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王族とは何なのか
#116 異変らしいデス
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……深夜、温泉都市メルセデスの住民たちは眠りにつき、都市内の明かりは消えていた。
いや、月見酒なども良いじゃないかと言いながら、温泉に浸かる者たちもいたので、全て寝ているわけではない。
だが、その人たちは起きていたがゆえに、ある異変に気が付くのが早かった。
「ん?おかしいな‥‥‥なんかぬるくないか?」
「そう言われてみれば、湯気すらなくなってきたような‥」
「新しい源泉の供給が滞っているのか?」
最初は、温泉の温度が低くなってきたことから始まり、徐々にその異変は目に見える形で表れてくる。
湯の温度が下がり、その量が減り、枯れ果てていく。
その事態に気が付くも、どうすればいいのか手を尽くせず、どんどん事態は進行していき‥‥‥
―――――――――――――――――――――――
SIDEシアン
「んーっ‥」
身体を伸ばし、僕は目を覚ました。
一瞬、知らない天井が目に入ったが、考えてみれば今は旅館に宿泊中で、自宅にいるのではない。
そう思いつつ、二度寝をちょっと楽しもうかと思い、布団に入ろうとしたところで……ふと、外が騒がしいことに気が付いた。
「ん?」
「…‥‥温泉が、すべて枯れ果てたぁ!?」
「ひとつ残らずですか!?」
【ええええええ!?】
「ええ、そのようデス。この旅館も例外ではなく、どうやら都市すべての温泉が枯れてマス」
朝っぱらからの騒ぎに僕らは着替え、その間にワゼに情報を収集してもらったが、その報告は驚くべきものであった。
温泉都市オルセデス中の、すべての温泉が失せたというのだ。
「原因は不明。源泉に異常事態が起きたのだと推測されますガ、それもおかしいのデス」
「どういうこと?」
この温泉都市は温泉が溢れかえっている。
一つの源泉を元にしているのではなく、数多くの温泉が噴き出す場所があるゆえに、溢れかえっていたのだが‥‥‥そのすべての源泉から温泉が出ていないというのだ。
「全部が元を同じにしているわけでもなく、同時に活動停止したようなのデス。とは言え、この都市では源泉が枯渇する事態も想定して、ある程度の見積もりなどをしていたはずなのですが‥」
「それがすべて外れたのか、今日全部の温泉が枯れたのか」
一体何をどうしたら、すべての源泉が枯れ果てる事態になるのだろうか。
一応、残りの量などはそれぞれで調べられており、実はあと3日ほどで枯れるものもあったそうなのだが、その他は見積もっても10年以上は確実にあったはずらしい。
温泉旅行に来たというのに、その温泉が枯れ果てるって‥‥‥どうなっているのだろうか。
「ワゼ、本当に原因不明なのか?」
「現在、ミニワゼシスターズ全員で調査に当たらせていマス。何かしらの原因を確認できればいいのですが…‥‥」
そう告げるワゼだが、顔色的にまだいい報告が来ていないらしい。
ワゼも多分、ここの温泉を気に入っていたのかもしれない。
「ッ!」
っと、そこでいきなりピンっとワゼの耳からアンテナが立ちあがった。
「‥‥‥ふむ、どうやら原因と言うか、あるモノを見つけたようデス」
「本当か?」
「ええ、ですが連絡によると‥‥‥人目に付くのは少々不味いですカネ」
「?」
どのような報告が来たのかはわからないが、とりあえず今はどのような報告でも欲しい。
そう思いつつ、僕らはワゼの案内の元、その報告のあった場所へ、温泉のために向かうのであった…‥‥
いや、月見酒なども良いじゃないかと言いながら、温泉に浸かる者たちもいたので、全て寝ているわけではない。
だが、その人たちは起きていたがゆえに、ある異変に気が付くのが早かった。
「ん?おかしいな‥‥‥なんかぬるくないか?」
「そう言われてみれば、湯気すらなくなってきたような‥」
「新しい源泉の供給が滞っているのか?」
最初は、温泉の温度が低くなってきたことから始まり、徐々にその異変は目に見える形で表れてくる。
湯の温度が下がり、その量が減り、枯れ果てていく。
その事態に気が付くも、どうすればいいのか手を尽くせず、どんどん事態は進行していき‥‥‥
―――――――――――――――――――――――
SIDEシアン
「んーっ‥」
身体を伸ばし、僕は目を覚ました。
一瞬、知らない天井が目に入ったが、考えてみれば今は旅館に宿泊中で、自宅にいるのではない。
そう思いつつ、二度寝をちょっと楽しもうかと思い、布団に入ろうとしたところで……ふと、外が騒がしいことに気が付いた。
「ん?」
「…‥‥温泉が、すべて枯れ果てたぁ!?」
「ひとつ残らずですか!?」
【ええええええ!?】
「ええ、そのようデス。この旅館も例外ではなく、どうやら都市すべての温泉が枯れてマス」
朝っぱらからの騒ぎに僕らは着替え、その間にワゼに情報を収集してもらったが、その報告は驚くべきものであった。
温泉都市オルセデス中の、すべての温泉が失せたというのだ。
「原因は不明。源泉に異常事態が起きたのだと推測されますガ、それもおかしいのデス」
「どういうこと?」
この温泉都市は温泉が溢れかえっている。
一つの源泉を元にしているのではなく、数多くの温泉が噴き出す場所があるゆえに、溢れかえっていたのだが‥‥‥そのすべての源泉から温泉が出ていないというのだ。
「全部が元を同じにしているわけでもなく、同時に活動停止したようなのデス。とは言え、この都市では源泉が枯渇する事態も想定して、ある程度の見積もりなどをしていたはずなのですが‥」
「それがすべて外れたのか、今日全部の温泉が枯れたのか」
一体何をどうしたら、すべての源泉が枯れ果てる事態になるのだろうか。
一応、残りの量などはそれぞれで調べられており、実はあと3日ほどで枯れるものもあったそうなのだが、その他は見積もっても10年以上は確実にあったはずらしい。
温泉旅行に来たというのに、その温泉が枯れ果てるって‥‥‥どうなっているのだろうか。
「ワゼ、本当に原因不明なのか?」
「現在、ミニワゼシスターズ全員で調査に当たらせていマス。何かしらの原因を確認できればいいのですが…‥‥」
そう告げるワゼだが、顔色的にまだいい報告が来ていないらしい。
ワゼも多分、ここの温泉を気に入っていたのかもしれない。
「ッ!」
っと、そこでいきなりピンっとワゼの耳からアンテナが立ちあがった。
「‥‥‥ふむ、どうやら原因と言うか、あるモノを見つけたようデス」
「本当か?」
「ええ、ですが連絡によると‥‥‥人目に付くのは少々不味いですカネ」
「?」
どのような報告が来たのかはわからないが、とりあえず今はどのような報告でも欲しい。
そう思いつつ、僕らはワゼの案内の元、その報告のあった場所へ、温泉のために向かうのであった…‥‥
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