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6章 卒業、未来へ向けて
6-7 きちんとやるべきこともやっておきながら
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‥‥‥卒業式も終え、ようやく入った社会人生活。
いや、前世とは違ってきちんと貴族としての責務を果たすので貴族生活と言うべきなのかもしれないが、何も楽が出来るような仕事ではない。
ただ人に任せるような貴族家もあるらしいが、それでは不十分だったり横領、汚職などを招きかねないことから、きちんと自分でやれるところはこなしていき、日々の改善を積み重ねる必要がある。
「もちろん、挙式準備も同時並行で進行させるから中々忙しいよねえ」
「キュルル、でも、楽しみ♪」
業務改善、治安向上、そのほか専門家を呼んで負担も減らしてはいるが次々に出てくる仕事の山。
学生時代に比べると‥‥‥いや、もう後半から結構貴族としての仕事もしていたのでそこまで変わらないかもしれないと思いつつも大変な毎日だが、それでも待っている人生で一度きりといえる挙式の時を思うとこの程度は負担ではない。
というか、こうやって忙しく過ごしていると、一応父だった輩がどれだけサボっていたというか貴族としての責務を放棄していたのかがよく理解できるなぁ…‥‥当時とは違って領地も活性化しているので仕事が増えているというのもあるけれども、それでも昔を思うと色々と違ったんだなと思えてしまう。
何にしても、こうやって目まぐるしい貴族家としての生活もしつつ、予定としては後一月ほどですべての準備が整うはずであり、正式にハクロとの婚姻が可能となる。
そうなると辺境伯へと位が上がって、更に大変な仕事の山が出来るかもしれないけれども‥‥‥それでもやっぱり、彼女と結婚出来る事の方が嬉しいので苦にもならないだろう。
「それはそうとハクロ、領民全員の出席も確認できたけれども、式場の様子は?」
「ちょっとまって、えーっと‥‥‥うん、ほぼ出来上がって、飾りつけの準備をしている様子なの」
僕の問いかけに目をつむってしばし待ち、そう答えるハクロ。
どうやら式場の方にも彼女の御手製の人形が置かれているようで、視覚を共有して様子を見ることが出来ているようだ。
結構便利だよね、その人形を使った方法。お手軽監視設備にもなるけれども、ペットとかが家で何をしているのかとか見ることができそうだし、危なそうな場所があればあらかじめ派遣して、安全確認をすることができるなど使い道は多種多様だろう。
でもまぁ、彼女ばかりに負担をかけてはいけないので、人員も裂いて班分けしているけれどね。領内の拡大や辺境伯となった後のさらなる多様化も考えて人を募集しているので、人員はそれなりに足りているのだ。
むしろ、足りすぎてというか募集過多になっているのが問題だけどね…‥‥この領内での仕事に就きたいという人が、かなりの数がいてさばききれないのである。
人によっては他の貴族家の領民もいたりして、問題になりそうなので結構大変なんだよなぁ‥‥‥この帝国内の貴族なら問題は余り無いけど、他国のからだとスパイだとかが紛れこむ可能性もあって、きちんと仕分けをしないと面倒ごとになりかねない。一応、ボランティアで最近仕分けをやってくれる人たちも増えてきているので、負担は多くならないと思いたいけれどね…‥‥ファンクラブとか言う人たちも堂々と出てきたようだし、その辺も考えたいところだ。
「何にしても、挙式までには慣れるだろうし、ゆったりと過ごせる時間ができたら、夫婦になる前の最後の時間を楽しまないかな?」
「いいかも!私、それ、すごい楽しみ!キュルル!!」
忙しい毎日とは言え、まだまだ貴族家当主になったばかりのものであり、慣れていけばもう少し効率的にやることが出来るはず。
いろいろな改善案がこれでもかと出るので、出てきたものを実行していけば楽になっていくだろうし、夫婦になる前の関係もしっかり堪能しようと約束するのであった…‥‥
「そうだ、アルス。私、挙式に招待する人たちいるけれども、全員参加しても大丈夫なの?」
「一応、領内での挙式だからそこまで大々的にとはいかないけれど、それでも広さは確保できているからある程度なら余裕はあるよ。でも、呼ぶ人の詳細を聞きたいんだけど‥‥‥」
「えっとね、本当はサプライズにしたいなって思ってたけれども、よく考えたらちょっと騒ぎになりそうで‥‥‥」
「‥‥‥なるほど。まぁ、予想は出来ていたけれども、問題はない…‥のかな?一応、事前に招待客へお知らせしたほうが良いかもね」
聞いたのはいいけれども、心臓に悪い方々もいるだろうし、配慮をしっかりしないとな。
でも、この場合あとで国に報告するのがちょっと面倒だけど…‥‥うん、頑張ろう。というか、巻き添えにしてしっかりと事後報告にならないようにしておこう‥‥‥‥
いや、前世とは違ってきちんと貴族としての責務を果たすので貴族生活と言うべきなのかもしれないが、何も楽が出来るような仕事ではない。
ただ人に任せるような貴族家もあるらしいが、それでは不十分だったり横領、汚職などを招きかねないことから、きちんと自分でやれるところはこなしていき、日々の改善を積み重ねる必要がある。
「もちろん、挙式準備も同時並行で進行させるから中々忙しいよねえ」
「キュルル、でも、楽しみ♪」
業務改善、治安向上、そのほか専門家を呼んで負担も減らしてはいるが次々に出てくる仕事の山。
学生時代に比べると‥‥‥いや、もう後半から結構貴族としての仕事もしていたのでそこまで変わらないかもしれないと思いつつも大変な毎日だが、それでも待っている人生で一度きりといえる挙式の時を思うとこの程度は負担ではない。
というか、こうやって忙しく過ごしていると、一応父だった輩がどれだけサボっていたというか貴族としての責務を放棄していたのかがよく理解できるなぁ…‥‥当時とは違って領地も活性化しているので仕事が増えているというのもあるけれども、それでも昔を思うと色々と違ったんだなと思えてしまう。
何にしても、こうやって目まぐるしい貴族家としての生活もしつつ、予定としては後一月ほどですべての準備が整うはずであり、正式にハクロとの婚姻が可能となる。
そうなると辺境伯へと位が上がって、更に大変な仕事の山が出来るかもしれないけれども‥‥‥それでもやっぱり、彼女と結婚出来る事の方が嬉しいので苦にもならないだろう。
「それはそうとハクロ、領民全員の出席も確認できたけれども、式場の様子は?」
「ちょっとまって、えーっと‥‥‥うん、ほぼ出来上がって、飾りつけの準備をしている様子なの」
僕の問いかけに目をつむってしばし待ち、そう答えるハクロ。
どうやら式場の方にも彼女の御手製の人形が置かれているようで、視覚を共有して様子を見ることが出来ているようだ。
結構便利だよね、その人形を使った方法。お手軽監視設備にもなるけれども、ペットとかが家で何をしているのかとか見ることができそうだし、危なそうな場所があればあらかじめ派遣して、安全確認をすることができるなど使い道は多種多様だろう。
でもまぁ、彼女ばかりに負担をかけてはいけないので、人員も裂いて班分けしているけれどね。領内の拡大や辺境伯となった後のさらなる多様化も考えて人を募集しているので、人員はそれなりに足りているのだ。
むしろ、足りすぎてというか募集過多になっているのが問題だけどね…‥‥この領内での仕事に就きたいという人が、かなりの数がいてさばききれないのである。
人によっては他の貴族家の領民もいたりして、問題になりそうなので結構大変なんだよなぁ‥‥‥この帝国内の貴族なら問題は余り無いけど、他国のからだとスパイだとかが紛れこむ可能性もあって、きちんと仕分けをしないと面倒ごとになりかねない。一応、ボランティアで最近仕分けをやってくれる人たちも増えてきているので、負担は多くならないと思いたいけれどね…‥‥ファンクラブとか言う人たちも堂々と出てきたようだし、その辺も考えたいところだ。
「何にしても、挙式までには慣れるだろうし、ゆったりと過ごせる時間ができたら、夫婦になる前の最後の時間を楽しまないかな?」
「いいかも!私、それ、すごい楽しみ!キュルル!!」
忙しい毎日とは言え、まだまだ貴族家当主になったばかりのものであり、慣れていけばもう少し効率的にやることが出来るはず。
いろいろな改善案がこれでもかと出るので、出てきたものを実行していけば楽になっていくだろうし、夫婦になる前の関係もしっかり堪能しようと約束するのであった…‥‥
「そうだ、アルス。私、挙式に招待する人たちいるけれども、全員参加しても大丈夫なの?」
「一応、領内での挙式だからそこまで大々的にとはいかないけれど、それでも広さは確保できているからある程度なら余裕はあるよ。でも、呼ぶ人の詳細を聞きたいんだけど‥‥‥」
「えっとね、本当はサプライズにしたいなって思ってたけれども、よく考えたらちょっと騒ぎになりそうで‥‥‥」
「‥‥‥なるほど。まぁ、予想は出来ていたけれども、問題はない…‥のかな?一応、事前に招待客へお知らせしたほうが良いかもね」
聞いたのはいいけれども、心臓に悪い方々もいるだろうし、配慮をしっかりしないとな。
でも、この場合あとで国に報告するのがちょっと面倒だけど…‥‥うん、頑張ろう。というか、巻き添えにしてしっかりと事後報告にならないようにしておこう‥‥‥‥
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