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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-52 ミサイルだってしゃべりたい
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―――我輩は、惑星破壊ミサイルである。
名前はそのまま名乗った通り、性能もそのまま名乗った通り、やるべきことも名乗った通り。
まぁ、正確に言えば岩石の塊以外にも気体や液体で構成された星々に対しても有効に破壊できるように設計されているため、惑星以外も可能なのだが、単純明快にと言うことでこの名がある。
ミサイルが、考えたり喋ったりして良いのかって?
問題は無い。この身を持って撃ち滅ぼすために、相手を認識できるようにちょっとしたAIが搭載されているからである。
そんな我輩、この度どうやらレイドイベントとやらに使用されるための、特殊ミッションの景品としてこの地に連れてこられた。
兄弟たちが数多の星々を壊すための任務で日夜滅びゆく中で、下手すればだれの手にも触れずにここで朽ち果てる可能性もあっただろう。
だがしかし、問題は無い。
我輩を設置するために、あちこちに痕跡が残っており、見つけ出す者はいるはずである。
どのような相手が対象になるにせよ、必ずやミサイルとしての任を務めようと思うのだが…
『…いかんせん、待っている間が暇である』
音声入力式な部分を少し弄り、声を出すことぐらいは可能である。
打ち出されたら残り少ない生となるが、そうでない間はあまりにも長い。
色々と考えた末に、この古代都市群の奥深くに置かれたのだが、ここはまぁ殺風景すぎる場所で面白味が無い。
せめてもっとこう、歯車蠢く工場だとか、機雷爆雷弾薬等の兵器溢れる場所だったらよかったが…既に滅びた都市の奥深くとなれば、何の変哲もなさすぎるボロボロの場所でしかない。
せめて、待っている間の暇つぶしでもあれば、あいにくミサイルとしての才能しかないゆえに何かやる手立てもない。
そうなってくると、あとは求めてやってくる者たちを待つだけしかないのあが…その時間が暇すぎる。
だからこそ、さっさとここから連れ出してもらい、きらびやかに輝く最後の花を咲かせたいが…果たしてそれはいつになるのやら。
レイドイベントとやらのミッションに飾られている以上、誰かがこなして見つけ出すかもしれないが、何もできなくて終わってしまったら意味もない。
『頼むから、早くしてくれ…』
暇は早めに解消されてほしいと、切実な思いでつぶやいたその時だった。
…ゴゴゴゴ
『ン?』
何やら変な音が聞こえてきた。
ここに安置されてからこのような音は聞いたことはなく、何かが迫ってきている様子がうかがえるだろう。
こう、掘削型惑星破壊ミサイルの兄弟が起こせるような音に近いが…この感じは、ミサイルではない。
おお、ついについに、誰かがここへ向けて迫ってきてくれているようだ。
古代都市群なこともあって、様々な罠が仕掛けられているが、そんなものを無視して一直線に来てくれるというのだろうか。
これで見つけ出してくれれば、後は野となれ山となれ。
ミサイルとしての任を華々しくこなし、美しき大輪の花を咲かせるだけである。
その時がようやく来てくれるのかと、音が近づいてくるのを待ち…それから数分後、なぜか到達することはなく、音が止んだ。
『…あれ?』
ここへ来そうなものだったが、何かあったのだろうか?
途中で止まったのか、はたまたは別の空間にでもあたってそちらに入り込んでしまったのだろうか。
『うぉぉぉぉぉぉい!!期待させるだけさせといて、結局来ないのはむなしいんだがぁぁぁぁ!!』
思わずそう叫ぶが、その声を聴くものは誰もいない。
いや、正確に言えばそのはるか上の地上にて、地中に根を張り巡らせて音を聞いていた者たちを除いてであったが、そんなことを知る由もないのであった…
名前はそのまま名乗った通り、性能もそのまま名乗った通り、やるべきことも名乗った通り。
まぁ、正確に言えば岩石の塊以外にも気体や液体で構成された星々に対しても有効に破壊できるように設計されているため、惑星以外も可能なのだが、単純明快にと言うことでこの名がある。
ミサイルが、考えたり喋ったりして良いのかって?
問題は無い。この身を持って撃ち滅ぼすために、相手を認識できるようにちょっとしたAIが搭載されているからである。
そんな我輩、この度どうやらレイドイベントとやらに使用されるための、特殊ミッションの景品としてこの地に連れてこられた。
兄弟たちが数多の星々を壊すための任務で日夜滅びゆく中で、下手すればだれの手にも触れずにここで朽ち果てる可能性もあっただろう。
だがしかし、問題は無い。
我輩を設置するために、あちこちに痕跡が残っており、見つけ出す者はいるはずである。
どのような相手が対象になるにせよ、必ずやミサイルとしての任を務めようと思うのだが…
『…いかんせん、待っている間が暇である』
音声入力式な部分を少し弄り、声を出すことぐらいは可能である。
打ち出されたら残り少ない生となるが、そうでない間はあまりにも長い。
色々と考えた末に、この古代都市群の奥深くに置かれたのだが、ここはまぁ殺風景すぎる場所で面白味が無い。
せめてもっとこう、歯車蠢く工場だとか、機雷爆雷弾薬等の兵器溢れる場所だったらよかったが…既に滅びた都市の奥深くとなれば、何の変哲もなさすぎるボロボロの場所でしかない。
せめて、待っている間の暇つぶしでもあれば、あいにくミサイルとしての才能しかないゆえに何かやる手立てもない。
そうなってくると、あとは求めてやってくる者たちを待つだけしかないのあが…その時間が暇すぎる。
だからこそ、さっさとここから連れ出してもらい、きらびやかに輝く最後の花を咲かせたいが…果たしてそれはいつになるのやら。
レイドイベントとやらのミッションに飾られている以上、誰かがこなして見つけ出すかもしれないが、何もできなくて終わってしまったら意味もない。
『頼むから、早くしてくれ…』
暇は早めに解消されてほしいと、切実な思いでつぶやいたその時だった。
…ゴゴゴゴ
『ン?』
何やら変な音が聞こえてきた。
ここに安置されてからこのような音は聞いたことはなく、何かが迫ってきている様子がうかがえるだろう。
こう、掘削型惑星破壊ミサイルの兄弟が起こせるような音に近いが…この感じは、ミサイルではない。
おお、ついについに、誰かがここへ向けて迫ってきてくれているようだ。
古代都市群なこともあって、様々な罠が仕掛けられているが、そんなものを無視して一直線に来てくれるというのだろうか。
これで見つけ出してくれれば、後は野となれ山となれ。
ミサイルとしての任を華々しくこなし、美しき大輪の花を咲かせるだけである。
その時がようやく来てくれるのかと、音が近づいてくるのを待ち…それから数分後、なぜか到達することはなく、音が止んだ。
『…あれ?』
ここへ来そうなものだったが、何かあったのだろうか?
途中で止まったのか、はたまたは別の空間にでもあたってそちらに入り込んでしまったのだろうか。
『うぉぉぉぉぉぉい!!期待させるだけさせといて、結局来ないのはむなしいんだがぁぁぁぁ!!』
思わずそう叫ぶが、その声を聴くものは誰もいない。
いや、正確に言えばそのはるか上の地上にて、地中に根を張り巡らせて音を聞いていた者たちを除いてであったが、そんなことを知る由もないのであった…
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