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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.1-107 女神の勘は当たるもので
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―――ゾクッ
(…っ!!)
とてつもない重力で船が引き寄せられ、元凶の元へ向かわされている。
船体が悲鳴を上げる中…ハルは、おぞましい悪寒に襲われた。
今までいくつか感じたことがあったが…今回のものはその中でも、最大級に悍ましいもの。
自分が、いや、女神そのものが全力で拒絶を願うようなこれは…
「グレイ号!!艦首咆至急発射用意!!トリガー緊急セット、操艦を回せ!!」
『いきなり何を、いえ、了解!!セーフティロック解除、緊急砲撃用チャージ弾装填、操艦をトリガーへ!!』
素早く指示を出し、すぐにグレイ号が動く。
船の操縦を一つのトリガーに収め、それを素早くハルの間へ動かし、迷いなくつかみ、照準を合わせる、
本来であれば打ち出すまでにはエネルギー充填などのシークエンスが必要になるが、それを全てかッとするための、非常時にしか使えないようにチャージされた、緊急用の艦首砲が用意されている。
砲撃時の様々なリスクに備えた対策も行うが、今はそれらも大幅に省略し、先が見えない闇路ながらも、女神の勘が叫ぶ方向へ照準を合わせる。
「総員、衝撃に備えろ!!」
全てを手順通りにする時間もなく、このまま打ち出せば砲撃による反動が襲い掛かってくるだろう。
それを打ち消すためのものも用意する間もなく、すぐに引き金に指をかけ…一気に打ち出した。
ドォォォォォォォォゥウウウウウウウウ!!
周囲のすべての光が奪われた、重力によって潰されようとしている空間。
そこに、一筋の光が生まれ、すぐさま凄まじい勢いで目標へ向かって突き進む。
重力による圧力で潰されても、引き寄せられるからこそ狙いは外れない。
そのまま着弾し、大きな衝撃と共に閃光が瞬いた。
ドッゴォォォォォォン!!
重力アンカーも何もなく、突発的に砲撃したために生じた衝撃と、着弾による衝撃波が襲い掛かる。
グレイ号全体がきしみ、どこかが破損したようだが、今は調べている暇はない。
【っと、周辺の干渉波や重力が、一瞬弱まりましタ!!】
「反転百八十度、全エネルギーを艦体維持活動から脱出へ変更!!空間の縛りが無くなる前に、緊急ワープ用意!!勢い余って現実世界のほうへぶっ飛んでも構わない!!」
すぐさまうなりを上げ、エンジンが最大限に稼働し、船に大きく遠心力がかかりながらも向きを変えてこの場を離れる。
今の一撃で現況を倒せたとは思っていない。
ほんの短い間だけ、ちょっとした隙を作っただけの話だ。
だが、そのほんのわずかな時間だとしても、脱出するには十分である。
『ワープ先未設定、緊急跳躍回路動作良好!!ワーーープ!!』
エンジンを爆発寸前まで限界稼働させ、無理やりながらも空間の跳躍を試みる。
巨大な重力場があれば捻じ曲げられて不可能だったが、この弱まりであれば…
バシュウウウン!!
音を立てて、船が異空間へ飛び込むような感覚を味わう中、ハルは見た。
艦橋の上部モニターに映し出されていた、元凶の姿を。
丸い球のようであったが、気が付けば大きく巨大な蠢くものになっており、常人であれば発狂しそうなその姿。
艦首砲の直撃を喰らったというのに、少しだけひるんだようにしか見えない、最悪なものを。
わずかな間だけ映されたが、見続けてはいけない。
本能的に女神の姿に転じ、自身の黒い衣で覆いつくし、皆が見ないようにする。
そしてそのまま、緊急ワープによる影響で、意識を少しだけ落とすのであった…
――――!!
■■■は、怒り狂っていた。
あと少しで、手に入りそうなものが、ほんのわずか隙を晒しただけで、逃げてしまったことを。
この世界のどこかへ飛んだのか…いや、あの感覚からして、世界を超えたのかもしれない。
…ならば、それはそれで好都合か。
利用していたものとの接続を切り捨て、■■■は現実へ舞い戻る。
既に物言わぬモノから離れ、窓から大空へ飛翔する。
見る見る間に巨大化していくが…その姿を、常人は見ることは無いだろう。
だがしかし、観測できるものはどこにでもいるもので、すぐさまその知らせが裏に響き渡るのであった…
(…っ!!)
とてつもない重力で船が引き寄せられ、元凶の元へ向かわされている。
船体が悲鳴を上げる中…ハルは、おぞましい悪寒に襲われた。
今までいくつか感じたことがあったが…今回のものはその中でも、最大級に悍ましいもの。
自分が、いや、女神そのものが全力で拒絶を願うようなこれは…
「グレイ号!!艦首咆至急発射用意!!トリガー緊急セット、操艦を回せ!!」
『いきなり何を、いえ、了解!!セーフティロック解除、緊急砲撃用チャージ弾装填、操艦をトリガーへ!!』
素早く指示を出し、すぐにグレイ号が動く。
船の操縦を一つのトリガーに収め、それを素早くハルの間へ動かし、迷いなくつかみ、照準を合わせる、
本来であれば打ち出すまでにはエネルギー充填などのシークエンスが必要になるが、それを全てかッとするための、非常時にしか使えないようにチャージされた、緊急用の艦首砲が用意されている。
砲撃時の様々なリスクに備えた対策も行うが、今はそれらも大幅に省略し、先が見えない闇路ながらも、女神の勘が叫ぶ方向へ照準を合わせる。
「総員、衝撃に備えろ!!」
全てを手順通りにする時間もなく、このまま打ち出せば砲撃による反動が襲い掛かってくるだろう。
それを打ち消すためのものも用意する間もなく、すぐに引き金に指をかけ…一気に打ち出した。
ドォォォォォォォォゥウウウウウウウウ!!
周囲のすべての光が奪われた、重力によって潰されようとしている空間。
そこに、一筋の光が生まれ、すぐさま凄まじい勢いで目標へ向かって突き進む。
重力による圧力で潰されても、引き寄せられるからこそ狙いは外れない。
そのまま着弾し、大きな衝撃と共に閃光が瞬いた。
ドッゴォォォォォォン!!
重力アンカーも何もなく、突発的に砲撃したために生じた衝撃と、着弾による衝撃波が襲い掛かる。
グレイ号全体がきしみ、どこかが破損したようだが、今は調べている暇はない。
【っと、周辺の干渉波や重力が、一瞬弱まりましタ!!】
「反転百八十度、全エネルギーを艦体維持活動から脱出へ変更!!空間の縛りが無くなる前に、緊急ワープ用意!!勢い余って現実世界のほうへぶっ飛んでも構わない!!」
すぐさまうなりを上げ、エンジンが最大限に稼働し、船に大きく遠心力がかかりながらも向きを変えてこの場を離れる。
今の一撃で現況を倒せたとは思っていない。
ほんの短い間だけ、ちょっとした隙を作っただけの話だ。
だが、そのほんのわずかな時間だとしても、脱出するには十分である。
『ワープ先未設定、緊急跳躍回路動作良好!!ワーーープ!!』
エンジンを爆発寸前まで限界稼働させ、無理やりながらも空間の跳躍を試みる。
巨大な重力場があれば捻じ曲げられて不可能だったが、この弱まりであれば…
バシュウウウン!!
音を立てて、船が異空間へ飛び込むような感覚を味わう中、ハルは見た。
艦橋の上部モニターに映し出されていた、元凶の姿を。
丸い球のようであったが、気が付けば大きく巨大な蠢くものになっており、常人であれば発狂しそうなその姿。
艦首砲の直撃を喰らったというのに、少しだけひるんだようにしか見えない、最悪なものを。
わずかな間だけ映されたが、見続けてはいけない。
本能的に女神の姿に転じ、自身の黒い衣で覆いつくし、皆が見ないようにする。
そしてそのまま、緊急ワープによる影響で、意識を少しだけ落とすのであった…
――――!!
■■■は、怒り狂っていた。
あと少しで、手に入りそうなものが、ほんのわずか隙を晒しただけで、逃げてしまったことを。
この世界のどこかへ飛んだのか…いや、あの感覚からして、世界を超えたのかもしれない。
…ならば、それはそれで好都合か。
利用していたものとの接続を切り捨て、■■■は現実へ舞い戻る。
既に物言わぬモノから離れ、窓から大空へ飛翔する。
見る見る間に巨大化していくが…その姿を、常人は見ることは無いだろう。
だがしかし、観測できるものはどこにでもいるもので、すぐさまその知らせが裏に響き渡るのであった…
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