アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
上 下
645 / 718
Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~

ver.6.0-57 凍てつく視線

しおりを挟む
…古代都市の地下へと続く道を見つけたのは良いだろう。
 こういう場所に決まってお宝が眠っているのは王道であり、今回の場合はお宝代わりに物騒な惑星破壊ミサイルが眠っているのだろうが、それでも進まないわけにはいかない。

 でも、進んでいる途中で悲鳴が聞こえてくれば…


「…どう考えてもヤバいことになっていそう」
「絶対にこういう場所って、罠があるからなぁ…」

 想定よりも早いペースでガンガン進むことができたのだが、その道中で何やら悲鳴が聞こえてきた。

 まだだいぶ距離があるようだが、何者かは不明…いや、恐らくは情報を考えると先に進んでいると思われる中三病さんなんだろうが、何かがあったらしい。



 基本的にあの女帝以外に対してはひるむこともなさそうだが、この悲鳴を聞く限りだとそのクラスのものが想定できる。
 女帝が急に空間を割いて出てきたとかいう可能性も否定できないが…ありえなくもない時点でそれはそれでおかしな話だろう。



 とにもかくにも、何が起きているかはこの目で見なければわからない。
 ただ、その確認のためには先へ進む必要があるが…今の状態で大丈夫なのか。

 可能ならば避けて通りたい道ではあるが、どうやらそうはいかない一本道。
 このまま突き進めば確実に遭遇できるが、当然それは遭遇する結果となる。


「まぁ、腹をくくっていくしかないか…リン、セレアも警戒してくれ」
【了解ガウゥ!!】
【問題ないバルルル!!】

「ミーちゃんは退路確保、ドクターリリエルさんは…とりあえず、増殖まだ無しで。ここで増えたら確実にぎっちぎちに詰まって逃げられなくなる」
「わかったよー」
「逆に言えば、進路側に飛び出せば毛
「大毛玉大防壁も可能だが…それも考慮に入れてほしい」



 とにもかくにも、脱兎のごとく逃走する手段もいれておいて、歩みを進める。
 いざとなれば眷属のカイニスを呼び出して、その馬鹿力で無理やり地上までごり押しでぶち壊しながら進めるプランも計画しておく。


 何が悲鳴の原因なのか、様々な想定を考えながら先へ進み…そこで、想定の一つが目に見えてきた。


チィンチィンチュインチィン!!
「うぉぉぉぉぉぉ!!滅茶苦茶レーザーを連発してくるーー!!」
【【【シドシドドドォォォ!!】】】


 前方よりいくつかの光線が見え、それから逃れるように全力逃走を図っているのは中三病さん。

 その後方には、大量のヒマワリの種のような見た目でありつつ、ムキムキな足が生えたモンスターたちが、目から光線を放ちながら迫ってきていた。

「あー…うん、まぁ、想定通りかな?」
「想定通りなの、これ!?」
「一応ね」

 見た目からして、明らかに現在進行形で活動中のレイドボスに関係している奴だろう。
 まだ枯れてもないが、あの状態で子供のような…ヒマワリの種のようなものを出していてもおかしくはない。

 なおかつ、妨害のために自身の害になるようなものを排除するために動かすようなことをしても、この運営が仕掛けていてもおかしくはないのだ。

「っと、一応モンスター名の表記が…『特別限定モンスター:ザ・シードズ』か」

 大量の種子をひとくくりにまとめているようだが、この光景を見れば悲鳴を上げるのも無理はない。

 滅茶苦茶数が多いうえに、ゴリゴリの目玉と筋肉の足を生やしたやつが大量に出てくれば、そりゃ逃げたくもなる。


「とりあえず僕らも逃げるよ!!」

 多勢に無勢、戦力としてはどうなのかと思うが、この場からは一度離れたほうがいい。

 追われている中三病さんも呼びかけて、一緒に逃走し始めるのであった…


「よぉぉぉし!!いちおうやっておくぞ、剛毛大毛玉防壁!!」
「何あれ何あれ!?ハルさん、何あの毛玉の怪物たちは!?」
「こっちにもまぁ、色々と事情があって…」

しおりを挟む
感想 3,603

あなたにおすすめの小説

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~

風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

処理中です...