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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-79 解放・逃亡・捕縛
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…先日のストーカー事件を経て、中三病さんの境遇は変化した。
追われ続ける逃亡生活に終わりを告げ、平和を取り戻した。
「というか、流れで姉からの解放もあったのか…」
フレンドメールで送られてきた中三病からの、近況に関するメール。
ストーカー被害を終えても、まだあの恐竜女帝がいる時点で真の平和は訪れることは無いだろうと思ってはいた。
だがしかし、意外なことに本件を経て、執拗だった恐竜女帝の攻めがここにきて緩み、確保されることはなかったらしい。
理由を聞くと、どうやらストーカー被害に関して思うところがあったらしく、いったん追いかけるような真似はしないという連絡を貰ったそうだ。
まぁ、あの女帝…ティラリアさんも、似たり寄ったりなことをやらかしているから、冷静に他者の行動を見て、己を省みたのだろう。中三病さんに平和が訪れたとなれば、それはそれで喜ばしいことなのかもしれない。
そんな平和が訪れる中で、ハルたちは今、別件で動いていた。
先日の騒動以来、修理・改造・大改装作業中の魔導船グレイ号。
だいぶ進んできたようだが、騒動時と同じようなことが起きてもおかしくはなく、それに対応できるだけの能力を得られるようにということで、ロロからグレイ号用のクエストを受注しているのである。
「特殊鉱石アルデスヨン…こういう時のクエストの場合、アダマンタイトやミスリル、オリハルコンとかが定番なのに、何でこんな名前の鉱石を…」
「たまにあるよね、妙な類のもの。こっちだって牧場を経営する中で、普通なら卵ってつくものが何故かタマゴリアンってものが出来たりしたから、よーくわかるよ」
本日もミーちゃんと一緒にプレイしているわけなのだが、彼女の方も似たような経験があるらしい。
このアルケディア・オンライン。大抵のものは現実世界にあるものと同じようなものが多いはずなのに、時たま意味不明な類のものがでることもある。
その中で今回は、グレイ号を大幅にパワーアップさせることが出来るということで、その鉱石を求めて…久しぶりに、ダンジョンを進んでいた。
結構前にドラメタルという鉱石を求めてダンジョンにもぐったことがあったが、今飽きのアルデスヨンも同じような方法でしか得られないらしい。
宇宙フィールドは広いのだから、どこかの惑星で得られそうなものなのだが、こういうダンジョン限定のものもあるため、あちこちで情報を集めなければたどり着くのが難しそうだ。
「でも、今更こういうダンジョン自体は楽勝だ…と思っていたけど、そう考えていた自分を全力でぶん殴りたいな」
「まさか、ダンジョン判定で強力なスキルが使用不可にされるとは…」
黒き女神等のスキルがあるので、大丈夫だと思っていた。
だがしかし、世の中そう甘くはなかったようで、しっかりと対策としてなのかスキルを使用できなくするダンジョンが用意されており、今回僕らが入ったのはそれに該当するものだったらしい。
おかげで現在、かなりやばい状況というか…
ズンゴロドゴロゴロゴロ!!
「古典的な岩に追いかけられるトラップなんて最悪だぁぁぁぁ!!」
しかも、ただの岩ならまだしも、どうやらかなりぬめっているようで、表面にテカリがある岩。
根性で押さえつけて止めることが出来ないように、油がたっぷりと塗られているようであり、迂闊に止めに行くことが出来ない。
こういうトラップの回避方法の定番としては、床や天井にくぼみを作ってそこに入って回避するというのがあるだろうが、どうもガッチガチの金属製のダンジョンのようで、破壊するだけの時間もない。
そのため現在、全力で駆け抜けるしかない状況であった…
ハルたちがダンジョン内で追い回されていたその頃。
宇宙フィールドのとある宙域にて、艦隊が集結しつつあった。
プレイヤーが作り出した、艦隊ではなく…これは、運営が自ら用意した鎮圧用の強力な魔導戦艦による艦隊。
通常プレイを行っているプレイヤーたちならば遭遇することはほとんどないのだが、今はあることが観測されたために、その場所に集められていた。
その理由とは、あるターゲットがその宙域に現れる予測がされたこと。
囮かもしれないが、その可能性を徹底的に排除した結果辿り着いた場所であり…どの予測でも、そこに出現することは間違いない。
艦隊を派遣するのは過剰戦力ではないかという指摘がありそうだが、過剰ではない。
何しろ相手は、それだけの戦力を超えるかもしれない、悪意あるもの。
油断せず、静かに数を揃えていくのであった…
追われ続ける逃亡生活に終わりを告げ、平和を取り戻した。
「というか、流れで姉からの解放もあったのか…」
フレンドメールで送られてきた中三病からの、近況に関するメール。
ストーカー被害を終えても、まだあの恐竜女帝がいる時点で真の平和は訪れることは無いだろうと思ってはいた。
だがしかし、意外なことに本件を経て、執拗だった恐竜女帝の攻めがここにきて緩み、確保されることはなかったらしい。
理由を聞くと、どうやらストーカー被害に関して思うところがあったらしく、いったん追いかけるような真似はしないという連絡を貰ったそうだ。
まぁ、あの女帝…ティラリアさんも、似たり寄ったりなことをやらかしているから、冷静に他者の行動を見て、己を省みたのだろう。中三病さんに平和が訪れたとなれば、それはそれで喜ばしいことなのかもしれない。
そんな平和が訪れる中で、ハルたちは今、別件で動いていた。
先日の騒動以来、修理・改造・大改装作業中の魔導船グレイ号。
だいぶ進んできたようだが、騒動時と同じようなことが起きてもおかしくはなく、それに対応できるだけの能力を得られるようにということで、ロロからグレイ号用のクエストを受注しているのである。
「特殊鉱石アルデスヨン…こういう時のクエストの場合、アダマンタイトやミスリル、オリハルコンとかが定番なのに、何でこんな名前の鉱石を…」
「たまにあるよね、妙な類のもの。こっちだって牧場を経営する中で、普通なら卵ってつくものが何故かタマゴリアンってものが出来たりしたから、よーくわかるよ」
本日もミーちゃんと一緒にプレイしているわけなのだが、彼女の方も似たような経験があるらしい。
このアルケディア・オンライン。大抵のものは現実世界にあるものと同じようなものが多いはずなのに、時たま意味不明な類のものがでることもある。
その中で今回は、グレイ号を大幅にパワーアップさせることが出来るということで、その鉱石を求めて…久しぶりに、ダンジョンを進んでいた。
結構前にドラメタルという鉱石を求めてダンジョンにもぐったことがあったが、今飽きのアルデスヨンも同じような方法でしか得られないらしい。
宇宙フィールドは広いのだから、どこかの惑星で得られそうなものなのだが、こういうダンジョン限定のものもあるため、あちこちで情報を集めなければたどり着くのが難しそうだ。
「でも、今更こういうダンジョン自体は楽勝だ…と思っていたけど、そう考えていた自分を全力でぶん殴りたいな」
「まさか、ダンジョン判定で強力なスキルが使用不可にされるとは…」
黒き女神等のスキルがあるので、大丈夫だと思っていた。
だがしかし、世の中そう甘くはなかったようで、しっかりと対策としてなのかスキルを使用できなくするダンジョンが用意されており、今回僕らが入ったのはそれに該当するものだったらしい。
おかげで現在、かなりやばい状況というか…
ズンゴロドゴロゴロゴロ!!
「古典的な岩に追いかけられるトラップなんて最悪だぁぁぁぁ!!」
しかも、ただの岩ならまだしも、どうやらかなりぬめっているようで、表面にテカリがある岩。
根性で押さえつけて止めることが出来ないように、油がたっぷりと塗られているようであり、迂闊に止めに行くことが出来ない。
こういうトラップの回避方法の定番としては、床や天井にくぼみを作ってそこに入って回避するというのがあるだろうが、どうもガッチガチの金属製のダンジョンのようで、破壊するだけの時間もない。
そのため現在、全力で駆け抜けるしかない状況であった…
ハルたちがダンジョン内で追い回されていたその頃。
宇宙フィールドのとある宙域にて、艦隊が集結しつつあった。
プレイヤーが作り出した、艦隊ではなく…これは、運営が自ら用意した鎮圧用の強力な魔導戦艦による艦隊。
通常プレイを行っているプレイヤーたちならば遭遇することはほとんどないのだが、今はあることが観測されたために、その場所に集められていた。
その理由とは、あるターゲットがその宙域に現れる予測がされたこと。
囮かもしれないが、その可能性を徹底的に排除した結果辿り着いた場所であり…どの予測でも、そこに出現することは間違いない。
艦隊を派遣するのは過剰戦力ではないかという指摘がありそうだが、過剰ではない。
何しろ相手は、それだけの戦力を超えるかもしれない、悪意あるもの。
油断せず、静かに数を揃えていくのであった…
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