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3章 学園中等部~
3-22 どこかで誰かがやっている
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…‥‥エルスタン帝国内、特別会場。
この会場では今、とある発表会が行われていた。
『---というわけでございまして、アーマードコングの皮には鎧への流用以外にも、耐熱性から盾の方へ全部を潰した液体による方法が~~~』
『オークジュエルの骨からとれる出汁の成分に、とあるものがありまして~~~~』
『ジュエリースライムの新しい利用方法として、薬液による硬質化で装飾品に~~~~』
「‥‥‥ふむふむ、こういうのも勉強になるのぅ」
「所長、熱心にメモを取っているのは良いのですが、そろそろ発表のお時間ですよ」
「おお、そうじゃったな。聞いていると面白いのが多くてのぅ」
連れてきた職員たちの言葉に対して、そう答えるドマドン所長。
一見すると孫を連れてきた親戚の叔父たちと言うような光景にも見えなくはないが、ドマドン所長の瓶底メガネ幼女な姿はここでは周知されており、衛兵たちへ通報されることは無いだろう。
ここでは今、モンスターの研究に関する発表会が行われており、各国のモンスター研究所から様々な研究成果が報告され合い、自分達の知識を高め、より良い利用方法などが模索されていた。
数年おきに開催されるが、それでもどこの国の研究所でも新しい発見が毎年起こる。
モンスターに関する研究は尽きるところを知らず、何かと面白いことなどが見つかるからだ。
そして今年度も開催されており、ドマドン所長一行もエルスタン帝国に研究所を構える者たちとして出席しつつ、発表者にもなっていた。
「さてと、今年度のネタは『ガルバンゾースライムの食用から医療に関する価値』じゃったな。資料もすでに製作済みじゃろ?」
「はい、事前に配布した資料で大体目を通していただけたはずですので、ここでさらに美容液への転換に関しての話題も発表すれば、注目されるかと」
「うむうむ、そしてこの話題が他でさらに改良されるじゃろうし、それはそれで楽しみじゃなぁ」
発表する場において、ここに集う研究者たちは、他の者の研究内容を見聞きしつつ、帰国後に再現実験を行ったりする。
そしてその実験の中で、また新しい発見が溢れることもあり、自分の知識の補充と新規開拓できる余地なども楽しみにしているのだ。
「さてと、それではやるかのぅ」
会場内全体に聞こえる音響の魔道具を手に持ち、ドマドン所長は発表をし始めるのであった…‥‥
『---、と言う訳でなのじゃが、ガルバンゾースライムの美容液転換においても、肌の老廃物を吸収する作用が発見されたのじゃ。これを改良し、より効率よくエキスを抽出できれば、それこそ従来の美容液よりも効果が高い物になるじゃろう。以上じゃ』
パチパチパチパチ‥‥!!
ドマドン所長の発表が終わり、拍手がなされる。
「おおぅ、ガルバンゾースライムにそのような効果が‥‥‥」
「コカトリス牧場に紛れ込むこともありましたが、その方向で活かせば別のものも作れそうです!」
拍手喝采をされる中、続けて質疑応答の時間へと移る。
他の研究者たちの発表もあるので手短に済ませている中で…‥‥一つの質問が上がってきた。
『では、次の質問者は…‥‥ヘルガ公国の研究者じゃな。どうぞ』
「はい。ドマドン所長、貴女のガルバンゾースライムに対する研究データは、たしかに素晴らしい物でした。従来であれば粉々にして肥料にする程度なのに、その価値をさらに増やすのは驚きましたが‥‥‥ある疑問もあるのです」
『それは何かのぅ?』
「所長、貴女のいるエルスタン帝国ですが、数年前からとある珍しいモンスターが…‥‥人の姿も持つ者がいると聞いているのですが、その者の研究データは無いのでしょうか?」
『…‥‥ふむ、その質問か』
研究者の一人が出したその質問に、会場内の視線が注目する。
確かに、ドマドン所長のいるエルスタン帝国では今、とあるモンスターが公認されて過ごしているという話があるのだが、モンスター研究界隈でも名高い彼女が細かい発表をしないのはどういう訳かと思われたのだ。
『あると言えばあるのじゃが、データとしては公表できぬのじゃよ。確かに、人の姿を持った者はいるのじゃけど、心もまた人のようであり、個人として尊重するのであればしないほうが良いかと思ってのぅ』
「そうですか‥‥‥でも、モンスターなことは変わりありませんのに、個人と表現できるのでしょうか?」
『できる‥‥‥とも言えるのぅ。人にあらざるが、人に近く、だからこそ人と言えるようなものを研究発表としては出せぬからのぅ』
モンスター相手であれば研究対象として公表したかもしれない。
けれども、調べていくうちに人に近い物を見出し、人として見るのであれば出さないほうがいい。
そう判断したとドマドン所長は返答した。
‥‥‥まぁ、これはあくまでも表向きの理由で、裏にはまた別の考えもあるのだが。
公認され、皆に愛され、そして幸せを祈られているモンスター…‥‥ハクロ。
所長としても孫娘のような気分で扱うのだが、彼女の能力を詳細に公表しすぎると色々とまた面倒事が起きるのが目に見えている。
それに、再現実験でも行われて、同じような存在が誕生すればそれはそれで興味がわかないと言えばウソにはなるのだが…‥‥それで生まれた相手を、個人として尊重できるのかがわからない。
『人は人であり、モンスターはモンスター。けれども、モンスターでありながらも人になろうとしている彼女は、そのどっちなのかと言うあやふやな部分があるのじゃ。だからこそ、儂としては人に近い判断を下したのじゃよ。個人で尊重するのであれば細かくは言わず…‥‥やってしまえば、それこそ人が人の情報を赤裸々に話すようなものじゃからな』
案に言えば、そんな事をすればモンスターの研究をしている者たちとは言えず、人を研究する者になる。
人を調べる者であればそれはそれで良いのかもしれないが、ここに集う者たちはモンスターについて研究しているのであり、人を調べる気はないのだ。
ゆえに、そのようなたとえ話を出されてしまえば人の研究に近くなるかもしれないと思い、研究する気は無くなる。
研究者魂が根強いからこそ、その道を外すような真似もしたくはないのだ。
『もう、それで質問はお終いじゃな。それでは次は、ブットー共和国の発表なのじゃ』
質疑応答の時間が終わり、ドマドン所長は次の発表者の紹介を軽くして、直ぐにその場を去る。
こうやって他の研究者たちに釘をさせば、むやみに調べようとする輩がいなくなるのわかっている。
孫娘のように思えてしまう彼女だからこそ、その平穏を祈るために何かと施すのだった‥‥‥‥
…‥‥とは言え、それで釘をさしきれるわけでもないのを、知っているだろう。
秘されたものを暴きたくなるものや、隠されればより勘繰る者も出てくる。
そしてドマドン所長の言葉に対して、より探ろうと動く者たちが出るのだが…‥‥まぁ、その者たちは知るまい。彼女の平和を脅かそうとするのであれば、徹底的に妨害する者たちがいる事を。
実験材料としか見ずにのこのこやってこようものなら、代わりに実験材料にしてやろうとするところへ引き渡される未来が待ち受けていることを。
「‥‥‥まぁ、そんな輩は案外いないのじゃがな」
モンスターに興味を持ちつつ、人には興味がなかったりするからこそ、ドマドン所長の言葉から無理に探る気を無くすものが多いだろう。
割と善人が多めな会場内を一瞥しつつ、ドマドン所長はそうつぶやくのであった‥‥‥‥
【キュル、アルス、見て見て!お花さん、咲いた!】
「あ、薬草栽培の科目で出てたホタリナ草か。でもこれ、まだつぼみだよ」
【これで?ぼうっと丸く、花弁出ているのに?】
ドマドン所長が色々やっている一方、放課後の学園内の寮室では、アルスたちはのんびりとした時間を過ごしていた。
先日の皇女の嵐も過ぎ去り、平穏な時間を過ごしているのだが、今日はちょっとした変化があった。
「これ、夜にならないと咲かないらしいんだよね。で、咲いた時に水をかけると光って、幻想的な光景が見れると同時に、僅かな蜜が出るんだって。その蜜が、薬の材料になるんだよ」
【不思議な花、光る光景、見たい!】
鉢植えにあるつぼみを見て、興味津々のように持ってそう口にするハクロ。
中等部になってから受ける授業も何かと多くなったが、薬草栽培の科目で宿題として出されていたからな…‥‥うん、これなら今晩にでも完了するだろう。
あと、結構綺麗な光景だし、一緒に見たいね。
「本当はもっと多い方がすごいらしいけれど、一つだけでもいいよね?」
【うん!アルスと一緒に、見るの、楽しい!!】
僕の言葉に対して、元気に彼女が答えてくれるが、その笑顔が眩しいような気がする。
あの誘拐事件で心に傷を負ってしまいそうだったが、それでも結構メンタルは強くなっていたようで、既に回復済みのようだ。
「なら、今晩はちょっと夜更かしして光る光景を見ようか」
【楽しみ、楽しみ、楽しみ♪】
夜に見るであろう幻想的な光景も楽しみだが‥‥‥‥こうやって喜ぶハクロを見ると、心があったかくなる。
それでいて、誘拐された時に感じた不安感も、こうやって元気な姿を見れば無くなり、非常に安心できるだろう。
【アルス、見よう見よう、幻想的な光景!】
「ああ、見ようか!」
そしてこうやってくっついてくれるのもうれしいし、彼女が大事なのも分かっている。
でも、何かこう、まだわからない気持ちがあるのだが…‥‥うん、でもいつかは答えを知りそうなものだし、まだまだ彼女と楽しく遊んでいたいかな。
そう思いつつ、今晩の夜更かしの予定を立てるのであった‥‥‥‥
【ホタリナ草、光る光景♪幻想的、それ楽しみ♪アルスと一緒に‥‥‥キュル?】
「ん?どうしたのハクロ?」
【んー…‥‥なーんか、体むずって来た。多分、脱皮来るかも】
「また?開花するタイミングでするかもなぁ…‥‥」
【ゆっくり、見たいのに…‥‥でも、そんなに時間、かからないし、大丈夫♪】
この会場では今、とある発表会が行われていた。
『---というわけでございまして、アーマードコングの皮には鎧への流用以外にも、耐熱性から盾の方へ全部を潰した液体による方法が~~~』
『オークジュエルの骨からとれる出汁の成分に、とあるものがありまして~~~~』
『ジュエリースライムの新しい利用方法として、薬液による硬質化で装飾品に~~~~』
「‥‥‥ふむふむ、こういうのも勉強になるのぅ」
「所長、熱心にメモを取っているのは良いのですが、そろそろ発表のお時間ですよ」
「おお、そうじゃったな。聞いていると面白いのが多くてのぅ」
連れてきた職員たちの言葉に対して、そう答えるドマドン所長。
一見すると孫を連れてきた親戚の叔父たちと言うような光景にも見えなくはないが、ドマドン所長の瓶底メガネ幼女な姿はここでは周知されており、衛兵たちへ通報されることは無いだろう。
ここでは今、モンスターの研究に関する発表会が行われており、各国のモンスター研究所から様々な研究成果が報告され合い、自分達の知識を高め、より良い利用方法などが模索されていた。
数年おきに開催されるが、それでもどこの国の研究所でも新しい発見が毎年起こる。
モンスターに関する研究は尽きるところを知らず、何かと面白いことなどが見つかるからだ。
そして今年度も開催されており、ドマドン所長一行もエルスタン帝国に研究所を構える者たちとして出席しつつ、発表者にもなっていた。
「さてと、今年度のネタは『ガルバンゾースライムの食用から医療に関する価値』じゃったな。資料もすでに製作済みじゃろ?」
「はい、事前に配布した資料で大体目を通していただけたはずですので、ここでさらに美容液への転換に関しての話題も発表すれば、注目されるかと」
「うむうむ、そしてこの話題が他でさらに改良されるじゃろうし、それはそれで楽しみじゃなぁ」
発表する場において、ここに集う研究者たちは、他の者の研究内容を見聞きしつつ、帰国後に再現実験を行ったりする。
そしてその実験の中で、また新しい発見が溢れることもあり、自分の知識の補充と新規開拓できる余地なども楽しみにしているのだ。
「さてと、それではやるかのぅ」
会場内全体に聞こえる音響の魔道具を手に持ち、ドマドン所長は発表をし始めるのであった…‥‥
『---、と言う訳でなのじゃが、ガルバンゾースライムの美容液転換においても、肌の老廃物を吸収する作用が発見されたのじゃ。これを改良し、より効率よくエキスを抽出できれば、それこそ従来の美容液よりも効果が高い物になるじゃろう。以上じゃ』
パチパチパチパチ‥‥!!
ドマドン所長の発表が終わり、拍手がなされる。
「おおぅ、ガルバンゾースライムにそのような効果が‥‥‥」
「コカトリス牧場に紛れ込むこともありましたが、その方向で活かせば別のものも作れそうです!」
拍手喝采をされる中、続けて質疑応答の時間へと移る。
他の研究者たちの発表もあるので手短に済ませている中で…‥‥一つの質問が上がってきた。
『では、次の質問者は…‥‥ヘルガ公国の研究者じゃな。どうぞ』
「はい。ドマドン所長、貴女のガルバンゾースライムに対する研究データは、たしかに素晴らしい物でした。従来であれば粉々にして肥料にする程度なのに、その価値をさらに増やすのは驚きましたが‥‥‥ある疑問もあるのです」
『それは何かのぅ?』
「所長、貴女のいるエルスタン帝国ですが、数年前からとある珍しいモンスターが…‥‥人の姿も持つ者がいると聞いているのですが、その者の研究データは無いのでしょうか?」
『…‥‥ふむ、その質問か』
研究者の一人が出したその質問に、会場内の視線が注目する。
確かに、ドマドン所長のいるエルスタン帝国では今、とあるモンスターが公認されて過ごしているという話があるのだが、モンスター研究界隈でも名高い彼女が細かい発表をしないのはどういう訳かと思われたのだ。
『あると言えばあるのじゃが、データとしては公表できぬのじゃよ。確かに、人の姿を持った者はいるのじゃけど、心もまた人のようであり、個人として尊重するのであればしないほうが良いかと思ってのぅ』
「そうですか‥‥‥でも、モンスターなことは変わりありませんのに、個人と表現できるのでしょうか?」
『できる‥‥‥とも言えるのぅ。人にあらざるが、人に近く、だからこそ人と言えるようなものを研究発表としては出せぬからのぅ』
モンスター相手であれば研究対象として公表したかもしれない。
けれども、調べていくうちに人に近い物を見出し、人として見るのであれば出さないほうがいい。
そう判断したとドマドン所長は返答した。
‥‥‥まぁ、これはあくまでも表向きの理由で、裏にはまた別の考えもあるのだが。
公認され、皆に愛され、そして幸せを祈られているモンスター…‥‥ハクロ。
所長としても孫娘のような気分で扱うのだが、彼女の能力を詳細に公表しすぎると色々とまた面倒事が起きるのが目に見えている。
それに、再現実験でも行われて、同じような存在が誕生すればそれはそれで興味がわかないと言えばウソにはなるのだが…‥‥それで生まれた相手を、個人として尊重できるのかがわからない。
『人は人であり、モンスターはモンスター。けれども、モンスターでありながらも人になろうとしている彼女は、そのどっちなのかと言うあやふやな部分があるのじゃ。だからこそ、儂としては人に近い判断を下したのじゃよ。個人で尊重するのであれば細かくは言わず…‥‥やってしまえば、それこそ人が人の情報を赤裸々に話すようなものじゃからな』
案に言えば、そんな事をすればモンスターの研究をしている者たちとは言えず、人を研究する者になる。
人を調べる者であればそれはそれで良いのかもしれないが、ここに集う者たちはモンスターについて研究しているのであり、人を調べる気はないのだ。
ゆえに、そのようなたとえ話を出されてしまえば人の研究に近くなるかもしれないと思い、研究する気は無くなる。
研究者魂が根強いからこそ、その道を外すような真似もしたくはないのだ。
『もう、それで質問はお終いじゃな。それでは次は、ブットー共和国の発表なのじゃ』
質疑応答の時間が終わり、ドマドン所長は次の発表者の紹介を軽くして、直ぐにその場を去る。
こうやって他の研究者たちに釘をさせば、むやみに調べようとする輩がいなくなるのわかっている。
孫娘のように思えてしまう彼女だからこそ、その平穏を祈るために何かと施すのだった‥‥‥‥
…‥‥とは言え、それで釘をさしきれるわけでもないのを、知っているだろう。
秘されたものを暴きたくなるものや、隠されればより勘繰る者も出てくる。
そしてドマドン所長の言葉に対して、より探ろうと動く者たちが出るのだが…‥‥まぁ、その者たちは知るまい。彼女の平和を脅かそうとするのであれば、徹底的に妨害する者たちがいる事を。
実験材料としか見ずにのこのこやってこようものなら、代わりに実験材料にしてやろうとするところへ引き渡される未来が待ち受けていることを。
「‥‥‥まぁ、そんな輩は案外いないのじゃがな」
モンスターに興味を持ちつつ、人には興味がなかったりするからこそ、ドマドン所長の言葉から無理に探る気を無くすものが多いだろう。
割と善人が多めな会場内を一瞥しつつ、ドマドン所長はそうつぶやくのであった‥‥‥‥
【キュル、アルス、見て見て!お花さん、咲いた!】
「あ、薬草栽培の科目で出てたホタリナ草か。でもこれ、まだつぼみだよ」
【これで?ぼうっと丸く、花弁出ているのに?】
ドマドン所長が色々やっている一方、放課後の学園内の寮室では、アルスたちはのんびりとした時間を過ごしていた。
先日の皇女の嵐も過ぎ去り、平穏な時間を過ごしているのだが、今日はちょっとした変化があった。
「これ、夜にならないと咲かないらしいんだよね。で、咲いた時に水をかけると光って、幻想的な光景が見れると同時に、僅かな蜜が出るんだって。その蜜が、薬の材料になるんだよ」
【不思議な花、光る光景、見たい!】
鉢植えにあるつぼみを見て、興味津々のように持ってそう口にするハクロ。
中等部になってから受ける授業も何かと多くなったが、薬草栽培の科目で宿題として出されていたからな…‥‥うん、これなら今晩にでも完了するだろう。
あと、結構綺麗な光景だし、一緒に見たいね。
「本当はもっと多い方がすごいらしいけれど、一つだけでもいいよね?」
【うん!アルスと一緒に、見るの、楽しい!!】
僕の言葉に対して、元気に彼女が答えてくれるが、その笑顔が眩しいような気がする。
あの誘拐事件で心に傷を負ってしまいそうだったが、それでも結構メンタルは強くなっていたようで、既に回復済みのようだ。
「なら、今晩はちょっと夜更かしして光る光景を見ようか」
【楽しみ、楽しみ、楽しみ♪】
夜に見るであろう幻想的な光景も楽しみだが‥‥‥‥こうやって喜ぶハクロを見ると、心があったかくなる。
それでいて、誘拐された時に感じた不安感も、こうやって元気な姿を見れば無くなり、非常に安心できるだろう。
【アルス、見よう見よう、幻想的な光景!】
「ああ、見ようか!」
そしてこうやってくっついてくれるのもうれしいし、彼女が大事なのも分かっている。
でも、何かこう、まだわからない気持ちがあるのだが…‥‥うん、でもいつかは答えを知りそうなものだし、まだまだ彼女と楽しく遊んでいたいかな。
そう思いつつ、今晩の夜更かしの予定を立てるのであった‥‥‥‥
【ホタリナ草、光る光景♪幻想的、それ楽しみ♪アルスと一緒に‥‥‥キュル?】
「ん?どうしたのハクロ?」
【んー…‥‥なーんか、体むずって来た。多分、脱皮来るかも】
「また?開花するタイミングでするかもなぁ…‥‥」
【ゆっくり、見たいのに…‥‥でも、そんなに時間、かからないし、大丈夫♪】
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