アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.2-133 2がつくものじゃないって

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 妖精化による戦闘に関して、大体の感覚はつかめた。
 ステータスが尖りまくった紙装甲弾丸という感じなので、相手の攻撃が当たらないように回避に専念しつつ、高速移動で撹乱し、MPを利用してガンガンスキルを使用して攻撃するのが良いのだろう。

 防御力が無さすぎるので一発でも喰らえばアウトと言って良いほどだが…それでも、扱いやすさはかなりあるようだ。

「なんというか、通常状態、女神状態、そして妖精状態となると…ハル、どこかの某三合体ゲ○○ーロボみたいだよね」
『いや、流石に無茶苦茶変形なのに比べるとずいぶん違うと思う。そもそも、女神のほうが形態変化多いでしょ』

 何かこう、やって来たらその時点でアウトのようなヤバい輩と一緒にしないでほしい。
 自分でもちょっと納得しかけたが、あんなのは流石に…やろうと思えばできなくもないか?



 とにもかくにも、大体の把握ができたところでしゅわしゅわと体から泡が立ち始めた。
 どうやら薬の効果の時間切れになったようで、次の瞬間には女神から…いや、女神のスキルも解除されていたようで、元の姿に戻っていた。

ぽふん!!
「ありゃ、戻ったけど…新しいスキルが追加されているね」
―――
>特殊変身スキル『混沌妖精化』が追加されました!!

『混沌妖精化』
通常の妖精化スキルとは異なり、あらゆるものが入り混じったものから産まれたものに身に付く妖精化のスキル。
性別が失われて、全ステータスが一度合計され、向いているステータスに振り分けなおされる。
一瞬のうちに身を変えることが可能だが、現実世界で一日三回までの使用制限がかかっているため、使い時には注意が必要となる。
―――

 どうやらネタ系アイテムを使用後、再度使用するための材料集めの手間を省くためなのか、ごくまれにアイテム無しでの変身が可能になるスキルを獲得することがあるらしい。

 そのうえ今回、事前にデバフのための様々なアイテムや、女神の状態でなったことが影響してなのか、かなり特殊なスキルを手に入れる結果になったようだ。

「本日分の扱いで、もう今日は妖精になれないみたいだけど、今後一日三回までならなれるみたいだね」
「使用制限がかかるか…まぁ、どういうものなのか感覚をつかむためとはいえ、数多くのモンスターを蹂躙できるほどの力があったから、納得かも」

 女神のスキルともまた違った制限のようだが、細かく確認するとスキルの効果がより強力に重複できるのが理由らしい。
 女神状態でもテイムモンスターの力を使って攻撃が出来ていたが、妖精化はさらに女神のステータスを上乗せして使用するため、恐ろしく尖ったステータスになるからこそ、状況によっては女神以上に凄まじい力を発揮しかねないからだろう。

 まぁ、使用制限がかかっていても、そんなに使うことはないとは思うのだが、それでもあの音速を超えた戦闘ができるのはちょっと快感だったので惜しむべきところなのかもしれない。


「…結構早かったし、もっと他に手合わせもしたかったなぁ。ああ、速さならジェッターに挑むのもありかな…?」

 超高速お届け使用人こと、ジェッター。
 何かしらのお届け物がない限りは遭遇することはほぼ無いが、確か彼女の素早さも相当なものだったため、いつか妖精化の素早さで勝負してみたいものである。

 その他、素早い相手ならば妖精になればさらに対応しやすくなったのも良いだろう。
 女神の状態でもセレアやリンの脚力を上乗せすれば、かなりの高機動を可能としていたが、それとはまた違う方法でやりやすい。

 新しい可能性も開けたようで、中々悪くないネタアイテムの検証ができたのであった…



「ところで、無性になったのは別に良いけど、結局女神から男神への変化は失敗したよね?」
「…」

…性別を変えるという目的は達成したから良しとしよう。
 スキル獲得が労力に対して見合った対価でもあるし、文句を言う必要ない。

 そう、決してできればこう、筋肉ムキムキな感じの神になっていたらとか思い描いていたことはないのである!!
 筋力ならカイニスの力を借りれば良いけど、見た目がムキムキにならないからなぁ…妖精化状態でカイニスの力を使えたら、それこそスピードもパワーも桁違いのものになりそうだけど、見た目の方向性が違うのが何とも言えないか…


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