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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-21 獣の事情
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―――それがいたのは、こことは異なる別の世界。
世界が違うということは常識も異なっており、そこでは何もかも一つだった。
一つにまとまりあい、何もかも溶け合って同じ意識。
流石にずっと同じままでは刺激が無いため、時折どこからか別のものを言え得ては共有し、適度な感覚を味わうことで成り立っていた。
だがしかし、ある時そこに、妙な意志が紛れ込んだ。
何もかも一つだったはずなのに、そうではいけないと思う意志。
そういう意志が発生するのは、時折あったりはする。
ずっと同じ意識でいることが不自然に思え、自然と別の場所へ離れて向かうのだ。
長い年月を経て、帰還してきて、その感覚を共有することもあるが…たいていの場合、そのような意識が出てきた場合は、それだけを出すだけでいい話の事。
無理に引き留める意味もないし、賛同して出ていく仲間がいても気にしない。
ここからいなくなれば、それだけの話…のはずだった。
群れを成して過ごしている以上、一部が離反して別れるのは自然のことだろう。
だがしかし、その返ってきた者のうち、おかしなものが混ざっていたようだ。
それがあの、青色に染まった者たちだった。
【なるほど…わかりやすく言えば、ガン細胞のようなものになったのですカ。エラーを起こして、異常に増殖を行っていくものにですカ】
かくかくしかじかと、ピンクダイヤの子に話を聞いていた僕らだったが、どうやら宝石獣たちに起きたことはかなり深刻なもののようだった。
一体化していた者たちの中で、自然と離れるものが出てもおかしくはない。
けれども、戻ってきた者たちの中で、おかしくなっていたものが紛れ込み、同じようなものが増殖し始めたようだ。
【いえ、ガン細胞というよりも、どちらかと言えば、ウイルスの増殖方法に似ていますネ。相手の中に入り込んで、自身のコピーを製造するように仕向けるような…そういう類でしょうカ】
【ウイルス、ガン細胞、私たちの方ではわからないけど…取り入れた知識の中に、なんとなくあるから理解できる。それっぽいので、間違いない】
ロロの言葉に対して、同意するピンクダイヤの子。
例えとしてそれで良いようだが、実際に起きていることは悪すぎるものだろう。
【私たち、一応皆一体化しているけど、統率する必要もある。下手に動くと、どこかで死ぬのわかっている。だからこそ、全部が全部同じではなく、私のように、統率個体いるはずだけど…それらの大半が、青くなった…】
粘菌のように一体になりつつも、一応リーダー的存在は必要だった。
ゆえに、統率個体と呼ばれる者たちがおり、ピンクダイヤもその一つだったらしい。
しかしながら、その異常な個体が出てきて…感染するかのように、統率個体たちもおかしくなったそうだ。
【他の生活、干渉しない。私たち、のんびりのほほん、ゆらゆら、きまぐれに漂いたいだけ。でも、その異常個体たち…他者、喰らうだけじゃなく、喰いつくす】
同じ個体のままだと、病気などで全滅しかねないリスクがある。
そのため時折、外から別のものを仕入れて混ぜることで、リスクを減らすことを本能的に行っているらしい。
でも、その異常個体はほんの少し混ぜるだけでは満足せず…何もかも、全てを食い尽くす方針に切り替わっているようで、あちこちで貪り食っているようだ。
「それが、あの宝石獣たちか…」
元のスペックが高いが、取り込んだものの能力を己のものにして、能力向上させることが出来るらしい。
それがあの様々な獣の姿になっていた宝石獣たちであり、元となった獣の形になっていたようだ。
【放置、出来ない。異常個体、下手すれば、何もかも、滅ぼす。私たち、そんなの望みたくない…だから、ここへきたの】
他の者への迷惑を及ぼすことに危惧を覚え、どうにかして阻止しようと動いたらしい。
けれども、相手のほうがはるかに増殖力などが強化されまくり、真正面から相手するのは流石に厳しいと判断したようだ。
そのため、どうにかしようと考えに考えまくっている中で…ある時、妙な力を感じたそうだ。
【その力、保管物と同調、大きく引き出していた。なんでかはわからないけど、それ、使えるかと思った】
「それが、黒き女神だったのか…」
あちこちで情報を得られないか頑張っている最中に、何故か感じた黒き女神の力。
その力こそ、異常個体へ対抗できると思い、求めて世界を超えてきたらしい。
しかしながら、世界を超えるのは相当な負担だったらしく、しばしの間休眠状態…あの大きなピンクダイヤの姿になって漂っていたところを、宇宙海賊に捕獲されて、あのめぐり逢いの結果になったようである。
力が出ているのはわかったけど、どこからどうすれば良いのかわからないために、目覚めてから探るとうろうろ戸惑い動きまくり…あの捕食へとつながったようだ。
「というか、女神の力って世界を超えるものなのかな…?そんな、別の世界に向けて放出した記憶もないんだけど」
【うーん…基本的に、神の力は確かに強大ですが、世界を超えることはそうそうないはずデス。規格外のものならば可能ですが、主様の神力も確かに大きいとはいえ、まだ人間の枠組みにあるために超えるようなものではないはずですが…どこか、この世界から出たりしていたときありましたカ?】
「いや、そんな世界をホイホイ超えるようなことはないって。現実とオンライン、それぞれで別々に顕現しているし…あ、いや…でも…」
…確か、かなりやばいものをどこかの世界に投入したり、現実とオンラインの世界を事故で行き来する事態があったが、そのときに何か力が漏れ出ていたって可能性もあるような…その可能性があるな?
他にももっと別の場所に伝わっている可能性が想定できて、今後厄介事が異世界から流れ込んでくるかもしれないことに、全力で拒絶したくなるのであった…
世界が違うということは常識も異なっており、そこでは何もかも一つだった。
一つにまとまりあい、何もかも溶け合って同じ意識。
流石にずっと同じままでは刺激が無いため、時折どこからか別のものを言え得ては共有し、適度な感覚を味わうことで成り立っていた。
だがしかし、ある時そこに、妙な意志が紛れ込んだ。
何もかも一つだったはずなのに、そうではいけないと思う意志。
そういう意志が発生するのは、時折あったりはする。
ずっと同じ意識でいることが不自然に思え、自然と別の場所へ離れて向かうのだ。
長い年月を経て、帰還してきて、その感覚を共有することもあるが…たいていの場合、そのような意識が出てきた場合は、それだけを出すだけでいい話の事。
無理に引き留める意味もないし、賛同して出ていく仲間がいても気にしない。
ここからいなくなれば、それだけの話…のはずだった。
群れを成して過ごしている以上、一部が離反して別れるのは自然のことだろう。
だがしかし、その返ってきた者のうち、おかしなものが混ざっていたようだ。
それがあの、青色に染まった者たちだった。
【なるほど…わかりやすく言えば、ガン細胞のようなものになったのですカ。エラーを起こして、異常に増殖を行っていくものにですカ】
かくかくしかじかと、ピンクダイヤの子に話を聞いていた僕らだったが、どうやら宝石獣たちに起きたことはかなり深刻なもののようだった。
一体化していた者たちの中で、自然と離れるものが出てもおかしくはない。
けれども、戻ってきた者たちの中で、おかしくなっていたものが紛れ込み、同じようなものが増殖し始めたようだ。
【いえ、ガン細胞というよりも、どちらかと言えば、ウイルスの増殖方法に似ていますネ。相手の中に入り込んで、自身のコピーを製造するように仕向けるような…そういう類でしょうカ】
【ウイルス、ガン細胞、私たちの方ではわからないけど…取り入れた知識の中に、なんとなくあるから理解できる。それっぽいので、間違いない】
ロロの言葉に対して、同意するピンクダイヤの子。
例えとしてそれで良いようだが、実際に起きていることは悪すぎるものだろう。
【私たち、一応皆一体化しているけど、統率する必要もある。下手に動くと、どこかで死ぬのわかっている。だからこそ、全部が全部同じではなく、私のように、統率個体いるはずだけど…それらの大半が、青くなった…】
粘菌のように一体になりつつも、一応リーダー的存在は必要だった。
ゆえに、統率個体と呼ばれる者たちがおり、ピンクダイヤもその一つだったらしい。
しかしながら、その異常な個体が出てきて…感染するかのように、統率個体たちもおかしくなったそうだ。
【他の生活、干渉しない。私たち、のんびりのほほん、ゆらゆら、きまぐれに漂いたいだけ。でも、その異常個体たち…他者、喰らうだけじゃなく、喰いつくす】
同じ個体のままだと、病気などで全滅しかねないリスクがある。
そのため時折、外から別のものを仕入れて混ぜることで、リスクを減らすことを本能的に行っているらしい。
でも、その異常個体はほんの少し混ぜるだけでは満足せず…何もかも、全てを食い尽くす方針に切り替わっているようで、あちこちで貪り食っているようだ。
「それが、あの宝石獣たちか…」
元のスペックが高いが、取り込んだものの能力を己のものにして、能力向上させることが出来るらしい。
それがあの様々な獣の姿になっていた宝石獣たちであり、元となった獣の形になっていたようだ。
【放置、出来ない。異常個体、下手すれば、何もかも、滅ぼす。私たち、そんなの望みたくない…だから、ここへきたの】
他の者への迷惑を及ぼすことに危惧を覚え、どうにかして阻止しようと動いたらしい。
けれども、相手のほうがはるかに増殖力などが強化されまくり、真正面から相手するのは流石に厳しいと判断したようだ。
そのため、どうにかしようと考えに考えまくっている中で…ある時、妙な力を感じたそうだ。
【その力、保管物と同調、大きく引き出していた。なんでかはわからないけど、それ、使えるかと思った】
「それが、黒き女神だったのか…」
あちこちで情報を得られないか頑張っている最中に、何故か感じた黒き女神の力。
その力こそ、異常個体へ対抗できると思い、求めて世界を超えてきたらしい。
しかしながら、世界を超えるのは相当な負担だったらしく、しばしの間休眠状態…あの大きなピンクダイヤの姿になって漂っていたところを、宇宙海賊に捕獲されて、あのめぐり逢いの結果になったようである。
力が出ているのはわかったけど、どこからどうすれば良いのかわからないために、目覚めてから探るとうろうろ戸惑い動きまくり…あの捕食へとつながったようだ。
「というか、女神の力って世界を超えるものなのかな…?そんな、別の世界に向けて放出した記憶もないんだけど」
【うーん…基本的に、神の力は確かに強大ですが、世界を超えることはそうそうないはずデス。規格外のものならば可能ですが、主様の神力も確かに大きいとはいえ、まだ人間の枠組みにあるために超えるようなものではないはずですが…どこか、この世界から出たりしていたときありましたカ?】
「いや、そんな世界をホイホイ超えるようなことはないって。現実とオンライン、それぞれで別々に顕現しているし…あ、いや…でも…」
…確か、かなりやばいものをどこかの世界に投入したり、現実とオンラインの世界を事故で行き来する事態があったが、そのときに何か力が漏れ出ていたって可能性もあるような…その可能性があるな?
他にももっと別の場所に伝わっている可能性が想定できて、今後厄介事が異世界から流れ込んでくるかもしれないことに、全力で拒絶したくなるのであった…
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