アルケディア・オンライン ～のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです～

Ver.F ～終わりと始まり、そして次へ～

ver.F-3 情報とは金にもなるが

…ver.Fに関しての、情報。
　大型アップデートの細かい情報はアップデート後に行われるが、それでもその前に多少の情報が入ってこないわけではない。

　その中でも今回のものが最後になるならば相当なものが来るだろうと予想していたが…アップデート１日前に少しばかり公式から出てきた。




「生体移動の制限撤廃…か…いや、これはこれで結構やばいな？」
「今までは基本的に鉱石やその他資材等を通っていた、オンラインの世界行きの特別列車が…ついに、人も移動可能になったってことみたい」
【それだけではないデス。生・体・移・動・…人・外・ももれなく移動可能になるようデス】

　一つ目に出てきた、大型アップデートに伴う解禁要素。
　その一つは、オンライン世界自体の変化と言うよりも、いきなり全体への大型爆弾投下というべきような代物、生体移動。

　そう、つまりログインせずともあのアルケディア・オンラインの世界へ行き来できることが可能になるとのことだ。

「さらに言えば、モンスタードールを介さずに、直にテイムモンスターを連れてくることも可能になるって…凄まじいな。いや、そうなると普通にドールを購入していた人たちのその代金とかはどうするんだろうか」
「そこは返金…いや、他機能も色々つけつつ、本体とドールでの違い等を楽しめるオプションが追加されるそうだ」

　元々仮想現実の世界の、ありえない存在だったモンスターたち。
　それがドールである程度の制限が付いて再現出てきたにも関わらず、そこからさらに飛び越えて本物を直接運び込めるようになるようだ。

　ただし、その場合は色々と手続きが必要らしく、厳しい部分もある。
　現実世界での法整備等も行われるようで、これに関して言えば最終アップデート後に現実の法律のアップデートを少しづつ待つ部分が増えそうだ。


「他にも出てきたのは…一部の星間国家の観光便の追加や、アバターの一部改修等…ティラリアさんが表舞台に星間国家君主として堂々と出る可能性があるのか…中三病さん、大丈夫かな？」
「ん？何でそこで、心配が？こういうのってそこまで気にしなくてもよさそうだけど」
「いや、こういう部分で絶対に利権などでの面倒な駆け引きが増えてくるのが目に見えるし、そうなってくればまともならやらないけどまともじゃないならまだ崩すための手段として使えそうな中三病さんを狙う人が出そうな気がして…場合によっては、現実世界のどこかの一国が、ガチのジュラシックな映画の光景になりそうな‥」
「それ、中三病さんよりも現実の国のほうを心配していないかな？」
「どっちかと言えばそうなる。中三病さんなら何事もどうにかやり過ごせそうだけど、それに関わる相手がね…」

　黒き女神だった自分が言うのもなんだが、あっちはあっちで恐竜女帝としてのやばさがあるだろう。
　中三病さんに関することで猪突猛進の制御不能な暴れ牛のようなあの人が動けば、いくつかの犠牲が出るのが目に見える。


「そういう現実部分での折り合いを、運営にはもうちょっと調整してほしいなぁ…女神じゃないから何かがあっても介入できないから、関係ないこととして割り切るしかないかもね」
「というか、むしろ女神だからこそ黒き女神側のほうのハルが駆り出されそうな気がするけどね」
「…無いと思いたいな」

　せっかく色々なしがらみから解放されたような物なのに、別れたとはいえ元が同じ存在が苦労するのは良い気がしないだろう。

　フラグになっていないことを祈りつつ、アップデートを楽しみに待つのであった…


「まぁ、カイニスがちょくちょく近況報告をよこしてくれるようになったから、完全に別になったとは言えないけど…今日届いたのは、この手紙か」
「わぉ、意外に丁寧な字で…今日吹っ飛ばした男神数100人越え…何やっているの？」
「女神研修なるものに出ているらしいが、そこで色々とあるらしい。最近は蜘蛛やメイド、魔人などの友人が出来たらしいけれども…カイニスはカイニスで、その身の回りの警護に眷属として勤めているらしいけれども、なかなか大変そうだ」

…ついでに写真の類も送られていた来たが、一応元気にしている様子。
　ちょっと見覚えのあるような無いような方々が混ざっている気もしなくはないが…え、もしかして一部、オンラインの世界でプレイヤーとしてこっそり入っていないよね？