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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-66 怪物は、いずれ生じただろう
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…グレイ号の超遠距離からの支援砲撃により、戦況は好転した。
マッスルバーンに当たらないようにしつつ、着実にデボスミサイラーに対してダメージを与えつつ、時折特殊砲弾を混ぜてデバフもかけたりして、支援をしっかりと行っていく。
『対巨大宇宙生物用に開発しておいた、試作型特殊砲弾があって良かったですネ。機械と植物の融合生命体であれば、効果は抜群デス』
「そんなものを用意していたのか…魔導戦艦に何を相手させようとしているの?」
さらっとかなり危険そうなものを開発していたようだが、今回はかなり役立った様子。
条件が見事に該当しまくる敵なのもあって、効果的に攻められるだろう。
なお、何も攻撃だけが特殊砲弾での支援ではない。
時折回復薬や、猛毒を混ぜ込んだものも使用し、バフをかけたりデバフをかけたり打ち分けることで、より効果的な支援を行う。
「…グレイ号での後方支援は中々ないけど、良い感じに働いているか。僕らの方も動いて、最低限でもドクターリリエルがお亡くなりになる事態が避けられるようにしないとね」
デボスミサイラー側の勝利条件としては、僕らの全滅だろう。
単純明快なもので、やりやすい方法だ。
しかし、その一方で僕らの勝利条件と言えるのが、最低でもドクターリリエルの命が散らないようにすること。
というかそもそも、ゴリラマンさんの生徒でもあるし…ここでうっかり亡くなられでもしたら、後が怖い。
「でも、MPはまだ回復していないし、テイムモンスターたちも消耗していることを考えると、ド派手なことはできないけど…逃げ回ることぐらいはできるからね。リン、セレア!!僕らを担いで相手の攻撃を徹底的に回避して!!」
【了解ガァウ!!】
【できれば戦いたいけど、ご命令とあれバルルゥ!!】
戦闘、大規模支援砲撃に関してはマッスルバーンとグレイ号に任せ、僕らはただ生き延びるための手を選択する。
幸いなことに、大量の種の敵だった時とは異なり、物凄く大型なミサイルとなってしまったデボスミサイラーは光線という範囲攻撃手段はあれども、足元を蠢く小さな相手には攻撃を当てづらいようだ。
照準を定められないように動き回りまくり、着実に倒すためのダメージを稼ぐ方へ意識を集中させる。
【デボォォォォォ!!】
攻撃が定まらず、筋肉に横殴りにされ、自身を蝕む砲撃を受けたりして、デボスミサイラーのストレスはどんどん溜まっていく。
圧倒的な力を得たと思っていただろうが上には上がおり、戦術次第でその力は強いものではなく弱いものとへと堕とされていく。
足元を蠢く子蟲がうるさいが、それよりも遠くから届いてくる攻撃や、目の前の筋肉ダルマが非常に厄介に感じてしまう。
一つ一つ、個別であれば問題は無かったが、こうも固まると厄介になるものなのか。
せっかく強大な力を手に入れ、父たるレイドボスにも及ぶ、いや、凌駕する力へと成長できるかもしれないものを手に入れたというのに、このままでは力尽きる可能性がある。
では、どうすればいいのか。
目の前の敵を倒すだけで、解決するか?
いや、出来ないのが今の現状だ。
戦闘を諦め、全力で逃亡するべきなのか?
いや、逃亡の果てに手に入れた力なので、ここで逃げて新しい力を得ても、似たようなものにやられる可能性があるだろう。
どうすれば良いのか試行し、積み重ねていく。
少しづつ余裕もなくなり、着実に削られている今、そこまでの時間は無い。
あるのならば、ここは植物にとっての大敵ともいえる砂漠が、よりやばい形で広がっているばかりで…いや、これである!!
【デボスゥウウウウウウウウウ!!】
見つけた、この状況をどうすれば良いのかという手段を。
やれるのだろうか?そう不安に思ったが、それでもやらなければ生き残ることはできまい。
雄たけびを上げ、デボスミサイラーは全ての筋肉質な足に力を籠め、一時的に跳躍する。
この星から素早く飛び立ちそうなほどの出力を出すこともできただろうが、それではない。
近くにある逆転の手立て…砂漠を利用するためだけに角度を絞り、斜めに跳躍し、煮えたぎっている砂漠に着陸する。
ぐつぐつと溶岩のごとく煮えたぎる砂漠は、すぐに身を蝕む。
だが、それだけ煮えたぎるエネルギーというのは非常に大きく…それを利用しない手はない。
既に焼けただれてしまった足を切り捨て、ミサイル部から自身の植物としての根を飛び出させ、砂漠を覆いつくし始める。
焼けるか食いつくすか、砂漠と植物の戦い。
制覇しなければ、まともに筋肉どもを相手するとの同じ結果になると考え、全力で取り込むことへ力を注ぎ…その賭けに勝利した。
見よ、煮えたぎっていた砂漠はそのエネルギーを食い尽くされ、もはや煮えたぎることはない。
砂漠の砂は深くまで根が絡み合い、自然と放出されていたエネルギーすらも糧にさせてもらい、自身の成長を促させる。
魔導船にとって蝕む毒になるようなエネルギーすら、この植物は利用して見せた。
これより、生まれ落ちたるは、煉獄を内部に煮えたぎらせ、自らの内部に恒星として新たに産み落とした一つの植物モンスター。
【ザンザンワァァァァァル!!】
―――
>デボスミサイラーが、周辺のエネルギーを喰らいつくし、異常成長を遂げました。
>レイドボスが急接近中。しかし、意に介すそぶりもなく、もはや親としても見ていない模様。
>生まれ落ちました、恒星厄災植物…ザ・サンフラワーに代わることができる、新しきレイドボスが。
―――
ログに表記されていくのは、成長を遂げた植物のデータ。
その偉業は自らのデータに改造を促し、それは大きく自身の身のありようを変貌させてしまった。
もはや、種子にあらず、ミサイルでもなく、砂漠でもなく…その全てを混ぜ込んだ、新たなるレイドボスとして今、名をはせようとしている。
―――
>…データが更新されました。
>ザ・サンフラワーと交戦後、レイドボスの座を獲得します。
>正式名称、不明。仮称『恒星厄災植物』…『ヘル・デボス』が設定されました。
―――
その異常を感知したのか、相当な距離があったはずの場所から、駆け抜けてくる巨大植物。
その気配は既に到達しており、警告がたくさん表示されているだろう。
だがしかし、新たに生まれてしまった邪悪なる植物は、宇宙を見上げるだけであった…
マッスルバーンに当たらないようにしつつ、着実にデボスミサイラーに対してダメージを与えつつ、時折特殊砲弾を混ぜてデバフもかけたりして、支援をしっかりと行っていく。
『対巨大宇宙生物用に開発しておいた、試作型特殊砲弾があって良かったですネ。機械と植物の融合生命体であれば、効果は抜群デス』
「そんなものを用意していたのか…魔導戦艦に何を相手させようとしているの?」
さらっとかなり危険そうなものを開発していたようだが、今回はかなり役立った様子。
条件が見事に該当しまくる敵なのもあって、効果的に攻められるだろう。
なお、何も攻撃だけが特殊砲弾での支援ではない。
時折回復薬や、猛毒を混ぜ込んだものも使用し、バフをかけたりデバフをかけたり打ち分けることで、より効果的な支援を行う。
「…グレイ号での後方支援は中々ないけど、良い感じに働いているか。僕らの方も動いて、最低限でもドクターリリエルがお亡くなりになる事態が避けられるようにしないとね」
デボスミサイラー側の勝利条件としては、僕らの全滅だろう。
単純明快なもので、やりやすい方法だ。
しかし、その一方で僕らの勝利条件と言えるのが、最低でもドクターリリエルの命が散らないようにすること。
というかそもそも、ゴリラマンさんの生徒でもあるし…ここでうっかり亡くなられでもしたら、後が怖い。
「でも、MPはまだ回復していないし、テイムモンスターたちも消耗していることを考えると、ド派手なことはできないけど…逃げ回ることぐらいはできるからね。リン、セレア!!僕らを担いで相手の攻撃を徹底的に回避して!!」
【了解ガァウ!!】
【できれば戦いたいけど、ご命令とあれバルルゥ!!】
戦闘、大規模支援砲撃に関してはマッスルバーンとグレイ号に任せ、僕らはただ生き延びるための手を選択する。
幸いなことに、大量の種の敵だった時とは異なり、物凄く大型なミサイルとなってしまったデボスミサイラーは光線という範囲攻撃手段はあれども、足元を蠢く小さな相手には攻撃を当てづらいようだ。
照準を定められないように動き回りまくり、着実に倒すためのダメージを稼ぐ方へ意識を集中させる。
【デボォォォォォ!!】
攻撃が定まらず、筋肉に横殴りにされ、自身を蝕む砲撃を受けたりして、デボスミサイラーのストレスはどんどん溜まっていく。
圧倒的な力を得たと思っていただろうが上には上がおり、戦術次第でその力は強いものではなく弱いものとへと堕とされていく。
足元を蠢く子蟲がうるさいが、それよりも遠くから届いてくる攻撃や、目の前の筋肉ダルマが非常に厄介に感じてしまう。
一つ一つ、個別であれば問題は無かったが、こうも固まると厄介になるものなのか。
せっかく強大な力を手に入れ、父たるレイドボスにも及ぶ、いや、凌駕する力へと成長できるかもしれないものを手に入れたというのに、このままでは力尽きる可能性がある。
では、どうすればいいのか。
目の前の敵を倒すだけで、解決するか?
いや、出来ないのが今の現状だ。
戦闘を諦め、全力で逃亡するべきなのか?
いや、逃亡の果てに手に入れた力なので、ここで逃げて新しい力を得ても、似たようなものにやられる可能性があるだろう。
どうすれば良いのか試行し、積み重ねていく。
少しづつ余裕もなくなり、着実に削られている今、そこまでの時間は無い。
あるのならば、ここは植物にとっての大敵ともいえる砂漠が、よりやばい形で広がっているばかりで…いや、これである!!
【デボスゥウウウウウウウウウ!!】
見つけた、この状況をどうすれば良いのかという手段を。
やれるのだろうか?そう不安に思ったが、それでもやらなければ生き残ることはできまい。
雄たけびを上げ、デボスミサイラーは全ての筋肉質な足に力を籠め、一時的に跳躍する。
この星から素早く飛び立ちそうなほどの出力を出すこともできただろうが、それではない。
近くにある逆転の手立て…砂漠を利用するためだけに角度を絞り、斜めに跳躍し、煮えたぎっている砂漠に着陸する。
ぐつぐつと溶岩のごとく煮えたぎる砂漠は、すぐに身を蝕む。
だが、それだけ煮えたぎるエネルギーというのは非常に大きく…それを利用しない手はない。
既に焼けただれてしまった足を切り捨て、ミサイル部から自身の植物としての根を飛び出させ、砂漠を覆いつくし始める。
焼けるか食いつくすか、砂漠と植物の戦い。
制覇しなければ、まともに筋肉どもを相手するとの同じ結果になると考え、全力で取り込むことへ力を注ぎ…その賭けに勝利した。
見よ、煮えたぎっていた砂漠はそのエネルギーを食い尽くされ、もはや煮えたぎることはない。
砂漠の砂は深くまで根が絡み合い、自然と放出されていたエネルギーすらも糧にさせてもらい、自身の成長を促させる。
魔導船にとって蝕む毒になるようなエネルギーすら、この植物は利用して見せた。
これより、生まれ落ちたるは、煉獄を内部に煮えたぎらせ、自らの内部に恒星として新たに産み落とした一つの植物モンスター。
【ザンザンワァァァァァル!!】
―――
>デボスミサイラーが、周辺のエネルギーを喰らいつくし、異常成長を遂げました。
>レイドボスが急接近中。しかし、意に介すそぶりもなく、もはや親としても見ていない模様。
>生まれ落ちました、恒星厄災植物…ザ・サンフラワーに代わることができる、新しきレイドボスが。
―――
ログに表記されていくのは、成長を遂げた植物のデータ。
その偉業は自らのデータに改造を促し、それは大きく自身の身のありようを変貌させてしまった。
もはや、種子にあらず、ミサイルでもなく、砂漠でもなく…その全てを混ぜ込んだ、新たなるレイドボスとして今、名をはせようとしている。
―――
>…データが更新されました。
>ザ・サンフラワーと交戦後、レイドボスの座を獲得します。
>正式名称、不明。仮称『恒星厄災植物』…『ヘル・デボス』が設定されました。
―――
その異常を感知したのか、相当な距離があったはずの場所から、駆け抜けてくる巨大植物。
その気配は既に到達しており、警告がたくさん表示されているだろう。
だがしかし、新たに生まれてしまった邪悪なる植物は、宇宙を見上げるだけであった…
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