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5章 高等部~そして卒業まで
5-21 面倒事は起こしてほしくはないので
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トゥールがかつてやらかしたことに関しての、始末を頼まれた件。
正直言って、尻拭いのようなものでもあり、面倒事を盛大に押し付けられたとも言え、正直言って非常にやりたくない。
だがしかし、やらなければそのうちやらかされるというのが目に見えており、結局はやらなくてはいけないものになっているせいで、余計に面倒くささを感じさせる。
「だからこそ、やらかされる前にしっかり根こそぎしておきたいけれど、全然見当たらないよね」
「キュルル、変な集団いるのかなー?」
ばさぁっと羽ばたいてもらいながら彼女に抱えられつつ、大空から周囲を見渡してみるのだが、トゥールの言っているような信者集団らしいものは全く見当たらない。
いや、どの様な容姿だとかどのぐらいの規模なのかなどは効いていないけれども、やらかしてきた数々を聞くと小さい集団でもないだろうし、そこそこ大きな印象を抱かされる。
とはいえ、そんな怪しさ上昇中な者たちが、おおっぴらに堂々と活動しているわけではないだろうから、普通に探すのは愚策だろう。見かける集団としても商人一行だったり、旅行者だったり、時たま移動中の盗賊団だったりする程度だ。…‥‥まぁ、帝国内で賊をやらかす輩は潰す必要があるけれども、接近前にすでに感知してるようで騎士団が出ていたりして僕らが出ることは無かったけれどね。
とにもかくにも、何かと手掛かりのなさすぎる狂気の信者集団とやらを普通に探すことはできない。隠れる場所としては洞窟に森の中、あるいは地下などに潜る可能性があり、まともに見つけることができないと予想できる。
‥‥‥であれば、どうするか。その答えはすごく単純に、人海戦術で根こそぎ探せばいいだけの話。一応、前にもあった目に見えず触れられない怪物の例もあるので、その類の技術を持っていると困るのだが、その対策を講じたものを今回しっかりと用意していた。
「ハクロ、人形からの視界は?あと、頭とかへの負担は大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、私、このぐらいなら楽勝だよ。目薬もやったし、きゅるっと丸見えにできているの」
本日は休日で、本当ならばいっしょに買い物とかにも出かけたかったが、面倒事を潰すために協力してくれているハクロに問いかけると、彼女は笑顔で返答してくれた。
彼女の人形たちはどうやら視界を共有できるらしく、数を増やして姿を捉えることができない相手も見ることが出来る目薬も施しており、くまなく探すことが出来ていた。
地中にはモグラの人形、空には鳥の人形、地面には人型だったり蜘蛛だったりと動かしやすい人形たちを配備し、徹底的に探していく。
一気に多くの視界を見ると、普通は頭が混乱したり情報過多で頭痛に悩まされそうだが、そのあたりもしっかり対応できているらしく、負担はさほどないらしい。流石に数万とかの数はきついが、桁を減らして千体ぐらいならば大丈夫のようだ。
まぁ、それでもソコソコ疲れるからと言って、僕を抱きしめているけれどね。精神的に癒されるらしいけれども、本当にそうなのか?単純に抱きしめたいだけなのではと思うが、悪い気はしないのでそこは好きなようにさせている。でもちょっと、柔らかいのが当たるのがドギマギするので僕の方も双眼鏡で目視を続けて意識をちょっとそらすけれどね。
ついでにこの面倒事の元凶を引っ張って来たと思われるフクロウのフックも、ばっちり強制参加だったりする。あちらはあちらで人形たちを数体ほどハクロが何かを施して、負担減らしのための共有をしているらしいけれどね。
何にしても探すこと数時間ほど、特に有力な情報などは見つけられていなかった。
洞窟内でお宝が保存されていたり、モンスター同士の争いに巻き添えになった人がいて救出したり、大雨が降っている場所が晴れて綺麗な虹が出た程度ぐらいしか見つかっていない。
「キュルル、全然、見つからないねー」
「お宝の方はあとで国に知らせるとして、その他もパッとしないからね。あやふやな集団だから、居場所もあやふやすぎて分からないが困りものだよなぁ」
トゥールにもうちょっと、分かりやすい特徴などを問いかけれればよかったかもしれない。元々面倒事を押しつけてきているやつだし、探しやすいようにして欲しかった。
っと、そろそろ今日の捜索は諦めて、帰ろうかなと思っていた…‥‥その時だった。
【おーいおーい!!ハクロさんにその旦那さーん!!怪しさ百点満点のところがあったでごぜいぇやすぅ!!】
空の彼方からすごい勢いで、フックがそう叫びながら飛んで来た。
話を聞くとどうやらそちらの方で怪しい施設を発見したらしく、信者どもがいる可能性が高いそうだ。
「本当か?でも、どこか別の組織とかの可能性は?」
【たぶんそれはないでごぜぇやしょう!!だってそこに潜り込ませた人形、とか言うのモノの視界で、気持ち悪いものがぶくぶくうごうご増やされているのを目撃したのでごぜぇやすもん!!】
「キュル?本当?ちょっと待って、視界共有してみる」
ハクロが手を動かし、瞼を閉じて数分ほどかけ、そして判断する。
「本当かも。アルス、多分その施設が、怪しい集団の場所かも」
「見つけたか…‥‥」
‥‥‥‥一応、見つけたら早いうちに潰しておきたいが、僕らだけでは限度もあるし、何か予想だにできないことがあると非常に不味い。
なのでここは一旦場所を記録しておき、国の方に報告をして指示を仰ぐ方が良さそうである。勝手に動くこともできるけれども、万が一があると最悪だからね。
早めに潰せるならそれに越したことは無いが、一応今の動きを見る限りやらかすのであればもう少し後になりそうで、時間は案外ある模様。
ゆえに、間違えないように場所をしっかりと把握しつつ、報告へ向かうのであった‥‥‥‥
「キュルル、多分、この間からアルス狙っていた地道な嫌がらせの元凶。絶対に許さないし、一気にやるよ!!」
「やる気十分だし、やるなら根絶を目指さないとね」
正直言って、尻拭いのようなものでもあり、面倒事を盛大に押し付けられたとも言え、正直言って非常にやりたくない。
だがしかし、やらなければそのうちやらかされるというのが目に見えており、結局はやらなくてはいけないものになっているせいで、余計に面倒くささを感じさせる。
「だからこそ、やらかされる前にしっかり根こそぎしておきたいけれど、全然見当たらないよね」
「キュルル、変な集団いるのかなー?」
ばさぁっと羽ばたいてもらいながら彼女に抱えられつつ、大空から周囲を見渡してみるのだが、トゥールの言っているような信者集団らしいものは全く見当たらない。
いや、どの様な容姿だとかどのぐらいの規模なのかなどは効いていないけれども、やらかしてきた数々を聞くと小さい集団でもないだろうし、そこそこ大きな印象を抱かされる。
とはいえ、そんな怪しさ上昇中な者たちが、おおっぴらに堂々と活動しているわけではないだろうから、普通に探すのは愚策だろう。見かける集団としても商人一行だったり、旅行者だったり、時たま移動中の盗賊団だったりする程度だ。…‥‥まぁ、帝国内で賊をやらかす輩は潰す必要があるけれども、接近前にすでに感知してるようで騎士団が出ていたりして僕らが出ることは無かったけれどね。
とにもかくにも、何かと手掛かりのなさすぎる狂気の信者集団とやらを普通に探すことはできない。隠れる場所としては洞窟に森の中、あるいは地下などに潜る可能性があり、まともに見つけることができないと予想できる。
‥‥‥であれば、どうするか。その答えはすごく単純に、人海戦術で根こそぎ探せばいいだけの話。一応、前にもあった目に見えず触れられない怪物の例もあるので、その類の技術を持っていると困るのだが、その対策を講じたものを今回しっかりと用意していた。
「ハクロ、人形からの視界は?あと、頭とかへの負担は大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、私、このぐらいなら楽勝だよ。目薬もやったし、きゅるっと丸見えにできているの」
本日は休日で、本当ならばいっしょに買い物とかにも出かけたかったが、面倒事を潰すために協力してくれているハクロに問いかけると、彼女は笑顔で返答してくれた。
彼女の人形たちはどうやら視界を共有できるらしく、数を増やして姿を捉えることができない相手も見ることが出来る目薬も施しており、くまなく探すことが出来ていた。
地中にはモグラの人形、空には鳥の人形、地面には人型だったり蜘蛛だったりと動かしやすい人形たちを配備し、徹底的に探していく。
一気に多くの視界を見ると、普通は頭が混乱したり情報過多で頭痛に悩まされそうだが、そのあたりもしっかり対応できているらしく、負担はさほどないらしい。流石に数万とかの数はきついが、桁を減らして千体ぐらいならば大丈夫のようだ。
まぁ、それでもソコソコ疲れるからと言って、僕を抱きしめているけれどね。精神的に癒されるらしいけれども、本当にそうなのか?単純に抱きしめたいだけなのではと思うが、悪い気はしないのでそこは好きなようにさせている。でもちょっと、柔らかいのが当たるのがドギマギするので僕の方も双眼鏡で目視を続けて意識をちょっとそらすけれどね。
ついでにこの面倒事の元凶を引っ張って来たと思われるフクロウのフックも、ばっちり強制参加だったりする。あちらはあちらで人形たちを数体ほどハクロが何かを施して、負担減らしのための共有をしているらしいけれどね。
何にしても探すこと数時間ほど、特に有力な情報などは見つけられていなかった。
洞窟内でお宝が保存されていたり、モンスター同士の争いに巻き添えになった人がいて救出したり、大雨が降っている場所が晴れて綺麗な虹が出た程度ぐらいしか見つかっていない。
「キュルル、全然、見つからないねー」
「お宝の方はあとで国に知らせるとして、その他もパッとしないからね。あやふやな集団だから、居場所もあやふやすぎて分からないが困りものだよなぁ」
トゥールにもうちょっと、分かりやすい特徴などを問いかけれればよかったかもしれない。元々面倒事を押しつけてきているやつだし、探しやすいようにして欲しかった。
っと、そろそろ今日の捜索は諦めて、帰ろうかなと思っていた…‥‥その時だった。
【おーいおーい!!ハクロさんにその旦那さーん!!怪しさ百点満点のところがあったでごぜいぇやすぅ!!】
空の彼方からすごい勢いで、フックがそう叫びながら飛んで来た。
話を聞くとどうやらそちらの方で怪しい施設を発見したらしく、信者どもがいる可能性が高いそうだ。
「本当か?でも、どこか別の組織とかの可能性は?」
【たぶんそれはないでごぜぇやしょう!!だってそこに潜り込ませた人形、とか言うのモノの視界で、気持ち悪いものがぶくぶくうごうご増やされているのを目撃したのでごぜぇやすもん!!】
「キュル?本当?ちょっと待って、視界共有してみる」
ハクロが手を動かし、瞼を閉じて数分ほどかけ、そして判断する。
「本当かも。アルス、多分その施設が、怪しい集団の場所かも」
「見つけたか…‥‥」
‥‥‥‥一応、見つけたら早いうちに潰しておきたいが、僕らだけでは限度もあるし、何か予想だにできないことがあると非常に不味い。
なのでここは一旦場所を記録しておき、国の方に報告をして指示を仰ぐ方が良さそうである。勝手に動くこともできるけれども、万が一があると最悪だからね。
早めに潰せるならそれに越したことは無いが、一応今の動きを見る限りやらかすのであればもう少し後になりそうで、時間は案外ある模様。
ゆえに、間違えないように場所をしっかりと把握しつつ、報告へ向かうのであった‥‥‥‥
「キュルル、多分、この間からアルス狙っていた地道な嫌がらせの元凶。絶対に許さないし、一気にやるよ!!」
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