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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.1-98 じわじわと気が付かぬうちに
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【…確かに、盗聴器ですネ。しかも、一般には出回りにくくも、そこいらの三下程度であればまぁ何とか入手可能な…そんなレベルのものデス】
「結構細かくわかっているね」
【使用人たるもの、道具の流通経路の確保や確認は必須なのデス。なので、このぐらいのものならばどこで流れているのかは、すぐにわかるのデス】
…会社に残されていた、盗聴器が入っていた代物。
音が聞こえると不味いのですぐにその機能を破壊したが、忘れ物の中にあったため、わざとなのかそれとも意図的なのか区別がつきにくく…そのため、機能がしっかり壊れていることを確認してからいったん家に持ち帰り、ロロに分析をしてもらった。
結果としては…黒のようである。
【うっかり、あるいは知らない間に仕込まれた人が、忘れたもの…と言うのは無理ですネ。この手の類は自分で理解してスイッチを押さなければ作動しませんし、微弱な電波で目的地へ向かって確実に情報を送るようにされているようデス。情報は既に届かなくなったようですが、ほぼ確実にわざと置いた代物とみて間違いないでしょウ】
「わざとか…そうなると、うちの会社の情報狙いってことかな?」
「んー、勤めている会社って、盗聴したくなるような情報ってあるの?」
「あるといえばあると思う。ただ、ハッキングとかならまだしも、盗聴だと…そこまでかな?」
基本的に重要な情報はしっかり管理されており、そう簡単に外部へ流出するようなものはない。
そもそもプログラミング系のものや、設計情報などばかりのPC内で完結するようなものも多く、三位で聞くだけの情報では大したものもないだろう。
「そのうえで、狙うとしたら…確か、ゴシップ雑誌の記者だったし、ゴシップ関係狙いとか」
「あるいは、社内の怪しい部署探しとか?」
「そんなのは無い…と言い切れないのが怖いところか。しまったな、これ結構やばい人が使っているのなら、そのやばい部署にこっそりおいて呪詛ってもらえばよかったかも…」
「呪詛ってもらうって言い方、聞きなれないようで怖いね…」
ガチで出来そうなのが、あのズンドコ黒魔術カニバリズムをしていそうなあの部署の面々だからなぁ…盗聴器の機能はそのままで、そこに放置しておけば勝手に相手に天罰が下ったかもしれない。
【それは本当に効くかどうかも、怪しいですけれどネ。まぁ、今でも呪いの類はまだ解析で来ていない部分も多いので、やることができればほぼ間違いなく、相手は勝手に滅亡したでしょウ】
楽に片づけられそうな選択肢が一つ、消えてしまったのは惜しむべきか。
とにもかくにも、盗聴器が仕掛けられていたというのは見過ごせない問題である。
これはしっかり会社に報告しなければいけないだろう。
「該当記者の確認と、セキュリティや安全モラルの見直し、その他手続き…うわぁ、面倒事がこれでもかと出てきそうなのが大変だ…」
「頑張るしかないよ」
はぁぁぁっと深い溜息を吐くハルであったが、見つけた以上はやらなければいけないようであった…
「…いっそ、これから追跡して、特殊形態で電波を遡って仕掛けたやつの情報データを抜き取ってばらまくべきか…?」
「いや、それは普通に犯罪になるって」
【主様ならばやれないことはないでしょうけれども、わざわざ身を運ばれずとも、様々な方法で社会的に攻めることができますヨ】
「結構細かくわかっているね」
【使用人たるもの、道具の流通経路の確保や確認は必須なのデス。なので、このぐらいのものならばどこで流れているのかは、すぐにわかるのデス】
…会社に残されていた、盗聴器が入っていた代物。
音が聞こえると不味いのですぐにその機能を破壊したが、忘れ物の中にあったため、わざとなのかそれとも意図的なのか区別がつきにくく…そのため、機能がしっかり壊れていることを確認してからいったん家に持ち帰り、ロロに分析をしてもらった。
結果としては…黒のようである。
【うっかり、あるいは知らない間に仕込まれた人が、忘れたもの…と言うのは無理ですネ。この手の類は自分で理解してスイッチを押さなければ作動しませんし、微弱な電波で目的地へ向かって確実に情報を送るようにされているようデス。情報は既に届かなくなったようですが、ほぼ確実にわざと置いた代物とみて間違いないでしょウ】
「わざとか…そうなると、うちの会社の情報狙いってことかな?」
「んー、勤めている会社って、盗聴したくなるような情報ってあるの?」
「あるといえばあると思う。ただ、ハッキングとかならまだしも、盗聴だと…そこまでかな?」
基本的に重要な情報はしっかり管理されており、そう簡単に外部へ流出するようなものはない。
そもそもプログラミング系のものや、設計情報などばかりのPC内で完結するようなものも多く、三位で聞くだけの情報では大したものもないだろう。
「そのうえで、狙うとしたら…確か、ゴシップ雑誌の記者だったし、ゴシップ関係狙いとか」
「あるいは、社内の怪しい部署探しとか?」
「そんなのは無い…と言い切れないのが怖いところか。しまったな、これ結構やばい人が使っているのなら、そのやばい部署にこっそりおいて呪詛ってもらえばよかったかも…」
「呪詛ってもらうって言い方、聞きなれないようで怖いね…」
ガチで出来そうなのが、あのズンドコ黒魔術カニバリズムをしていそうなあの部署の面々だからなぁ…盗聴器の機能はそのままで、そこに放置しておけば勝手に相手に天罰が下ったかもしれない。
【それは本当に効くかどうかも、怪しいですけれどネ。まぁ、今でも呪いの類はまだ解析で来ていない部分も多いので、やることができればほぼ間違いなく、相手は勝手に滅亡したでしょウ】
楽に片づけられそうな選択肢が一つ、消えてしまったのは惜しむべきか。
とにもかくにも、盗聴器が仕掛けられていたというのは見過ごせない問題である。
これはしっかり会社に報告しなければいけないだろう。
「該当記者の確認と、セキュリティや安全モラルの見直し、その他手続き…うわぁ、面倒事がこれでもかと出てきそうなのが大変だ…」
「頑張るしかないよ」
はぁぁぁっと深い溜息を吐くハルであったが、見つけた以上はやらなければいけないようであった…
「…いっそ、これから追跡して、特殊形態で電波を遡って仕掛けたやつの情報データを抜き取ってばらまくべきか…?」
「いや、それは普通に犯罪になるって」
【主様ならばやれないことはないでしょうけれども、わざわざ身を運ばれずとも、様々な方法で社会的に攻めることができますヨ】
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