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Ver.F ~終わりと始まり、そして次へ~

ver.F-1

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「アルケディア・オンライン、最終アップデートのお知らせ…か。もっとあるかと思ったけど、ここでいったん最終アップデートになるんだね」
「もしかしたら途中で撤回して、新しい番号が出たりする可能性もあったりするけど、そのようだよね」

…外なるヤバい存在の騒動から半年後。
 地道な小アップデートが繰り返されrていたアルケディア・オンラインだったが、本日のログイン時に新しいお知らせが来てた。

 その中身は、久しぶりの大型アップデートかつ、最終アップデートになるというもの。

「まぁ、海へ出たり天界やら魔界やら、宇宙まで出ていたから…これ以上広げようがあるかと言われれば微妙なところでもあるし、ちょうどいいのか」

 運営のことだから、もっとやばいネタをたっぷりと持っていてもおかしくはない。
 だがしかし、流石に風呂敷を広げすぎるとたたみ切れなくなるように、まだ収まりの良いところで閉じる気なのだろう。


「一応、サービスが終了するとかいうのは無いけど…こうなってくると、他の部分も気になるな」

 こういうオンラインゲームの最終アップデート後には、しばらくしたら方針が発表されるのがつきもの。
 サービスの終了や、2などの次世代版などが出てくる可能性だってあるだろう。

 なので、最終アップデートだからと言って、それを終えてオンラインの終幕が見えるとしても、まだ色々と予想できるものがあれば、それはそれで楽しめるものである。

「万が一のことを考えると、グレイ号やロロの扱いとかがどうなるかは気になるけど…」
【しばらくは大丈夫でしょウ。使用人サービスも根付いてきましたし、もしもオンラインが失われたとしても、使われ続けると思われマス】


 ふと思った、一抹の不安に対して、ロロがそう答える。
 現在、オンラインで使用されていた使用人関係のサービスも様々な場面で普及してきており、もしもオンラインが終わったとしても、独立した一つのサービスとして成り立つ可能性も大きいらしい。

【それに、いざとなればグレイ号や他姉妹艦もこの現実の世界のほうに来れますからね。そうなると問題になるのは着艦場所などですが…そこは色々と用意済みなので大丈夫デス】
「色々って何をしたの?流石にあの艦隊全部を、まとめて置ける場所ってないような気がするんだけど…」
【宇宙は広いですからネ。ワープ機能に星間通信技術を少々、ティラリアさんの星間国家や、機械神様の技術を流用して、置く場所の距離や場所の問題は解決済なのデス】
「さらっとやばいことをしていない?」
「うーん、ハルのグレイ号やその他の戦力を考えると、一人がまともに持っていい力なのか、判断しかねるかも…下手をすれば、一国の軍事力すらやすやすと超えそうだし…こういう時に、ハルがこう、某おじいちゃん科学者みたいに世界征服の野望をもっていたりしたら、大変だったかも」
「流石にそんな野望は持たないからね?やったところで、その後がどう考えても面倒なのが目に見えているし、軍事力だけで世界征服が出来たら、世界はそれこそもっと大変だっただと思うよ」

 大体、そういうことをすれば敵対勢力が出て、絵面的に倒される悪の立場になるだろう。

 黒き女神の姿があれば、それっぽく…否定できないのが悲しくもあるが、今はもう無理でもある。


「何にしても、そんなことをせずとも、毎日を普通に過ごせればいいからなぁ…こうやって」
ぽんっ
「妖精の姿になって、のんびり花の中で居眠りしたりするような生活が出来る方が、よっぽど有意義だよ」
「女神化は無くなったのに、妖精化はできるままなのは…まぁ、気にしなくていいか」


 女神の力は失われた。
 いや、正確に言えば分離し、僕/私は人として、あっちは私/僕は女神として道を離れただけだ。

 なので、今はもう黒き女神にもなれないし、オンライン内でも影響を受けてなのか、黒き女神のスキルも失われている。
 使う必要性も無いので、そのままで十分良かったが…わずかに残っていた他要素のせいなのか、妖精の姿に関しては、今も出来たりするのである。

 結局聞けずじまいな不明部分も気になるが、この程度であれば問題は無いだろう。

 今はとにかく、最終アップデートとやら楽しみに待つ方が良さそうであった…


「…この妖精の姿って便利でもあるんだよなぁ。興味本位でバケツプリンを作った後に要請になれば、一度は少し夢に見そうな山のようなプリンを見れたし…胃の容量も一緒に小さくなっていたせいで、すぐに元のサイズに戻ったけどね」
「何気に女神が失われても、妖精のほうで楽しみまくってない?」


…妖精って、使いようによっては結構便利だからね。細かい作業をするときとか役に立つ。
あとは花の中で眠れるから、良い感じの花を育てるためにガーデニングが趣味にもなったし…悪いことはないはずである、多分。


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