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寒さ到来面倒事も到来するな
#197 間違いではないのデス
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SIDEシアン
こたつの魔の温かさにだるぅんっとだらけるのも悪くはないが、流石に引き籠り過ぎるのも体に悪い。
ゆえに、本日はいつも通り魔法屋としての仕事をするために都市アルバスへ僕らは訪れていた。
「本当はロールも連れてきたいけど‥‥‥一応これ、仕事だからなぁ」
【今度の休日にでも、一緒に行けると良いですよね】
ロールは本日、家でお留守番。
ドーラと共に何かを雪で作ると意気込んでいたが…‥‥元雪の女王だけに、ちょっと期待と不安が入り混じる。
まぁ、そんなおかしなものは作らないだろうと思いつつ、魔法ギルドへ入った。
「やっぱり、人少ないな」
【寒いですしね。この季節だと、依頼の方もあまりないですよ】
閑散としているというか、何処か寂しい印象を抱くようなギルド内。
雪も降り積もる季節ゆえにわざわざ出てくる人たちも少なく、依頼の方も多種多様なものが多いはずなのに、除雪などの単純な依頼が多い。
「何にしても、面白そうなものもあればよかったけど‥‥‥パッと見、良いのが無いね」
「どれも報酬はいま一つデス」
この寒さだからこそ無理はないかもしれないが…‥‥この状態だと、受ける意味もない。
っと、そう思っている中、ふと僕らの目に、一つの依頼が入った。
「ん?なんかこれ、魔法屋用の依頼か?」
【どれどれ‥‥‥確かに、ちょっと違いませんか?】
そこにあったのは、この魔法ギルドへ出される依頼とは違う類の物。
というか、本来であれば…‥‥
「討伐依頼‥‥‥これは冒険者ギルドのものですネ」
魔法屋とは異なり、モンスターの討伐などをメインにする、冒険者宛の依頼。
依頼内容はモンスターの討伐だ。
「『雪将軍討伐依頼』…‥‥なんだこれ?」
こういう寒い季節だと、どちらかと言えば冬将軍の方があっているような気がするのだが‥‥‥と言うか、この間も雪の女王との戦闘があったし、なんか雪繋がりだな。
―――――――――――――――
『雪将軍』
ヒトの形をしている……訳ではなく、誰かが作った巨大な雪だるまが鎧をまとい、モンスターと化した謎のモンスター。
大勢の雪だるまを配下として扱い、雪の降る季節に出没し、各地で暴れまわる困りもの。
雪だるまの部下を投げまくって攻撃し、雪のある戦場で脅威の強さを誇る。
火にも耐性があり、正々堂々とはこのモンスターの中にはなく、不意打ち上等、大勢で取り囲み数の暴力を見せる。
――――――――――――――――
……死体がアンデッドとして動くのは知っているが、この世界だとそういう事もあるのか、
「でも、冒険者用の討伐依頼なはずだが‥‥‥なんで魔法ギルドに?」
魔法屋にも、たしかに冒険者を兼業している人がいるので、ある意味間違ってない。
だがしかし、魔法ギルドは魔法ギルド、冒険者ギルドは冒険者ギルドの領分はあるはずで、このような依頼がこちらに来ることは本来ないはずなのだ。
どういう訳か、受付に向かい、受付嬢へ尋ねて見たところ…‥‥どうも、この都市の冒険者ギルドでは今、ちょっとした混乱があったらしい。
「色々あって、再開している冒険者ギルドなのですが、どうもちょっとした事件で混乱状態になっているようです。そのせいで、こちらに紛れ込んでしまったようで……」
この都市の冒険者ギルドは、確か元々来たばかりの時はとあるギルド長が収めていたが、不正などが発覚し、一時的に休止状態になっていた。
で、しばらく経っており、今では再開していたはずなのだが‥‥‥どうも、冒険者ギルドを統括するトップの方で、何か事件が起きてしまい、その混乱が生じてこちらに紛れてしまったそうなのである。
「何か事件ね‥‥‥ワゼ、その情報は?」
「一応ある事はありマス。どうもギルド長の上‥‥ギルドマスターと呼ばれる方で、何やら面倒ごとが起きたそうデス」
要は上の争いごとが起きたようで、その余波がこんなところにまで来てしまったという、迷惑な物だったようだ。
「ですので、この依頼は冒険者ギルドへ再送し直しますが…‥‥受けたいのであれば、問題はないはずです」
いわく、僕ら自身もここである程度の経験を積んでおり、受注しても支障は無さそうという事らしい。
冒険者ではないので、当然冒険者としての報酬はないが…‥‥この雪将軍とやらは、どうも討伐すると特殊な素材を得られるようであり、魔法屋にとっては欲しいものが多いそうなのだ。
「で、できれば受注してほしいってこと?」
「そうなります」
説明を受け問いかけると、受付嬢はそう答えた。
本来であれば、確かに僕らが受ける意味もないが…‥‥魔法屋にとっては欲しいものというのも気になるし、紛れ込んだ依頼とは言え、ちょっと面白そうである。
討伐系メインではないが、こういう戦闘もたまにはしたほうが良いだろう。
「まぁ、数の暴力とかもどうにかなるし……先日の騒ぎもあったけど、こういう普通の討伐体験も良いかもね。ハクロ、ワゼ、これ受けてみる?」
【んー、面白そうであれば、悪くないかもしれませんね。それに、雪繋がりでもしかするとロールへの良いお土産になるかもしれません】
「数相手には、こちらも蹂躙可能デス」
そこまで都合が悪くなさそうだし、僕らは珍しく討伐系の依頼として、受注することにした。
ちょっと距離が離れているとはいえ、ポチ馬車なら速攻で着くし、問題あるまい。
「ロールへの良い土産話にもなりそうだし、やってみようか」
そう言う訳で、僕らはすぐに手続きを経て、雪将軍とやらの討伐へ向かってみることにしたのであった‥‥‥
こたつの魔の温かさにだるぅんっとだらけるのも悪くはないが、流石に引き籠り過ぎるのも体に悪い。
ゆえに、本日はいつも通り魔法屋としての仕事をするために都市アルバスへ僕らは訪れていた。
「本当はロールも連れてきたいけど‥‥‥一応これ、仕事だからなぁ」
【今度の休日にでも、一緒に行けると良いですよね】
ロールは本日、家でお留守番。
ドーラと共に何かを雪で作ると意気込んでいたが…‥‥元雪の女王だけに、ちょっと期待と不安が入り混じる。
まぁ、そんなおかしなものは作らないだろうと思いつつ、魔法ギルドへ入った。
「やっぱり、人少ないな」
【寒いですしね。この季節だと、依頼の方もあまりないですよ】
閑散としているというか、何処か寂しい印象を抱くようなギルド内。
雪も降り積もる季節ゆえにわざわざ出てくる人たちも少なく、依頼の方も多種多様なものが多いはずなのに、除雪などの単純な依頼が多い。
「何にしても、面白そうなものもあればよかったけど‥‥‥パッと見、良いのが無いね」
「どれも報酬はいま一つデス」
この寒さだからこそ無理はないかもしれないが…‥‥この状態だと、受ける意味もない。
っと、そう思っている中、ふと僕らの目に、一つの依頼が入った。
「ん?なんかこれ、魔法屋用の依頼か?」
【どれどれ‥‥‥確かに、ちょっと違いませんか?】
そこにあったのは、この魔法ギルドへ出される依頼とは違う類の物。
というか、本来であれば…‥‥
「討伐依頼‥‥‥これは冒険者ギルドのものですネ」
魔法屋とは異なり、モンスターの討伐などをメインにする、冒険者宛の依頼。
依頼内容はモンスターの討伐だ。
「『雪将軍討伐依頼』…‥‥なんだこれ?」
こういう寒い季節だと、どちらかと言えば冬将軍の方があっているような気がするのだが‥‥‥と言うか、この間も雪の女王との戦闘があったし、なんか雪繋がりだな。
―――――――――――――――
『雪将軍』
ヒトの形をしている……訳ではなく、誰かが作った巨大な雪だるまが鎧をまとい、モンスターと化した謎のモンスター。
大勢の雪だるまを配下として扱い、雪の降る季節に出没し、各地で暴れまわる困りもの。
雪だるまの部下を投げまくって攻撃し、雪のある戦場で脅威の強さを誇る。
火にも耐性があり、正々堂々とはこのモンスターの中にはなく、不意打ち上等、大勢で取り囲み数の暴力を見せる。
――――――――――――――――
……死体がアンデッドとして動くのは知っているが、この世界だとそういう事もあるのか、
「でも、冒険者用の討伐依頼なはずだが‥‥‥なんで魔法ギルドに?」
魔法屋にも、たしかに冒険者を兼業している人がいるので、ある意味間違ってない。
だがしかし、魔法ギルドは魔法ギルド、冒険者ギルドは冒険者ギルドの領分はあるはずで、このような依頼がこちらに来ることは本来ないはずなのだ。
どういう訳か、受付に向かい、受付嬢へ尋ねて見たところ…‥‥どうも、この都市の冒険者ギルドでは今、ちょっとした混乱があったらしい。
「色々あって、再開している冒険者ギルドなのですが、どうもちょっとした事件で混乱状態になっているようです。そのせいで、こちらに紛れ込んでしまったようで……」
この都市の冒険者ギルドは、確か元々来たばかりの時はとあるギルド長が収めていたが、不正などが発覚し、一時的に休止状態になっていた。
で、しばらく経っており、今では再開していたはずなのだが‥‥‥どうも、冒険者ギルドを統括するトップの方で、何か事件が起きてしまい、その混乱が生じてこちらに紛れてしまったそうなのである。
「何か事件ね‥‥‥ワゼ、その情報は?」
「一応ある事はありマス。どうもギルド長の上‥‥ギルドマスターと呼ばれる方で、何やら面倒ごとが起きたそうデス」
要は上の争いごとが起きたようで、その余波がこんなところにまで来てしまったという、迷惑な物だったようだ。
「ですので、この依頼は冒険者ギルドへ再送し直しますが…‥‥受けたいのであれば、問題はないはずです」
いわく、僕ら自身もここである程度の経験を積んでおり、受注しても支障は無さそうという事らしい。
冒険者ではないので、当然冒険者としての報酬はないが…‥‥この雪将軍とやらは、どうも討伐すると特殊な素材を得られるようであり、魔法屋にとっては欲しいものが多いそうなのだ。
「で、できれば受注してほしいってこと?」
「そうなります」
説明を受け問いかけると、受付嬢はそう答えた。
本来であれば、確かに僕らが受ける意味もないが…‥‥魔法屋にとっては欲しいものというのも気になるし、紛れ込んだ依頼とは言え、ちょっと面白そうである。
討伐系メインではないが、こういう戦闘もたまにはしたほうが良いだろう。
「まぁ、数の暴力とかもどうにかなるし……先日の騒ぎもあったけど、こういう普通の討伐体験も良いかもね。ハクロ、ワゼ、これ受けてみる?」
【んー、面白そうであれば、悪くないかもしれませんね。それに、雪繋がりでもしかするとロールへの良いお土産になるかもしれません】
「数相手には、こちらも蹂躙可能デス」
そこまで都合が悪くなさそうだし、僕らは珍しく討伐系の依頼として、受注することにした。
ちょっと距離が離れているとはいえ、ポチ馬車なら速攻で着くし、問題あるまい。
「ロールへの良い土産話にもなりそうだし、やってみようか」
そう言う訳で、僕らはすぐに手続きを経て、雪将軍とやらの討伐へ向かってみることにしたのであった‥‥‥
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