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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.1-89 下は天国、上は地獄
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…総指揮官のヴェラキ…彼は今、必死になって戦っていた。
命じられていた、主たちがいる場所への不審者を近づけない厳戒態勢の中、命知らずにもほどがあるというような何者かの接近に対して動いていたのだが…これほどまでに守りを固めていたというのに、侵入されてしまうとはなんという失態だというのか。
いや、ある程度の慢心のようなものもあったのかもしれないが、それを抜いたとしても現在進入してきているモノたちの実力が並外れているというべきだろうか。
流星群のように降り注ぐ、ミサイルの嵐。
狙い定めて牙や爪を振りかぶり、中には炎や雷撃を纏った突進をする恐竜兵たち。
合体機能をオミットしつつも単体での戦闘能力を高めたザウスールや、ネオにはやや劣るものの量産化された竜兵器等、その数は圧倒的なはずである。
並大抵の相手であれば物量に、そこそこ戦える相手であれば性能に、色々と兼ね備えているん怒得あればその全てを持って対処し、侵入を防ぎきれるはずだったが…どうやらこの相手はそうもいかない強者たちのようだ。
こちらの持てる手を使っても、耐えきるような…いや、むしろそんなものを気にしてはいけないというように、何かしらの強い意志さえ感じてしまうほどである。
【確実に、ただの侵入者ではないな!!スキャンをかけ、対象の特定を急げ!!最終防衛ライン到達前に、兵器開発局でも試験中の機体も使いまくれ!!】
出せるだけの手段を模索するヴェラキ。
相手の目的が何であれ、これ以上先へ進ませてはいけないと、自身の勘が叫ぶのだ。
【何にしても全軍、総力をもってかかれぇぇぇぇぇぇl!!】
「…何だろうなぁ、今何か、必死な声が聞こえてきたような」
「気のじゃないデースか?」
はるか上空で命を燃やす覚悟で決死の号令をかけているものたちがいる一方で、地上ではその激戦を観測せず、買い物に楽しむ一団の姿があった。
いや、正確に言えば約一名…一人だけ、楽しみ切れないというべきか。
「…マリーたちのおかげで着る量が減ったとはいえ…なんだろうなぁ、この男の子として何か、大事な部分をゴリゴリ削られているような感覚は…」
「そのまま女の子になっちゃえばいいのデース」
「さらっと言わないで!!今女神の姿だけど、中身及び現実、男!!そこまでいったら人間の男として何か、やばくなりそうだから!!」
まぁ、一応現実世界でも女神の姿になれもするし、人間としての生を終えれば、女神としての生が始まる未来が定まりつつあるという残酷すぎる未来が待ち受けているが、今はまだそこまで言っていないと思いたい。
というか、黒き女神の姿の状態でビキニアーマーとなると…装備している自分が言うのもなんだが、他人に絶対に見られたくはない光景ではある。
「これで変な信者が付いて、影響を与えられるようなことになったらいやだな…人の信仰心で、信じる者の姿が左右されるって話は、定番みたいな話があるからなぁ…」
「つまり、ビキニアーマーへの信仰デース?んー、ちょっとそれは難しいかと思われるのデース」
「え?何で?」
「女神に対してそれを思ったとしても、より強力なビキニアーマーの神がいたら、そっちの方にアーマー分の信仰が行きそうだからデース」
「…より強い印象を持った他神に、信仰を奪われる感じか…いや、今回のこの件に関してであれば、それはそれでありじゃないか…?」
確定事項ではないが、不安要素であるのならば、少しでも削減出来たらお得であろう。
ビキニアーマーを着る黒き女神への信仰ではなく、そういうものを着る他の印象強い神へ押し付けられたら…もしかすると、被害を減らせるかもしれない。
「それは盲点だった…ああ、その神がいるならば、全力でそちらにビキニアーマー分の信仰が流れていってほしいと、願いたいね。神が神に願うというのは変な話だし、本当にいるかもわからないけどね」
「大丈夫デース。こういう時の決まり文句は、信じる者は救われるのデース」
まず、ビキニアーマーの神がいたとして、そんなものに信じるような値があるのかどうかという話にもなりかけないが…全力で押し付けられたらいいので、気にしないほうが良いのかもしれない。
「存在していたら、それはそれでどうなのやら…ん?」
ふと、考えを忘却の彼方へ流そうと考えていて上を見上げると、何かが光った。
「…あれ?昼間なのに流れ星?」
「本当デース。キラキラしているのデース」
上空を見ると、どうやら輝く星のような物が流れているようだ。
真昼間に見える流れ星と言うのは珍しいが…何故だろう、普通のものではない気がする。
「…ロロ、観測・分析をお願い」
『了解デス』
ビキニアーマーを装備した状態で、今動いたらいろいろと不味い気がするので、すぐに動くことはしない。
まずは、しっかりとどういうことになっているのか、その情報を探ることにするのであった…
「まさか本当に、ビキニアーマーの神なんてものがいて、存在を示すためにやったとかはないよね…?」
『確実に存在しない、と言い切れないものはありますが…あ、出まシタ。残骸ですネ』
「…残骸?」
命じられていた、主たちがいる場所への不審者を近づけない厳戒態勢の中、命知らずにもほどがあるというような何者かの接近に対して動いていたのだが…これほどまでに守りを固めていたというのに、侵入されてしまうとはなんという失態だというのか。
いや、ある程度の慢心のようなものもあったのかもしれないが、それを抜いたとしても現在進入してきているモノたちの実力が並外れているというべきだろうか。
流星群のように降り注ぐ、ミサイルの嵐。
狙い定めて牙や爪を振りかぶり、中には炎や雷撃を纏った突進をする恐竜兵たち。
合体機能をオミットしつつも単体での戦闘能力を高めたザウスールや、ネオにはやや劣るものの量産化された竜兵器等、その数は圧倒的なはずである。
並大抵の相手であれば物量に、そこそこ戦える相手であれば性能に、色々と兼ね備えているん怒得あればその全てを持って対処し、侵入を防ぎきれるはずだったが…どうやらこの相手はそうもいかない強者たちのようだ。
こちらの持てる手を使っても、耐えきるような…いや、むしろそんなものを気にしてはいけないというように、何かしらの強い意志さえ感じてしまうほどである。
【確実に、ただの侵入者ではないな!!スキャンをかけ、対象の特定を急げ!!最終防衛ライン到達前に、兵器開発局でも試験中の機体も使いまくれ!!】
出せるだけの手段を模索するヴェラキ。
相手の目的が何であれ、これ以上先へ進ませてはいけないと、自身の勘が叫ぶのだ。
【何にしても全軍、総力をもってかかれぇぇぇぇぇぇl!!】
「…何だろうなぁ、今何か、必死な声が聞こえてきたような」
「気のじゃないデースか?」
はるか上空で命を燃やす覚悟で決死の号令をかけているものたちがいる一方で、地上ではその激戦を観測せず、買い物に楽しむ一団の姿があった。
いや、正確に言えば約一名…一人だけ、楽しみ切れないというべきか。
「…マリーたちのおかげで着る量が減ったとはいえ…なんだろうなぁ、この男の子として何か、大事な部分をゴリゴリ削られているような感覚は…」
「そのまま女の子になっちゃえばいいのデース」
「さらっと言わないで!!今女神の姿だけど、中身及び現実、男!!そこまでいったら人間の男として何か、やばくなりそうだから!!」
まぁ、一応現実世界でも女神の姿になれもするし、人間としての生を終えれば、女神としての生が始まる未来が定まりつつあるという残酷すぎる未来が待ち受けているが、今はまだそこまで言っていないと思いたい。
というか、黒き女神の姿の状態でビキニアーマーとなると…装備している自分が言うのもなんだが、他人に絶対に見られたくはない光景ではある。
「これで変な信者が付いて、影響を与えられるようなことになったらいやだな…人の信仰心で、信じる者の姿が左右されるって話は、定番みたいな話があるからなぁ…」
「つまり、ビキニアーマーへの信仰デース?んー、ちょっとそれは難しいかと思われるのデース」
「え?何で?」
「女神に対してそれを思ったとしても、より強力なビキニアーマーの神がいたら、そっちの方にアーマー分の信仰が行きそうだからデース」
「…より強い印象を持った他神に、信仰を奪われる感じか…いや、今回のこの件に関してであれば、それはそれでありじゃないか…?」
確定事項ではないが、不安要素であるのならば、少しでも削減出来たらお得であろう。
ビキニアーマーを着る黒き女神への信仰ではなく、そういうものを着る他の印象強い神へ押し付けられたら…もしかすると、被害を減らせるかもしれない。
「それは盲点だった…ああ、その神がいるならば、全力でそちらにビキニアーマー分の信仰が流れていってほしいと、願いたいね。神が神に願うというのは変な話だし、本当にいるかもわからないけどね」
「大丈夫デース。こういう時の決まり文句は、信じる者は救われるのデース」
まず、ビキニアーマーの神がいたとして、そんなものに信じるような値があるのかどうかという話にもなりかけないが…全力で押し付けられたらいいので、気にしないほうが良いのかもしれない。
「存在していたら、それはそれでどうなのやら…ん?」
ふと、考えを忘却の彼方へ流そうと考えていて上を見上げると、何かが光った。
「…あれ?昼間なのに流れ星?」
「本当デース。キラキラしているのデース」
上空を見ると、どうやら輝く星のような物が流れているようだ。
真昼間に見える流れ星と言うのは珍しいが…何故だろう、普通のものではない気がする。
「…ロロ、観測・分析をお願い」
『了解デス』
ビキニアーマーを装備した状態で、今動いたらいろいろと不味い気がするので、すぐに動くことはしない。
まずは、しっかりとどういうことになっているのか、その情報を探ることにするのであった…
「まさか本当に、ビキニアーマーの神なんてものがいて、存在を示すためにやったとかはないよね…?」
『確実に存在しない、と言い切れないものはありますが…あ、出まシタ。残骸ですネ』
「…残骸?」
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