539 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-122 斜め上からは良くある話で
しおりを挟む
【ゴンゴロドーン!!】
雄たけびを上げ、体を丸めて体当たりしてくるのは巨大な鉄塊…いや、かなり巨大なボスモンスター『ディザスター・ダンゴリアン』。
見た目はダンゴムシやダイオウグソクムシなどのようなものでありつつ、鉄壁の体表を持ち、なおかつただ丸まって攻撃してくるわけではない。
ゴンロゴロドッガッシャァァン!!
「電撃もセットで、超高速の体当たりを仕掛けてくるだけの単純さだけど!!」
「結構シャレにならない威力だよ!!」
雷撃を身に纏い、鋼鉄よりも強固なボディを玉として体当たりを仕掛け来るだけのモンスター。
しかしながら、単純にしてその質量と電撃によって、見た目以上に凶悪な威力を発揮しているらしく、すでに何度か回避しつつも周辺がもはやボロボロになっている。
【シャゲェ、ポイズンスリップ入るけど、いまいちだよー!!】
【バルゥ、槍を通さぬ鉄壁の表皮が、きつい!!】
嵐の先にあったダンジョンのボスというだけあり、その実力は想定以上だったようだ。
マリーたちだって弱くないはずなのに、強固なボスモンスターに苦戦させられている。
「うーん、物理がいまいちで、スリップダメージ系の状態異常も薄いだべか」
「わたしのヤドリギでも体力を吸っているはずなのに、衰える様子が無いわねぇ」
「一応、音の攻撃は効くようだけど、素手に電撃で痺れているからか、効果は微妙だぜー」
なんというべきか、単純な相手のはずなのに、全員の攻撃手段がことごとく相性が悪すぎる。
むしろ、その手段を特化している相手だからこそ、多彩な攻撃は生半可な効果しか与えられないともいうべきなのだろうか。
【ゴンゴロゴロゴロゴロォドーン!!】
「またきたぁ!!」
「一直線の攻撃だけど、電撃で素早さを強化しているのか本当に回避がきついよ!!」
逃げ続けることはできるが、決定的な一打を与えにくい。
こちらの回避にも流石に限度があるし、攻撃の余波で岩石が飛び散ったり、放電していたり、ソニックムーブの様な衝撃波が襲い掛かるなど、地道にダメージを稼がれているような気がしなくもない。
「まさか、ここにきて結構な強敵とはな…恐るべし、ボスモンスター」
「感心している場合じゃないよ!!ハル、カイニスは呼べない?あの怪力なら、無理やりダメージを与えて突破できそうだけど…」
「無理だ。パワーでは勝てるけど、相手の素早さも考えると相性が悪い」
大型の相手なので一見相性は良さそうだが、素早さの問題がある。
眷属としてカイニスはパワーがぶっ飛んだレベルにあるが、当てられなければ意味がないだろう。
「そもそも、出せる時間も短いし…やるなら、相手の動きをどうにかして止めてからじゃないと」
高速放電塊団子というべきダンゴリアン相手には、動きを奪うデバフがあればいいと思われる。
しかしながら、相当状態異常に耐性が高いようで、搦め手を利用する戦闘手段の多い僕らとは相性が悪い。
全体をコユキの雪兵で凍らせてスリップしやすくすれば…こちらの危険度も増すか。
炎で周辺を熱して、炎上させ…こちらも火だるまになりかねない。
様々な方法をできる限り考え、一つの手段を選び抜く。
「よし、グランプさんの耕しで地面を可能な限り柔らかくして、毒液や廃液等で底なし沼のようにしてはめる手段にしよう」
下手をすればこちらも作り出した沼地にはまりかねないが、相手の動きを止めてしまえばすぐにカイニスを出して、全力で殴ってもらう方法がとれる。
すぐに全員に作戦を伝え、それでやろうとした…その時だった。
「よーし!!全力で周囲を無理やりにほりおこすべ!!マイスコォーーップカモーン!!」
―――ズゴゴゴゴゴゴゴ!!
「お、周囲が揺れ動いて、地面から出す流れ…」
「ん?いや、これ違うべ。いつもならこう、ぬるっと出るはずで…」
妙な地鳴りが聞こえ始め、周囲を見渡す。
ダンゴリアン自身の攻撃で揺れ動いているのかと思ったが、どうやら違うようで、何かを開会するようにして見渡しはじめていた。
何事かと考えていると、突然、上で何かが光ったように見え…
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
【ゴンゴロォォォォォォォォ!?】
「「「「どわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」
極太の、何か明らかに当たったらやばそうな光線が天井をぶち抜き、僕らの間に割って入った。
イベント会場を襲撃したあの光線がここにも来たのかと思ったが、威力や規模が明らかに桁違い過ぎる。
そのまま光線が通り過ぎ、その放った主がゆっくりと降りてきた。
『…っと、ショートカットしてしまったが…どうやら、妙なタイミングで出てしまったようだな』
大きく翼を羽ばたかせ、降りてきたのは…巨大なドラゴン。
通常のモンスターとは比較にはならない迫力を持ち。なおかつ女神のスキルを持っているからこそ、理解させられるものがある。
アレは間違いなく、神の類のような、莫大な力の持ち主だと。
ボスモンスターを相手にしているだけでも大変な中で、さらなるヤバイモノが出てきたと、嫌でも理解させられる。
―――
>---ボス戦闘中に、乱入者が出現しました。
>NPC及び他通常モンスターとは異なるものです。
>コードERROR、ERROR、ERROR…修正認識完了。
>種族名…『■■帝』と確認。
―――
…そして余りの異常事態にあっけにとられる中、密かにログが動き、状況を説明していた。
だが、誰もすぐに気が付くことはないのであった…
雄たけびを上げ、体を丸めて体当たりしてくるのは巨大な鉄塊…いや、かなり巨大なボスモンスター『ディザスター・ダンゴリアン』。
見た目はダンゴムシやダイオウグソクムシなどのようなものでありつつ、鉄壁の体表を持ち、なおかつただ丸まって攻撃してくるわけではない。
ゴンロゴロドッガッシャァァン!!
「電撃もセットで、超高速の体当たりを仕掛けてくるだけの単純さだけど!!」
「結構シャレにならない威力だよ!!」
雷撃を身に纏い、鋼鉄よりも強固なボディを玉として体当たりを仕掛け来るだけのモンスター。
しかしながら、単純にしてその質量と電撃によって、見た目以上に凶悪な威力を発揮しているらしく、すでに何度か回避しつつも周辺がもはやボロボロになっている。
【シャゲェ、ポイズンスリップ入るけど、いまいちだよー!!】
【バルゥ、槍を通さぬ鉄壁の表皮が、きつい!!】
嵐の先にあったダンジョンのボスというだけあり、その実力は想定以上だったようだ。
マリーたちだって弱くないはずなのに、強固なボスモンスターに苦戦させられている。
「うーん、物理がいまいちで、スリップダメージ系の状態異常も薄いだべか」
「わたしのヤドリギでも体力を吸っているはずなのに、衰える様子が無いわねぇ」
「一応、音の攻撃は効くようだけど、素手に電撃で痺れているからか、効果は微妙だぜー」
なんというべきか、単純な相手のはずなのに、全員の攻撃手段がことごとく相性が悪すぎる。
むしろ、その手段を特化している相手だからこそ、多彩な攻撃は生半可な効果しか与えられないともいうべきなのだろうか。
【ゴンゴロゴロゴロゴロォドーン!!】
「またきたぁ!!」
「一直線の攻撃だけど、電撃で素早さを強化しているのか本当に回避がきついよ!!」
逃げ続けることはできるが、決定的な一打を与えにくい。
こちらの回避にも流石に限度があるし、攻撃の余波で岩石が飛び散ったり、放電していたり、ソニックムーブの様な衝撃波が襲い掛かるなど、地道にダメージを稼がれているような気がしなくもない。
「まさか、ここにきて結構な強敵とはな…恐るべし、ボスモンスター」
「感心している場合じゃないよ!!ハル、カイニスは呼べない?あの怪力なら、無理やりダメージを与えて突破できそうだけど…」
「無理だ。パワーでは勝てるけど、相手の素早さも考えると相性が悪い」
大型の相手なので一見相性は良さそうだが、素早さの問題がある。
眷属としてカイニスはパワーがぶっ飛んだレベルにあるが、当てられなければ意味がないだろう。
「そもそも、出せる時間も短いし…やるなら、相手の動きをどうにかして止めてからじゃないと」
高速放電塊団子というべきダンゴリアン相手には、動きを奪うデバフがあればいいと思われる。
しかしながら、相当状態異常に耐性が高いようで、搦め手を利用する戦闘手段の多い僕らとは相性が悪い。
全体をコユキの雪兵で凍らせてスリップしやすくすれば…こちらの危険度も増すか。
炎で周辺を熱して、炎上させ…こちらも火だるまになりかねない。
様々な方法をできる限り考え、一つの手段を選び抜く。
「よし、グランプさんの耕しで地面を可能な限り柔らかくして、毒液や廃液等で底なし沼のようにしてはめる手段にしよう」
下手をすればこちらも作り出した沼地にはまりかねないが、相手の動きを止めてしまえばすぐにカイニスを出して、全力で殴ってもらう方法がとれる。
すぐに全員に作戦を伝え、それでやろうとした…その時だった。
「よーし!!全力で周囲を無理やりにほりおこすべ!!マイスコォーーップカモーン!!」
―――ズゴゴゴゴゴゴゴ!!
「お、周囲が揺れ動いて、地面から出す流れ…」
「ん?いや、これ違うべ。いつもならこう、ぬるっと出るはずで…」
妙な地鳴りが聞こえ始め、周囲を見渡す。
ダンゴリアン自身の攻撃で揺れ動いているのかと思ったが、どうやら違うようで、何かを開会するようにして見渡しはじめていた。
何事かと考えていると、突然、上で何かが光ったように見え…
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
【ゴンゴロォォォォォォォォ!?】
「「「「どわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」
極太の、何か明らかに当たったらやばそうな光線が天井をぶち抜き、僕らの間に割って入った。
イベント会場を襲撃したあの光線がここにも来たのかと思ったが、威力や規模が明らかに桁違い過ぎる。
そのまま光線が通り過ぎ、その放った主がゆっくりと降りてきた。
『…っと、ショートカットしてしまったが…どうやら、妙なタイミングで出てしまったようだな』
大きく翼を羽ばたかせ、降りてきたのは…巨大なドラゴン。
通常のモンスターとは比較にはならない迫力を持ち。なおかつ女神のスキルを持っているからこそ、理解させられるものがある。
アレは間違いなく、神の類のような、莫大な力の持ち主だと。
ボスモンスターを相手にしているだけでも大変な中で、さらなるヤバイモノが出てきたと、嫌でも理解させられる。
―――
>---ボス戦闘中に、乱入者が出現しました。
>NPC及び他通常モンスターとは異なるものです。
>コードERROR、ERROR、ERROR…修正認識完了。
>種族名…『■■帝』と確認。
―――
…そして余りの異常事態にあっけにとられる中、密かにログが動き、状況を説明していた。
だが、誰もすぐに気が付くことはないのであった…
10
お気に入りに追加
2,031
あなたにおすすめの小説
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
【完結】巻き込まれたけど私が本物 ~転移したら体がモフモフ化してて、公爵家のペットになりました~
千堂みくま
ファンタジー
異世界に幼なじみと一緒に召喚された17歳の莉乃。なぜか体がペンギンの雛(?)になっており、変な鳥だと城から追い出されてしまう。しかし森の中でイケメン公爵様に拾われ、ペットとして大切に飼われる事になった。公爵家でイケメン兄弟と一緒に暮らしていたが、魔物が減ったり、瘴気が薄くなったりと不思議な事件が次々と起こる。どうやら謎のペンギンもどきには重大な秘密があるようで……? ※恋愛要素あるけど進行はゆっくり目。※ファンタジーなので冒険したりします。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる