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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-93 宇宙は広いな大きいな
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――イベント海域へ、多くの魔導船が飛ばされ、いよいよイベントが開始される。
詳細情報によれば、これからこの宙域に無数の敵船が出現し、それらを撃破していけばいいというもの。
ただし、好き勝手に殲滅ということはできないようで、単独行動をやり過ぎれば、いつの間にか囲まれて叩き潰される可能性もあるだろう。
ゆえに、そうたやすく撃破されないように、プレイヤーたちはある程度まとまって行動を共にしているところも多い。
「しかし…敵艦隊が見えてきたけどあれって…襲ってきたやつらに似ているな」
【同型艦…いえ、改良が見られますネ】
イベント専用の宙域にプレイヤーたちが到着し、敵の姿を確認する。
目視できる距離ではなく、徐々に近づいてきているようだが、カメラで確認できるだけでもその数は非常に多く、その姿は以前、妖精郷を襲ってきたやつらに似ているだろう。
ただし、全く同じというわけではなく、一部のデザインやサイズ、外見だけからでもわかる武装が変わっており、新しく改良が施されているようだ。
あの襲撃、運営が仕掛けたイベント?
違うな、あの感じは別物だろうし、わざわざ仕掛けてくる意味もない。
『うーん、それにしても数が多いねぇ…ハル、どのぐらい行けそう?』
「今の武力だと、大体妖精郷を襲ってきた数ぐらいなら簡単に殲滅できそうだけど…数がさらに多くなっている分、結構厳しいかな」
プレイヤーたちが集められたのも、理解できるだろう。
数の多さから見て、一個人が相手できるような量でもないだろうし、イベント戦で他者との激戦というよりも、レイドイベントに近い形式になるのは理解できる。
「まぁ、何か企みがあるとか難しく考えていたらきりがないか」
運営が何を考え、本当にこれはイベントなのか疑問を持つところもある。
だが、考え込んでいても何も解決はしないし、妖精郷を襲ってきたやつらを撃破した戦績が得られているとはいえ、その前のほうで辛酸をなめさせられたことを考えれば、思いっきり大義名分を盛ってぶっ飛ばせるのは悪くはない。
他のプレイヤーたちの船の戦いぶりを見るのも良いし、こういう時ぐらいは思い切って暴れたほうが良いだろう。
「グレイ号、他のプレイヤーに攻撃をぶつけることなく、敵だけ撃破する動きはできるか?」
『可能デス。混戦状態にあっても、正確に打ち抜けマス』
「マリーたちも、それぞれの力を注いで、特殊砲弾を撃てる用意はできているよね?」
【問題ない、シャゲェ!!】
【ふっふっふ、雪兵召喚も事前に完了済みで、艦内航空戦力にも組み込み済みユッキ!!】
【ルームランナー式電撃砲もやれるバルルゥ!!】
「ロロ、この戦いでやばいことが起きる確率は?」
【予想外の事態も起きる可能性もありますが…現状は、25.6%程ですネ。4分の一をちょっと超えてますが、大丈夫かト。ただ、他のプレイヤーの動きによっても戦況が変わるため、手助けできそうなときは行ったほうが吉だと思われマス】
各々準備を確認し、既に各プレイヤーが動きはじめ、攻撃を開始する準備はできている。
「開幕と同時に拡散波〇砲みたいなことは…いや、流石に無いか」
『それが出来たら凄まじいことになっていそうだけどね』
各々の魔導船の型式も戦い方も異なっているだろうし、そろっての戦いとはなりきらない。
だが、それぞれで全力をもって相手をすれば、おのずと相手を制圧することはできるだろう。
…しいて言うのであれば、なにやら観測できるプレイヤーの船の中には、巨大なゴリラの顔面みたいなものや、巨大な幽霊船みたいなものもあるようだが…うん、まぁインパクトがあるほうが良いか。
「それじゃ、開戦と同時に全火力を一度放出。その後、相手の出方を見ながら攻め時になるまで、後方からまずは支援を行う形での砲撃を行おう」
『全力突撃のほうが性分に合うのですがネ』
「流石に、味方船が多いうちは、様子を見ておきたい」
妖精郷の戦いで、相手の攻撃手段は色々と見たが、それでも改良されている様子を見るとやすやすと突撃戦法が通じるとは思えない。
なのでここはまず、戦艦レベルの魔導船であることを活かし、その火力を前に出し切るのではなく、後方から様子をうかがって戦うほうが良いだろう。
ミーちゃんの魔導列車のほうは機動力があるので、彼女のサポートを行う形のほうがバランスが良いのかもしれない。
「…なんとなく嫌な予感もするしね」
ぼそりとつぶやいた声は、本心からくるのか、それとも女神の何かの勘が働いたのか。
できればイベントであるならば楽しみたいところなのだが、慌てずに確認しておきたい気配もある。
そのため、開戦と同時にぶつかりに行くのではなく、少々様子を見ながら後方支援を行い、嫌な予感を振り払うことに集中するのであった…
ガゴガゴガゴォォォン!!
『よっしゃやるのデーーーーーース!!』
『…あの、マスター。私も突撃を我慢して守りから入ったというのに、堂々と合体変形のロマンを出した三隻が一体の巨大ロボと化して、意気揚々と攻めに行ったのですガ』
【識別コード確認…ああ、納得デス。アレ、恐竜女帝ですネ。ダイナソーブラザーズという艦の名称が確認できまシタ】
…知り合いが一人、堂々とやらかした。
何あの無茶苦茶な船。グレイ号の魔改造ぶりもかなりやばいけど、あっちはあっちでまた違った方向に進化しているな。
うーん、でもティラリアさんということは…問題ないな。うん。目を背けているわけではないし、後方支援に徹したほうが、あの無茶苦茶ぶりに巻き込まれることが無いだろう。ああ、嫌な予感ってこれだったら、まだましな方…なのか?
詳細情報によれば、これからこの宙域に無数の敵船が出現し、それらを撃破していけばいいというもの。
ただし、好き勝手に殲滅ということはできないようで、単独行動をやり過ぎれば、いつの間にか囲まれて叩き潰される可能性もあるだろう。
ゆえに、そうたやすく撃破されないように、プレイヤーたちはある程度まとまって行動を共にしているところも多い。
「しかし…敵艦隊が見えてきたけどあれって…襲ってきたやつらに似ているな」
【同型艦…いえ、改良が見られますネ】
イベント専用の宙域にプレイヤーたちが到着し、敵の姿を確認する。
目視できる距離ではなく、徐々に近づいてきているようだが、カメラで確認できるだけでもその数は非常に多く、その姿は以前、妖精郷を襲ってきたやつらに似ているだろう。
ただし、全く同じというわけではなく、一部のデザインやサイズ、外見だけからでもわかる武装が変わっており、新しく改良が施されているようだ。
あの襲撃、運営が仕掛けたイベント?
違うな、あの感じは別物だろうし、わざわざ仕掛けてくる意味もない。
『うーん、それにしても数が多いねぇ…ハル、どのぐらい行けそう?』
「今の武力だと、大体妖精郷を襲ってきた数ぐらいなら簡単に殲滅できそうだけど…数がさらに多くなっている分、結構厳しいかな」
プレイヤーたちが集められたのも、理解できるだろう。
数の多さから見て、一個人が相手できるような量でもないだろうし、イベント戦で他者との激戦というよりも、レイドイベントに近い形式になるのは理解できる。
「まぁ、何か企みがあるとか難しく考えていたらきりがないか」
運営が何を考え、本当にこれはイベントなのか疑問を持つところもある。
だが、考え込んでいても何も解決はしないし、妖精郷を襲ってきたやつらを撃破した戦績が得られているとはいえ、その前のほうで辛酸をなめさせられたことを考えれば、思いっきり大義名分を盛ってぶっ飛ばせるのは悪くはない。
他のプレイヤーたちの船の戦いぶりを見るのも良いし、こういう時ぐらいは思い切って暴れたほうが良いだろう。
「グレイ号、他のプレイヤーに攻撃をぶつけることなく、敵だけ撃破する動きはできるか?」
『可能デス。混戦状態にあっても、正確に打ち抜けマス』
「マリーたちも、それぞれの力を注いで、特殊砲弾を撃てる用意はできているよね?」
【問題ない、シャゲェ!!】
【ふっふっふ、雪兵召喚も事前に完了済みで、艦内航空戦力にも組み込み済みユッキ!!】
【ルームランナー式電撃砲もやれるバルルゥ!!】
「ロロ、この戦いでやばいことが起きる確率は?」
【予想外の事態も起きる可能性もありますが…現状は、25.6%程ですネ。4分の一をちょっと超えてますが、大丈夫かト。ただ、他のプレイヤーの動きによっても戦況が変わるため、手助けできそうなときは行ったほうが吉だと思われマス】
各々準備を確認し、既に各プレイヤーが動きはじめ、攻撃を開始する準備はできている。
「開幕と同時に拡散波〇砲みたいなことは…いや、流石に無いか」
『それが出来たら凄まじいことになっていそうだけどね』
各々の魔導船の型式も戦い方も異なっているだろうし、そろっての戦いとはなりきらない。
だが、それぞれで全力をもって相手をすれば、おのずと相手を制圧することはできるだろう。
…しいて言うのであれば、なにやら観測できるプレイヤーの船の中には、巨大なゴリラの顔面みたいなものや、巨大な幽霊船みたいなものもあるようだが…うん、まぁインパクトがあるほうが良いか。
「それじゃ、開戦と同時に全火力を一度放出。その後、相手の出方を見ながら攻め時になるまで、後方からまずは支援を行う形での砲撃を行おう」
『全力突撃のほうが性分に合うのですがネ』
「流石に、味方船が多いうちは、様子を見ておきたい」
妖精郷の戦いで、相手の攻撃手段は色々と見たが、それでも改良されている様子を見るとやすやすと突撃戦法が通じるとは思えない。
なのでここはまず、戦艦レベルの魔導船であることを活かし、その火力を前に出し切るのではなく、後方から様子をうかがって戦うほうが良いだろう。
ミーちゃんの魔導列車のほうは機動力があるので、彼女のサポートを行う形のほうがバランスが良いのかもしれない。
「…なんとなく嫌な予感もするしね」
ぼそりとつぶやいた声は、本心からくるのか、それとも女神の何かの勘が働いたのか。
できればイベントであるならば楽しみたいところなのだが、慌てずに確認しておきたい気配もある。
そのため、開戦と同時にぶつかりに行くのではなく、少々様子を見ながら後方支援を行い、嫌な予感を振り払うことに集中するのであった…
ガゴガゴガゴォォォン!!
『よっしゃやるのデーーーーーース!!』
『…あの、マスター。私も突撃を我慢して守りから入ったというのに、堂々と合体変形のロマンを出した三隻が一体の巨大ロボと化して、意気揚々と攻めに行ったのですガ』
【識別コード確認…ああ、納得デス。アレ、恐竜女帝ですネ。ダイナソーブラザーズという艦の名称が確認できまシタ】
…知り合いが一人、堂々とやらかした。
何あの無茶苦茶な船。グレイ号の魔改造ぶりもかなりやばいけど、あっちはあっちでまた違った方向に進化しているな。
うーん、でもティラリアさんということは…問題ないな。うん。目を背けているわけではないし、後方支援に徹したほうが、あの無茶苦茶ぶりに巻き込まれることが無いだろう。ああ、嫌な予感ってこれだったら、まだましな方…なのか?
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