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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.3-152 デルックス

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…常識漬けになった後、体内からしっかりとさらに改善を行う。
 ある意味、デトックスなどと呼ばれる方法や、漢方による体質改善に近いのかもしれない。

 だが、それらはあくまでも物理的部分に作用するものであり、今回に関してはそれに加えて精神的・魂的部分からも改善を図るものになっている。

 本当ならばもっと長くやり続けたりしたほうが良いのかもしれないが、やりすぎも厳禁な類であるようだ。

「やり過ぎると、さらに根幹…変化させたら不味い部分にまで作用して、取り返しのつかなくなることがあるからね。全体を通して約1週間前後が施す期限となっているのさ」
「取り返しのつかなくなることって、何が…」
「どのぐらいやばくなるのか、昔実験したことがあって…公表しても大丈夫な例の一つだと、自我も何もかもがデロデロに溶け込んで…ああ、比喩的なものじゃなくて、本当に全部溶け合い・・・・・・混ざって消えた・・・・・・・ことがあるかな」
「本当にどうなったのそれ…」

 しかも、公表して大丈夫な例ということは、公には出せないようなことになったことがあるとも
示しているものだ。
 無理に聞く必要はないが、相当なことが起きてしまったのだろう。

 そんな危ない方法を、僕らにやっていたのかと言いたいが、用法容量しっかりと守れば大丈夫なものであり、やりすぎなければ良いだけの話でもあるようだ。
 要は、薬の処方と同じか…適量ならば良いけど、もっと早く治るのではとか思い込んで、摂取しすぎて逆に体に害をなすようなものに近いのかもしれない。

 


 とにもかくにも、その期限日となった今日。
 ようやく魔心臓とやらの食事も終え、チェックを受け…僕らは大丈夫と判断されたようだ。

「うん、最初に来た時よりもずいぶん身体がすっきりした感じもするな」
「ハルと一緒にやることになったけど、ついでで一緒に健康になれるのはこれはこれで良いかも」

 軽く体を動かして調子を確認するが、ここに来る前に比べてずいぶん調子が良くなったように思える。
 業とかいうものが溜まっていたり、色々とずれ込んでいた部分があったからなのだろうが、排出し、矯正されたことで本来持つべき状態に近くなっているそうだ。

「ただし、真祖のほうは良いが…黒き女神よ。そちらはまだ、生ある人間ゆえに女神の力を持っていたとしても、完全ではない。今ここで死を迎えて女神になれば、すぐにでも女神として本当の力を発揮できるとは思うが…望まぬか」
「まだ人間としての人生を謳歌したいので、即人間卒業は望みません」

 要は女神にさっさとなれば、より素早く女神としての本領を発揮できると言いたいのだろうが、流石にまだ先のことにしたい。
 女神の進路が決められていたとしても、早くなりたいなどと希望していないのだから。

 いや、せっかく様々なものが排出できるなら、ここで女神としての力も抜いて女神の進路もなくすことが出来るのではないかと思ったが…残念ながら、それはできないらしい。
 何故ならば、魂そのもののほうで女神の力が形成・洗練されており、無理にやれば即死どころかよりひどい目になる可能性があるのだとか。

 うん、そこまでやばい方法を取るというのも望んでいないので、諦めておくことにしよう。
 死を迎えるよりも酷いことになるのはどういうことなのかと思うが、聞いてもろくなものじゃないことが目に見えている。



 話題として触れなければ良いとして、ひとまずこれで常識が染みたはず。
 字面が色々とおかしい気がするが、気にするようなものではない。


「さて、終わったなら女神化も解除して…っと、変身もさらにスムーズになったかも」

 黒き女神の姿から人間へ戻ると、変身の感覚もスムーズになったことを実感できる。
 邪魔なものが色々と出たことで、やりやすくなったのだろう。

 問題が解消されたということで、冥界から元の世界へ帰還準備を行い始めるのであった…



「そういえば、出た不純物の処理は?」
「問題ない。冥界にまで来る、処理業者がいるからね。まぁ、出てきたものがものだから、大変だけどね…」

 いわゆる特別管理産業廃棄物扱いみたいなものなのだろうか。
 いや、産業廃棄物ではないが…神産廃棄物?
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