アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~

ver.6.0-16 地道に調べていきつつ

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…大衆に知られては不味いことは、大抵の場合大きな組織が隠していることが多い。
 陰謀論だの何かといわれることが多いが、不味いモノには蓋がされる。

 そう、それが大勢に目撃されそうな場所であったとしても、根性でどうにか見えないようにして…




【その結果、月が一部吹っ飛びまして、現在復旧作業中のようですネ】
「どの結果で、そんな無茶苦茶なことになっているの!?」

 ロロから報告を受け、思わずツッコミを入れてしまった。



 謎の宝石獣たちの襲撃から数日が経過し、遭遇することはなかった。
 女神状態のときに何かされたようだが、検査した結果、特に何かヤバいものが無かったようだが、念のために宝石獣に関する情報収集をお願いしていたが…どういうわけか、現実世界のほうで、月が吹っ飛んだとかいう無茶苦茶な報告を聞いてしまった。

「というか、何故宝石獣に関する情報収集で、月の情報が…」
【主様に対して、何やらデータを模写したらしいピンクダイヤ…あの宝石が、どうやら現実世界の月に潜伏していたようなのデス】

 元々オンラインの世界にあったピンクダイヤ。
 その正体は、どうもあの宝石獣たちの何か大事な部分だったようだが、黒き女神の力を少々取り込んだらしい。

 いや、取り込んだというか、いくつかの部分をコピーしたようだが…それがまた、オンラインの席から現実世界へと逃亡しており、その行先がまさかの月だったようだ。



 以前の騒動である程度月に関しての監視の目もついていたらしく、各国が早急に動いて向かっていたりしたようだが…その矢先に、月が一部吹っ飛んだらしい。
 例えるならば、某ピンク玉が悪夢のラスボスを…分かる人は分かるだろうが、そうでない人であれば月の一部が見事に爆散しただけと考えたほうが良い惨状になっているようだ。

「そのピンクダイヤに対して動いただけで、何で月が…」
【色々あったようデス。結果として、ダイヤはまた逃亡したようですが、損害を被った国々は嘆きまくっている情報もありますネ】

 なお、嘆いたとしてもその損害を請求する宛先は無いらしい。
 オンラインとはそもそも関係のない存在のようなので、運営会社のほうにクレームを入れることもできず、秘密裏に動いていたために表立ってやることもできない。
 まさに、泣き寝入りする羽目になっているらしいが…ドンマイとしか言いようがない。


 どこの誰がその惨状を生みだしたのかと気になるが、知ったところでもう終わったことである。

【一応、潮の関係などで月が必要のため、修復作業が行われていますが…肝心のピンクダイヤらしきものは逃亡しましたが、現実世界のほうに潜伏しているようですネ】
「あれ?オンラインの世界のほうにまた行ったのかと思ったけど、何で現実にとどまっていると分かるの?」
【どうやら、主様の女神データのコピーしたものを持っているようで、位置の完全特定は難しいですが、どこの世界にいるのか程度は分かるのデス】

 女神のデータを取っていたようだが、そのため探りやすくなっていたらしい。
 何も無い状態であれば厳しかったようだが、相手が得てくれたおかげでこちらも確認できるようだ。

【それと、宝石獣に関しての他の報告ですが…予想通り、別世界の異物と言えるものデシタ。結構前の、艦隊決戦の時のようなものや、外なる神々のような類ですネ】
「それはそれで大丈夫なのか‥?」

 不安しかないが、今のところあの宝石獣たちに関しての情報はオンラインの運営会社に全て伝わっているようで、各所での警戒が呼びかけられているらしい。
 対処方法は現状あの腐食性ニガ団子なのはわかっているので、いざという時のために団子専用魔導戦艦なるものも配備されたそうだ。

 そんな団子特化の船を作って良いのか…以外に応用が色々とありそうなので、この騒動がひと段落した後も使用されそうである。


 とにもかくにも、しばらくの間は宝石獣に対しての情報収集と警戒を続けるのであった…



「…ところで、月の修復作業はわかるけど、空に浮かぶ月だから目立つよね。そこ、隠蔽はできるの?」
【問題ないのデス。修復の間だけ、ちょっと本物の月を別の場所へ移動させて、代用品が置かれておりマス。色々付属品が付いていた彗星ですが、機能停止させて爆散しないようにしておりマス】

…それ、本当に大丈夫なものなのだろうか。
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