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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-25 知らぬ合間の信仰心
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…結局、あのピンクダイヤの子はどうしたのか。
最後の一体になった以上、残すは絶滅という道。
同族がいなくなった世界に戻って、それで良いのかと思ったが…
「…まさか、黒き女神の特性を取り込んでいたことで、元居た世界の管理神になるとは」
【資格が必要でしたが、そのあたりも無事に試験を突破できたようですネ】
「資格がいるものなの?」
彼女がいなくなってから数週間後、届いた手紙を呼んで僕らはそう口にする。
そう、ピンクダイヤの子…あの子は、黒き女神の力を利用し、本当に神になったようである。
黒き女神の力を不完全ながらも模していたのもあって、一応やれるだけの力があったらしい。
何故、その道を選んだのかと言えば、二度と自分と同じようなものが現れないようにするためにも、事前に防ぐための手段を講じていきたいと望んだからであり…ならば、その力を使えばいいのではないかという結論に至ったからだ。
「普通は、そんな世界の神になるとか中二病とかその他ヤバい関係の類しか言わないようなことを、有言実行するとは…考えてみたら、ほぼ敵しかいなかった状況でもあちこち根性で乗り切っていたようだし、精神力だけならば相当高かったのだろうか」
物語の悪役とか、何かしらのものをこじらせまくった人しかやらないようなことを、思いつき、実行に移す。
その行動力は称賛するべきものであり、なおかつ達成したのは凄まじいことなのだろう。
これはこれで、問題が無いのかと不安だったが…元々異界のものであり、この世界の者ではないからこそ、こちら側が引き留めるようなことはなかった。
まぁ、何やらその手の管理方法にはある程度の許可が必要なので、その手続きをすることにはなったが、元気そうにやっているのであれば何よりである。
「というか、世界を管理する神とかいるんだな…」
「そのあたりの議論、宗教関係で面倒なことになるだろうから深くは掘り下げないけど、やれるものなんだねぇ」
【ちゃんと、神のような力を持っているものかつ、資格が必要になるものなのデス。詳しいことは禁則事項に該当するため、私では話せないのですが…】
神の名が付くのに、資格が必要なものなのだろうか。
そう思ったが、どうやら神界隈に色々と事情があるようで、しっかりと体制が整えられているらしい。
大昔…僕らが想像もつかないほどもっと前ではもうちょっと緩めの無法地帯だったようだが、様々な不祥事が生じたようで、改革がされて今の形になったのだとか。
【やらかして世界が崩壊したとか、他の世界を巻き込んだとか、都合よく利用しようと考えたものに見事に返り討ちになって大勢の神が失われたとか…そういう話もあり、きちんと管理するための資格が必要になったのデス。なので、もしも主様が将来、黒き女神としての活動をしっかりと行う際に、世界を管理したいなと思ったら、それなりの勉強も必要になるのデス】
「いや、絶対にそう言うのやらないからね?明らかに面倒な予感しかないよ」
よく聞く異世界転生だとか異世界転移などの物語で分かるが、そういう事態を対応する羽目になったら確実に物凄く大変なのが目に見えている。
実際、そういう事例があるようで、微妙に人気もないのだとか。
とにもかくにも、あの子が元気にやっているようであればそれはそれで良いだろう。
そんなことはさておき、今は別のことにも目を向けたい。
「来週には、宇宙エレベーターの完成式典が行われて、ソレに関係したのもあってかアルケディア・オンライン内でもイベントが行われるとか…そっちのほうが、楽しみかな」
もっと時間がかかるかと思われていた、現実世界の方での宇宙エレベーター建設。
それがどうも、当初の予定よりもどんどん工期が短くなったのもあってか計画が色々と変更になったらしく、トドメにオンラインの世界からのものが入ってくるようになったのもあってか、月までの予定だったはずが火星まで伸びて、来週には完成式典が開かれることになったのである。
建設事業に運営会社が関わっていたのもあってか、オンライン内でも連動してイベントを行ってくれるようで、これはこれで楽しみなのだ。
宝石獣の騒動、相当疲れたからなぁ…たまにはこう、現実世界の方での祝い事に目を向けたい。
「まぁ、私のほうはそれまでに仕事が山積みなんだけどね…」
「ん?そうなの、ミーちゃん。というか、その書類の山は?」
「オンライン内から現実世界への輸出関係の制限が一部解禁されたようで、私の持っている牧場製品も幅が広がって出せるようになったんだけど…ちょっと手続きが必要なので、その作業に追われているんだよねー」
見れば、相当な書類の山である。
どうやらエレベーターの解禁と共に、オンラインから出てくる物の制限も一部解放され始めたようで、それに巻き込まれた形らしい。
ミーちゃんの牧場の品は美味しいから、現実世界でもしっかリ味わえるのは歓迎したいが…解放されていくとはいえ、きちんと手続きを行わないといけないようである。
楽しみがありつつも、それまでに終えることが出来るのか…とりあえず、手伝うことにするのであった…
「えっと、出荷できる製品の幅による、需要供給のバランス手続き、値段交渉関係、他国への販売経路に向けてのものなど…かなり多いね」
【オンライン内のものは優れたものが多いのですが、既得権益等の厄介事もあるので…このあたりの面倒な手続きは徐々に無くしていく予定ですが、それでも最初は仕方が無いのデス】
…難しい問題だが、とやかくうるさい人も出てくるらしい。
便利だとか素晴らしいとか思う反面、そういうものを扱っていた人たちからの反発等も考えられることだし、人の事情というのは思ったよりも複雑なのである。
最後の一体になった以上、残すは絶滅という道。
同族がいなくなった世界に戻って、それで良いのかと思ったが…
「…まさか、黒き女神の特性を取り込んでいたことで、元居た世界の管理神になるとは」
【資格が必要でしたが、そのあたりも無事に試験を突破できたようですネ】
「資格がいるものなの?」
彼女がいなくなってから数週間後、届いた手紙を呼んで僕らはそう口にする。
そう、ピンクダイヤの子…あの子は、黒き女神の力を利用し、本当に神になったようである。
黒き女神の力を不完全ながらも模していたのもあって、一応やれるだけの力があったらしい。
何故、その道を選んだのかと言えば、二度と自分と同じようなものが現れないようにするためにも、事前に防ぐための手段を講じていきたいと望んだからであり…ならば、その力を使えばいいのではないかという結論に至ったからだ。
「普通は、そんな世界の神になるとか中二病とかその他ヤバい関係の類しか言わないようなことを、有言実行するとは…考えてみたら、ほぼ敵しかいなかった状況でもあちこち根性で乗り切っていたようだし、精神力だけならば相当高かったのだろうか」
物語の悪役とか、何かしらのものをこじらせまくった人しかやらないようなことを、思いつき、実行に移す。
その行動力は称賛するべきものであり、なおかつ達成したのは凄まじいことなのだろう。
これはこれで、問題が無いのかと不安だったが…元々異界のものであり、この世界の者ではないからこそ、こちら側が引き留めるようなことはなかった。
まぁ、何やらその手の管理方法にはある程度の許可が必要なので、その手続きをすることにはなったが、元気そうにやっているのであれば何よりである。
「というか、世界を管理する神とかいるんだな…」
「そのあたりの議論、宗教関係で面倒なことになるだろうから深くは掘り下げないけど、やれるものなんだねぇ」
【ちゃんと、神のような力を持っているものかつ、資格が必要になるものなのデス。詳しいことは禁則事項に該当するため、私では話せないのですが…】
神の名が付くのに、資格が必要なものなのだろうか。
そう思ったが、どうやら神界隈に色々と事情があるようで、しっかりと体制が整えられているらしい。
大昔…僕らが想像もつかないほどもっと前ではもうちょっと緩めの無法地帯だったようだが、様々な不祥事が生じたようで、改革がされて今の形になったのだとか。
【やらかして世界が崩壊したとか、他の世界を巻き込んだとか、都合よく利用しようと考えたものに見事に返り討ちになって大勢の神が失われたとか…そういう話もあり、きちんと管理するための資格が必要になったのデス。なので、もしも主様が将来、黒き女神としての活動をしっかりと行う際に、世界を管理したいなと思ったら、それなりの勉強も必要になるのデス】
「いや、絶対にそう言うのやらないからね?明らかに面倒な予感しかないよ」
よく聞く異世界転生だとか異世界転移などの物語で分かるが、そういう事態を対応する羽目になったら確実に物凄く大変なのが目に見えている。
実際、そういう事例があるようで、微妙に人気もないのだとか。
とにもかくにも、あの子が元気にやっているようであればそれはそれで良いだろう。
そんなことはさておき、今は別のことにも目を向けたい。
「来週には、宇宙エレベーターの完成式典が行われて、ソレに関係したのもあってかアルケディア・オンライン内でもイベントが行われるとか…そっちのほうが、楽しみかな」
もっと時間がかかるかと思われていた、現実世界の方での宇宙エレベーター建設。
それがどうも、当初の予定よりもどんどん工期が短くなったのもあってか計画が色々と変更になったらしく、トドメにオンラインの世界からのものが入ってくるようになったのもあってか、月までの予定だったはずが火星まで伸びて、来週には完成式典が開かれることになったのである。
建設事業に運営会社が関わっていたのもあってか、オンライン内でも連動してイベントを行ってくれるようで、これはこれで楽しみなのだ。
宝石獣の騒動、相当疲れたからなぁ…たまにはこう、現実世界の方での祝い事に目を向けたい。
「まぁ、私のほうはそれまでに仕事が山積みなんだけどね…」
「ん?そうなの、ミーちゃん。というか、その書類の山は?」
「オンライン内から現実世界への輸出関係の制限が一部解禁されたようで、私の持っている牧場製品も幅が広がって出せるようになったんだけど…ちょっと手続きが必要なので、その作業に追われているんだよねー」
見れば、相当な書類の山である。
どうやらエレベーターの解禁と共に、オンラインから出てくる物の制限も一部解放され始めたようで、それに巻き込まれた形らしい。
ミーちゃんの牧場の品は美味しいから、現実世界でもしっかリ味わえるのは歓迎したいが…解放されていくとはいえ、きちんと手続きを行わないといけないようである。
楽しみがありつつも、それまでに終えることが出来るのか…とりあえず、手伝うことにするのであった…
「えっと、出荷できる製品の幅による、需要供給のバランス手続き、値段交渉関係、他国への販売経路に向けてのものなど…かなり多いね」
【オンライン内のものは優れたものが多いのですが、既得権益等の厄介事もあるので…このあたりの面倒な手続きは徐々に無くしていく予定ですが、それでも最初は仕方が無いのデス】
…難しい問題だが、とやかくうるさい人も出てくるらしい。
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