アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.3-154 写真活動

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「…珍しくミニイベントが開催されると思ったら」
「現実とオンラインのそれぞれでの、写真大会?」
「そうみたいだよ!お兄ちゃん、ミントお姉ちゃん!!」

 本日のアルケディア・オンラインのログインにて、珍しく妹であるトーカと遭遇していたハルたち。
 せっかくこういう場所で遊ぶならば、何か面白いことでもないかなと思っていると、ちょうどそのタイミングで運営よりミニイベントの開催が発表された。

「『ミニイベント:唸れ奇跡の一枚!!』…スクリーンショット及び、現実世界においてモンスタードールや使用人と共に撮影した写真を利用した写真大会か」

 詳細を確認すると、どうやらオンライン内の美しい風景や面白そうな場面をSNSなどに上げている人に目が向けられて、ならば他の人でも良い写真が撮れるのではないかということで開催されたものらしい。

 大規模なイベントではなくミニの範囲で収まっているのもあって、得られる褒章などは控えめなようだが、すでに掲示板などでは盛り上がっている様子だ。

「へぇ、何も風景や人物に限らず、様々な部門が用意されていて、色々と対応しているのか」
「若干現実の課金ともいえる要素に近い部分に触れているところがあるけど、金が有り余るような人じゃなくてもやれる範囲にあるみたい」

 一応、個人情報漏洩等を防ぐために、ある程度の個人情報がばれないような措置もとられつつ、参加者の個人の防衛意識も必要そうではあるが、それでも見るだけであってもなかなか面白そうなものだろう。

「モンスターに囲まれて絶体絶命そうな光景や、溶岩風呂に頭から突っ込んでいるもの…テイムモンスターたちと一緒にピクニックしている様子や、現実世界で使用人とツーショットもあるのか」
「この使用人、すっごい無表情なのがじわりじわり来るとコメントにあるな…」
「でも、多くの部門があって、どれも見ていて飽きなさそうだよね」

 こういうイベントに限って、盛大に力を注ぐ人もいるようで、中にはこだわりまくったような一枚もある様子。
 オンラインだからこそ世界中での現実での写真もあり、異国の地を踏む使用人の姿などもみられるだろう。


「良いな、こういうの…僕らも、参加してみようかな?」
「うーん、だったら一番良いのを撮ってみたくなるけど…そうだ!!お兄ちゃん、ここで女神になって!!黒き女神の写真なら、確実に美しさ部門とかで優勝できるよ!!」
「流石にやらないかな…って、アレ?なった覚えがない場所での、黒き女神の写真のタイトル?」
「ん?あ、これコスプレ写真だね。ほら、黒き女神の格好をした人が大勢集まっての、黒き集会だって」

 本人の姿が見えないならば、いっそ自分たちでなってしまえとでも思ったのだろうか。
 ほんの少し見間違えれば黒魔女集会とか、そういう類に見えかねないが、コスプレのこだわりが強いのか中々の再現度であり、多くの女神がいるようにも見えるだろう。

 まぁ、やろう思えば黒き女神も分身が…流石に無理だな。三百人規模のこれはきつい。
 というか、写真イベント前に絶対に撮影した写真だよね、コレ。応募可能なスクリーンショットや写真の撮影時期は今回のイベントでは問わないと書かれているからセーフだとは思うが、どこでこれを取ったのやら…考えるのをやめておこう。どう考えても、浮かぶ光景がガチの魔女集会にしかならない。

「いっそ写真を撮るなら、こんな黒々とした光景じゃなくてもっとこう、清廉なような、白い光景にして欲しかったかもなぁ。黒き女神の集会じゃなくて、対になる色合いの…白き男神集会とか?」
「何だろう、字面が普通のイケメンの集まりかおっさんの集まりにしか思えない」
「そういえば、お兄ちゃんの方だけだよね。色合いが神の名に付くの。他のオンライン上で聞くのは、機械に恐竜、道化、ドン〇…」
「最後のは何か間違ってない?」

 まぁ、気にしないでおくとして、せっかくだから写真大会に参加してみようか。
 流石に女神は無しとして、良い風景のスクリーンショットも過去に色々と撮っているから、これを出すのもありだし、これから撮影するのもありか…


「…スクリーンショットは良いとして、現実はどうしようかな?ドールも使用人もいるけど良い場所があるのか…」
「数が多い分、構図も難しいか」

…いっそ、オンライン関連ならあれも使うか。 
 

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