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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.3-160 我が主はたまに鈍くは無かろうか
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「…ということがあって、物凄く久しぶりに会社に記者が来たんだよね」
「へー、緑化に関する取材かぁ。うーん、どこの会社でもやっていることだし、他のところとの取材で埋もれそうな気がするかも」
「そこは大丈夫じゃないかな?僕もミーちゃんと同じことを思ったけど、時間が経って考えるとうちの会社ってそこそこ力を入れていたし、社長が変な植物持ち込んでいたし…ニュゲルバッチョだっけ?そういうもので、ちょっとは目立つ記事になるかもしれないんだよね」
「ニュゲルバッチョって何?」
「さぁ?たしか、社長曰く出張先で手に入れたとかなんとか…」
夕食時、本日あった出来事でハルたちは盛り上がっていた。
こういう何気ない日常の中で、ちょっとしたイベントがあるのも面白いモノ。
いつもアルケディア・オンライン関係で普通の日常からかけ離れたような目に遭っていることが多いとはいえ、それでも普通の中にあると思いたい分、弱めの刺激でも楽しめるのである。
「わけのわからないものが記事になるのか…なんか、オカルト雑誌にでも掲載されそうだよね」
「いや、その記者の所属するところ、普通の週刊誌とかゴシップ関係だったはずだよ」
うちの会社の緑化の中で異物が思いっきりあるような気がするが、問題は無いはずである。
社長曰く、税関やら検疫やら色々とクリアして持ち込んできている植物のはずなので、変に訴えられるようなものは無いだろう。
…しいて言うのであれば、一度、ラフレシアを持ち込みかけたことぐらいか。
アレは流石に有名どころでも最悪の臭いの類…何故、持ち込もうとしたのか。
それはともかくとして、このぐらいの取材であれば日常生活に支障が出ることもないはずである。
「記者による取材か~…私もちょっとは、受けたことあったな。論文とか特許でだったかな」
「なるほど。ん?となると、探せばミーちゃんが載っている雑誌もあったり…」
【ああ、それならおそらくいつか興味を持たれるだろうと思いまして、まとめてありますヨ】
「「いつの間に」」
ロロ、一体いつから集めていたのだろうか。
ミーちゃんがここに来てからなのか…いや、でもうちの中で雑誌そんなに見かけることが無いというか、特に購入したりとかはほとんどなかったはず。
そう考えると、私物で集めていたものでもあるのかとも思えてしまう。
「なんか、意外だな。ロロがこういう雑誌系を持っているなんて」
【使用人たるもの、外の情報収集は必要ですからネ。大半は眉唾物のガセネタだったり、捏造も当たりするのですが、時たま本物もあるのデス】
「そういうのって、簡単に見分けにくくない?」
【問題ないのデス。調べる伝手は色々とありますノデ】
伝手ってどこからか…いや、使用人たちの間で情報交換している可能性が高いか。
あちらの方なら全国各地に配属されているだろうし、どこからでも情報が入手しやすくもあるだろう。
また、元々アルケディア・オンラインの方から来ているわけで、つまりより広大な範囲…全世界からの情報収集を行っていても不思議ではないはず。
そう考えてしまえるような、使用人って一体なんだよと言うツッコミがありそうだが、慣れたことなので放置する。
割り切ったほうが、物事楽なんだよねぇ…本当に…
「…いっそ、使用人たちのほうを取材してもらったほうがよりぶっ飛んだスクープ記事になりそうなのにね」
「…そう都合よく、こちらの方も無いのか」
【はい、我が主様。残念ながら、本件に関しての該当情報は得られておりまセヌ】
ハルがつぶやいていたその頃、その内容と合うような形で記者見入…オンライン上ではミィというアバターにしている記者は、雇っている自身の使用人に問いかけていたが、希望した回答を得ることはできなかった。
「んー、本日の取材では謎の生命体に迫れなかったな―!!訳の分からない謎の植物の記事が書けるけど、残念だー!!」
【まぁまぁ、そんな日もありますよ我が主様。ライバルの記者が、先日大炎上祭りを繰り広げた時よりもいいじゃないですカ】
「確かにそうか…」
あれよりはましだと、記者は思う。
だが、それでも一回の取材で大した情報を得られない可能性があることを理解していたとはいえ、出来ればすぐにでも情報を獲得したかった気持ちはある。
「というわけで、ゼバズジャン、代わりに何か探れるようなアイディアを出してくれないかなぁ」
【一介の使用人に問われましても…四六時中、カメラを仕掛けるのはどうでしょうカ】
「それは…厳しいかなぁ。こっそり仕掛けても、見つかったらやばいし」
【刑事の張り込みのように、常に張り込むのはどうでしょうカ】
「うーん、やろうと思えばできなくもないけど、現実での仕事もあるのが難点か…あ、いや、待てよ?」
そこでふと、記者は妙案を思いついた。
「ねぇ、ゼバズジャン。使用人って、現実世界での稼働だとバッテリーとかがあるけど、それを考慮しないならずっと動けるよね?」
【命じられたことに関しては、ある程度は可能デス。流石に、無理をするレベルは厳しいですが…】
「無理はさせないよ。その代りだけど、可能なら…」
…もしかすると、これが一番地道だけど得策なのかもしれない。
そう考え、記者は案を話し始めるのであった…
「しかし、本当に使用人ネットワークとかでもわからないものなの?」
【使用人とて、万能ではございませんからネ。まぁ、我々に許可されている範囲の外にある可能性もありますが…より上の権限を持つ特殊型系の使用人ならば、もしかすると情報を持っているかもしれませんね】
「その使用人に話を聞けないの?」
【厳しいカト。情報では、とてつもなく上のお方に仕えているものが多いとか…】
「へー、緑化に関する取材かぁ。うーん、どこの会社でもやっていることだし、他のところとの取材で埋もれそうな気がするかも」
「そこは大丈夫じゃないかな?僕もミーちゃんと同じことを思ったけど、時間が経って考えるとうちの会社ってそこそこ力を入れていたし、社長が変な植物持ち込んでいたし…ニュゲルバッチョだっけ?そういうもので、ちょっとは目立つ記事になるかもしれないんだよね」
「ニュゲルバッチョって何?」
「さぁ?たしか、社長曰く出張先で手に入れたとかなんとか…」
夕食時、本日あった出来事でハルたちは盛り上がっていた。
こういう何気ない日常の中で、ちょっとしたイベントがあるのも面白いモノ。
いつもアルケディア・オンライン関係で普通の日常からかけ離れたような目に遭っていることが多いとはいえ、それでも普通の中にあると思いたい分、弱めの刺激でも楽しめるのである。
「わけのわからないものが記事になるのか…なんか、オカルト雑誌にでも掲載されそうだよね」
「いや、その記者の所属するところ、普通の週刊誌とかゴシップ関係だったはずだよ」
うちの会社の緑化の中で異物が思いっきりあるような気がするが、問題は無いはずである。
社長曰く、税関やら検疫やら色々とクリアして持ち込んできている植物のはずなので、変に訴えられるようなものは無いだろう。
…しいて言うのであれば、一度、ラフレシアを持ち込みかけたことぐらいか。
アレは流石に有名どころでも最悪の臭いの類…何故、持ち込もうとしたのか。
それはともかくとして、このぐらいの取材であれば日常生活に支障が出ることもないはずである。
「記者による取材か~…私もちょっとは、受けたことあったな。論文とか特許でだったかな」
「なるほど。ん?となると、探せばミーちゃんが載っている雑誌もあったり…」
【ああ、それならおそらくいつか興味を持たれるだろうと思いまして、まとめてありますヨ】
「「いつの間に」」
ロロ、一体いつから集めていたのだろうか。
ミーちゃんがここに来てからなのか…いや、でもうちの中で雑誌そんなに見かけることが無いというか、特に購入したりとかはほとんどなかったはず。
そう考えると、私物で集めていたものでもあるのかとも思えてしまう。
「なんか、意外だな。ロロがこういう雑誌系を持っているなんて」
【使用人たるもの、外の情報収集は必要ですからネ。大半は眉唾物のガセネタだったり、捏造も当たりするのですが、時たま本物もあるのデス】
「そういうのって、簡単に見分けにくくない?」
【問題ないのデス。調べる伝手は色々とありますノデ】
伝手ってどこからか…いや、使用人たちの間で情報交換している可能性が高いか。
あちらの方なら全国各地に配属されているだろうし、どこからでも情報が入手しやすくもあるだろう。
また、元々アルケディア・オンラインの方から来ているわけで、つまりより広大な範囲…全世界からの情報収集を行っていても不思議ではないはず。
そう考えてしまえるような、使用人って一体なんだよと言うツッコミがありそうだが、慣れたことなので放置する。
割り切ったほうが、物事楽なんだよねぇ…本当に…
「…いっそ、使用人たちのほうを取材してもらったほうがよりぶっ飛んだスクープ記事になりそうなのにね」
「…そう都合よく、こちらの方も無いのか」
【はい、我が主様。残念ながら、本件に関しての該当情報は得られておりまセヌ】
ハルがつぶやいていたその頃、その内容と合うような形で記者見入…オンライン上ではミィというアバターにしている記者は、雇っている自身の使用人に問いかけていたが、希望した回答を得ることはできなかった。
「んー、本日の取材では謎の生命体に迫れなかったな―!!訳の分からない謎の植物の記事が書けるけど、残念だー!!」
【まぁまぁ、そんな日もありますよ我が主様。ライバルの記者が、先日大炎上祭りを繰り広げた時よりもいいじゃないですカ】
「確かにそうか…」
あれよりはましだと、記者は思う。
だが、それでも一回の取材で大した情報を得られない可能性があることを理解していたとはいえ、出来ればすぐにでも情報を獲得したかった気持ちはある。
「というわけで、ゼバズジャン、代わりに何か探れるようなアイディアを出してくれないかなぁ」
【一介の使用人に問われましても…四六時中、カメラを仕掛けるのはどうでしょうカ】
「それは…厳しいかなぁ。こっそり仕掛けても、見つかったらやばいし」
【刑事の張り込みのように、常に張り込むのはどうでしょうカ】
「うーん、やろうと思えばできなくもないけど、現実での仕事もあるのが難点か…あ、いや、待てよ?」
そこでふと、記者は妙案を思いついた。
「ねぇ、ゼバズジャン。使用人って、現実世界での稼働だとバッテリーとかがあるけど、それを考慮しないならずっと動けるよね?」
【命じられたことに関しては、ある程度は可能デス。流石に、無理をするレベルは厳しいですが…】
「無理はさせないよ。その代りだけど、可能なら…」
…もしかすると、これが一番地道だけど得策なのかもしれない。
そう考え、記者は案を話し始めるのであった…
「しかし、本当に使用人ネットワークとかでもわからないものなの?」
【使用人とて、万能ではございませんからネ。まぁ、我々に許可されている範囲の外にある可能性もありますが…より上の権限を持つ特殊型系の使用人ならば、もしかすると情報を持っているかもしれませんね】
「その使用人に話を聞けないの?」
【厳しいカト。情報では、とてつもなく上のお方に仕えているものが多いとか…】
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