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寒さ到来面倒事も到来するな
#181 寒さ本番間近デス
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SIDEシアン
……寒さも厳しくなる中、本日の魔法ギルド内に書かれていたお知らせを、僕らは読んでいた。
「‥‥‥『積雪予報』か」
【もうすぐ積もってもおかしくなさそうですものね】
冬真っ盛りというべき季節だが、どうもいよいよ積雪が予想されるらしい。
前世とは違い、除雪機などもなく、除雪はほぼ人力。
ゆえに、雪が降った場合活動が制限されることが多く、こういう予報は大事にされるのだとか。
「魔法ギルドへの依頼も、雪予防対策が多いなぁ」
【雪って結構、厄介ですからね。群れにいた頃はぎゅうぎゅうに集まってしのいだりしましたよ】
それってペンギンがブリザードから身を守る方法と似たようなモノなんだろうけれど…‥‥アラクネってそこまで密集できるのかな?いや、工夫すればできるのか。
ちなみに、大半のモンスターの寒さ対策はどうもその形態が多いらしく、この時期になると密集状態で良く見つかるそうだ。
冬眠はあるそうだが、それは一部で大半が雪が降っていても動くそうだが‥‥‥それでもやはり、活動が制限されるようである。
「冒険者や魔法屋、商人なども活動が制限され、一時的に閑散としそうデス。今のうちに食料の確保などをしておきマス」
「ああ、そうしたほうが良さそうだよね」
物資も不足しないように買い込む人が多くなるようで、いよいよ冬本番という事なのだろう。
「‥‥‥考えてみたら、この世界に来て初の越冬か」
前世というべきか、兄や家族によって命を失い、この世界へ来て初めての本格的な冬。
色々と違う点がありそうだが、対策しないといけないのは同じなのであろう。
とにもかくにも、適当な依頼を受注し、早めに終わらせつつ、対策にさっさと僕らは移りだすのであった。
―――――――――――――――――
SIDE第2王女ミスティア
「‥‥‥はぁ、今年も雪の時期が来たわね」
「フ?」
ボラーン王国の王城、第2王女用の執務室内にて、ミスティアは溜息を吐きつつ書類整理を行っていた。
「そう言えばフィーア、貴女ってまだ雪を見たことが無いのかしら?」
「フ!」
ミスティの問いかけに対して、彼女の護衛を務めているミニワゼシスターズの一人、フィーアはそう返答した。
フィーアが産まれたのは今年で有り、まだ雪を見たことが無い。
一応、ワゼたちとの情報共有などもあるので、データとしては知っているのだが、それでも興味はあるのだ。
「雪はね、扱いによっては観光資源にもなるのだけれども、それ以上に物資の流通が滞る厄介な物なのよね。遊ぶと楽しいのだけれども…‥‥政治を担う立場としては、色々と厄介なのよ」
「フー」
「ええ、それなら降らないようにすれば良いって?ううん、それは無理なのよね」
雨を降らせる、晴天にする、などの儀式型の魔法によって、積雪を予防することは実は可能だったりする。
とはいえ、そういう行為は自然に何らかの影響を与える可能性があり、出来るだけ最小限に絞る必要などもあるのだ。
それに、雪は雪で様々な役割もあって、降らないと困る事もある。
「フー!」
「雪が降ったら、王城の雪かきをするって?ええ、その時はお願いね」
フィーアの言葉に微笑みつつ、ミスティアはそうお願いする。
「ああ、そう言えば忘れてましたわ」
ふと、そこでミスティアは思い出し、いくつかの書類をまとめ、フィーアに渡した。
「えっと、こっちの書類はマイーナ兄様へ、こちらはゼルドラ兄様宛のものですわ」
「フ」
「内容としては、それぞれについているストーカーヤンデレな方々に対する対策費用の決算などで、さっさと渡したほうが良いですわよ」
「フー!」
書類を手に取り、フィーアはそれぞれがいるであろう執務室へ向かって歩みだす。
第1~5王子、第1王女なども本日は王城内にいるので、渡すのはさほど苦労はしないだろう。
そう思いつつ、まずは第1王子であるマイーナの執務室へ近づいたとき、ふとフィーアは気が付いた。
「‥‥‥フ?」
スンスンと嗅いでみれば、城内では嗅ぐことが無いような香り。
なにやらどたばたとしているような音が聞こえ、嫌な予感が思いっきりし始める。
何事かと思い、部屋のノックをしようと思ったが‥‥‥中から聞こえてくるのは激しい怒号。
「うわぁぁあ!何でここに来ているんだ!?接近禁止措置などされていただろ!?」
「おーっほっほっほ!!そんなものはこの愛の前には意味もなし、粉砕してやったのですわぁぁぁ!!」
「協力すれば怖いものなし!!あとは皆で争うだけよ!!」
「さぁ、観念してくださいましぃぃぃぃ!!」
「‥‥‥フ」
あ、これ絶対に物凄く修羅場化しているやつだと思いつつも、フィーアはそっと扉を開け、中の様子を見る。
見れば、マイーナ王子は全力で室内を駆け回って逃走しつつ、彼の後を数人ほどの貴族の女性たち、いや、飢えた肉食獣のような者たちが追いかけている。
修羅場なこの状況、鍛冶場の馬鹿力とでもいうべきか、それともこういう時限定なのか、壁すらも走っているように見えるのだが、相手も負けていない様子。
「フー…‥‥」
どうしたものかと考えつつ、とりあえず収めないことには意味がない。
そこで、ひとまず沈静化させるために、フィーアはあるものを取り出した。
「フ」
構え、狙いを定め、戦場に並ぶタイミングを見計らい、動く。
ビシビシバシン!!
「あふん!」
「おふん!」
「かふん!」
綺麗に王子を除く肉食女性たちを気絶させ、フィーアは刀を収めた。
「フー」
みねうちであるっと伝えつつ、王子へフィーアは駆けよった。
「フ!」
「ん?あ、ああ、ミスティアの護衛の子か…‥‥助かったよ」
助かったことにほっとしつつ、マイーナは書類を受け取った。
「フ?」
「ああ、彼女達はとりあえず城内の警備兵たちへ引き渡してくれ。‥‥‥にしても、あっさりとして来ているような気がするし……あとで警備を見直したほうが良いな」
「フ」
そうしたほうが良いと意見しつつ、フィーアは気絶した肉食女子たちを引きずって退出するのであった。
……寒さも厳しくなる中、本日の魔法ギルド内に書かれていたお知らせを、僕らは読んでいた。
「‥‥‥『積雪予報』か」
【もうすぐ積もってもおかしくなさそうですものね】
冬真っ盛りというべき季節だが、どうもいよいよ積雪が予想されるらしい。
前世とは違い、除雪機などもなく、除雪はほぼ人力。
ゆえに、雪が降った場合活動が制限されることが多く、こういう予報は大事にされるのだとか。
「魔法ギルドへの依頼も、雪予防対策が多いなぁ」
【雪って結構、厄介ですからね。群れにいた頃はぎゅうぎゅうに集まってしのいだりしましたよ】
それってペンギンがブリザードから身を守る方法と似たようなモノなんだろうけれど…‥‥アラクネってそこまで密集できるのかな?いや、工夫すればできるのか。
ちなみに、大半のモンスターの寒さ対策はどうもその形態が多いらしく、この時期になると密集状態で良く見つかるそうだ。
冬眠はあるそうだが、それは一部で大半が雪が降っていても動くそうだが‥‥‥それでもやはり、活動が制限されるようである。
「冒険者や魔法屋、商人なども活動が制限され、一時的に閑散としそうデス。今のうちに食料の確保などをしておきマス」
「ああ、そうしたほうが良さそうだよね」
物資も不足しないように買い込む人が多くなるようで、いよいよ冬本番という事なのだろう。
「‥‥‥考えてみたら、この世界に来て初の越冬か」
前世というべきか、兄や家族によって命を失い、この世界へ来て初めての本格的な冬。
色々と違う点がありそうだが、対策しないといけないのは同じなのであろう。
とにもかくにも、適当な依頼を受注し、早めに終わらせつつ、対策にさっさと僕らは移りだすのであった。
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SIDE第2王女ミスティア
「‥‥‥はぁ、今年も雪の時期が来たわね」
「フ?」
ボラーン王国の王城、第2王女用の執務室内にて、ミスティアは溜息を吐きつつ書類整理を行っていた。
「そう言えばフィーア、貴女ってまだ雪を見たことが無いのかしら?」
「フ!」
ミスティの問いかけに対して、彼女の護衛を務めているミニワゼシスターズの一人、フィーアはそう返答した。
フィーアが産まれたのは今年で有り、まだ雪を見たことが無い。
一応、ワゼたちとの情報共有などもあるので、データとしては知っているのだが、それでも興味はあるのだ。
「雪はね、扱いによっては観光資源にもなるのだけれども、それ以上に物資の流通が滞る厄介な物なのよね。遊ぶと楽しいのだけれども…‥‥政治を担う立場としては、色々と厄介なのよ」
「フー」
「ええ、それなら降らないようにすれば良いって?ううん、それは無理なのよね」
雨を降らせる、晴天にする、などの儀式型の魔法によって、積雪を予防することは実は可能だったりする。
とはいえ、そういう行為は自然に何らかの影響を与える可能性があり、出来るだけ最小限に絞る必要などもあるのだ。
それに、雪は雪で様々な役割もあって、降らないと困る事もある。
「フー!」
「雪が降ったら、王城の雪かきをするって?ええ、その時はお願いね」
フィーアの言葉に微笑みつつ、ミスティアはそうお願いする。
「ああ、そう言えば忘れてましたわ」
ふと、そこでミスティアは思い出し、いくつかの書類をまとめ、フィーアに渡した。
「えっと、こっちの書類はマイーナ兄様へ、こちらはゼルドラ兄様宛のものですわ」
「フ」
「内容としては、それぞれについているストーカーヤンデレな方々に対する対策費用の決算などで、さっさと渡したほうが良いですわよ」
「フー!」
書類を手に取り、フィーアはそれぞれがいるであろう執務室へ向かって歩みだす。
第1~5王子、第1王女なども本日は王城内にいるので、渡すのはさほど苦労はしないだろう。
そう思いつつ、まずは第1王子であるマイーナの執務室へ近づいたとき、ふとフィーアは気が付いた。
「‥‥‥フ?」
スンスンと嗅いでみれば、城内では嗅ぐことが無いような香り。
なにやらどたばたとしているような音が聞こえ、嫌な予感が思いっきりし始める。
何事かと思い、部屋のノックをしようと思ったが‥‥‥中から聞こえてくるのは激しい怒号。
「うわぁぁあ!何でここに来ているんだ!?接近禁止措置などされていただろ!?」
「おーっほっほっほ!!そんなものはこの愛の前には意味もなし、粉砕してやったのですわぁぁぁ!!」
「協力すれば怖いものなし!!あとは皆で争うだけよ!!」
「さぁ、観念してくださいましぃぃぃぃ!!」
「‥‥‥フ」
あ、これ絶対に物凄く修羅場化しているやつだと思いつつも、フィーアはそっと扉を開け、中の様子を見る。
見れば、マイーナ王子は全力で室内を駆け回って逃走しつつ、彼の後を数人ほどの貴族の女性たち、いや、飢えた肉食獣のような者たちが追いかけている。
修羅場なこの状況、鍛冶場の馬鹿力とでもいうべきか、それともこういう時限定なのか、壁すらも走っているように見えるのだが、相手も負けていない様子。
「フー…‥‥」
どうしたものかと考えつつ、とりあえず収めないことには意味がない。
そこで、ひとまず沈静化させるために、フィーアはあるものを取り出した。
「フ」
構え、狙いを定め、戦場に並ぶタイミングを見計らい、動く。
ビシビシバシン!!
「あふん!」
「おふん!」
「かふん!」
綺麗に王子を除く肉食女性たちを気絶させ、フィーアは刀を収めた。
「フー」
みねうちであるっと伝えつつ、王子へフィーアは駆けよった。
「フ!」
「ん?あ、ああ、ミスティアの護衛の子か…‥‥助かったよ」
助かったことにほっとしつつ、マイーナは書類を受け取った。
「フ?」
「ああ、彼女達はとりあえず城内の警備兵たちへ引き渡してくれ。‥‥‥にしても、あっさりとして来ているような気がするし……あとで警備を見直したほうが良いな」
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