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寒さ到来面倒事も到来するな
#195 冬の魔性デス
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SIDEシアン
……雪の女王騒ぎも終息し、まともな冬の季節というべき寒さがやってきた今日この頃。
ついに、この日。以前からワゼに提案し、実用可能になるように頼んでいたものが、目の前に出来上がっていた。
「と言う訳で、ご主人様の要望を受け、その構想を実現させまシタ」
「実現させたというか、すごいよワゼ!!」
造りとしては単純明快、されども皆が入るにはちょっとした調整が必要で、その微妙な部分をワゼはやり遂げてみせた。
【これが、シアンが前に提案したという「こたつ」でしょうか?】
「なんか、普通に机を布で覆ったようにしか見えないにょ」
僕の感動をよそに、ハクロとロールが首をかしげる。
ふふふふ、入って体感すれば、おそらくわかるであろう。
【‥‥‥ふにゅぅ~……これは、確かに快適です】
「すごいにょ……単純なのに、極楽なにょ」
「‥‥‥即堕ち?」
一応、この家はある程度の気温が保たれるようになっているのだが、こたつのために少々気温をわざと下げて、最適な状態にしたとは言え、あっという間に二人は堕落した。
なお、ハクロの場合、アラクネなので体の構造上普通に入れないから、ちょっと工夫して蜘蛛部分にもかかるように布団に穴をあけ、そこから体を出すような形にしている。
ふにゃっと緩みまくっているが、まぁ、無理はないだろう。
「メイドゴーレムですので、そこまで感じませんが‥‥‥ふむ、不思議な温かさがありマス」
製作者であるワゼも、ミニワゼシスターズも交代しながら入っているようだが、どうも彼女達にとってもこたつは魅了されたらしい。
この寒い季節の最強兵器……恐るべし威力である。
「あれ?でもワゼって僕の話を聞いて、これを作ったんだよね?データとかに類似したものとかは無かったのかな?」
ふとそこで、僕はそのことに気が付いた。
僕もそうだが、過去に同じ同郷の転生者がいてもおかしくないし、そう言った人たちの中にこのこたつを作るような者たちはいなかったのだろうか?
この間、魔法ギルドへ行った時も特になかったし……暖房器具系はあることはあるのだが、こたつを見かけなかったのである。
「データ上、ある事はあるようデス。しかし、ちょっと違いマス」
「というと?」
「このこたつが温かさを求めるのであれば、データにあるのはその真逆の、冷たさを求めるものだったようデス」
いわく、類似品はあったようだが、その性能はこのこたつとは真逆。
南国の方で発案され、内部が温かいのではなく、物凄く冷えた空間として、冷房目的であったらしい。
だが、当然ながら冷えすぎて体を壊す者も出てしまい、長続きせずにすぐに禁忌の品として封印されたそうなのだ。
「なるほど‥‥‥逆の発想で作られちゃったのか」
転生したとはいえ、その記憶があるとも分からないし、その技術があるとも限らない。
また、その地域によっては合わなかったりするだろうし…‥‥そりゃ変容するのも無理はないだろう。
何にしても、このこたつは皆のお気に入りとなった。
【でもこうやって一緒にくっ付けば、より一層温かいですよ】
「ちょっと熱いけど‥‥‥確かにね」
「ああ、これが至福なにょ……」
……後日、神聖国の預言者及び、ミスティア王女宛に、一応近所づきあいというか、関係性を保つために、こたつを送ってみた。
預言者の方は、これで色々な鍋物ができるなど、その具のほうは想像しないほうが良い物を発案しつつ喜んでいる手紙が送られた。
ミスティア王女の方は‥‥‥
『‥‥‥‥兄様、姉様方が堕落されたのですが』
「…‥‥なんか、すいません」
ミニワゼシスターズを利用した通信によれば、まさかの王城で堕落者続出。
少々国の機能がマヒしかけ、その対応に追われる羽目になったそうだ。
……こりゃ、後で禁忌指定されそうだ。
……雪の女王騒ぎも終息し、まともな冬の季節というべき寒さがやってきた今日この頃。
ついに、この日。以前からワゼに提案し、実用可能になるように頼んでいたものが、目の前に出来上がっていた。
「と言う訳で、ご主人様の要望を受け、その構想を実現させまシタ」
「実現させたというか、すごいよワゼ!!」
造りとしては単純明快、されども皆が入るにはちょっとした調整が必要で、その微妙な部分をワゼはやり遂げてみせた。
【これが、シアンが前に提案したという「こたつ」でしょうか?】
「なんか、普通に机を布で覆ったようにしか見えないにょ」
僕の感動をよそに、ハクロとロールが首をかしげる。
ふふふふ、入って体感すれば、おそらくわかるであろう。
【‥‥‥ふにゅぅ~……これは、確かに快適です】
「すごいにょ……単純なのに、極楽なにょ」
「‥‥‥即堕ち?」
一応、この家はある程度の気温が保たれるようになっているのだが、こたつのために少々気温をわざと下げて、最適な状態にしたとは言え、あっという間に二人は堕落した。
なお、ハクロの場合、アラクネなので体の構造上普通に入れないから、ちょっと工夫して蜘蛛部分にもかかるように布団に穴をあけ、そこから体を出すような形にしている。
ふにゃっと緩みまくっているが、まぁ、無理はないだろう。
「メイドゴーレムですので、そこまで感じませんが‥‥‥ふむ、不思議な温かさがありマス」
製作者であるワゼも、ミニワゼシスターズも交代しながら入っているようだが、どうも彼女達にとってもこたつは魅了されたらしい。
この寒い季節の最強兵器……恐るべし威力である。
「あれ?でもワゼって僕の話を聞いて、これを作ったんだよね?データとかに類似したものとかは無かったのかな?」
ふとそこで、僕はそのことに気が付いた。
僕もそうだが、過去に同じ同郷の転生者がいてもおかしくないし、そう言った人たちの中にこのこたつを作るような者たちはいなかったのだろうか?
この間、魔法ギルドへ行った時も特になかったし……暖房器具系はあることはあるのだが、こたつを見かけなかったのである。
「データ上、ある事はあるようデス。しかし、ちょっと違いマス」
「というと?」
「このこたつが温かさを求めるのであれば、データにあるのはその真逆の、冷たさを求めるものだったようデス」
いわく、類似品はあったようだが、その性能はこのこたつとは真逆。
南国の方で発案され、内部が温かいのではなく、物凄く冷えた空間として、冷房目的であったらしい。
だが、当然ながら冷えすぎて体を壊す者も出てしまい、長続きせずにすぐに禁忌の品として封印されたそうなのだ。
「なるほど‥‥‥逆の発想で作られちゃったのか」
転生したとはいえ、その記憶があるとも分からないし、その技術があるとも限らない。
また、その地域によっては合わなかったりするだろうし…‥‥そりゃ変容するのも無理はないだろう。
何にしても、このこたつは皆のお気に入りとなった。
【でもこうやって一緒にくっ付けば、より一層温かいですよ】
「ちょっと熱いけど‥‥‥確かにね」
「ああ、これが至福なにょ……」
……後日、神聖国の預言者及び、ミスティア王女宛に、一応近所づきあいというか、関係性を保つために、こたつを送ってみた。
預言者の方は、これで色々な鍋物ができるなど、その具のほうは想像しないほうが良い物を発案しつつ喜んでいる手紙が送られた。
ミスティア王女の方は‥‥‥
『‥‥‥‥兄様、姉様方が堕落されたのですが』
「…‥‥なんか、すいません」
ミニワゼシスターズを利用した通信によれば、まさかの王城で堕落者続出。
少々国の機能がマヒしかけ、その対応に追われる羽目になったそうだ。
……こりゃ、後で禁忌指定されそうだ。
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