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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.2-143 天より落ちたる雷よ

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…情報というものは、決まった姿がないもののようにも思える。

 時としてそれは人を操り、救い、堕とし、拾い上げる。
 畏れるべきものであり、敬うべきものであり…様々な姿を持っているようで、つかみどころがない。

 それゆえに、情報をつかめたと思っても実はすり抜けていたり、あるいは先回りして動いたとしてもいつの間にか脇へそれて流れていたりするのだ。



 そう、だからこそ情報の扱いは慎重にするべきものであり…


【惑星ホームラァァン!!】
カッキィィィィィィン!
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」


「…よし、強制変身化光線を撃てるやつが、また星になったな」
「星になったというか、物理的に小惑星をぶつけられてめり込んで打ち上げられただけというか…」

 某三人組が吹っ飛ぶ比喩表現ではなく、ある意味星そのものになって空の彼方に消えた者たちを身ながらハルがそうつぶやくと、ミントは呆れたように答える。

 彼らの目線の先では、盛大に力を振るって満足そうな顔を浮かべるカイニスもいた。






 特定のプレイヤーが出没するかもしれない、ラジオで流される出現情報。
 これを利用し、彼らは狩りを行っていた。

 狩りの対象は何なのか。
 それは単純な変態たち

 本来であれば、こういう輩たちはプレイヤーたちの阻害になるということで、運営側が対処するべき相手なのかもしれない。
 だがしかし、上から直接叩いたとしても、彼らの精神力を考えれば意味がない可能性がある。

 それを大いに示しているのが、その変態たちの煮詰めまくった頂点にいるような欲望戦隊である。

 
 流石に、欲望戦隊の変態力に追随するような輩はまだいないだろう。
 だがしかし、いずれその境地にたどり着いてしまえば、世界が混沌に陥るよりも悲惨なことになる可能性がある。
 変態共による世紀末というべきか終末世界というべきか…いずれにせよ、良くない結果になる可能性がある時点で相当アウトだ。

 

 ならばどうするのか。
 力に単純に力で対抗することが意味をなさないのであれば、意味を成す方向で攻めればいい。
 彼らの不屈のメンタルを直接叩き潰せるような方法を取ればいい。

 まぁ、そのためにはまず、相手がどれほどの規模でどれだけの人数がいるのか把握するために…その準備として情報を集めるために、片っ端から罠にかけるのだ。


「えっと、今星になったプレイヤーネームと特徴を記録して…良し、順調に集まってきているな
「うーん、このまま普通に圧倒的な力の差で叩き潰していったほうが、相手のトラウマにでき王なんだけどなー」
「それじゃダメなんだよ、ミーちゃん。世の中には過激を好む人もいるし、単純な暴力でも喜んでしまうような輩がいるからね。今の集計分だけでも、ドM率が高いというタンクマンの職業もしくはその派生形を有している人の割合が高いからね」

 情報を持っておびき寄せ、あっという間に吹っ飛ばしてこちらの方を探られないようにしつつ、相手の情報だけを的確に抜き取っていく。

 まだまだ数が多いので苦労するが、積み重ねていかなければ殲滅までの舗装が旨く行かないだろう。

「オンライン上だと妖精化も女神も多少制限かかるが…現実のほうがむしろ、力を発揮できるからね。ここでの情報を元手に、根元からぶちっと逝く処す様にしよう」
「おっそろしい表現をしている気がするけど、それ大丈夫なの?現実世界でない人増やさない?」
「流石にそれは無い。一応男としての尊厳は、多少は許す。ガチの犯罪者がいた場合は定かではないが…まぁ、アルケディア・オンラインでのプレイヤーに、そんなのがいなさそうだしね」

 オンライン上で身を隠して、現実ではヤバい奴だったという話はある話だとは思うが、このオンラインはそのあたりもしっかり見ている気がする。
 それでも通過できている欲望戦隊はどうなんだというツッコミはありそうだが…真なる変態は抑えきれないのだろうか。一応、悪人ではないというのはわかるが…うん、まぁ、そのあたりはどうしようもない天災だと思ってあきらめるしかないか。



 とにもかくにも、情報を使って誘導しおびき寄せ、集計し吹っ飛ばしつつ、準備を進めていくのであった…

「場合によっては、女神の力で仮想世界からも現実世界からも消すって手段取れるけど、流石にそこまでやるような相手はそうそうないからねー」
「気軽にできる時点で、ハルも違う意味でやばいプレイヤーに当てはまりそうだけどね」

…変態共とは別枠であれば、問題ないと思いたい。
 その方向でいえば、他にも当てはまる人がいるような気がするが…気にしないでおこう。
 プレイヤーの中に人外が混ざっていたとしても、すでに女神やら真祖などがいる時点で、大したことではないと片付くのだから。
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