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6章 卒業、未来へ向けて
6-1 さて、ちょっと進めまして
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…‥‥これまでの面倒事の根源と言える輩は何処かへ葬られ、平和に過ごせる時間が再びやってくる。
色々とこなすべき課題なども着々に終え始め、月日も過ぎ去り卒業の時が近くなってくるのだ。
「とはいえ、卒業式後に案外結婚する人が多いな…‥‥いや、僕らもだけど、それなりにいるんだね」
「キュル、温かく、過ごしやすく、何かと豊かになる時期は、誰も彼も同じなのかも」
寮の自室内を軽く整頓しつつ、軽く積み重なった招待状の数々を見てそうつぶやくけれども、その回答はあっているだろう。
付け加えるのであれば、色々な法改正なども進んでおり、実はちょっと婚姻しやすくなったそうであちこちで挙式予定がどんどん出されているらしく、ちょっとしたベビーブームとかが起きそうな予感もする。
寮の同級生たちも同様で、どうやら婚約者がいる者たちのほとんどが同じぐらいの時期に挙式を予定していたりするのである。
ああ、でも全部ではない。時期にこだわりがある人や、何かしらの事情があって数年後に予定する人たちもいるようだけれども、目出度いことが起きるのは良い事だろう。しいて言うのであれば、招待状がこれでもかと多くの人に出されるので、スケジュール調整が大変になることぐらいか。
ちなみに、挙式場としては帝都内の結婚式場が人気らしいが、その結婚専門の領地も存在しているそうで、そちらの方も今がかき入れ時らしく、次期当主となる同級生がその手続きを押しつけられたそうで、魂が抜け出ていたのはご愁傷様としか言いようがない。儲かるのはいいけれども、忙しさと引き換えの天秤にかけるとちょっと迷いそうだ。
「とはいえ、僕らの場合は予定だと領地に作る結婚式場だけど、予定通りのペースで建築が進んでいるらしいから、無事に迎えられそうだよね」
「ふふふ、アルスのお嫁さんから奥さんへもうちょっとでなれる♪」
嬉しそうに口にしつつ、擦り寄ってくるハクロ。
こういうところを見るとずっと変わらないなぁと思いつつも、ふと入学前の時などから考えると、大分変っていた事実に気が付く。
…‥‥いや、今さらか。大きな蜘蛛から人の身体が生え、そして最終的に翼をもった女性になったからね。どう変化しようが驚く意味もないだろう。彼女は彼女だし…‥‥一応、法改正なども進んでいるので、もうほとんど挙式に関しての障害もなく、きちんとした妻にできるのは嬉しい事だ。
「でも、招待客に関してはまだまだ迷うところがあるからなぁ…‥‥」
親はいないし、親戚に関しては遠縁まで探ると辛うじているらしいが、それでもほぼ他人のようなもの。
なので、基本的には領民参加の質素な感じになるはずだが…‥‥それでも、ちょっとは豪勢にやりたいところではある。一世一代の晴れ舞台というか、一生に一度と言って良いものだからね。やれるのであれば、思い出にしっかり残るようなものにしないといけないだろう。
「それに、ハクロの方は招待客の宛はあるの?」
「うん。私の弟に、正妃様、ドマドンお婆ちゃん…‥‥出来れば、ここでの友人、みんな招待したいの」
指を折って数えつつ、そう答えるハクロ。
友人も含めるのであれば、招待客の数はそれなりになるだろうし、そこそこ豪勢になっても大丈夫‥かな?
「えっと、他にも先日で使わなかった‥‥‥あ、でもコレ、まだ内緒だから、言わない」
「ん?そう言えば、おぞましき輩討伐の際にも切り札でって言っていたけど、それに関してなの?」
「うん、でも詳細はまだ秘密。アルス、驚かせるのに良いかも」
色々とこれまで驚かされたことが多いのに、まだ驚かせる気なのか。
そうツッコミを入れたくはなかったが、秘密であれば無理に探る必要はないだろう。こういう場だからこそ、何かしらのサプライズがあっても良いし、楽しみに待つ方がいいような気がする。
でも何でだろう、ちょっとばかり不安があるのは…‥‥怪しい人とか、そういう類はないよね?
何にしても準備は着々と進めつつ、スケジュールの調整なども必要になるし、色々と用意すべきものも多い。
卒業式の方にも意識を向けないといけないだろうし、挙式後は辺境伯の立場も待ち受けているし、やることが多くて少しずつ整理して終えていかないと失敗しそうな気がしてしまうのであった‥‥‥‥
「それに、アルス。ウェディングドレスっていうのも、作っているの!見せてあげるから、それまで待ってね、キュル♪」
「普通は注文したりするけど、自作かぁ‥‥‥うん、楽しみにしているよ、ハクロ」
「あと、ドマドンおばあちゃんから聞いたけど、その後の夜の服とかも作っているの♪」
「ちょっと待って、何を聞いた?」
…‥‥これ、彼女だけに任せちゃいけないやつだ。余計な情報を与える人が絶対に出てくるやつだ。
色々とこなすべき課題なども着々に終え始め、月日も過ぎ去り卒業の時が近くなってくるのだ。
「とはいえ、卒業式後に案外結婚する人が多いな…‥‥いや、僕らもだけど、それなりにいるんだね」
「キュル、温かく、過ごしやすく、何かと豊かになる時期は、誰も彼も同じなのかも」
寮の自室内を軽く整頓しつつ、軽く積み重なった招待状の数々を見てそうつぶやくけれども、その回答はあっているだろう。
付け加えるのであれば、色々な法改正なども進んでおり、実はちょっと婚姻しやすくなったそうであちこちで挙式予定がどんどん出されているらしく、ちょっとしたベビーブームとかが起きそうな予感もする。
寮の同級生たちも同様で、どうやら婚約者がいる者たちのほとんどが同じぐらいの時期に挙式を予定していたりするのである。
ああ、でも全部ではない。時期にこだわりがある人や、何かしらの事情があって数年後に予定する人たちもいるようだけれども、目出度いことが起きるのは良い事だろう。しいて言うのであれば、招待状がこれでもかと多くの人に出されるので、スケジュール調整が大変になることぐらいか。
ちなみに、挙式場としては帝都内の結婚式場が人気らしいが、その結婚専門の領地も存在しているそうで、そちらの方も今がかき入れ時らしく、次期当主となる同級生がその手続きを押しつけられたそうで、魂が抜け出ていたのはご愁傷様としか言いようがない。儲かるのはいいけれども、忙しさと引き換えの天秤にかけるとちょっと迷いそうだ。
「とはいえ、僕らの場合は予定だと領地に作る結婚式場だけど、予定通りのペースで建築が進んでいるらしいから、無事に迎えられそうだよね」
「ふふふ、アルスのお嫁さんから奥さんへもうちょっとでなれる♪」
嬉しそうに口にしつつ、擦り寄ってくるハクロ。
こういうところを見るとずっと変わらないなぁと思いつつも、ふと入学前の時などから考えると、大分変っていた事実に気が付く。
…‥‥いや、今さらか。大きな蜘蛛から人の身体が生え、そして最終的に翼をもった女性になったからね。どう変化しようが驚く意味もないだろう。彼女は彼女だし…‥‥一応、法改正なども進んでいるので、もうほとんど挙式に関しての障害もなく、きちんとした妻にできるのは嬉しい事だ。
「でも、招待客に関してはまだまだ迷うところがあるからなぁ…‥‥」
親はいないし、親戚に関しては遠縁まで探ると辛うじているらしいが、それでもほぼ他人のようなもの。
なので、基本的には領民参加の質素な感じになるはずだが…‥‥それでも、ちょっとは豪勢にやりたいところではある。一世一代の晴れ舞台というか、一生に一度と言って良いものだからね。やれるのであれば、思い出にしっかり残るようなものにしないといけないだろう。
「それに、ハクロの方は招待客の宛はあるの?」
「うん。私の弟に、正妃様、ドマドンお婆ちゃん…‥‥出来れば、ここでの友人、みんな招待したいの」
指を折って数えつつ、そう答えるハクロ。
友人も含めるのであれば、招待客の数はそれなりになるだろうし、そこそこ豪勢になっても大丈夫‥かな?
「えっと、他にも先日で使わなかった‥‥‥あ、でもコレ、まだ内緒だから、言わない」
「ん?そう言えば、おぞましき輩討伐の際にも切り札でって言っていたけど、それに関してなの?」
「うん、でも詳細はまだ秘密。アルス、驚かせるのに良いかも」
色々とこれまで驚かされたことが多いのに、まだ驚かせる気なのか。
そうツッコミを入れたくはなかったが、秘密であれば無理に探る必要はないだろう。こういう場だからこそ、何かしらのサプライズがあっても良いし、楽しみに待つ方がいいような気がする。
でも何でだろう、ちょっとばかり不安があるのは…‥‥怪しい人とか、そういう類はないよね?
何にしても準備は着々と進めつつ、スケジュールの調整なども必要になるし、色々と用意すべきものも多い。
卒業式の方にも意識を向けないといけないだろうし、挙式後は辺境伯の立場も待ち受けているし、やることが多くて少しずつ整理して終えていかないと失敗しそうな気がしてしまうのであった‥‥‥‥
「それに、アルス。ウェディングドレスっていうのも、作っているの!見せてあげるから、それまで待ってね、キュル♪」
「普通は注文したりするけど、自作かぁ‥‥‥うん、楽しみにしているよ、ハクロ」
「あと、ドマドンおばあちゃんから聞いたけど、その後の夜の服とかも作っているの♪」
「ちょっと待って、何を聞いた?」
…‥‥これ、彼女だけに任せちゃいけないやつだ。余計な情報を与える人が絶対に出てくるやつだ。
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