彼らを見守り、危険を防げばそれだけでいいのだから。余計な手出しをして、やらかしたらどうなるのかは…歴史がすでに、伝えている」
扱い方がわかっているからこそ、その方法で過ごせば良いだけの話。
余計なことをしなければ、良いだけの話。
下手にやらかさなければ、それだけで済む話。
様々なことを意見したり、企む者が出るかもしれないが、可能であればおとなしくしてほしい。
歴史がすでに告げており、経験で学ぶよりも…いや、そもそもそのような経験すらしたくないものだ。
厄介事でありつつも、貴族としては国へ報告を上げざるを得ないだろう。
他者に知られ、他でより面倒なことの引き金にもなる可能性はあるが、告げずとも人の口には戸が立てられないし、彼女の噂は伝わって、隠し通せないものにもなる。
だからこそ、事前に国へ告げておくことで、厄介事の火種になるものを払うための助力を得られるように、男爵は行動するのであった。
「…しかし、厄災種であれば、もう2つほど気がかりなこともあるな」
「まだ何か、あると?」
「一つは、その思考だ。厄災種はその愛を守るために全力で注ぎこんでおり、物事を見透かしているような行動をとることもある。視察中、流れの行商人として過ごしていたが…時折、こちらを見る目が…いや、むしろ見透かしてたからこそ、我々に対して警告をするかのような視線を向けていた。誰にも気が付かせることはなく、この身だけにな」
「…わーお」
「それにもう一つは…厄災種は集まりやすい。もしかすると、第2、第3の…よし、胃が痛くなってきたから、早めに息子に継いで他国で隠居生活を送るとしよう」
「さらっと、逃げようとしていないでしょうか?」
「はははは、逃げようとしていないではない。全力で、逃亡を企むのだ」
笑い事ではないが、胃薬の量が増えそうだなと彼らは思うのであった…
【厄災種…その言い方はちょっと嫌ですね。でも、彼との生活を脅かさないのであれば、良しとしましょうか】
…その行動の何もかもが、既に把握されているとも知らずに。
「視察の傍らにやっていた商売も、無事に済みましたな」
…夕暮れ時、男爵邸に明かりが灯り、行商人に扮していたカルク男爵は変装を解き、自室の椅子に腰を掛けて休んでいた。
目的を達成するために視察を行っていたが、その傍ら変装のついでにやっていた商売にも精を出し、利益が出たのは良かったことだろう。
ついでに言えば、今回の視察の目的に関しても、無事に達成できたのは良かったというべきだろうが…
「それで、男爵様。例のモンスターに関して、わかりましたか?」
「大体の部分ならばそうだと返答しよう。特徴からしていくつかの候補が予想できていたが、そのうちの一つに違いない」
視察の目的、村のある少年の元に住み着いた、ハクロという名のモンスター。
その外見の特徴からして、モンスターとしての種族はまだ完全特定に至っていないのだが、モンスターの分類…通常種や異常種、特異種などに分けられる部分に関してはどのようなものか、大体の見当がついたのだ。
「…モンスターを細分化した際の、分類には様々なものがあるが…この中、3つほど予想していた」
「というと、何がありますか?」
男爵の言葉に、話を聞いていた従者が問いかける。
「まずは、『通常種』。モンスターとして並のもの…まぁ、こんな分類名が付く意味があるのかと言いたくなるが、とりあえずその種族としては普通の分類に該当するものだ。彼女の場合、恐らくはアラクネと呼ばれる、滅多に目撃例が無いとされる希少なモンスターであり、その中での通常のものだと思った。しかし、そうではないだろう」
「その根拠としては?」
「目撃されるアラクネは、どれも非常に残酷・残忍なものが多いようでな…猫を被っている可能性も否定できないが、彼女の様子からしてアレは天然もので、通常種として出せるものではないと判断した」
ハクロの種族…上半身が人型で、下半身に蜘蛛があるモンスターに関しては、どのようなものがあるのかはいくつかの該当例があった。
その中で当てはめるのであれば、かなり希少なモンスター、アラクネと呼ばれるものに確定しそうだが、その性格が従来のものとは大幅に異なっており、通常種ではないと判断できたのだ。
「次に、予想したのは…白い蜘蛛の体、白を基調としたモンスターということであれば、『神獣種』の可能性があると考えた。他のものもありそうだったが、能力や知能の高さ、人との協調性が高い面など、様々な部分が該当するだろう。神獣種であれば、より周囲に富をもたらす一面もあるようで、可能であれば積極的に勧誘したくなるほどの逸材でもある。実際に、他国の一部では、神獣種に該当するモンスターに定住してもらい、富を得ているという話もあるからな」
「しかし、その言い方だと、そうではないと」
「ああ、そうだ。神獣種はその特徴の一つに、多くを囲うようにして愛するというが…彼女は、そうではない。番という話があれども、一人に対してかなり固執し、そうではないものに対してはそれなりに向けていても、それはあくまでも人として見るだけの対応に見えた」
神獣種も希少性が非常に高いが、それでも人と触れる機会が多いからか、その情報は多く、得られたものからハクロには、その部分が抜け落ちていた。
そうなってくると、神獣種ではないと判断が出来て…残る一つに、絞られる。
「…可能であれば、この3つ目の可能性ではなく2つ目の神獣種に該当して欲しかったところだが…対応を誤れば、厄介なことになるだろう」
「いったい、何が該当するのでしょうか」
「考えつつ、今回の視察でほぼ間違いなく、この3つ目が該当する。神獣種ほどの希少性は無いとも言うが、それ以上の力を持つ…扱いを間違えれば、国を滅亡させてしまうという『厄災種』。本来であればドラゴンなどの強力なモンスターに付くものだが、極まれにそうではないモンスターにも発現するということがあるものだ」
「厄災…いるだけで、周囲に害が及ぶと?」
「いや、そうではない。間違った扱い方をしなければ、神獣種と似たようなものである。だが、薬は時として扱い方を間違えれば毒に転じるように、厄災種も扱い方を間違えればとてつもない猛毒に転じるのだ」
カルク男爵の言葉に、ごくりと唾をのむ従者。
行商人たちと紛れて見ていたとはいえ、彼女はそんな恐ろしいものがつくとは思えなかったのだ。
「…厄災種の特徴は、大部分が神獣種と似ている。そのため一説では、神獣種のカテゴリの中でもさらなる特異性を有してしまったものではないかとも言われているだろう。だがしかし、神獣種とは異なると言われているのが…一つのものに、非常に固執するとされることだ」
「固執…もしや、あの少年に対して、番として固執しているところですか?」
「そうだ。神獣種の中にも、番に対しての愛を見せるものがあるという話もあるが…厄災種は、その愛が強すぎるのが特徴的だ。多少の常識を持っているはずだが、その愛が脅かされるようなことがあれば、瞬時にその常識も何もかも吹き飛ばし、動いてしまう。過去には、神獣種と勘違いし、手に入れようとしてその愛した相手を奪った結果…一夜と持たず、国が3つほど滅んだという話もあるからな」
「…一夜で国一つが滅びたではなく、持たなかったうえで数が…とんでもないですね」
愛ゆえに狂うことがある話もあるが、それがモンスターでも例外ではないらしい。
それが厄災種であればさらに恐ろしいほどのものとなり、計り知れないものになるだろう。
「…そのため、その愛ゆえに狂い過ぎてしまうことから、別名称として『狂愛種』と、そのままの形で呼ばれることもある。まぁ、要は愛する者に対して害を与えなければ問題は無いが…それでも神獣種と似たような特徴が多いゆえに、そうとは知らずにやらかす馬鹿はいつの時代もどこの国でもいたようだ」
「よく、男爵様はそれが判断できましたね」
「この国の貴族の学び舎、王都の学園のモンスター科の教授が相当研究熱心な方で…うっかり捕まれば最後、朝から晩まで三日三晩モンスターとはどういうものなのかという説明を、他の教員から罰として与えられるようなものとして受けて…うう、今でもトラウマが…」
…過去にどういうことがあったのかはともかく、それはそれで何か頭のねじが外れた人にやられていないかと言いたくなるが、その教育の結果として、見分ける知識はついていたらしい。
トラウマレベルになるほどだからこそ、否応なく判断できてしまい、それゆえにハクロがどのようなものなのか男爵は見抜けたのだ。
「だからこそ、慎重にならなければいけないだろう。彼女の扱いは細心の注意をもって、なおかつ愛ゆえに狂うその性質ゆえに、番とされた少年の方にも目を向けなければならない。念のため、国にも報告を上げておくが…何もないことを、祈るだけだ」
厄災種の恐ろしさは、国でも重要視されるだろう。
だがしかし、その危険性から討伐へと叫ぶ声が出る可能性も否定はできない。
しかしながら、討伐の声が出てきたとしても、それは潰されるだろう。
厄災種に対する扱いとしては、すでに確立されたものとして…
「…愛ゆえに狂うのであれば、その愛を邪魔しなければいい。我々はおとなしく、大人として彼らを見守り、危険を防げばそれだけでいいのだから。余計な手出しをして、やらかしたらどうなるのかは…歴史がすでに、伝えている」
扱い方がわかっているからこそ、その方法で過ごせば良いだけの話。
余計なことをしなければ、良いだけの話。
下手にやらかさなければ、それだけで済む話。
様々なことを意見したり、企む者が出るかもしれないが、可能であればおとなしくしてほしい。
歴史がすでに告げており、経験で学ぶよりも…いや、そもそもそのような経験すらしたくないものだ。
厄介事でありつつも、貴族としては国へ報告を上げざるを得ないだろう。
他者に知られ、他でより面倒なことの引き金にもなる可能性はあるが、告げずとも人の口には戸が立てられないし、彼女の噂は伝わって、隠し通せないものにもなる。
だからこそ、事前に国へ告げておくことで、厄介事の火種になるものを払うための助力を得られるように、男爵は行動するのであった。
「…しかし、厄災種であれば、もう2つほど気がかりなこともあるな」
「まだ何か、あると?」
「一つは、その思考だ。厄災種はその愛を守るために全力で注ぎこんでおり、物事を見透かしているような行動をとることもある。視察中、流れの行商人として過ごしていたが…時折、こちらを見る目が…いや、むしろ見透かしてたからこそ、我々に対して警告をするかのような視線を向けていた。誰にも気が付かせることはなく、この身だけにな」
「…わーお」
「それにもう一つは…厄災種は集まりやすい。もしかすると、第2、第3の…よし、胃が痛くなってきたから、早めに息子に継いで他国で隠居生活を送るとしよう」
「さらっと、逃げようとしていないでしょうか?」
「はははは、逃げようとしていないではない。全力で、逃亡を企むのだ」
笑い事ではないが、胃薬の量が増えそうだなと彼らは思うのであった…
【厄災種…その言い方はちょっと嫌ですね。でも、彼との生活を脅かさないのであれば、良しとしましょうか】
…その行動の何もかもが、既に把握されているとも知らずに。
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