580 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.3-160 我が主はたまに鈍くは無かろうか
しおりを挟む
「…ということがあって、物凄く久しぶりに会社に記者が来たんだよね」
「へー、緑化に関する取材かぁ。うーん、どこの会社でもやっていることだし、他のところとの取材で埋もれそうな気がするかも」
「そこは大丈夫じゃないかな?僕もミーちゃんと同じことを思ったけど、時間が経って考えるとうちの会社ってそこそこ力を入れていたし、社長が変な植物持ち込んでいたし…ニュゲルバッチョだっけ?そういうもので、ちょっとは目立つ記事になるかもしれないんだよね」
「ニュゲルバッチョって何?」
「さぁ?たしか、社長曰く出張先で手に入れたとかなんとか…」
夕食時、本日あった出来事でハルたちは盛り上がっていた。
こういう何気ない日常の中で、ちょっとしたイベントがあるのも面白いモノ。
いつもアルケディア・オンライン関係で普通の日常からかけ離れたような目に遭っていることが多いとはいえ、それでも普通の中にあると思いたい分、弱めの刺激でも楽しめるのである。
「わけのわからないものが記事になるのか…なんか、オカルト雑誌にでも掲載されそうだよね」
「いや、その記者の所属するところ、普通の週刊誌とかゴシップ関係だったはずだよ」
うちの会社の緑化の中で異物が思いっきりあるような気がするが、問題は無いはずである。
社長曰く、税関やら検疫やら色々とクリアして持ち込んできている植物のはずなので、変に訴えられるようなものは無いだろう。
…しいて言うのであれば、一度、ラフレシアを持ち込みかけたことぐらいか。
アレは流石に有名どころでも最悪の臭いの類…何故、持ち込もうとしたのか。
それはともかくとして、このぐらいの取材であれば日常生活に支障が出ることもないはずである。
「記者による取材か~…私もちょっとは、受けたことあったな。論文とか特許でだったかな」
「なるほど。ん?となると、探せばミーちゃんが載っている雑誌もあったり…」
【ああ、それならおそらくいつか興味を持たれるだろうと思いまして、まとめてありますヨ】
「「いつの間に」」
ロロ、一体いつから集めていたのだろうか。
ミーちゃんがここに来てからなのか…いや、でもうちの中で雑誌そんなに見かけることが無いというか、特に購入したりとかはほとんどなかったはず。
そう考えると、私物で集めていたものでもあるのかとも思えてしまう。
「なんか、意外だな。ロロがこういう雑誌系を持っているなんて」
【使用人たるもの、外の情報収集は必要ですからネ。大半は眉唾物のガセネタだったり、捏造も当たりするのですが、時たま本物もあるのデス】
「そういうのって、簡単に見分けにくくない?」
【問題ないのデス。調べる伝手は色々とありますノデ】
伝手ってどこからか…いや、使用人たちの間で情報交換している可能性が高いか。
あちらの方なら全国各地に配属されているだろうし、どこからでも情報が入手しやすくもあるだろう。
また、元々アルケディア・オンラインの方から来ているわけで、つまりより広大な範囲…全世界からの情報収集を行っていても不思議ではないはず。
そう考えてしまえるような、使用人って一体なんだよと言うツッコミがありそうだが、慣れたことなので放置する。
割り切ったほうが、物事楽なんだよねぇ…本当に…
「…いっそ、使用人たちのほうを取材してもらったほうがよりぶっ飛んだスクープ記事になりそうなのにね」
「…そう都合よく、こちらの方も無いのか」
【はい、我が主様。残念ながら、本件に関しての該当情報は得られておりまセヌ】
ハルがつぶやいていたその頃、その内容と合うような形で記者見入…オンライン上ではミィというアバターにしている記者は、雇っている自身の使用人に問いかけていたが、希望した回答を得ることはできなかった。
「んー、本日の取材では謎の生命体に迫れなかったな―!!訳の分からない謎の植物の記事が書けるけど、残念だー!!」
【まぁまぁ、そんな日もありますよ我が主様。ライバルの記者が、先日大炎上祭りを繰り広げた時よりもいいじゃないですカ】
「確かにそうか…」
あれよりはましだと、記者は思う。
だが、それでも一回の取材で大した情報を得られない可能性があることを理解していたとはいえ、出来ればすぐにでも情報を獲得したかった気持ちはある。
「というわけで、ゼバズジャン、代わりに何か探れるようなアイディアを出してくれないかなぁ」
【一介の使用人に問われましても…四六時中、カメラを仕掛けるのはどうでしょうカ】
「それは…厳しいかなぁ。こっそり仕掛けても、見つかったらやばいし」
【刑事の張り込みのように、常に張り込むのはどうでしょうカ】
「うーん、やろうと思えばできなくもないけど、現実での仕事もあるのが難点か…あ、いや、待てよ?」
そこでふと、記者は妙案を思いついた。
「ねぇ、ゼバズジャン。使用人って、現実世界での稼働だとバッテリーとかがあるけど、それを考慮しないならずっと動けるよね?」
【命じられたことに関しては、ある程度は可能デス。流石に、無理をするレベルは厳しいですが…】
「無理はさせないよ。その代りだけど、可能なら…」
…もしかすると、これが一番地道だけど得策なのかもしれない。
そう考え、記者は案を話し始めるのであった…
「しかし、本当に使用人ネットワークとかでもわからないものなの?」
【使用人とて、万能ではございませんからネ。まぁ、我々に許可されている範囲の外にある可能性もありますが…より上の権限を持つ特殊型系の使用人ならば、もしかすると情報を持っているかもしれませんね】
「その使用人に話を聞けないの?」
【厳しいカト。情報では、とてつもなく上のお方に仕えているものが多いとか…】
「へー、緑化に関する取材かぁ。うーん、どこの会社でもやっていることだし、他のところとの取材で埋もれそうな気がするかも」
「そこは大丈夫じゃないかな?僕もミーちゃんと同じことを思ったけど、時間が経って考えるとうちの会社ってそこそこ力を入れていたし、社長が変な植物持ち込んでいたし…ニュゲルバッチョだっけ?そういうもので、ちょっとは目立つ記事になるかもしれないんだよね」
「ニュゲルバッチョって何?」
「さぁ?たしか、社長曰く出張先で手に入れたとかなんとか…」
夕食時、本日あった出来事でハルたちは盛り上がっていた。
こういう何気ない日常の中で、ちょっとしたイベントがあるのも面白いモノ。
いつもアルケディア・オンライン関係で普通の日常からかけ離れたような目に遭っていることが多いとはいえ、それでも普通の中にあると思いたい分、弱めの刺激でも楽しめるのである。
「わけのわからないものが記事になるのか…なんか、オカルト雑誌にでも掲載されそうだよね」
「いや、その記者の所属するところ、普通の週刊誌とかゴシップ関係だったはずだよ」
うちの会社の緑化の中で異物が思いっきりあるような気がするが、問題は無いはずである。
社長曰く、税関やら検疫やら色々とクリアして持ち込んできている植物のはずなので、変に訴えられるようなものは無いだろう。
…しいて言うのであれば、一度、ラフレシアを持ち込みかけたことぐらいか。
アレは流石に有名どころでも最悪の臭いの類…何故、持ち込もうとしたのか。
それはともかくとして、このぐらいの取材であれば日常生活に支障が出ることもないはずである。
「記者による取材か~…私もちょっとは、受けたことあったな。論文とか特許でだったかな」
「なるほど。ん?となると、探せばミーちゃんが載っている雑誌もあったり…」
【ああ、それならおそらくいつか興味を持たれるだろうと思いまして、まとめてありますヨ】
「「いつの間に」」
ロロ、一体いつから集めていたのだろうか。
ミーちゃんがここに来てからなのか…いや、でもうちの中で雑誌そんなに見かけることが無いというか、特に購入したりとかはほとんどなかったはず。
そう考えると、私物で集めていたものでもあるのかとも思えてしまう。
「なんか、意外だな。ロロがこういう雑誌系を持っているなんて」
【使用人たるもの、外の情報収集は必要ですからネ。大半は眉唾物のガセネタだったり、捏造も当たりするのですが、時たま本物もあるのデス】
「そういうのって、簡単に見分けにくくない?」
【問題ないのデス。調べる伝手は色々とありますノデ】
伝手ってどこからか…いや、使用人たちの間で情報交換している可能性が高いか。
あちらの方なら全国各地に配属されているだろうし、どこからでも情報が入手しやすくもあるだろう。
また、元々アルケディア・オンラインの方から来ているわけで、つまりより広大な範囲…全世界からの情報収集を行っていても不思議ではないはず。
そう考えてしまえるような、使用人って一体なんだよと言うツッコミがありそうだが、慣れたことなので放置する。
割り切ったほうが、物事楽なんだよねぇ…本当に…
「…いっそ、使用人たちのほうを取材してもらったほうがよりぶっ飛んだスクープ記事になりそうなのにね」
「…そう都合よく、こちらの方も無いのか」
【はい、我が主様。残念ながら、本件に関しての該当情報は得られておりまセヌ】
ハルがつぶやいていたその頃、その内容と合うような形で記者見入…オンライン上ではミィというアバターにしている記者は、雇っている自身の使用人に問いかけていたが、希望した回答を得ることはできなかった。
「んー、本日の取材では謎の生命体に迫れなかったな―!!訳の分からない謎の植物の記事が書けるけど、残念だー!!」
【まぁまぁ、そんな日もありますよ我が主様。ライバルの記者が、先日大炎上祭りを繰り広げた時よりもいいじゃないですカ】
「確かにそうか…」
あれよりはましだと、記者は思う。
だが、それでも一回の取材で大した情報を得られない可能性があることを理解していたとはいえ、出来ればすぐにでも情報を獲得したかった気持ちはある。
「というわけで、ゼバズジャン、代わりに何か探れるようなアイディアを出してくれないかなぁ」
【一介の使用人に問われましても…四六時中、カメラを仕掛けるのはどうでしょうカ】
「それは…厳しいかなぁ。こっそり仕掛けても、見つかったらやばいし」
【刑事の張り込みのように、常に張り込むのはどうでしょうカ】
「うーん、やろうと思えばできなくもないけど、現実での仕事もあるのが難点か…あ、いや、待てよ?」
そこでふと、記者は妙案を思いついた。
「ねぇ、ゼバズジャン。使用人って、現実世界での稼働だとバッテリーとかがあるけど、それを考慮しないならずっと動けるよね?」
【命じられたことに関しては、ある程度は可能デス。流石に、無理をするレベルは厳しいですが…】
「無理はさせないよ。その代りだけど、可能なら…」
…もしかすると、これが一番地道だけど得策なのかもしれない。
そう考え、記者は案を話し始めるのであった…
「しかし、本当に使用人ネットワークとかでもわからないものなの?」
【使用人とて、万能ではございませんからネ。まぁ、我々に許可されている範囲の外にある可能性もありますが…より上の権限を持つ特殊型系の使用人ならば、もしかすると情報を持っているかもしれませんね】
「その使用人に話を聞けないの?」
【厳しいカト。情報では、とてつもなく上のお方に仕えているものが多いとか…】
10
お気に入りに追加
2,048
あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。


生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる