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幸せを乱されたくないので、徹底したい

閑話 ???デス

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「‥‥‥‥で、今度は何をしでかしたんだ?」
「いやぁ、ちょっと面白そうな物を見つけたからね‥少しばかり手を加えたかな。でもまぁ、もう潰されたぽいけどねぇ」

…‥‥シアンたちのハルディアの森とは違う、別の大陸にある帰らずの森。

 その森の内部の一軒家で、悪魔ゼリアスは目の前の相手に対して思いっきり嫌そうな顔をして対応をしていた。

「だって、自分の・・・複製品なんだから、オリジナルの自分が色々とが弄っても文句ないでしょ。まぁ、元々あった組織とかはその余波で消し飛んじゃったけどね」
「ぶっ飛んだことをしているというか、しでかしまくっているというか‥‥‥悪魔グズゥエルゼとほとんど変わらないだろ、お前」
「嫌だなぁ。冥界に送られたあれと同類にしないで欲しいよ、あははははは!」

 ゼリアスの呆れたような声に対して、その人物は軽く笑い飛ばす。

 なお、悪魔グズゥエルゼと同類にされることに関しては本気で嫌だったようで、その時だけは顔が笑っていなかった。

 それだけあの悪魔が嫌われているというか、冥界に途中で寄ったそうで、思いっきり嫌がらせをしていたらしいことは感謝するほどである。


「にしても、お前が何でここに降りていたのかが不思議なんだが?確か、今は他の世界に長期滞在中だったんじゃ…‥‥主神とか、そのあたりの罰だっけ」
「そりゃそうでしょ。単身赴任的な事をやらされる前に、ちょっとは自我を切り離して動かしたらどうなるのかという実験のために、数十年前に降ろした分身がずっとここで活動していたはずだと思ってね。せっかくだしその結果を思い出した時に見ておこうと、好き勝手にやらせっぱなしにするように設定しておいたし、把握できたからこそ回収しに来ただけだもん。まぁ、潰れてなくなっていたけどね」
「何があった、その分身」

 ツッコミどころが多いが、理由がどの様な物であってもおそらく驚くことはないだろう。

 無茶苦茶な知り合いが多いと、ある程度の余裕は生まれるのだ。


…‥‥とは言え、目の前の相手に関して軽く話しつつも、ゼリアスの警戒は解けることがない。

 それもそうだろう。目の前の相手は人の身から昇格し、何故かそうなっていた存在なのだから。

 何処でどう道を間違えたのかは知らないが、絶対に力を持たせてはいけないランキング上位に入りそうな相手なのに、なんか力を持ってしまった面倒な輩なのだから。


‥‥‥何よりも、自分の幼い時を知られており、色々と喋られると不味い事もあるのだ。

 ひとではないが、誰もが過去に創り出すような黒歴史を握っている相手とも言えるのである。

「まぁ、その術を君は有効活用して色々とやっているってのも知っているけどねぇ。懐かしいなぁ、君が幼い時はそれなりに血気盛んだったのに、今はこうやって落ち着いて、」
「それ以上昔の話はするな」
「うん、わかったよ♪」

 何処ぞやのトリックスター並みにウザイとも思う相手だが、助かる事もあるので邪険にし辛い面倒な相手。

 そう思いつつ、イライラしてきたので後で悪魔らしい事をやっておこうかと思う中で、ふとある内容を口にする。

「そもそもだ‥‥‥お前がここに来たのは、こんな無駄話をするだけじゃないんだろう?」
「そうそう、そうなんだよね。この世界、結構久しぶりに降りているからこそ地理情報とかが分からないし、人なども色々代わっているだろうし…‥‥それでちょっと頼みたいことがあってね」
「頼みたいこと?お前ならそう言うのをほいやっさという前に全部解決するようなものを創り出せそうなものだが」
「万能じゃないからねぇ…‥‥まぁ、それは置いておいて、頼みたいのはある作品の捜索なんだ」
「へぇ、どんなのだ?」

 放置すればヤバい類しか作らないような相手の、その作品の捜索。

 他人ごとでは済まない例もあるので、そこは真面目に聞き始める。

「さっきいった、潰れた分身が作った作品。研究所がもう壊れていたから情報がほとんどなくてさぁ‥‥‥それでいて、設計図の断片ぐらいがあったから、何か作っていたようだし、どんなのだったのか見たいんだよね」
「研究所ごと無くなったんじゃ?」
「それはないね。作品を無くすぐらいなら、まず自分を消すからね」

 どやぁと自慢するようなことも出ないのに、自慢げな顔をする相手に、軽くゼリアスは殺意を覚える。

 殴りたくなった衝動を抑えつつ、その設計図を見て‥‥‥顔をしかめた。

「『『万‥‥家‥‥人‥‥‥ム01』及び、その試作機2機の設計図‥‥‥か。いや、思いっきり破れているし、ふやけているし、文字がにじみ過ぎていて全然分からないのだが」
「まぁ、それでどうにか頼むよ。もちろんただじゃなくてさ、最近悪魔向けの人との営み用の薬品などを作っているから、これをあげるよ!!」
「いや、いらん。お前実験台にする魂胆が目に見え、」
「それじゃぁね!」
「あ、まて!!」

 ガッと手を伸ばして捕まえる間もなく、目の前の相手が消えてしまった。

 勝手に頼まれ、押し付けられた案件に、ゼリアスはやりようのない怒りを覚える。



…‥‥とは言え、その今いた人物が作った代物はとんでもないのものが多いし、既存の物すら興味を持って魔改造し、やらかすことがあるのを考えると、放置できない案件だろう。

「…‥‥はぁ、なんでこうも、俺は苦労するんだろうか‥‥‥」

 落ち込むゼリアスを見て、励ますように彼女の妹のミーナはポンッと肩に手を置くのであった‥‥‥
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