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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.3-151 漬けた後はじっくりと
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…じっくりと常識漬けをされ、魂の隅々にまで常識が浸透しただろう。
浸かる前と比べて思考がクリアになったような部分もあるようで、話を聞けば漬けられる過程で余分なものが外に滲み出るようだ。
水分が抜けているのではなく、何かしらの不純物が出されているというのだが…
「漬けられている間、自然と意識を手放していたようで気にしなかったけど…うわぁ、漬かっていた水が、滅茶苦茶真っ黒になっている…」
「私のは、かなり真っ赤なんだけど…なにこれ、血の池?え、出血してないのに?」
「それが、二人の中にあった不純物…雑念とか、衝動とかそういった類なの。色合いが異なるのは、それぞれの性質の違いだけど…うーん、相当濃いわね。よっぽど、何か溜まっていたのかしら」
漬物期間が終了し、引き上げられたあと、改めて僕らが漬かっていた水の変わりようを見てつぶやけば、シュキルナさんがそう答える。
どうやらこれが、僕らの中にいつの間にか溜まっていた不純物らしく、相当常識と入れ替わって出てきたようだ。
「ああ、真祖のほうは衝動のほうがあるわね。近くに美味しい血があったけど、飲み干したい欲望があったのか…黒き女神のほうは、業…カルマとか言われるもののようね。貴女、その女神の力で何かやらかしまくったのかしら」
そう問いかけられても、心当たりがあり過ぎる。
世界に負担をかけたりするようなものでもあるらしいし、割とドッカンバッカン大暴れをしていた時もあったので、業の類を背負い込むようなことが色々と考えられるのだ。
話を聞くと、こういう不純物が原因で常識からずれ込む速度やそのずれ込み具合が大きくなることもあるようで、ここまでどっぷり出てきているのを見ると、漬けこむ前から十分問題しかなかったようである。
どれほどのことをやらかせば、ここまで溜まるのか…いや、そもそも神の類が普通に人の世の中に出現しているだけでもわずかづつ溜まるもののようで、そのため業を嫌うものは世の中に出ないこともあるらしい。
そう聞くと、どれだけ業まみれな世の中なのか…考えるのをやめておこう。
とにもかくにも、これで常識漬けは終了したわけだが、終わりではないらしい。
漬けて染み込ませ、余分なものを抜いたとしても、あくまでも外側からのものに過ぎない。
きちんと身に馴染ませるには、内側からもやらなければいけないのだ。
「そんなわけで、これを食べていけ」
「木の実?」
出されたのは、何やら不思議な色合いをした木の実の様なもの。
表面に葉の葉脈のようなものが浮かんでいるが、どくどくと脈を打っているようで、かなり気持ち悪い感じがする。
まさか、悪〇の実とかそういう類ではなかろうか。
「いや、流石にそれは無い。これは、とある深い深い異界の森の中から採取できる特殊な木の実で、『魔心臓の実』と呼ばれるものだ」
「ああ、心臓の名前が付くから心臓っぽく…余計に食欲が失せるんだけど」
「もちろん、本物の心臓ではないぞ。それっぽく見えるから、名付けたのがかの悪魔の妹…まぁ、その話は置いておくとして、一日三食、三日間だけだがしばらくこれを食べ続けてもらう」
「食べ…ええぇ…」
見た目からして既に食欲が減退しまくりなのに、食べ続けろはどういうことなのか。
説明を聞くと、この魔心臓を喰らい続けることで体質を改善させ…わかりやすい話として漢方薬での体質改善のように食から体を少々作り変えることをやれということのようだ。
「ちなみに味は、色によって変わるぞ。緑なら抹茶味、黄色ならラーメンの麺味、白なら寒天味だ」
「最後のは、味付けしないと味がない様な」
ツッコミどころ溢れる木の実だが、これを数日は食べ続けないといけないらしい。
漬物になった後の苦行…本当にこれで常識が大丈夫になるのか、思わず不安になるのであった…
「そういえばこれ、何色とも言い難い色合いだけど、何味?」
「醤油プリン味」
「…うに味になるとか言われているあれ?」
…一応、木の実の類という説明だけど、本当にどういう実になっているの、これ。
常識が付くどころか、摩訶不思議なことばかりされて非常識のほうが身に付きまくりそう…
浸かる前と比べて思考がクリアになったような部分もあるようで、話を聞けば漬けられる過程で余分なものが外に滲み出るようだ。
水分が抜けているのではなく、何かしらの不純物が出されているというのだが…
「漬けられている間、自然と意識を手放していたようで気にしなかったけど…うわぁ、漬かっていた水が、滅茶苦茶真っ黒になっている…」
「私のは、かなり真っ赤なんだけど…なにこれ、血の池?え、出血してないのに?」
「それが、二人の中にあった不純物…雑念とか、衝動とかそういった類なの。色合いが異なるのは、それぞれの性質の違いだけど…うーん、相当濃いわね。よっぽど、何か溜まっていたのかしら」
漬物期間が終了し、引き上げられたあと、改めて僕らが漬かっていた水の変わりようを見てつぶやけば、シュキルナさんがそう答える。
どうやらこれが、僕らの中にいつの間にか溜まっていた不純物らしく、相当常識と入れ替わって出てきたようだ。
「ああ、真祖のほうは衝動のほうがあるわね。近くに美味しい血があったけど、飲み干したい欲望があったのか…黒き女神のほうは、業…カルマとか言われるもののようね。貴女、その女神の力で何かやらかしまくったのかしら」
そう問いかけられても、心当たりがあり過ぎる。
世界に負担をかけたりするようなものでもあるらしいし、割とドッカンバッカン大暴れをしていた時もあったので、業の類を背負い込むようなことが色々と考えられるのだ。
話を聞くと、こういう不純物が原因で常識からずれ込む速度やそのずれ込み具合が大きくなることもあるようで、ここまでどっぷり出てきているのを見ると、漬けこむ前から十分問題しかなかったようである。
どれほどのことをやらかせば、ここまで溜まるのか…いや、そもそも神の類が普通に人の世の中に出現しているだけでもわずかづつ溜まるもののようで、そのため業を嫌うものは世の中に出ないこともあるらしい。
そう聞くと、どれだけ業まみれな世の中なのか…考えるのをやめておこう。
とにもかくにも、これで常識漬けは終了したわけだが、終わりではないらしい。
漬けて染み込ませ、余分なものを抜いたとしても、あくまでも外側からのものに過ぎない。
きちんと身に馴染ませるには、内側からもやらなければいけないのだ。
「そんなわけで、これを食べていけ」
「木の実?」
出されたのは、何やら不思議な色合いをした木の実の様なもの。
表面に葉の葉脈のようなものが浮かんでいるが、どくどくと脈を打っているようで、かなり気持ち悪い感じがする。
まさか、悪〇の実とかそういう類ではなかろうか。
「いや、流石にそれは無い。これは、とある深い深い異界の森の中から採取できる特殊な木の実で、『魔心臓の実』と呼ばれるものだ」
「ああ、心臓の名前が付くから心臓っぽく…余計に食欲が失せるんだけど」
「もちろん、本物の心臓ではないぞ。それっぽく見えるから、名付けたのがかの悪魔の妹…まぁ、その話は置いておくとして、一日三食、三日間だけだがしばらくこれを食べ続けてもらう」
「食べ…ええぇ…」
見た目からして既に食欲が減退しまくりなのに、食べ続けろはどういうことなのか。
説明を聞くと、この魔心臓を喰らい続けることで体質を改善させ…わかりやすい話として漢方薬での体質改善のように食から体を少々作り変えることをやれということのようだ。
「ちなみに味は、色によって変わるぞ。緑なら抹茶味、黄色ならラーメンの麺味、白なら寒天味だ」
「最後のは、味付けしないと味がない様な」
ツッコミどころ溢れる木の実だが、これを数日は食べ続けないといけないらしい。
漬物になった後の苦行…本当にこれで常識が大丈夫になるのか、思わず不安になるのであった…
「そういえばこれ、何色とも言い難い色合いだけど、何味?」
「醤油プリン味」
「…うに味になるとか言われているあれ?」
…一応、木の実の類という説明だけど、本当にどういう実になっているの、これ。
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