496 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-82 ふざけていても、結構重要
しおりを挟む
「アルデスヨンを、粒子状に加工?え、インゴットにして装甲版に使うとかじゃないの?」
【違いますネ。現在、新型合金を錬成中であり、船の装甲版の大半は、その金属で補う予定デス。今回、主様たちに持ってきていただいた特殊鉱石アルデスヨンは、インゴットにして扱うのは不向きなものなのデス】
…ダンジョンをどうにか制覇し、ハルたちは第一神域こと妖精郷ある、グレイ号が改装を受けているドックへ戻ってきた。
そこでダンジョンから入手した鉱石をロロに渡してクエストクリアとなったわけだが、気になってその使い道を聞いてみたのである。
【こちらの特殊鉱石アルデスヨンですが、『自己存在凝固鉱石』とも呼ばれており、自己存在確定補助装置の流体エネルギー補助粒子として使用する予定なのデス】
「補助粒子って…本当にどういう改造を施す気なの?」
船全体が現在固定されて、あちこちの部品が外されている状況が見えるが、何か新しいものを埋め込みまくる気なのだろうか。
主砲、副砲なんかも外されているようだし、船の塗装用の塗料っぽいのも新し色合いのものが用意されているの見える。
【外観としては、大きく変貌しませんが…まぁ、中身を色々と入れ替える予定なのデス。先日、現実世界のほうにワープアウトしてしまったり、空間の迷宮で襲撃を受けての逃走の負荷なども大きかったので、いくつか修理できなかったのもあって、思い切った大改装になるのですが…出力自体は、改装前よりもはるかに上回るものになるはずデス】
本来はある程度の修理も行いたかったそうだが、思っていた以上に内部のダメージも大きかったらしい。
そこで、盛大に色々と追加するようで、今回取ってきた鉱石も何かしらの装置の材料にするようだ。
【改造予定時間は、現実時間にて3日ほどかかる予定ですが…不十分だった現実世界とは異なり、こちらはしっかりと主様のおひざ元の場所でかつ、材料が存分にそろってますからネ】
現実世界で応急処置をした場所とは異なり、ここはしっかりとした設備が整っている。
一部は機械神のほうにもお願いして設置したものもあるようで、万全の態勢で行えるらしい。
なお、その費用に関してはロロが自腹で用意したらしく、僕の懐のALが痛むことはないらしい。
機械神側のほうも依頼を受け、ばっちり仕事をこなして、報酬をもらったようだ。
…まぁ、メールが来たが、既に報酬金を使い切ったらしく、今度またレイドボスバトルを開催しないかというお誘いも来たが。
何をやっているの、あの人。結構なALを支払っていたって話なんだけど、それをもう使い切るってどういう使い方をしたのやら。
とにもかくにも、これでクエストが終わったので、後はグレイ号の大改造を待つだけである。
既に大惨事…もとい第三次改装は済んでいるので、大惨事になるようなことはあるまい(誤字にあらず、惨事と認めたくはないが…うん、まともに見たらそうかもしれない状態ともいえる)。
現実世界のほうにワープできている時点で相当ヤバい船になっているので、ここから大改装を受けたとしても、大幅すぎる改造にはなるまい。
怪しい装置名が聞こえた気がしなくもないが、さらに上回るようなことは無いだろう。
いや、油断しない方が良いか…下手したら、この改装で現実世界に飛んだ上に、銀河の限界までワープできる船になりかねん。
流石にアルケディア・オンラインというゲーム内なので、そこまでぶっ飛び過ぎたものが出来上がるとは思えないが、ロロならやりかねないという嫌な信頼感を獲得してしまっている。
ただでさえ、将来的に女神の道がありそうだしなぁ…その経歴に、銀河の果てまで向かっていたら、次に何を得てしまうの変わらない。
むしろ銀河の果てどころか、宇宙のかなたまで生きかねないのか…放射能除去装置とかあれば、それなら普通に需要がありそうだから、それはそれでありか。
「まぁ、僕らがこれ以上口を出しても解決しない問題から仕方がないかなぁ…」
「私も何も言えないからね。そもそもあれ、春の持ち物だし」
クエストが終了したのもあり、いったん僕らは現実の世界のほうにログアウトした。
あの世界であれやこれやと考えていても、仕方がないことだ。
「僕の所有している船だけど…改装に関してはほとんどロロが担っているからね。ある程度の要望があれば答えてくれたけど、先日の襲撃もあったし…強くするならとやかく言えないんだよねぇ」
グレイ号を限界まで酷使しすぎたことがあるゆえに、その改装となるととやかく言えまい。
あの船には意志があるようだし、自身の強化につながるならばということで、受け入れて魔改造をされるだろう。
「そうかなー、案外、全力で横に首を振っていそうだけど」
「流石に船に、首はないよ…」
船首はあるが、人の首はない。
あの船に人の頭が付いてぶんぶん横に振るならわかるが、流石にそんな奇怪な改造をすることもないだろう。
世の中広いもので、全部骸骨で作ったとか、スライム、紐、ナマコ、宇宙怪鳥ボゲランズなどの船に使って良いのかと思えるようなもので改造する人がいるとかいう話もあるが…その猛者には負けるか。負けて良い話なのか。
ぶっ飛び過ぎたものにならないように、祈っておくべきかと気持ちを切り替えるのであった…
「こういう時の切り替えは、別情報が入るに限るか。ミーちゃん、適当に何かテレビをつけてニュースを流して―」
「良いよー」
『本日、ロリ国において式典が―――』
『UMA発見か?雪山に作られた巨大学園に迫る―――』
『ギリギリランドにてハ行ギリギリの――』
『宇宙エレベータ事業において、月側のホテル建築予---』
『---ネット社会の中、何やら謎のウイルスが―――』
【違いますネ。現在、新型合金を錬成中であり、船の装甲版の大半は、その金属で補う予定デス。今回、主様たちに持ってきていただいた特殊鉱石アルデスヨンは、インゴットにして扱うのは不向きなものなのデス】
…ダンジョンをどうにか制覇し、ハルたちは第一神域こと妖精郷ある、グレイ号が改装を受けているドックへ戻ってきた。
そこでダンジョンから入手した鉱石をロロに渡してクエストクリアとなったわけだが、気になってその使い道を聞いてみたのである。
【こちらの特殊鉱石アルデスヨンですが、『自己存在凝固鉱石』とも呼ばれており、自己存在確定補助装置の流体エネルギー補助粒子として使用する予定なのデス】
「補助粒子って…本当にどういう改造を施す気なの?」
船全体が現在固定されて、あちこちの部品が外されている状況が見えるが、何か新しいものを埋め込みまくる気なのだろうか。
主砲、副砲なんかも外されているようだし、船の塗装用の塗料っぽいのも新し色合いのものが用意されているの見える。
【外観としては、大きく変貌しませんが…まぁ、中身を色々と入れ替える予定なのデス。先日、現実世界のほうにワープアウトしてしまったり、空間の迷宮で襲撃を受けての逃走の負荷なども大きかったので、いくつか修理できなかったのもあって、思い切った大改装になるのですが…出力自体は、改装前よりもはるかに上回るものになるはずデス】
本来はある程度の修理も行いたかったそうだが、思っていた以上に内部のダメージも大きかったらしい。
そこで、盛大に色々と追加するようで、今回取ってきた鉱石も何かしらの装置の材料にするようだ。
【改造予定時間は、現実時間にて3日ほどかかる予定ですが…不十分だった現実世界とは異なり、こちらはしっかりと主様のおひざ元の場所でかつ、材料が存分にそろってますからネ】
現実世界で応急処置をした場所とは異なり、ここはしっかりとした設備が整っている。
一部は機械神のほうにもお願いして設置したものもあるようで、万全の態勢で行えるらしい。
なお、その費用に関してはロロが自腹で用意したらしく、僕の懐のALが痛むことはないらしい。
機械神側のほうも依頼を受け、ばっちり仕事をこなして、報酬をもらったようだ。
…まぁ、メールが来たが、既に報酬金を使い切ったらしく、今度またレイドボスバトルを開催しないかというお誘いも来たが。
何をやっているの、あの人。結構なALを支払っていたって話なんだけど、それをもう使い切るってどういう使い方をしたのやら。
とにもかくにも、これでクエストが終わったので、後はグレイ号の大改造を待つだけである。
既に大惨事…もとい第三次改装は済んでいるので、大惨事になるようなことはあるまい(誤字にあらず、惨事と認めたくはないが…うん、まともに見たらそうかもしれない状態ともいえる)。
現実世界のほうにワープできている時点で相当ヤバい船になっているので、ここから大改装を受けたとしても、大幅すぎる改造にはなるまい。
怪しい装置名が聞こえた気がしなくもないが、さらに上回るようなことは無いだろう。
いや、油断しない方が良いか…下手したら、この改装で現実世界に飛んだ上に、銀河の限界までワープできる船になりかねん。
流石にアルケディア・オンラインというゲーム内なので、そこまでぶっ飛び過ぎたものが出来上がるとは思えないが、ロロならやりかねないという嫌な信頼感を獲得してしまっている。
ただでさえ、将来的に女神の道がありそうだしなぁ…その経歴に、銀河の果てまで向かっていたら、次に何を得てしまうの変わらない。
むしろ銀河の果てどころか、宇宙のかなたまで生きかねないのか…放射能除去装置とかあれば、それなら普通に需要がありそうだから、それはそれでありか。
「まぁ、僕らがこれ以上口を出しても解決しない問題から仕方がないかなぁ…」
「私も何も言えないからね。そもそもあれ、春の持ち物だし」
クエストが終了したのもあり、いったん僕らは現実の世界のほうにログアウトした。
あの世界であれやこれやと考えていても、仕方がないことだ。
「僕の所有している船だけど…改装に関してはほとんどロロが担っているからね。ある程度の要望があれば答えてくれたけど、先日の襲撃もあったし…強くするならとやかく言えないんだよねぇ」
グレイ号を限界まで酷使しすぎたことがあるゆえに、その改装となるととやかく言えまい。
あの船には意志があるようだし、自身の強化につながるならばということで、受け入れて魔改造をされるだろう。
「そうかなー、案外、全力で横に首を振っていそうだけど」
「流石に船に、首はないよ…」
船首はあるが、人の首はない。
あの船に人の頭が付いてぶんぶん横に振るならわかるが、流石にそんな奇怪な改造をすることもないだろう。
世の中広いもので、全部骸骨で作ったとか、スライム、紐、ナマコ、宇宙怪鳥ボゲランズなどの船に使って良いのかと思えるようなもので改造する人がいるとかいう話もあるが…その猛者には負けるか。負けて良い話なのか。
ぶっ飛び過ぎたものにならないように、祈っておくべきかと気持ちを切り替えるのであった…
「こういう時の切り替えは、別情報が入るに限るか。ミーちゃん、適当に何かテレビをつけてニュースを流して―」
「良いよー」
『本日、ロリ国において式典が―――』
『UMA発見か?雪山に作られた巨大学園に迫る―――』
『ギリギリランドにてハ行ギリギリの――』
『宇宙エレベータ事業において、月側のホテル建築予---』
『---ネット社会の中、何やら謎のウイルスが―――』
10
お気に入りに追加
2,031
あなたにおすすめの小説
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
転生したので好きに生きよう!
ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。
不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。
奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。
※見切り発車感が凄い。
※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる