197 / 459
寒さ到来面倒事も到来するな
#184 解凍デス
しおりを挟む
SIDEシアン
「…‥‥へぇ、これが子フェンリルが見つけた氷塊?」
「シー!」
「なるほど、確かに内部に何かありマス」
【何が入っているのでしょうカ?】
フェンリル一家の安否に出ていたシスターズ。
彼女達が一家を連れて帰って来たが、何やら大きな氷塊も持ってきた。
どうも中に何かがあるらしいが、彼女達だけでは解凍できないので持ち帰って来たらしい。
「それじゃ、溶かしてみるか。『ファイヤボール』」
単純明快、されども溶かすのには最適解であろう火の魔法を使用し、少しづつ溶かしていく。
一気の溶かせる可能性もあるが、加減を間違えると中身まで丸焦げになるので、こうやってゆっくりと溶かしたほうが良いのだ。
「おー、じわじわと溶けていくな」
「水をふき取りマス」
解凍すれば当然水も出るので、交代でぞうきんでふき取っては絞っていくワゼたち。
フェンリル一家たちもこの中身が何なのか興味があるようで、じっと見ている。
「あれ?そう言えばポチは?」
【あ】
ふと気が付いたその事に、ロイヤルさんが忘れていたというような顔をしていたが…‥‥いや、本当にどうなったの?
まぁ、そんなことはさておき、解凍作業は順調に進む。
じわじわと溶けていき、最終的に出て来たのは‥‥‥‥
「‥‥‥小さな女の子?」
出て来たのは、小さな少女。
なんというか、来ている衣服は民族衣装とかにあるような、また違った変わったものであり、全体的に薄い青色。
寝ているように見えるが、氷の中にいたし、もうその命は尽きて‥‥‥いや、ちがう。
「すにゃぁ‥‥ぷぅ……」
「寝ている?」
「生命反応確認デス」
氷塊の中にいたというのに、どうもしっかりと生きているらしい。
息をしており、ぷくぅっと鼻提灯を作っては破裂させ、きちんと寝ている様な状態であった。
氷漬けであったが…‥‥どうして生きているのか?
その正体は分からないが、とにもかくにもまずは濡れてしまったので乾かし、温める。
【よっこいせっと。こうなったのも何かの縁だし、協力はするよ】
「ありがとう、ロイヤルさん」
ロイヤルさんのふかふかの毛皮に埋もれさせ、周囲を火の魔法で小さな炎を付け、全体的に暖かくなるようにする。
段々周辺の気温は上昇し、吐く息が見えなくなる。
段々と暖かくなってきたところで、その少女の目が開いた。
「んぅ…‥‥にゅ、こ、ここひゃ……へ?」
パチッと見開いた目も、全体的な色と同じ青色。
だが、周囲を見渡したところでぴたりと固まった。
「…‥‥ひゃあええええええ!?何このじょーきょー!!あれ!?わたしっちっちゃくなってゆー!?」
「どういうこと?」
【なんか、自分の手を見て驚いてますね?】
なにやら複雑な事情がありそうだが、とりあえず落ち着くまで待つことにしたのであった‥‥‥‥
「…‥‥へぇ、これが子フェンリルが見つけた氷塊?」
「シー!」
「なるほど、確かに内部に何かありマス」
【何が入っているのでしょうカ?】
フェンリル一家の安否に出ていたシスターズ。
彼女達が一家を連れて帰って来たが、何やら大きな氷塊も持ってきた。
どうも中に何かがあるらしいが、彼女達だけでは解凍できないので持ち帰って来たらしい。
「それじゃ、溶かしてみるか。『ファイヤボール』」
単純明快、されども溶かすのには最適解であろう火の魔法を使用し、少しづつ溶かしていく。
一気の溶かせる可能性もあるが、加減を間違えると中身まで丸焦げになるので、こうやってゆっくりと溶かしたほうが良いのだ。
「おー、じわじわと溶けていくな」
「水をふき取りマス」
解凍すれば当然水も出るので、交代でぞうきんでふき取っては絞っていくワゼたち。
フェンリル一家たちもこの中身が何なのか興味があるようで、じっと見ている。
「あれ?そう言えばポチは?」
【あ】
ふと気が付いたその事に、ロイヤルさんが忘れていたというような顔をしていたが…‥‥いや、本当にどうなったの?
まぁ、そんなことはさておき、解凍作業は順調に進む。
じわじわと溶けていき、最終的に出て来たのは‥‥‥‥
「‥‥‥小さな女の子?」
出て来たのは、小さな少女。
なんというか、来ている衣服は民族衣装とかにあるような、また違った変わったものであり、全体的に薄い青色。
寝ているように見えるが、氷の中にいたし、もうその命は尽きて‥‥‥いや、ちがう。
「すにゃぁ‥‥ぷぅ……」
「寝ている?」
「生命反応確認デス」
氷塊の中にいたというのに、どうもしっかりと生きているらしい。
息をしており、ぷくぅっと鼻提灯を作っては破裂させ、きちんと寝ている様な状態であった。
氷漬けであったが…‥‥どうして生きているのか?
その正体は分からないが、とにもかくにもまずは濡れてしまったので乾かし、温める。
【よっこいせっと。こうなったのも何かの縁だし、協力はするよ】
「ありがとう、ロイヤルさん」
ロイヤルさんのふかふかの毛皮に埋もれさせ、周囲を火の魔法で小さな炎を付け、全体的に暖かくなるようにする。
段々周辺の気温は上昇し、吐く息が見えなくなる。
段々と暖かくなってきたところで、その少女の目が開いた。
「んぅ…‥‥にゅ、こ、ここひゃ……へ?」
パチッと見開いた目も、全体的な色と同じ青色。
だが、周囲を見渡したところでぴたりと固まった。
「…‥‥ひゃあええええええ!?何このじょーきょー!!あれ!?わたしっちっちゃくなってゆー!?」
「どういうこと?」
【なんか、自分の手を見て驚いてますね?】
なにやら複雑な事情がありそうだが、とりあえず落ち着くまで待つことにしたのであった‥‥‥‥
1
お気に入りに追加
2,030
あなたにおすすめの小説
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活
mio
ファンタジー
なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。
こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。
なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。
自分の中に眠る力とは何なのか。
その答えを知った時少女は、ある決断をする。
長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
転生したら大好きな乙女ゲームの世界だったけど私は妹ポジでしたので、元気に小姑ムーブを繰り広げます!
つなかん
ファンタジー
なんちゃってヴィクトリア王朝を舞台にした乙女ゲーム、『ネバーランドの花束』の世界に転生!? しかし、そのポジションはヒロインではなく少ししか出番のない元婚約者の妹! これはNTRどころの騒ぎではないんだが!
第一章で殺されるはずの推しを救済してしまったことで、原作の乙女ゲーム展開はまったくなくなってしまい――。
***
黒髪で、魔法を使うことができる唯一の家系、ブラッドリー家。その能力を公共事業に生かし、莫大な富と権力を持っていた。一方、遺伝によってのみ継承する魔力を独占するため、下の兄弟たちは成長速度に制限を加えられる負の側面もあった。陰謀渦巻くパラレル展開へ。
【完結】悪役令嬢に転生しましたが、聞いてた話と違います
おのまとぺ
ファンタジー
ふと気付けば、暗記するほど読み込んだ恋愛小説の世界に転生していた。しかし、成り代わったのは愛されヒロインではなく、悪質な嫌がらせでヒロインを苦しめる悪役令嬢アリシア・ネイブリー。三日後に控える断罪イベントを回避するために逃亡を決意するも、あら…?なんだか話と違う?
次々に舞い込む真実の中で最後に選ぶ選択は?
そして、明らかになる“悪役令嬢”アリシアの想いとは?
◆もふもふな魔獣と共に逃避行する話
◇ご都合主義な設定です
◇実在しないどこかの世界です
◇恋愛はなかなか始まりません
◇設定は作者の頭と同じぐらいゆるゆるなので、もしも穴を見つけたらパンクする前に教えてくださると嬉しいです
📣ファンタジー小説大賞エントリー中
▼R15(流血などあり)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる