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Ver.F ~終わりと始まり、そして次へ~
ver.F-8 密かに年月も経過して
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―――どれほど人気のコンテンツが大きな話題を呼んだとしても、その期間はすごい長いわけではない。
あとから別の話題が色々と出てくることで、次第にそれは影を薄くなり、自然と見失ってしまうだろう。
それでも、オンラインの世界と言うものがある以上、完全にアルケディア・オンラインに関しての話題が消え失せるわけではない。
様々な問題があったとしても、どこかで落としどころがあり、そこで落ち着いてゆったりとした空気になって…
「…税金やら生体移動での法整備、その他様々なものもあったけれども…1年も経過すれば、下手な反対団体やら野心溢れる組織とかも完全に沈黙したか」
「もしくは、二度と表に出られないように轟沈させたか…その可能性もあるよね」
ゆったりとアルケディア・オンラインの中で、ボートを漕ぎながらハルとミントはそうつぶやく。
ここはオンラインの宇宙フィールドにある惑星の一つであり、あちこちで今も人々が観光に訪れる中でも静かな星。
そこでボートを借り、ゆったりと今は現実を忘れて時間を過ごしているのだ。
…まぁ、現実世界は現実世界で、結構大変でもあるけれどもね。
「轟沈って怖いなぁ…まぁ、そこまでやったほうがおとなしくなるのかなぁ…うちの会社の環境保全活動が、まさか大きくなってしまうとは…」
「こっちもこっちで、裏社会のほうの何やらで色々ごたごたしたりと…ここばっかりは、便利な物やらそういうものが合う限りは収まりが見えないけど」
「「今月も疲れたよねぇ…はぁ…」」
息ぴったりな、シンクロした言葉が出たが、どちらもここ最近は忙しかった。
順調にやることが軌道に乗って、楽々と進むのは良かったのだが…いかんせん、その楽に進んだ先の苦労が代償としてやってきたようなものなのだ。
「まともに森林が増えるのならばまだしも、伐採したらそれはそれで上質な木材となっていたのを理解して、狙う密猟者ならぬ密伐採者とか…」
「生体移動の抜け道を探そうとして裏のほうに触れて、その記憶処理やら痕跡消去、馬鹿みたいな組織の爆破案件とか…」
はぁぁぁっとため息を吐く間に、お互いに色々と出てしまうもの。
何か利益があればそれに群がるものが出るのは当たり前のことだが、悪質なものが来るのは勘弁してほしいモノ。
流石に今はもうないけれども、女神の力があったら問答無用でふっ飛ばせた気も…いいや、無いほうが良いか。それをやったら後片付けのほうが面倒だし、無いものを使う必要はない。
そんなことを考えずとも、今はただのんびりとここで過ごす方がはるかに良いか。
「私も真祖の力があっても、それでもやってくるもの相手は面倒だったし…いっそあの面倒な輩全員、ここのブラックホールへ投げ入れたい…現実世界の物よりもはるかに手軽にできる、抹消方法で…」
「それは流石にやばいけど…ああ、でもできなくない…のかな?」
物騒な話になるが、止める意味があるかと言えばそうでもないだろう。
面倒な者たちをそうやって掃除機に吸わせてきれいさっぱりにしたいのは物凄く理解できる。
やれるものたちがいるからこそ、現実味が増しており、少しばかりは計画を…
「いや、やめておこう。流石に後々面倒なことになりそうだ」
「現実にいる人たちなので、社会的抹殺のほうが現実的だしね」
手段を変えて、多少は優しい方にする。
「それに、こういう休みの時ばっかりは思い出さないほうが良いか…ぼうっとするこの感覚を、今は楽しもうよミーちゃん」
「ええ、そうだねハル。そういうのは打っ飛ばして、この大空の元でゆったりと漂って気を抜きまくろう!」
そういうことでお互いに力を抜き、空を眺めて水面に揺れる。
「ふわぁ…こういうゆったりとできる場所が、星が存在しているのも良いところ…現実だと突然の大雨と彼不安もあるけど、この惑星はずっと晴れだからその心配もないし」
「ログアウトすれば即自宅…あれ?もしかして相当有意義な利用方法では…」
「ありかもありかも、なんだろう、結構長いことプレイして、物凄く今更な素晴らしい利用方法を思いついたのでは…」
お互いに少々疲れであほみたいな会話になるが、これはこれで居心地が良いモノ。
気を許せるもの同士だからこそ、軽く話すこともできる。
こういう穏やかな時間も過ごしつつ、長い時間も…永遠ではないのが少し寂しいところか。
女神ではなくなったからこそ、第二の人生もとい神生が失われているので、真祖であるミーちゃんとの時間も、凄い長くあるわけでもない。
でもまあ、そうだとしても今はただ、お互いに楽な関係でいたほうが良さそうであった…
「…今、ハルちょっとだけ寿命のこととか考えたでしょ」
「あ、何となくわかるの?」
「結構顔に出ているし‥それに女神じゃなくなったからと言って、妖精に慣れたりしていている時点で、人外の界隈からは逃れられないからね…ちょっと、違うものが入っているのもこの間詳細ロロから聞いたし…」
「いやちょっと待って!?その違うものに関してまだ聞けていないのに、何でミーちゃん聞けているの!?」
「それはそれ、これはこれ…ああ、揺れが気持ち良くて…スヤァ…」
…寝たぁぁぁぁぁぁ!!起きてから今のその分かっていなかった部分、吐いてぇぇぇぇぇぇ!!
あとから別の話題が色々と出てくることで、次第にそれは影を薄くなり、自然と見失ってしまうだろう。
それでも、オンラインの世界と言うものがある以上、完全にアルケディア・オンラインに関しての話題が消え失せるわけではない。
様々な問題があったとしても、どこかで落としどころがあり、そこで落ち着いてゆったりとした空気になって…
「…税金やら生体移動での法整備、その他様々なものもあったけれども…1年も経過すれば、下手な反対団体やら野心溢れる組織とかも完全に沈黙したか」
「もしくは、二度と表に出られないように轟沈させたか…その可能性もあるよね」
ゆったりとアルケディア・オンラインの中で、ボートを漕ぎながらハルとミントはそうつぶやく。
ここはオンラインの宇宙フィールドにある惑星の一つであり、あちこちで今も人々が観光に訪れる中でも静かな星。
そこでボートを借り、ゆったりと今は現実を忘れて時間を過ごしているのだ。
…まぁ、現実世界は現実世界で、結構大変でもあるけれどもね。
「轟沈って怖いなぁ…まぁ、そこまでやったほうがおとなしくなるのかなぁ…うちの会社の環境保全活動が、まさか大きくなってしまうとは…」
「こっちもこっちで、裏社会のほうの何やらで色々ごたごたしたりと…ここばっかりは、便利な物やらそういうものが合う限りは収まりが見えないけど」
「「今月も疲れたよねぇ…はぁ…」」
息ぴったりな、シンクロした言葉が出たが、どちらもここ最近は忙しかった。
順調にやることが軌道に乗って、楽々と進むのは良かったのだが…いかんせん、その楽に進んだ先の苦労が代償としてやってきたようなものなのだ。
「まともに森林が増えるのならばまだしも、伐採したらそれはそれで上質な木材となっていたのを理解して、狙う密猟者ならぬ密伐採者とか…」
「生体移動の抜け道を探そうとして裏のほうに触れて、その記憶処理やら痕跡消去、馬鹿みたいな組織の爆破案件とか…」
はぁぁぁっとため息を吐く間に、お互いに色々と出てしまうもの。
何か利益があればそれに群がるものが出るのは当たり前のことだが、悪質なものが来るのは勘弁してほしいモノ。
流石に今はもうないけれども、女神の力があったら問答無用でふっ飛ばせた気も…いいや、無いほうが良いか。それをやったら後片付けのほうが面倒だし、無いものを使う必要はない。
そんなことを考えずとも、今はただのんびりとここで過ごす方がはるかに良いか。
「私も真祖の力があっても、それでもやってくるもの相手は面倒だったし…いっそあの面倒な輩全員、ここのブラックホールへ投げ入れたい…現実世界の物よりもはるかに手軽にできる、抹消方法で…」
「それは流石にやばいけど…ああ、でもできなくない…のかな?」
物騒な話になるが、止める意味があるかと言えばそうでもないだろう。
面倒な者たちをそうやって掃除機に吸わせてきれいさっぱりにしたいのは物凄く理解できる。
やれるものたちがいるからこそ、現実味が増しており、少しばかりは計画を…
「いや、やめておこう。流石に後々面倒なことになりそうだ」
「現実にいる人たちなので、社会的抹殺のほうが現実的だしね」
手段を変えて、多少は優しい方にする。
「それに、こういう休みの時ばっかりは思い出さないほうが良いか…ぼうっとするこの感覚を、今は楽しもうよミーちゃん」
「ええ、そうだねハル。そういうのは打っ飛ばして、この大空の元でゆったりと漂って気を抜きまくろう!」
そういうことでお互いに力を抜き、空を眺めて水面に揺れる。
「ふわぁ…こういうゆったりとできる場所が、星が存在しているのも良いところ…現実だと突然の大雨と彼不安もあるけど、この惑星はずっと晴れだからその心配もないし」
「ログアウトすれば即自宅…あれ?もしかして相当有意義な利用方法では…」
「ありかもありかも、なんだろう、結構長いことプレイして、物凄く今更な素晴らしい利用方法を思いついたのでは…」
お互いに少々疲れであほみたいな会話になるが、これはこれで居心地が良いモノ。
気を許せるもの同士だからこそ、軽く話すこともできる。
こういう穏やかな時間も過ごしつつ、長い時間も…永遠ではないのが少し寂しいところか。
女神ではなくなったからこそ、第二の人生もとい神生が失われているので、真祖であるミーちゃんとの時間も、凄い長くあるわけでもない。
でもまあ、そうだとしても今はただ、お互いに楽な関係でいたほうが良さそうであった…
「…今、ハルちょっとだけ寿命のこととか考えたでしょ」
「あ、何となくわかるの?」
「結構顔に出ているし‥それに女神じゃなくなったからと言って、妖精に慣れたりしていている時点で、人外の界隈からは逃れられないからね…ちょっと、違うものが入っているのもこの間詳細ロロから聞いたし…」
「いやちょっと待って!?その違うものに関してまだ聞けていないのに、何でミーちゃん聞けているの!?」
「それはそれ、これはこれ…ああ、揺れが気持ち良くて…スヤァ…」
…寝たぁぁぁぁぁぁ!!起きてから今のその分かっていなかった部分、吐いてぇぇぇぇぇぇ!!
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