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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.3-147 そこはある意味平等な場所で
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『次の停車駅は~「冥府駅」~「冥府駅」でございま~す。停車時間はーー』
「…そして気が付けば、明らかにヤバそうな場所に到着していた」
「口に出してみても、どう考えても常人が来てはダメな場所でしょ、ここ…」
フロンお姉ちゃんからの手紙にあった指示通り、長い長い乗り換えの果てに僕らは今、どこの魔境だと言いたくなるような場所に到着していた。
周囲を見れば岩肌がむき出しなのは百歩譲ってまだ良いとして、赤い月が昇っており、周辺の木々は枯れているように見えつつほのかに青白く発光しており、気温が低くなさそうなはずなのになぜか背筋がぞっとするような寒さを感じさせる場所だ。
「列車内のアナウンスも不気味な感じだったけど…冥府って‥まさかね」
「生きながらにして、冥界に来ちゃったとかないよね?」
冥界…いわゆる、あの世という場所。
アルケディア・オンラインでも実装されているエリアのはずだが、そこのほうがはるかに優しいと言えるような雰囲気であり、ここは魂の底から凍えそうなほどの寒気を感じ取れるだろう。
とりあえず、列車から降りた後は手紙の指示に従い、先生とやらがいる目的へ向かって歩み始める。
雪も降っていないはずなのに芯から冷えるような寒さが辛く、中々の苦行と言えるだろう。
「うう、こんなことならカイロをいっぱい買ってくるんだった…」
「それでも足りるというか、聞くのかな…物理的な寒さもあるけどそれだけじゃないっぽいし…」
吐く息も白くないが、冷えている感覚がある。
少しでも動かなければ、そのまま凍えて逝ってしまってもおかしくないように思える。
いや、もしも本当にあの世ならば誤字にあらずというか、直通で逝っているようなものか。
そんなことを考えても寒いものは寒く、流石にこの状態は生身の体ではきついので…ここは少々、耐えられそうな方に…
ボシュン!!
「女神の状態なら、ちょっとは耐久性が生身よりも…ってあれぇ!?余計に寒い!?」
「あー、肌の面積が広がった分、より冷えるのかぁ…」
「なら表面積が小さい妖精のほうで!!」
ポンッ!!
「---ひぃん!?余計に寒いぃぃぃぃぃ!?」
「何だっけ、体積の関係で大きい方が寒冷地で多いとか…ベルクマンの法則だっけ」
余計なことをしたほうが、よりきついことになった。
仕方がないので元の人間の状態に戻りつつ、ミーちゃんと手を握ってた所の寒さをしのぎながら歩くこと数十分ほど。
ようやくちょっとは体温が上がったのかマシになってきたところで、目的地が見えてきた。
「えっと…あそこが、手紙の住所にある目的地だと思うけど…何、あれ?」
「どう見ても、ホラー映画に出てきそうな邸が見えるね」
こんな場所に人がいるのかと思っていたが、どうやらきちんと住まう場所はあったらしい。
だがしかし、見えてきたその住まいらしい場所が、見た目的にそのままホラー映画に使えそうなボロボロの邸なのはどういうわけなのか。
近づいてみると、大きな門の前には雇われた門番がいるのか、明かりを持った人影が…
「…違うね。どう見ても、人間じゃない」
「こういう場所ならお約束と言って良いような、骸骨が立っているよ」
人里離れすぎた魔境名だけあってか、どうやらまともな人間もいない場所らしい。
そもそも人が存在して良い場所ではないと示すかのように、立派な鎧を着こなした、頭がおモッキリ骸骨むき出しの者がいる時点でやばい場所は確定である。
このまま近づいて良いのかと思ったが、躊躇する意味もなかったので近寄ってみれば、門番たちが僕らの存在に気が付いたらしい。
【ゴボウ…オヤァ、ナゼココニ、ヒトガ…】
【迷イコンダ、旅人カ】
「いや…あの、すみません。こちらに、先生と呼ばれている方はいないでしょうか」
声をかけられ、思い切って問いかけた。
人外の存在というのは、常人あらば驚愕するところだろうが、あいにくこちらは色々な人外を見てきたので、今更臆するようなこともない。
悲しいことに僕らも人外《真祖と女神》なので、気にしないほうが得策なのだ。
【先生?】
「えっと、こちらが付いたら一緒に出してほしい紹介状で…」
【ドレドレ…ホウ、ナルホドナルホド】
【アノ性悪婆、ゴホン、ババ、ゴホンゴホン、引キコモリノカ…】
さらっと本音が漏れかけているところを見ると、フンフお姉ちゃんのこと知っている様子。
よく考えたら、紹介状を出せる時点でここに来たことがあると言うことなのかもしれない。
【ワカッタ、通ッテイイゾ】
「あ、ありがとうございます」
特に問い詰められる様子もなく、開門し、僕らは中に入った。
邸の中に入ってみれば、外見はかなりのホラー要素たっぷりだったが…中身は、思いのほか…
「「メッチャ綺麗!?」」
…まさかの、きらびやかに輝いていると言って良いほど、豪華絢爛な装飾品が飾られていたり、綺麗なじゅうたんが敷かれているなど、滅茶苦茶人の手が入って丁寧に整えられている光景が広がっていたのであった。
何故、外側がホラー風味のぼろぼろな外見なのに、ここは綺麗なのか…本当に、大丈夫なのだろうか、ここ…
「…そして気が付けば、明らかにヤバそうな場所に到着していた」
「口に出してみても、どう考えても常人が来てはダメな場所でしょ、ここ…」
フロンお姉ちゃんからの手紙にあった指示通り、長い長い乗り換えの果てに僕らは今、どこの魔境だと言いたくなるような場所に到着していた。
周囲を見れば岩肌がむき出しなのは百歩譲ってまだ良いとして、赤い月が昇っており、周辺の木々は枯れているように見えつつほのかに青白く発光しており、気温が低くなさそうなはずなのになぜか背筋がぞっとするような寒さを感じさせる場所だ。
「列車内のアナウンスも不気味な感じだったけど…冥府って‥まさかね」
「生きながらにして、冥界に来ちゃったとかないよね?」
冥界…いわゆる、あの世という場所。
アルケディア・オンラインでも実装されているエリアのはずだが、そこのほうがはるかに優しいと言えるような雰囲気であり、ここは魂の底から凍えそうなほどの寒気を感じ取れるだろう。
とりあえず、列車から降りた後は手紙の指示に従い、先生とやらがいる目的へ向かって歩み始める。
雪も降っていないはずなのに芯から冷えるような寒さが辛く、中々の苦行と言えるだろう。
「うう、こんなことならカイロをいっぱい買ってくるんだった…」
「それでも足りるというか、聞くのかな…物理的な寒さもあるけどそれだけじゃないっぽいし…」
吐く息も白くないが、冷えている感覚がある。
少しでも動かなければ、そのまま凍えて逝ってしまってもおかしくないように思える。
いや、もしも本当にあの世ならば誤字にあらずというか、直通で逝っているようなものか。
そんなことを考えても寒いものは寒く、流石にこの状態は生身の体ではきついので…ここは少々、耐えられそうな方に…
ボシュン!!
「女神の状態なら、ちょっとは耐久性が生身よりも…ってあれぇ!?余計に寒い!?」
「あー、肌の面積が広がった分、より冷えるのかぁ…」
「なら表面積が小さい妖精のほうで!!」
ポンッ!!
「---ひぃん!?余計に寒いぃぃぃぃぃ!?」
「何だっけ、体積の関係で大きい方が寒冷地で多いとか…ベルクマンの法則だっけ」
余計なことをしたほうが、よりきついことになった。
仕方がないので元の人間の状態に戻りつつ、ミーちゃんと手を握ってた所の寒さをしのぎながら歩くこと数十分ほど。
ようやくちょっとは体温が上がったのかマシになってきたところで、目的地が見えてきた。
「えっと…あそこが、手紙の住所にある目的地だと思うけど…何、あれ?」
「どう見ても、ホラー映画に出てきそうな邸が見えるね」
こんな場所に人がいるのかと思っていたが、どうやらきちんと住まう場所はあったらしい。
だがしかし、見えてきたその住まいらしい場所が、見た目的にそのままホラー映画に使えそうなボロボロの邸なのはどういうわけなのか。
近づいてみると、大きな門の前には雇われた門番がいるのか、明かりを持った人影が…
「…違うね。どう見ても、人間じゃない」
「こういう場所ならお約束と言って良いような、骸骨が立っているよ」
人里離れすぎた魔境名だけあってか、どうやらまともな人間もいない場所らしい。
そもそも人が存在して良い場所ではないと示すかのように、立派な鎧を着こなした、頭がおモッキリ骸骨むき出しの者がいる時点でやばい場所は確定である。
このまま近づいて良いのかと思ったが、躊躇する意味もなかったので近寄ってみれば、門番たちが僕らの存在に気が付いたらしい。
【ゴボウ…オヤァ、ナゼココニ、ヒトガ…】
【迷イコンダ、旅人カ】
「いや…あの、すみません。こちらに、先生と呼ばれている方はいないでしょうか」
声をかけられ、思い切って問いかけた。
人外の存在というのは、常人あらば驚愕するところだろうが、あいにくこちらは色々な人外を見てきたので、今更臆するようなこともない。
悲しいことに僕らも人外《真祖と女神》なので、気にしないほうが得策なのだ。
【先生?】
「えっと、こちらが付いたら一緒に出してほしい紹介状で…」
【ドレドレ…ホウ、ナルホドナルホド】
【アノ性悪婆、ゴホン、ババ、ゴホンゴホン、引キコモリノカ…】
さらっと本音が漏れかけているところを見ると、フンフお姉ちゃんのこと知っている様子。
よく考えたら、紹介状を出せる時点でここに来たことがあると言うことなのかもしれない。
【ワカッタ、通ッテイイゾ】
「あ、ありがとうございます」
特に問い詰められる様子もなく、開門し、僕らは中に入った。
邸の中に入ってみれば、外見はかなりのホラー要素たっぷりだったが…中身は、思いのほか…
「「メッチャ綺麗!?」」
…まさかの、きらびやかに輝いていると言って良いほど、豪華絢爛な装飾品が飾られていたり、綺麗なじゅうたんが敷かれているなど、滅茶苦茶人の手が入って丁寧に整えられている光景が広がっていたのであった。
何故、外側がホラー風味のぼろぼろな外見なのに、ここは綺麗なのか…本当に、大丈夫なのだろうか、ここ…
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