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4章 中等部後期~高等部~
4-16 ある意味新鮮と言えば新鮮で
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‥‥‥ハクロが見せかけの人間変身方法、分かりやすく言うなら人化の術というような魔法を開発して数日。
使いどころは難しいのだが…‥‥前世の世界で言う所の光学迷彩に近い技術は、人の姿に似せる方法でなければ、意外な使い道が出来上がっていた。
「‥‥‥おおぅ、内臓をこうやって見るのはえぐいのじゃが、それでもありと言えばありなのかものぅ」
「‥‥‥そこまで体って透けるっけ?どうなっているの?」
【わかんない。でも、出来るかもと思って試したら出来たの、キュル】
脱皮もしていたのでその皮を届けるついでに、モンスター研究所へ僕らは訪れていたが、ハクロの使った新しい魔法を聞いてドマドン所長が興味を持っていた。
そこに、応用を利かせればもしかすると出来るのではないかという案が浮かび、試してもらったが‥‥‥ちょっと生々しすぎるが、出来たことに驚かされた。
【ブモビォ―――!!】
「ふむ、ボルブルピッグの泣き声を上げる際には、このように動くのじゃな…‥‥こうやって中身を見れるのは、中々面白い魔法じゃのぅ」
全身がスケルトンよりももうちょっと生々しい中身丸見えの状態にされている豚のモンスターに対して、所長はそう口にする。
‥‥‥人化の術というか、光学迷彩の魔法というか、その魔法のやり方を色々と変えた結果‥‥レントゲンのように全部を透けて見せる魔法が出来上がってしまったのである。
しかも、魔道具でも実はこれ以上なことはできるのだがこちらは道具いらずであり、しっかりと生きた状態で内臓を観察することが可能であり、より細かい状態を観察できるのだ。
「とは言え、一歩間違えるとグロい‥‥‥うぇっぷ、ちょっと生々しすぎて吐きそう」
【ゴメン、アルス】
流石に解剖状態のような姿を見るのは耐性が無く、僕は少し気分を悪くさせられるのであった。
とにもかくにも、新しい内臓検診方法が出来上がったのは、研究所の方としては喜ばしい事らしい。
しかしながら、この魔法を習得しようにもどうやら光の魔法を使えるようになることが大前提らしいのだが…‥‥使えていたとしても、光を透過させるレベルや屈折率などは非常に調整が難しく、修得には時間がかかりそうなのだ。
ハクロが扱えているのは、こう見えて彼女は結構魔法の扱いに長け、賢い頭脳を持っているからなのだとか‥‥‥普段の様子を見ると、賢い部分に関して疑問をちょっと持ちたくなるけどね。
「それでも、このような魔法が出来るのは良いのぅ。飼育しているやつには体調不良を隠す輩もいるし、これである程度は事前に察知出来て、治療などが施せそうじゃな」
修得まではまだまだかかるとは言え、研究所で実用化できればさらに応用が利くようで、所長は喜んでいる。
医療やその他の研究分野に出来る可能性に、非常に期待を持ったのだろう。
【キュルゥ、でもこれ、人の体になれない…‥‥ちょっと使いどころ、ないの】
「ふむ、元々はそっちの方を考えていたのかのぅ…‥‥儂としては、そのままでいいなと思うのじゃがな」
人の体に見せかける魔法ではあるが、その本質は変わりようがない。
そもそもごまかさなくても彼女が彼女であることは皆が受け入れられているし、わざわざ変える必要もないのだ。
「っと、そう言えば気になったのじゃが…‥‥この魔法は色々と使えるのじゃろ?自分の体の中身を見ようとか思わぬのか?」
【見ても分かんない】
そもそも人の身体と蜘蛛の身体を足しているような彼女の内臓自体、今がどうなっているのか興味が無いわけでもない。
魔石の位置やその他の内臓の状態などは魔道具で把握はできるが、生きて動く光景は見るわけじゃないからね。
でも、さすがにそんな見えすぎる魔法で覗くのは嫌かもな…‥‥便利だけど、人によっては困りものだ。
とにもかくにも役に立つ魔法へと転換され、研究所のほうで利用できるのであればそれで良い。
変なことに関してはもう大人に丸投げしたほうが良さそうで、僕らは思いっきり投げつけるのであった‥‥‥
「しかしのぅ、これはこれで便利な魔法じゃが‥‥‥一つ思うところがあるのじゃ」
「ん?何が?」
「便利なのはいいのじゃけど、お主ら研究所に色々と貢献しているじゃろ?この件に関して、国の方からちょっと言われかねない気がしてのぅ…‥‥」
‥‥‥あまり意識はしていなかったが、功績というのは隠しようがなく、積み重なって行くもの。
その積み重なりは記録されていき、そのツケは将来やってくる。
その事に関して今はまだ、僕らは気が付かないのであった‥‥‥‥
「ところでこれ、内臓を見れるのは良いのじゃが、抑える事もできるのかのぅ?」
【衣服だけってのも、できるよ?】
「ふむ、これならば何か隠し持っている輩がいても検査しやすいし、国防に役立ちそうじゃな。この点も、色々と考えさせられるかもしれぬなぁ‥‥‥‥」
使いどころは難しいのだが…‥‥前世の世界で言う所の光学迷彩に近い技術は、人の姿に似せる方法でなければ、意外な使い道が出来上がっていた。
「‥‥‥おおぅ、内臓をこうやって見るのはえぐいのじゃが、それでもありと言えばありなのかものぅ」
「‥‥‥そこまで体って透けるっけ?どうなっているの?」
【わかんない。でも、出来るかもと思って試したら出来たの、キュル】
脱皮もしていたのでその皮を届けるついでに、モンスター研究所へ僕らは訪れていたが、ハクロの使った新しい魔法を聞いてドマドン所長が興味を持っていた。
そこに、応用を利かせればもしかすると出来るのではないかという案が浮かび、試してもらったが‥‥‥ちょっと生々しすぎるが、出来たことに驚かされた。
【ブモビォ―――!!】
「ふむ、ボルブルピッグの泣き声を上げる際には、このように動くのじゃな…‥‥こうやって中身を見れるのは、中々面白い魔法じゃのぅ」
全身がスケルトンよりももうちょっと生々しい中身丸見えの状態にされている豚のモンスターに対して、所長はそう口にする。
‥‥‥人化の術というか、光学迷彩の魔法というか、その魔法のやり方を色々と変えた結果‥‥レントゲンのように全部を透けて見せる魔法が出来上がってしまったのである。
しかも、魔道具でも実はこれ以上なことはできるのだがこちらは道具いらずであり、しっかりと生きた状態で内臓を観察することが可能であり、より細かい状態を観察できるのだ。
「とは言え、一歩間違えるとグロい‥‥‥うぇっぷ、ちょっと生々しすぎて吐きそう」
【ゴメン、アルス】
流石に解剖状態のような姿を見るのは耐性が無く、僕は少し気分を悪くさせられるのであった。
とにもかくにも、新しい内臓検診方法が出来上がったのは、研究所の方としては喜ばしい事らしい。
しかしながら、この魔法を習得しようにもどうやら光の魔法を使えるようになることが大前提らしいのだが…‥‥使えていたとしても、光を透過させるレベルや屈折率などは非常に調整が難しく、修得には時間がかかりそうなのだ。
ハクロが扱えているのは、こう見えて彼女は結構魔法の扱いに長け、賢い頭脳を持っているからなのだとか‥‥‥普段の様子を見ると、賢い部分に関して疑問をちょっと持ちたくなるけどね。
「それでも、このような魔法が出来るのは良いのぅ。飼育しているやつには体調不良を隠す輩もいるし、これである程度は事前に察知出来て、治療などが施せそうじゃな」
修得まではまだまだかかるとは言え、研究所で実用化できればさらに応用が利くようで、所長は喜んでいる。
医療やその他の研究分野に出来る可能性に、非常に期待を持ったのだろう。
【キュルゥ、でもこれ、人の体になれない…‥‥ちょっと使いどころ、ないの】
「ふむ、元々はそっちの方を考えていたのかのぅ…‥‥儂としては、そのままでいいなと思うのじゃがな」
人の体に見せかける魔法ではあるが、その本質は変わりようがない。
そもそもごまかさなくても彼女が彼女であることは皆が受け入れられているし、わざわざ変える必要もないのだ。
「っと、そう言えば気になったのじゃが…‥‥この魔法は色々と使えるのじゃろ?自分の体の中身を見ようとか思わぬのか?」
【見ても分かんない】
そもそも人の身体と蜘蛛の身体を足しているような彼女の内臓自体、今がどうなっているのか興味が無いわけでもない。
魔石の位置やその他の内臓の状態などは魔道具で把握はできるが、生きて動く光景は見るわけじゃないからね。
でも、さすがにそんな見えすぎる魔法で覗くのは嫌かもな…‥‥便利だけど、人によっては困りものだ。
とにもかくにも役に立つ魔法へと転換され、研究所のほうで利用できるのであればそれで良い。
変なことに関してはもう大人に丸投げしたほうが良さそうで、僕らは思いっきり投げつけるのであった‥‥‥
「しかしのぅ、これはこれで便利な魔法じゃが‥‥‥一つ思うところがあるのじゃ」
「ん?何が?」
「便利なのはいいのじゃけど、お主ら研究所に色々と貢献しているじゃろ?この件に関して、国の方からちょっと言われかねない気がしてのぅ…‥‥」
‥‥‥あまり意識はしていなかったが、功績というのは隠しようがなく、積み重なって行くもの。
その積み重なりは記録されていき、そのツケは将来やってくる。
その事に関して今はまだ、僕らは気が付かないのであった‥‥‥‥
「ところでこれ、内臓を見れるのは良いのじゃが、抑える事もできるのかのぅ?」
【衣服だけってのも、できるよ?】
「ふむ、これならば何か隠し持っている輩がいても検査しやすいし、国防に役立ちそうじゃな。この点も、色々と考えさせられるかもしれぬなぁ‥‥‥‥」
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◇
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