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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-40 お土産は何かとあるようで
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…結局、女神として突撃したが、臨んだ成果は上げられなかった。
得られたものとしてはただ、ある世界の秘密を知ってしまったことか、それとも先祖の盛大なやらかしの元凶を垣間見たことぐらいだろうか。
「そしてついでに、ショートカットで帰還ルートを教えてもらったけど、何故か水星経由だった謎は…これかぁ…」
宇宙空間であろうとも、女神の状態であれば生身であっても無事な様子。
ただ、目の前に隠れていたであろう大艦隊が崩壊する様を見ると、相手のほうは無事で済まなかったようである。
ドォォォォン!!ボガァァァアン!!
SF映画で見るような宇宙船が、次々と破壊され、宇宙の塵となっていく。
うっかりどこかの映画の世界でも迷い込んでしまったのかと思いたかったが、残念なことにここは元居た世界のしっかりした現実の宇宙空間であり、まがいものとかではない。
何かこう、盛大にやらかした様子だが…その原因は、はっきりとしていた。
爆発する宇宙船の中から、食い破って出てきているのは何かしらの恐竜の姿。
よく見かけるようなレックスの類から翼竜の類、その他様々な種類が見える。
いったいどうして、その内部からそんなものが飛び出してくるのか…考えられる原因は一つしかないだろう。
「トロイの木馬とか言っていたけど、こりゃどこかの公園映画と宇宙映画などをゴチャ混ぜにして煮込んだようにしか見えないなぁ…」
爆発に巻き込まれないように注意しながら、その中心にある船へ向かって進む。
窓から見える内部の光景を見れば、明らかに地球外生命体がいるのが分かるのだが、彼らにとってはこの事態が物凄く地獄のようで、必死に逃げまどっているのが目に見える。
抵抗なのか攻撃を仕掛けているようだが…それでも、この古代の暴力というべきものを相手にしては、蟷螂の斧。
見ているこっち側が同情したくなるような、顔の造形が違えども伝わってくる絶望感がある。
そんな彼らの前にいるものとすれば…
「はーい!!さっさと地球へ帰還するための船をよこすのデース!!なければ奪うのデース!!」
(あれが、ワゼさんから聞いたトロイの木馬として用意された…現実世界のティラリアさんかぁ。アバターは滅多なことが無い限り、現実世界の姿に近いものになっているから、そんなに大差ないとはいえ…やっていることが思いっきり悪役感マシマシなんだよなぁ…)
そこにいたのは、どうやら地球から攫われてきたらしいティラリアさん(現実の姿)。
アバターと違って…なんというかもうちょっと、邪悪な感じがする。
表情が思いっきりやばい感じになっているのが原因なのかもしれないが、本当に、本当に、相手に同情したくなる。
繰り返していってしまうが、一応どうやら侵略型の宇宙人のようなので、ここで無残に散ってくれる分には構わないし、同情する意味もないかもしれないが…うん、何とも言えないのがこの惨状である。
なんというか、放っておいてもあの人一人でこの軍団を制圧できたような…というか、あの恐竜たちはいったいどこからどう呼び寄せ…モンスタードールか。
本来、ネットがつながってなければ使えないはずのドールだけど、宇宙エレベーター開通によって宇宙方面へのネット接続を用意しやすくするための機器が開発されていたり、モンスタードールの超小型版を開発しているとワゼさんから話も聞いている。
どうやら彼女、実は運営会社の従業員…それもかなり重要な役職についていたようで、その手の機器は持っていたのだろう。
いや、むしろトロイの木馬役として事前に準備していたのであれば、ここまでの規模をやらかせるだけの手段は持っていてもおかしくはなかった。
何も警戒せず、単純に侵略のための実験材料かその他のサンプル目的としてここまで攫ってきてしまったものは、物凄く後悔しているであろう。その命があればの話だけど。
とにもかくにも、そろそろ回収しておいた方がいいかなと思い、接近するのであった…
『おーい、ティラリアさーん!!聞こえますかー?』
「OH!?だ、誰でーす!!何か頭の中に、響いてきたのデース!!」
…神式念話、宇宙空間だからこそ役に立つ技である。
まぁ、よくあるアレ。「勇者よ早く目覚めなさい」とか、そういう類の…将来的に女神として本格活動することになったら、ちょっとやってみたいな、これ。
得られたものとしてはただ、ある世界の秘密を知ってしまったことか、それとも先祖の盛大なやらかしの元凶を垣間見たことぐらいだろうか。
「そしてついでに、ショートカットで帰還ルートを教えてもらったけど、何故か水星経由だった謎は…これかぁ…」
宇宙空間であろうとも、女神の状態であれば生身であっても無事な様子。
ただ、目の前に隠れていたであろう大艦隊が崩壊する様を見ると、相手のほうは無事で済まなかったようである。
ドォォォォン!!ボガァァァアン!!
SF映画で見るような宇宙船が、次々と破壊され、宇宙の塵となっていく。
うっかりどこかの映画の世界でも迷い込んでしまったのかと思いたかったが、残念なことにここは元居た世界のしっかりした現実の宇宙空間であり、まがいものとかではない。
何かこう、盛大にやらかした様子だが…その原因は、はっきりとしていた。
爆発する宇宙船の中から、食い破って出てきているのは何かしらの恐竜の姿。
よく見かけるようなレックスの類から翼竜の類、その他様々な種類が見える。
いったいどうして、その内部からそんなものが飛び出してくるのか…考えられる原因は一つしかないだろう。
「トロイの木馬とか言っていたけど、こりゃどこかの公園映画と宇宙映画などをゴチャ混ぜにして煮込んだようにしか見えないなぁ…」
爆発に巻き込まれないように注意しながら、その中心にある船へ向かって進む。
窓から見える内部の光景を見れば、明らかに地球外生命体がいるのが分かるのだが、彼らにとってはこの事態が物凄く地獄のようで、必死に逃げまどっているのが目に見える。
抵抗なのか攻撃を仕掛けているようだが…それでも、この古代の暴力というべきものを相手にしては、蟷螂の斧。
見ているこっち側が同情したくなるような、顔の造形が違えども伝わってくる絶望感がある。
そんな彼らの前にいるものとすれば…
「はーい!!さっさと地球へ帰還するための船をよこすのデース!!なければ奪うのデース!!」
(あれが、ワゼさんから聞いたトロイの木馬として用意された…現実世界のティラリアさんかぁ。アバターは滅多なことが無い限り、現実世界の姿に近いものになっているから、そんなに大差ないとはいえ…やっていることが思いっきり悪役感マシマシなんだよなぁ…)
そこにいたのは、どうやら地球から攫われてきたらしいティラリアさん(現実の姿)。
アバターと違って…なんというかもうちょっと、邪悪な感じがする。
表情が思いっきりやばい感じになっているのが原因なのかもしれないが、本当に、本当に、相手に同情したくなる。
繰り返していってしまうが、一応どうやら侵略型の宇宙人のようなので、ここで無残に散ってくれる分には構わないし、同情する意味もないかもしれないが…うん、何とも言えないのがこの惨状である。
なんというか、放っておいてもあの人一人でこの軍団を制圧できたような…というか、あの恐竜たちはいったいどこからどう呼び寄せ…モンスタードールか。
本来、ネットがつながってなければ使えないはずのドールだけど、宇宙エレベーター開通によって宇宙方面へのネット接続を用意しやすくするための機器が開発されていたり、モンスタードールの超小型版を開発しているとワゼさんから話も聞いている。
どうやら彼女、実は運営会社の従業員…それもかなり重要な役職についていたようで、その手の機器は持っていたのだろう。
いや、むしろトロイの木馬役として事前に準備していたのであれば、ここまでの規模をやらかせるだけの手段は持っていてもおかしくはなかった。
何も警戒せず、単純に侵略のための実験材料かその他のサンプル目的としてここまで攫ってきてしまったものは、物凄く後悔しているであろう。その命があればの話だけど。
とにもかくにも、そろそろ回収しておいた方がいいかなと思い、接近するのであった…
『おーい、ティラリアさーん!!聞こえますかー?』
「OH!?だ、誰でーす!!何か頭の中に、響いてきたのデース!!」
…神式念話、宇宙空間だからこそ役に立つ技である。
まぁ、よくあるアレ。「勇者よ早く目覚めなさい」とか、そういう類の…将来的に女神として本格活動することになったら、ちょっとやってみたいな、これ。
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