508 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-92 多く集まると自然と見ごたえあるものに
しおりを挟む
魔導船の種類は多々あるが、大抵は船の形状をしているものが多い。
船と言っても帆船だったりボートだったり、宇宙戦艦だったり…その持ち主であるプレイヤーの手によってさまざまな改造が施されているだろう。
その中で今回、船を使ってのイベントということで、多種多様の魔導船が宇宙フィールドのとある宙域に集結しつつあるのだが…このように多く集まると、かなり見ごたえのある光景が広がっているだろう。
今回のイベントは、この宙域にプレイヤーたちが集まって、イベントの開催と同時に専用の特殊なフィールドに転送されるらしい。
一斉ワープみたいなもので、これはこれで面白そうな光景になるだろう。
「でも、誤射したら怖いな…適切な距離を保つように誘導されるけど、それでも戦闘能力を持った魔導船だけの集まりだから、どれもこれも強そうだしね」
『グレイ号クラスの攻撃力を持つ船いるのかな?』
同船せず、スクリーンで通信状態で映るミーちゃんがそうつぶやく。
今回はお互いに同じ場所には載らず、別々に船に乗っている形だが、周囲を見渡せばどこもかしこも魔導船ばかり。
各プレイヤーは普段、あちこちですれ違ったり港で停船するなどで数隻程度であれば集まったこともあったが、ここまで多く集まったことはない。
種類も豊富だし、こうやって見るだけでも面白い。
なお、イベントに参加できないプレイヤーは何もできないかといえばそうでもなく、実況中継が行われる特殊な観客席が用意されているそうで、そちらで観戦することになるらしい。
見えないが小型のカメラがあちこちを浮遊しており、余すところなく全体を見ることが出来るようになっているようだ。
一番の朗報とすれば、このイベントに欲望戦隊は不参加らしいという情報もある。
どうやら情報によれば、ミートンさんがいつものように奥さんぶぼっこぼこにされてしまったとかいうわけではなく、現実のほうで旅行に出かけているがゆえにログインしないとのこと。
マッチョンからのフレンドメールで確認した時には思わずガッツポーズをしてしまったほどだ。
大体、ここ最近流れてくる不穏な噂の中に、変態流星群とかいうのも聞こえてくるからね…欲望戦隊がその正体の可能性が高く、戦場でそんなものが降り注いだ日には敵味方関係なく変態による阿鼻叫喚の惨劇が目に見える。
だからこそ、事前に惨劇を回避できるのは喜ばしいことだろう。しかし、珍しいなこの情報…あの欲望戦隊がまとめていない時期があるなんて。いつもならば嫌な予感しかないというのに、いないだけでマシな気配しかないとは。
何にせよ、数多くの艦隊が集結しつつある中、イベントの開催時間が近づいてくる。
時間が迫ってくる中で、万全を期して戦闘ができるようにチェックを怠らないようにしておく。
「グレイ号、問題ないな?」
『システムオールグリーン、チェック完了。いつでも全速力で稼働可能デス』
「ミーちゃんのほうは?」
『この日のために新造した新型魔導列車2号機、ボイラー圧力十分だよ!!』
いつもの魔導列車を使うかと思えば、実は新しい魔導船…もとい魔導列車を彼女は用意していた。
元々使っていたほうを今回のイベントに使用する予定だったが、途中で新造した戦闘用車両の重量では機動力が格段に下がってしまうことが判明し、急遽新しい列車を追加したのである、
ロロの手による魔改造が施されないようにしていたが、同じ穴のムジナというか同じ使用人の類を利用していたせいなのか、かなりぶっ飛んだ兵装が備えられてしまったのが仇となって、手痛い出費になってしまったようだ。
まぁ、こういう時には頼りになる人として、機械神に依頼したので事なきを得た。
無茶苦茶すぎる魔導列車ではなく、重厚な車両を力強く牽引できつつ機動力が足りるものなどと注文を付け、ALを渡したら即座にやってくれた。
…万年金欠気味な人に頼むのはちょっと卑怯な気がするが、まともな人の類だけにちゃんと仕事はやってくれた。
機械神さんも今回のイベントに参加しているらしくここからでは見えないが、同じイベントフィールドに来ているようだ。
「っと、恐竜女帝ことティラリアさんも参加しているのか…他にも知っているプレイヤーも参加を確認っと…」
フレンドリストや周辺を見渡せば、オンライン内で知り合った人がちらほらといる。
各自の船は違うが、こうやってそろってイベントに参加できるのはこれはこれで楽しいことだ。
「でもなぁ…なんかこれ、イベントというかレイドバトルぽくあるな…」
大勢で集まってお互いに攻撃するというよりも、どうやら別の何かに対して艦隊を組んで戦う形になっているらしい。
レイドイベントだと明記されないのは、そのボスがいないのか、それとも相手も同じぐらいの艦隊を組んでいて、一つ一つ体力ゲージを見せきれないからなのか、理由は不明だが気にしないほうが良いか。
『…そろそろ、開始時刻のようデス。イベントフィールド転送装置とやらが、稼働し、力場が包み始めまシタ』
考えていると、グレイ号がそう告げてきた。
転送用の装置が動き始めたようで、開始と同時に戦闘になりそうな予感もする。
「まぁ、この面子なら負ける気はしないけどね。みんな、準備は良いかな?」
【【【大丈夫だよー!!】】】
『エンジン出力良好、開幕と共に主砲一斉掃射可能デス』
「良し!!」
どういうイベントの状態になるかはわからないだろう。
だが、ここまでの戦力が集結している中で、早々に退場することもないはず。
やるからには全力で挑み、イベントを制覇すればいい話だ。
そう思いつつ、いよいよ開始時刻となって、一斉に各魔導船が指定されたイベント用のフィールドに向けて、飛ばされ始めるのであった…
【…無事で済めばいいですが…いえ、今のグレイ号なら大丈夫なはず…デス】
船と言っても帆船だったりボートだったり、宇宙戦艦だったり…その持ち主であるプレイヤーの手によってさまざまな改造が施されているだろう。
その中で今回、船を使ってのイベントということで、多種多様の魔導船が宇宙フィールドのとある宙域に集結しつつあるのだが…このように多く集まると、かなり見ごたえのある光景が広がっているだろう。
今回のイベントは、この宙域にプレイヤーたちが集まって、イベントの開催と同時に専用の特殊なフィールドに転送されるらしい。
一斉ワープみたいなもので、これはこれで面白そうな光景になるだろう。
「でも、誤射したら怖いな…適切な距離を保つように誘導されるけど、それでも戦闘能力を持った魔導船だけの集まりだから、どれもこれも強そうだしね」
『グレイ号クラスの攻撃力を持つ船いるのかな?』
同船せず、スクリーンで通信状態で映るミーちゃんがそうつぶやく。
今回はお互いに同じ場所には載らず、別々に船に乗っている形だが、周囲を見渡せばどこもかしこも魔導船ばかり。
各プレイヤーは普段、あちこちですれ違ったり港で停船するなどで数隻程度であれば集まったこともあったが、ここまで多く集まったことはない。
種類も豊富だし、こうやって見るだけでも面白い。
なお、イベントに参加できないプレイヤーは何もできないかといえばそうでもなく、実況中継が行われる特殊な観客席が用意されているそうで、そちらで観戦することになるらしい。
見えないが小型のカメラがあちこちを浮遊しており、余すところなく全体を見ることが出来るようになっているようだ。
一番の朗報とすれば、このイベントに欲望戦隊は不参加らしいという情報もある。
どうやら情報によれば、ミートンさんがいつものように奥さんぶぼっこぼこにされてしまったとかいうわけではなく、現実のほうで旅行に出かけているがゆえにログインしないとのこと。
マッチョンからのフレンドメールで確認した時には思わずガッツポーズをしてしまったほどだ。
大体、ここ最近流れてくる不穏な噂の中に、変態流星群とかいうのも聞こえてくるからね…欲望戦隊がその正体の可能性が高く、戦場でそんなものが降り注いだ日には敵味方関係なく変態による阿鼻叫喚の惨劇が目に見える。
だからこそ、事前に惨劇を回避できるのは喜ばしいことだろう。しかし、珍しいなこの情報…あの欲望戦隊がまとめていない時期があるなんて。いつもならば嫌な予感しかないというのに、いないだけでマシな気配しかないとは。
何にせよ、数多くの艦隊が集結しつつある中、イベントの開催時間が近づいてくる。
時間が迫ってくる中で、万全を期して戦闘ができるようにチェックを怠らないようにしておく。
「グレイ号、問題ないな?」
『システムオールグリーン、チェック完了。いつでも全速力で稼働可能デス』
「ミーちゃんのほうは?」
『この日のために新造した新型魔導列車2号機、ボイラー圧力十分だよ!!』
いつもの魔導列車を使うかと思えば、実は新しい魔導船…もとい魔導列車を彼女は用意していた。
元々使っていたほうを今回のイベントに使用する予定だったが、途中で新造した戦闘用車両の重量では機動力が格段に下がってしまうことが判明し、急遽新しい列車を追加したのである、
ロロの手による魔改造が施されないようにしていたが、同じ穴のムジナというか同じ使用人の類を利用していたせいなのか、かなりぶっ飛んだ兵装が備えられてしまったのが仇となって、手痛い出費になってしまったようだ。
まぁ、こういう時には頼りになる人として、機械神に依頼したので事なきを得た。
無茶苦茶すぎる魔導列車ではなく、重厚な車両を力強く牽引できつつ機動力が足りるものなどと注文を付け、ALを渡したら即座にやってくれた。
…万年金欠気味な人に頼むのはちょっと卑怯な気がするが、まともな人の類だけにちゃんと仕事はやってくれた。
機械神さんも今回のイベントに参加しているらしくここからでは見えないが、同じイベントフィールドに来ているようだ。
「っと、恐竜女帝ことティラリアさんも参加しているのか…他にも知っているプレイヤーも参加を確認っと…」
フレンドリストや周辺を見渡せば、オンライン内で知り合った人がちらほらといる。
各自の船は違うが、こうやってそろってイベントに参加できるのはこれはこれで楽しいことだ。
「でもなぁ…なんかこれ、イベントというかレイドバトルぽくあるな…」
大勢で集まってお互いに攻撃するというよりも、どうやら別の何かに対して艦隊を組んで戦う形になっているらしい。
レイドイベントだと明記されないのは、そのボスがいないのか、それとも相手も同じぐらいの艦隊を組んでいて、一つ一つ体力ゲージを見せきれないからなのか、理由は不明だが気にしないほうが良いか。
『…そろそろ、開始時刻のようデス。イベントフィールド転送装置とやらが、稼働し、力場が包み始めまシタ』
考えていると、グレイ号がそう告げてきた。
転送用の装置が動き始めたようで、開始と同時に戦闘になりそうな予感もする。
「まぁ、この面子なら負ける気はしないけどね。みんな、準備は良いかな?」
【【【大丈夫だよー!!】】】
『エンジン出力良好、開幕と共に主砲一斉掃射可能デス』
「良し!!」
どういうイベントの状態になるかはわからないだろう。
だが、ここまでの戦力が集結している中で、早々に退場することもないはず。
やるからには全力で挑み、イベントを制覇すればいい話だ。
そう思いつつ、いよいよ開始時刻となって、一斉に各魔導船が指定されたイベント用のフィールドに向けて、飛ばされ始めるのであった…
【…無事で済めばいいですが…いえ、今のグレイ号なら大丈夫なはず…デス】
10
お気に入りに追加
2,048
あなたにおすすめの小説
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる