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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-108 張り切り具合は人それぞれで
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「ランプ稼働済、結界OK。欲望戦隊の現在位置把握、距離16万6千光年の離れ具合OK…良し、今日のコスプレイベントはしっかり、邪魔が入らずに楽しめそうだ」
念入りに準備を進め、ようやく迎えたアルケディア・オンラインのプレイヤー開催によるコスプレイベント当日。
しっかり大勢が参加しやすいように休日に定められているので、余裕をもって最終確認を進めることが出来ており、ハルは満足そうにそうつぶやく。
「その位の離れ具合で、大丈夫なの?欲望戦隊のことだから、一瞬で空間を切り詰めそうな気がするけど…」
「対策は立てているよ。独立稼働中の黒き女神に、ステータスの大半を注ぎ込んで全力で入り込めないように工作してもらっているからね…おかげで今、始まりの町の草原に出るスライムにあっという間にやられそうなほどな状態だけど、争うようなことはないから問題は無いよ」
御礼分身ランプ…神系スキルを切り離し、独立稼働させることが可能になるアイテム。
密かに使用に関しての検証は行っており、どの程度のものなのかはすでに把握しており、得ている譲歩を使って可能な限り、黒き女神も本来のステータスに近い状態にして独立稼働をさせることに成功していた。
まぁ、黒き女神自体が相当能力が高いものなのもあって、アップデートによってアイテムの調整がされていたらしく、本来のステータスにするには本体のステータスを大幅に譲渡する必要が生じていたりする。
でも、この程度コスプレイベントに支障なしと言うことで、惜しみなく分離させて…ようやく、安全を徹底的に確保できた状態になった。
いざという時には、すぐに分離状態を解除することも可能無いようにしておいたが、流石にこのイベント内でそのような事態は引き起こされないだろう。
「引き起こすような輩も出ないように、色々と細工したからね…ふふふ、問題なく楽しめることが決まって、物凄く満足したけど、まだイベントまで時間があるから、不測の事態に備えてしっかりとっしないとね」
「いつも、予想外のことが起きて巻き込まれている経験がここで活かされるか…」
そうだ、いつもいつも何かしらの対策を施していたとしても、面倒事は楽々と飛び越えるがごとく、やってくる。
そのため、今回の対策に関してもアクロバティックに避けて駆け寄ってくる可能性があるといえばあるのだが、徹底的に0に限りなく近づけるための努力はしたつもりだ。
もしもの時のための、変化解除薬や反射鏡、妨害道具…余計なこと言われる前に口へ突っ込んでしまえるように矢の先に爆弾を付けたものや、瞬間引火式お手軽ダイナマイトモドキに、スタンガンを改造したスタンバズーカーなど、瞬時に取り出せる武器も用意している。
それに、本日用意したコスプレ衣装もまた、それらの道具を暗器として隠し持つのにうってつけのものになっているだろう。
「とりあえず、イベント前にもう一回装備するか…特殊コスプレ用装備品『ジョー・キ・オーZ』、装着っと」
しまっていた装備品を取り出し、すぐに装備する。
現実の世界であればコスプレが大掛かりなものほど着るのに時間がかかるだろうが、ここはオンラインの世界。
地道に着替えることも可能だが、瞬時に装備品を着用することも可能になっており…慣れた手つきで操作すれば、あっという間に本日のコスプレ衣装として選定した姿に切り替わった。
「おおー、なんかライダー系の変身みたいだよ!!」
「ベルトなどの変身道具はないけどね。それにこのジョー・キ・オーは変身というよりも本当は巨大ロボットなんだよなぁ…」
様々な動力がある中で、何故か蒸気だけ100万倍のエネルギーを取れるようにできてしまった博士の発明品を、世界征服のために狙う悪党どもから守るために生み出され、日夜戦うことになったという、何かと王道な構成のスーパーロボットものである。
その中で今回、選んだのはその主人公が載る機体の一機。
本来は180mサイズのロボットのようだが、流石にそこまで馬鹿でかいコスプレなってできるわけがないということで、人間サイズにまで縮小したが…ディテールには手を抜いておらず、ロロの手によってかなり細かな部分まで作りこまれている。
「あとは変形もできるからね。音声認識でこのヒューマノイドモードから、蒸気機関車になるロコモーティブモードへの変形…腕から大砲を生やすキャノンモード等、色々と仕込んでいるよ」
「ハルのコスプレ姿は人間サイズにダウンしているけど、180mの蒸気機関車ってまともに走行できるのかって疑問が…」
「そこは、アニメだからということで片づけるしかないよ。大体、これ主人公の2代目の機体バージョンだけど、設定としてはまだまともな方。3代目で何をどうしたのか色々と狂って、最終的に31代目で全長3000㎞にまで拡張されたのと比べればマシだと思う」
本当に、なんであのアニメは狂ったのだろうか。
途中までは良い感じになっていたが、てこ入れかそれとも何かの思惑か、だんだん王道とは外れた場所を暴走し始め、最終話ではどこかの全滅エンドのように…それらも含めても、そこそこ楽しめるので狂った名作、もとい迷作と言われて今も人気はあるらしく、再放送が行われているようだ。
そんなことも考えつつ、いよいよイベントが開催される時間となるので、目的地へ向かう。
道中、同じように参加するプレイヤーも出てきたようで、少しばかり込み合いつつも、順調に進んでいくのであった…
「ところで、ミーちゃんのその格好はあれだよね。同じアニメのヒロイン(真)」
「ハルと合わせる方向に決めて、600人以上いた中でこれを選んだよ。それにしても、途中で主人公を殺戮しようとしたり、一緒に溶解液へ沈みこんで混ざりこもうとしたりするなどのヒロインもいたけど…あれはあれでよくアニメとして放映できたよね…」
…何故かヒロインの8割以上がヤンデレどころか病み過ぎたという伝説も残していたりする。
1割まともで、もう一割は…うん、考えないでおこう。
念入りに準備を進め、ようやく迎えたアルケディア・オンラインのプレイヤー開催によるコスプレイベント当日。
しっかり大勢が参加しやすいように休日に定められているので、余裕をもって最終確認を進めることが出来ており、ハルは満足そうにそうつぶやく。
「その位の離れ具合で、大丈夫なの?欲望戦隊のことだから、一瞬で空間を切り詰めそうな気がするけど…」
「対策は立てているよ。独立稼働中の黒き女神に、ステータスの大半を注ぎ込んで全力で入り込めないように工作してもらっているからね…おかげで今、始まりの町の草原に出るスライムにあっという間にやられそうなほどな状態だけど、争うようなことはないから問題は無いよ」
御礼分身ランプ…神系スキルを切り離し、独立稼働させることが可能になるアイテム。
密かに使用に関しての検証は行っており、どの程度のものなのかはすでに把握しており、得ている譲歩を使って可能な限り、黒き女神も本来のステータスに近い状態にして独立稼働をさせることに成功していた。
まぁ、黒き女神自体が相当能力が高いものなのもあって、アップデートによってアイテムの調整がされていたらしく、本来のステータスにするには本体のステータスを大幅に譲渡する必要が生じていたりする。
でも、この程度コスプレイベントに支障なしと言うことで、惜しみなく分離させて…ようやく、安全を徹底的に確保できた状態になった。
いざという時には、すぐに分離状態を解除することも可能無いようにしておいたが、流石にこのイベント内でそのような事態は引き起こされないだろう。
「引き起こすような輩も出ないように、色々と細工したからね…ふふふ、問題なく楽しめることが決まって、物凄く満足したけど、まだイベントまで時間があるから、不測の事態に備えてしっかりとっしないとね」
「いつも、予想外のことが起きて巻き込まれている経験がここで活かされるか…」
そうだ、いつもいつも何かしらの対策を施していたとしても、面倒事は楽々と飛び越えるがごとく、やってくる。
そのため、今回の対策に関してもアクロバティックに避けて駆け寄ってくる可能性があるといえばあるのだが、徹底的に0に限りなく近づけるための努力はしたつもりだ。
もしもの時のための、変化解除薬や反射鏡、妨害道具…余計なこと言われる前に口へ突っ込んでしまえるように矢の先に爆弾を付けたものや、瞬間引火式お手軽ダイナマイトモドキに、スタンガンを改造したスタンバズーカーなど、瞬時に取り出せる武器も用意している。
それに、本日用意したコスプレ衣装もまた、それらの道具を暗器として隠し持つのにうってつけのものになっているだろう。
「とりあえず、イベント前にもう一回装備するか…特殊コスプレ用装備品『ジョー・キ・オーZ』、装着っと」
しまっていた装備品を取り出し、すぐに装備する。
現実の世界であればコスプレが大掛かりなものほど着るのに時間がかかるだろうが、ここはオンラインの世界。
地道に着替えることも可能だが、瞬時に装備品を着用することも可能になっており…慣れた手つきで操作すれば、あっという間に本日のコスプレ衣装として選定した姿に切り替わった。
「おおー、なんかライダー系の変身みたいだよ!!」
「ベルトなどの変身道具はないけどね。それにこのジョー・キ・オーは変身というよりも本当は巨大ロボットなんだよなぁ…」
様々な動力がある中で、何故か蒸気だけ100万倍のエネルギーを取れるようにできてしまった博士の発明品を、世界征服のために狙う悪党どもから守るために生み出され、日夜戦うことになったという、何かと王道な構成のスーパーロボットものである。
その中で今回、選んだのはその主人公が載る機体の一機。
本来は180mサイズのロボットのようだが、流石にそこまで馬鹿でかいコスプレなってできるわけがないということで、人間サイズにまで縮小したが…ディテールには手を抜いておらず、ロロの手によってかなり細かな部分まで作りこまれている。
「あとは変形もできるからね。音声認識でこのヒューマノイドモードから、蒸気機関車になるロコモーティブモードへの変形…腕から大砲を生やすキャノンモード等、色々と仕込んでいるよ」
「ハルのコスプレ姿は人間サイズにダウンしているけど、180mの蒸気機関車ってまともに走行できるのかって疑問が…」
「そこは、アニメだからということで片づけるしかないよ。大体、これ主人公の2代目の機体バージョンだけど、設定としてはまだまともな方。3代目で何をどうしたのか色々と狂って、最終的に31代目で全長3000㎞にまで拡張されたのと比べればマシだと思う」
本当に、なんであのアニメは狂ったのだろうか。
途中までは良い感じになっていたが、てこ入れかそれとも何かの思惑か、だんだん王道とは外れた場所を暴走し始め、最終話ではどこかの全滅エンドのように…それらも含めても、そこそこ楽しめるので狂った名作、もとい迷作と言われて今も人気はあるらしく、再放送が行われているようだ。
そんなことも考えつつ、いよいよイベントが開催される時間となるので、目的地へ向かう。
道中、同じように参加するプレイヤーも出てきたようで、少しばかり込み合いつつも、順調に進んでいくのであった…
「ところで、ミーちゃんのその格好はあれだよね。同じアニメのヒロイン(真)」
「ハルと合わせる方向に決めて、600人以上いた中でこれを選んだよ。それにしても、途中で主人公を殺戮しようとしたり、一緒に溶解液へ沈みこんで混ざりこもうとしたりするなどのヒロインもいたけど…あれはあれでよくアニメとして放映できたよね…」
…何故かヒロインの8割以上がヤンデレどころか病み過ぎたという伝説も残していたりする。
1割まともで、もう一割は…うん、考えないでおこう。
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