上 下
574 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.3-154 写真活動

しおりを挟む
「…珍しくミニイベントが開催されると思ったら」
「現実とオンラインのそれぞれでの、写真大会?」
「そうみたいだよ!お兄ちゃん、ミントお姉ちゃん!!」

 本日のアルケディア・オンラインのログインにて、珍しく妹であるトーカと遭遇していたハルたち。
 せっかくこういう場所で遊ぶならば、何か面白いことでもないかなと思っていると、ちょうどそのタイミングで運営よりミニイベントの開催が発表された。

「『ミニイベント:唸れ奇跡の一枚!!』…スクリーンショット及び、現実世界においてモンスタードールや使用人と共に撮影した写真を利用した写真大会か」

 詳細を確認すると、どうやらオンライン内の美しい風景や面白そうな場面をSNSなどに上げている人に目が向けられて、ならば他の人でも良い写真が撮れるのではないかということで開催されたものらしい。

 大規模なイベントではなくミニの範囲で収まっているのもあって、得られる褒章などは控えめなようだが、すでに掲示板などでは盛り上がっている様子だ。

「へぇ、何も風景や人物に限らず、様々な部門が用意されていて、色々と対応しているのか」
「若干現実の課金ともいえる要素に近い部分に触れているところがあるけど、金が有り余るような人じゃなくてもやれる範囲にあるみたい」

 一応、個人情報漏洩等を防ぐために、ある程度の個人情報がばれないような措置もとられつつ、参加者の個人の防衛意識も必要そうではあるが、それでも見るだけであってもなかなか面白そうなものだろう。

「モンスターに囲まれて絶体絶命そうな光景や、溶岩風呂に頭から突っ込んでいるもの…テイムモンスターたちと一緒にピクニックしている様子や、現実世界で使用人とツーショットもあるのか」
「この使用人、すっごい無表情なのがじわりじわり来るとコメントにあるな…」
「でも、多くの部門があって、どれも見ていて飽きなさそうだよね」

 こういうイベントに限って、盛大に力を注ぐ人もいるようで、中にはこだわりまくったような一枚もある様子。
 オンラインだからこそ世界中での現実での写真もあり、異国の地を踏む使用人の姿などもみられるだろう。


「良いな、こういうの…僕らも、参加してみようかな?」
「うーん、だったら一番良いのを撮ってみたくなるけど…そうだ!!お兄ちゃん、ここで女神になって!!黒き女神の写真なら、確実に美しさ部門とかで優勝できるよ!!」
「流石にやらないかな…って、アレ?なった覚えがない場所での、黒き女神の写真のタイトル?」
「ん?あ、これコスプレ写真だね。ほら、黒き女神の格好をした人が大勢集まっての、黒き集会だって」

 本人の姿が見えないならば、いっそ自分たちでなってしまえとでも思ったのだろうか。
 ほんの少し見間違えれば黒魔女集会とか、そういう類に見えかねないが、コスプレのこだわりが強いのか中々の再現度であり、多くの女神がいるようにも見えるだろう。

 まぁ、やろう思えば黒き女神も分身が…流石に無理だな。三百人規模のこれはきつい。
 というか、写真イベント前に絶対に撮影した写真だよね、コレ。応募可能なスクリーンショットや写真の撮影時期は今回のイベントでは問わないと書かれているからセーフだとは思うが、どこでこれを取ったのやら…考えるのをやめておこう。どう考えても、浮かぶ光景がガチの魔女集会にしかならない。

「いっそ写真を撮るなら、こんな黒々とした光景じゃなくてもっとこう、清廉なような、白い光景にして欲しかったかもなぁ。黒き女神の集会じゃなくて、対になる色合いの…白き男神集会とか?」
「何だろう、字面が普通のイケメンの集まりかおっさんの集まりにしか思えない」
「そういえば、お兄ちゃんの方だけだよね。色合いが神の名に付くの。他のオンライン上で聞くのは、機械に恐竜、道化、ドン〇…」
「最後のは何か間違ってない?」

 まぁ、気にしないでおくとして、せっかくだから写真大会に参加してみようか。
 流石に女神は無しとして、良い風景のスクリーンショットも過去に色々と撮っているから、これを出すのもありだし、これから撮影するのもありか…


「…スクリーンショットは良いとして、現実はどうしようかな?ドールも使用人もいるけど良い場所があるのか…」
「数が多い分、構図も難しいか」

…いっそ、オンライン関連ならあれも使うか。 
 

しおりを挟む
感想 3,603

あなたにおすすめの小説

「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。 しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。 カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。 一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

処理中です...