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それからかれこれ数年後
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数年後、ミアスギースと婚約し、喫茶店を彼と共に経営していた。
あれよあれよと流されている間に、気が付けば彼に彼女は惹かれていたのである。
世の中何が起きるのかわからないというが、そんな言葉をまさに体感したようなものだなと、ふとミアスは思った。
「どうしたんだいミアス?」
「いえ、何でもないですわね」
ミアスの考えこんだ様子に、ギースが尋ねてきたが、すぐに気持ちを彼女は切り替えて返答した。
‥‥‥実はすでに、ミアスはギースと婚約したのである。
どうやら彼は以前からミアスに好意を持っていたらしく、婚約破棄後の喫茶店経営から出会うまでの間、密かに援助をしてくれていたそうなのだ。
考えてみれば、元々お嬢さまでもあったミアスの女の細腕一つだけで、初めての喫茶店を無事に営業できたのだろうか?
いや、無理だったのかもしれない。
彼女自身、能力がったのかもしれないが、やはり手探りな状況で無事に軌道に乗せるには誰かの手助けが必要だったのだろう。
その為、その秘密を彼が明かしてくれた時には、人生で二番目に驚いたのであった。
1番?婚約の時の告白ですよ。
でもねぇ、告白の時に舌を噛んで、それでものすごい焦っていたギースの顔は生涯忘れないようにしておきましょう。
あれはあれで結構笑えましたからね。
「挙式したら、今度は店名を変えようかしらね?」
「ああ、それはそれでいいかもしれないな」
うふふふ、あはははと笑いあい、楽しくギースと語り、喫茶店をミアスが営んでいたその時であった。
ドッカァァァァァァァァン!!
「「!?」」
突如として、何かが爆発したような大きな音と振動を二人は感じた。
何事かと思い、外に出てみると…‥‥
「あれは・・・・・!?」
そこにいた人物を見て、思わずミアスは目を疑った。
だいぶボロボロであり、贅肉もこそげて頬もこけており、何日も風呂に入っていないのか悪臭を漂わせてハエが頭の上を待っているが、それでも面影はある。
「ありゃ、馬鹿屑マヌケとんま野郎王子だった奴か」
「ええ、ズービクで間違いないわね」
パスタリアン王国の国王、いや既に終戦し、属国となった国の元国王とでもいうべきだろうか。
ミアスと婚約破棄をして、その無能さを周囲にまざまざと、王位についても見せつけまくっていたというズービク本人が、なにやらダイナマイトのような物を手に持って、その通りにある一軒の店の前に立っていた。
「ぐああはははははははははは!!どうだ思い知ったかミストリアンの国め!!我が国は敗戦したように見せかけているが、この僕ちんが生き残っている限り不滅なのだぁぁぁぁぁあ!!」
高笑いをして、そう告げるズービク。
その目は何処か狂気を帯びており、まともな思考になっていないことを明らかにしていた。
「な、何であの方がこんなところに‥‥‥」
よく見ると、その周囲にはかつての取りまきでもあったコザトロイ、シャッグ、ビボーンもいたが、誰もが狂気を宿し、ボロボロの状態であった。
「‥‥‥なーるほど、ついに起きたか」
「え?」
「ほらミアス、あいつらの中にあのアバズレトというか、ズーバッレがいないだろう?」
ギースの言葉を聞き、探してみると確かにあの時、屑野郎にくっついていた女がいないことに、ミアスは気が付いた。
「あの女はさ、ただの娼婦モドキかと思っていたが‥‥‥どうやらもっと怖い怪物だったんだよね」
「どういうことですか?それがどうなってあの者たちを狂気に走らせたでしょうか?」
ミアスの質問に対し、ギースは手短に説明した。
あのズーバッレ、実は‥‥‥大昔から、ギースたちが所属しているある組織の記録にもある「国を滅ぼす魔女」としてあるらしい。
とはいえ、彼女は国を無差別に滅ぼすわけではない。
もとから滅びそうな、本気の屑が現れた時のみに出現し、その存在を知らしめることによって国の方かいが近いことをアピールしているのだという。
どう対処しても、必ず彼女が出現した国は滅び、そしてその置き土産に、トップの者たちが狂気に見舞われるというそうだ。
「ただ単に悪い奴なら楽だったが、要は自然災害のような野郎でな、しかも国の滅びを象徴するための警告を出す奴として、様々な文献を探せばその姿はあるそうだ」
で、そんな彼女が出現したという事で、パスタリアン王国の中で滅びを悟った者たちは逃げ出したのだという。
「となれば、あのズービクたちの狂気の様子も」
「わかったか?つまりあいつらは最終段階‥‥‥狂気に見舞われたというわけだ」
もともと屑な野郎だったが、さらに屑と例えるには屑の方が失礼だという位、残念頭へと彼らは移行したらしい。
この時点になると、ズーバッレはその姿を消してしまう。
まるで、自分の役目はすでに終わったかのように消え失せるのだというのだ。
「ま、元々彼女が標的にするのは本当の屑野郎だから、いてもいなくても、いずれあんな最低野郎になっただろうよ」
高笑いをしつつ暴れようとする狂気のズービクを見て、ギースはそう言った。
つまり、彼女が現れても現れなくても‥‥‥いずれ、あの馬鹿たちは救いようのないところまで行ったのかもしれない。
ズーバッレが出たことによって、死期が早まっただけに違いないだろう。
とはいえ、今はそんなことを考えている場合ではなかった。
「ぬぅぅぅぅぅん!?そこにいるのはミアス令嬢ではないか!!このミストリアンを潰した後に新生パスタリアンを立ち上げるにはふさわしくないものではないか!!」
「うわっ、見つかったか」
ぐるんと、狂気にまみれた表情でズービクがミアスの方を振り向き、そう叫ぶ。
「者ども、僕ちんの新たな建国のためにその女を捕らえよ!!身包みをはがし、新た国が出来たときには全国民専用共通の、」
ズービクが最後まで言い切ろうとした時、目にもとまらぬ速さでギースが彼の目前に迫った。
「‥‥‥屑は死んでも治らないか、実験しようか?」
にこやかに、それでいて物凄い怒気を発して、ズービクたちは一歩後ずさる。
理性が狂気でだいぶ失われているようだが、それでも生物の本能として危機を察したようである。
「ひ、っひぃぃぃぃぃ!!」
「逃がすかぁぁぁ!!」
すべてを置いて我先にと逃げ出そうとするズービク達。
だがしかし、愛するミアスを悪いように言われたギースは怒り心頭のようで、無慈悲にも魔法を連射しまくった。
炎が踊り、水が噴き出し、水びだしになったところに雷が落ち、大地から岩が飛び出し、氷の槍に貫かれ、風の刃で切り裂かれ、ありとあらゆる魔法のオンパレードが屑野郎どもに襲い掛かった。
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
防ぐ手立てもなく、全部命中した屑野郎共。
一応加減したのか、ギリギリ意識のある状態でその場にまるで黒焦げになった豚のように、ズービクたちは横たわった。
‥‥‥その後、衛兵たちが呼ばれ、彼らは連行されていった。
そして、ミストリアン内での破壊行為や、パスタリアン王国内での罪などもどんどん挙げられていき、最終的には市中引き回しの上の磔及び処刑されて、彼らはあっけなく命を散らしたのであった。
元から屑で、救いようがなかったがゆえに、面白みのない末路を辿ったズービクたち。
もし、ミアスが彼らを見限らずに何とかしていたのであれば、まだこの世にとどまれたのかもしれない。
だがしかし、ミアスはそうはしなかったのだろう。
「だって、もうとっくの間に婚約破棄の場で彼らを見限っていましたからね!」
そうミアスは答え、その後無事にギースと結婚し、喫茶店を経営しながらも子宝に恵まれたそうである‥‥‥
あれよあれよと流されている間に、気が付けば彼に彼女は惹かれていたのである。
世の中何が起きるのかわからないというが、そんな言葉をまさに体感したようなものだなと、ふとミアスは思った。
「どうしたんだいミアス?」
「いえ、何でもないですわね」
ミアスの考えこんだ様子に、ギースが尋ねてきたが、すぐに気持ちを彼女は切り替えて返答した。
‥‥‥実はすでに、ミアスはギースと婚約したのである。
どうやら彼は以前からミアスに好意を持っていたらしく、婚約破棄後の喫茶店経営から出会うまでの間、密かに援助をしてくれていたそうなのだ。
考えてみれば、元々お嬢さまでもあったミアスの女の細腕一つだけで、初めての喫茶店を無事に営業できたのだろうか?
いや、無理だったのかもしれない。
彼女自身、能力がったのかもしれないが、やはり手探りな状況で無事に軌道に乗せるには誰かの手助けが必要だったのだろう。
その為、その秘密を彼が明かしてくれた時には、人生で二番目に驚いたのであった。
1番?婚約の時の告白ですよ。
でもねぇ、告白の時に舌を噛んで、それでものすごい焦っていたギースの顔は生涯忘れないようにしておきましょう。
あれはあれで結構笑えましたからね。
「挙式したら、今度は店名を変えようかしらね?」
「ああ、それはそれでいいかもしれないな」
うふふふ、あはははと笑いあい、楽しくギースと語り、喫茶店をミアスが営んでいたその時であった。
ドッカァァァァァァァァン!!
「「!?」」
突如として、何かが爆発したような大きな音と振動を二人は感じた。
何事かと思い、外に出てみると…‥‥
「あれは・・・・・!?」
そこにいた人物を見て、思わずミアスは目を疑った。
だいぶボロボロであり、贅肉もこそげて頬もこけており、何日も風呂に入っていないのか悪臭を漂わせてハエが頭の上を待っているが、それでも面影はある。
「ありゃ、馬鹿屑マヌケとんま野郎王子だった奴か」
「ええ、ズービクで間違いないわね」
パスタリアン王国の国王、いや既に終戦し、属国となった国の元国王とでもいうべきだろうか。
ミアスと婚約破棄をして、その無能さを周囲にまざまざと、王位についても見せつけまくっていたというズービク本人が、なにやらダイナマイトのような物を手に持って、その通りにある一軒の店の前に立っていた。
「ぐああはははははははははは!!どうだ思い知ったかミストリアンの国め!!我が国は敗戦したように見せかけているが、この僕ちんが生き残っている限り不滅なのだぁぁぁぁぁあ!!」
高笑いをして、そう告げるズービク。
その目は何処か狂気を帯びており、まともな思考になっていないことを明らかにしていた。
「な、何であの方がこんなところに‥‥‥」
よく見ると、その周囲にはかつての取りまきでもあったコザトロイ、シャッグ、ビボーンもいたが、誰もが狂気を宿し、ボロボロの状態であった。
「‥‥‥なーるほど、ついに起きたか」
「え?」
「ほらミアス、あいつらの中にあのアバズレトというか、ズーバッレがいないだろう?」
ギースの言葉を聞き、探してみると確かにあの時、屑野郎にくっついていた女がいないことに、ミアスは気が付いた。
「あの女はさ、ただの娼婦モドキかと思っていたが‥‥‥どうやらもっと怖い怪物だったんだよね」
「どういうことですか?それがどうなってあの者たちを狂気に走らせたでしょうか?」
ミアスの質問に対し、ギースは手短に説明した。
あのズーバッレ、実は‥‥‥大昔から、ギースたちが所属しているある組織の記録にもある「国を滅ぼす魔女」としてあるらしい。
とはいえ、彼女は国を無差別に滅ぼすわけではない。
もとから滅びそうな、本気の屑が現れた時のみに出現し、その存在を知らしめることによって国の方かいが近いことをアピールしているのだという。
どう対処しても、必ず彼女が出現した国は滅び、そしてその置き土産に、トップの者たちが狂気に見舞われるというそうだ。
「ただ単に悪い奴なら楽だったが、要は自然災害のような野郎でな、しかも国の滅びを象徴するための警告を出す奴として、様々な文献を探せばその姿はあるそうだ」
で、そんな彼女が出現したという事で、パスタリアン王国の中で滅びを悟った者たちは逃げ出したのだという。
「となれば、あのズービクたちの狂気の様子も」
「わかったか?つまりあいつらは最終段階‥‥‥狂気に見舞われたというわけだ」
もともと屑な野郎だったが、さらに屑と例えるには屑の方が失礼だという位、残念頭へと彼らは移行したらしい。
この時点になると、ズーバッレはその姿を消してしまう。
まるで、自分の役目はすでに終わったかのように消え失せるのだというのだ。
「ま、元々彼女が標的にするのは本当の屑野郎だから、いてもいなくても、いずれあんな最低野郎になっただろうよ」
高笑いをしつつ暴れようとする狂気のズービクを見て、ギースはそう言った。
つまり、彼女が現れても現れなくても‥‥‥いずれ、あの馬鹿たちは救いようのないところまで行ったのかもしれない。
ズーバッレが出たことによって、死期が早まっただけに違いないだろう。
とはいえ、今はそんなことを考えている場合ではなかった。
「ぬぅぅぅぅぅん!?そこにいるのはミアス令嬢ではないか!!このミストリアンを潰した後に新生パスタリアンを立ち上げるにはふさわしくないものではないか!!」
「うわっ、見つかったか」
ぐるんと、狂気にまみれた表情でズービクがミアスの方を振り向き、そう叫ぶ。
「者ども、僕ちんの新たな建国のためにその女を捕らえよ!!身包みをはがし、新た国が出来たときには全国民専用共通の、」
ズービクが最後まで言い切ろうとした時、目にもとまらぬ速さでギースが彼の目前に迫った。
「‥‥‥屑は死んでも治らないか、実験しようか?」
にこやかに、それでいて物凄い怒気を発して、ズービクたちは一歩後ずさる。
理性が狂気でだいぶ失われているようだが、それでも生物の本能として危機を察したようである。
「ひ、っひぃぃぃぃぃ!!」
「逃がすかぁぁぁ!!」
すべてを置いて我先にと逃げ出そうとするズービク達。
だがしかし、愛するミアスを悪いように言われたギースは怒り心頭のようで、無慈悲にも魔法を連射しまくった。
炎が踊り、水が噴き出し、水びだしになったところに雷が落ち、大地から岩が飛び出し、氷の槍に貫かれ、風の刃で切り裂かれ、ありとあらゆる魔法のオンパレードが屑野郎どもに襲い掛かった。
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」
防ぐ手立てもなく、全部命中した屑野郎共。
一応加減したのか、ギリギリ意識のある状態でその場にまるで黒焦げになった豚のように、ズービクたちは横たわった。
‥‥‥その後、衛兵たちが呼ばれ、彼らは連行されていった。
そして、ミストリアン内での破壊行為や、パスタリアン王国内での罪などもどんどん挙げられていき、最終的には市中引き回しの上の磔及び処刑されて、彼らはあっけなく命を散らしたのであった。
元から屑で、救いようがなかったがゆえに、面白みのない末路を辿ったズービクたち。
もし、ミアスが彼らを見限らずに何とかしていたのであれば、まだこの世にとどまれたのかもしれない。
だがしかし、ミアスはそうはしなかったのだろう。
「だって、もうとっくの間に婚約破棄の場で彼らを見限っていましたからね!」
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