491 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-78 成し遂げるのも命がけ
しおりを挟む
―――クエスト報酬として、明記はしていた。
それに今回、欲望戦隊の働きは非常に大きなものであり、評価に値しただろう。
ゆえに、非常に、物凄く、滅茶苦茶渋っていた様子ではあったが…それでも、女神は約束を守ったようだ。
【とはいえ、あくまでもチャンスというだけであり…なおかつ、テイム。果たして、うまくいくのだろうか、ブモッ】
脅威は去り、崩壊した島から出た後、黒き女神によってクエストの達成が認められ、予定通りの報酬は与えられた。
何やら他にも色々とやったのもあり、数点ほど追加報酬もあったようだが…そんなものよりも、彼らにとって非常に重要なものがあった。
黒き女神の姿を模した、ブラックバットのテイムチャンス。
これまで数多くの女性型のモンスターのテイムを狙い、幾度となく失敗してきた欲望戦隊。
何度も何度も絶望を味わいながらも、不屈の精神で立ち上がり、チャンスがあればどうにかして得ようと画策していたのはわかっている。
その中で、今回は事情があったとはいえ、ついに一番大きなチャンスを得ることに成功したのだ。
しかしながら、これはまだチャンスに過ぎないことを、彼らのテイムモンスターでもあるマッチョンは知っている。
テイムの条件が満たされたとしても、確実に得られるのかは別。
これで失敗すれば、骨折り損のくたびれ儲けになるのだが…どうなるのかはわからない。
ただ、マッチョンとしては、うまくいってほしいと思うところもある。
綺麗な女の子モンスターだからという理由ではない。
黒き女神に似たモンスターということは、場合によっては彼らの抑止力になりえるからだ。
正直、自分一人ではフォローしきれないこともあり…ならば、多少は彼らの欲の矛先を分散できるものがいれば、負担が得るのではないかという思いがある。
欲望戦隊がいかに欲望に忠実な化身とはいえ、一応は、戦隊の名が付くだけに悪ではない。
後輩への負担が増えるのは心苦しいが、分散して多少は楽になってほしい。
まぁ、まずはブラックバットのテイム条件である『仲良くなる』ができるかどうかの話だが…流石に、星の数ほどやらかした経験を持つ彼らならば条件を容易く達成し、テイムへの道を…
「…歩めそうだったけど、奥さんとお孫さんにばれたって。仲間が増えるのは良いけど、人の知らないところで何命がけのような面倒ごとに首を突っ込んでいるんだと、説教を喰らったそうだ」
「うわぁ…」
平和になった大要塞島。
女神の第二神域にもした島がいつまでもボロボロではまずいと言うことで、その復興作業を行っていたのだが、その最中にマッチョンから連絡をもらい、欲望戦隊がどうなったのかという話を聞くことが出来た。
まぁ、家族が自分のあずかり知らぬところで、相当ヤバいことに首を突っ込めば、肉親であれば心配するだろう。
しかも、やらかした理由が欲望によるものだと聞けば、心配した分激怒してしまうのも無理はない。
マッチョンからの内容では、宇宙の星の一つになりかけていたとかいなかったとか…巻き込んだ自覚はあるので、少々申し訳なくもなる。
だがしかし、彼らの活躍によって中三病さんが救われているので、そのあたりの説明も行ってどうにかこうにか怒りを鎮めてもらえたらしい。
「一応、愛の欲望とかがあることで、多少は機嫌が直って…目の前でブラックバット抹消なんてことは避けられて、チャンスは与えられたらしい」
「愛欲のほうの欲望が強く出ていて良かったなぁ…これでうっかり、いつものような色欲のほうの欲望だったら」
「絶対に、チャンスを消されただろうね…」
そして最終的には驚くべきことに…なんと、ブラックバットのテイムに成功したようだ。
正直言って、絶対に失敗するかそれ以上のやらかしを行う可能性が高かったのに、その予想すら裏切られた形だろう。
今回の件、どれだけ欲望戦隊は想定していたことをひっくり返していくのだろうか。
とにもかくにも、最初こそ不安定すぎた中三病さんをストーカーから救出する作戦は成功したともいえるのであった…
「…しかし、曲がったというか、常識外れた愛は怖いな」
…世の中愛の形は色々とあれども、やばいのはやめてほしい。
ああ、でもさすがにそんなもの、自分に向けられる可能性はないか…
「でもハル、女神としての信仰ありそうだけど、それはそれで怖い言葉あるよ。狂信者とか…ああいうのもある意味、今回のストーカーのような愛を向ける人達だし、出てきてもおかしくないよね」
やめて、絶対にそんなことは無いと言い切れないのが普通に怖い。
それに今回、欲望戦隊の働きは非常に大きなものであり、評価に値しただろう。
ゆえに、非常に、物凄く、滅茶苦茶渋っていた様子ではあったが…それでも、女神は約束を守ったようだ。
【とはいえ、あくまでもチャンスというだけであり…なおかつ、テイム。果たして、うまくいくのだろうか、ブモッ】
脅威は去り、崩壊した島から出た後、黒き女神によってクエストの達成が認められ、予定通りの報酬は与えられた。
何やら他にも色々とやったのもあり、数点ほど追加報酬もあったようだが…そんなものよりも、彼らにとって非常に重要なものがあった。
黒き女神の姿を模した、ブラックバットのテイムチャンス。
これまで数多くの女性型のモンスターのテイムを狙い、幾度となく失敗してきた欲望戦隊。
何度も何度も絶望を味わいながらも、不屈の精神で立ち上がり、チャンスがあればどうにかして得ようと画策していたのはわかっている。
その中で、今回は事情があったとはいえ、ついに一番大きなチャンスを得ることに成功したのだ。
しかしながら、これはまだチャンスに過ぎないことを、彼らのテイムモンスターでもあるマッチョンは知っている。
テイムの条件が満たされたとしても、確実に得られるのかは別。
これで失敗すれば、骨折り損のくたびれ儲けになるのだが…どうなるのかはわからない。
ただ、マッチョンとしては、うまくいってほしいと思うところもある。
綺麗な女の子モンスターだからという理由ではない。
黒き女神に似たモンスターということは、場合によっては彼らの抑止力になりえるからだ。
正直、自分一人ではフォローしきれないこともあり…ならば、多少は彼らの欲の矛先を分散できるものがいれば、負担が得るのではないかという思いがある。
欲望戦隊がいかに欲望に忠実な化身とはいえ、一応は、戦隊の名が付くだけに悪ではない。
後輩への負担が増えるのは心苦しいが、分散して多少は楽になってほしい。
まぁ、まずはブラックバットのテイム条件である『仲良くなる』ができるかどうかの話だが…流石に、星の数ほどやらかした経験を持つ彼らならば条件を容易く達成し、テイムへの道を…
「…歩めそうだったけど、奥さんとお孫さんにばれたって。仲間が増えるのは良いけど、人の知らないところで何命がけのような面倒ごとに首を突っ込んでいるんだと、説教を喰らったそうだ」
「うわぁ…」
平和になった大要塞島。
女神の第二神域にもした島がいつまでもボロボロではまずいと言うことで、その復興作業を行っていたのだが、その最中にマッチョンから連絡をもらい、欲望戦隊がどうなったのかという話を聞くことが出来た。
まぁ、家族が自分のあずかり知らぬところで、相当ヤバいことに首を突っ込めば、肉親であれば心配するだろう。
しかも、やらかした理由が欲望によるものだと聞けば、心配した分激怒してしまうのも無理はない。
マッチョンからの内容では、宇宙の星の一つになりかけていたとかいなかったとか…巻き込んだ自覚はあるので、少々申し訳なくもなる。
だがしかし、彼らの活躍によって中三病さんが救われているので、そのあたりの説明も行ってどうにかこうにか怒りを鎮めてもらえたらしい。
「一応、愛の欲望とかがあることで、多少は機嫌が直って…目の前でブラックバット抹消なんてことは避けられて、チャンスは与えられたらしい」
「愛欲のほうの欲望が強く出ていて良かったなぁ…これでうっかり、いつものような色欲のほうの欲望だったら」
「絶対に、チャンスを消されただろうね…」
そして最終的には驚くべきことに…なんと、ブラックバットのテイムに成功したようだ。
正直言って、絶対に失敗するかそれ以上のやらかしを行う可能性が高かったのに、その予想すら裏切られた形だろう。
今回の件、どれだけ欲望戦隊は想定していたことをひっくり返していくのだろうか。
とにもかくにも、最初こそ不安定すぎた中三病さんをストーカーから救出する作戦は成功したともいえるのであった…
「…しかし、曲がったというか、常識外れた愛は怖いな」
…世の中愛の形は色々とあれども、やばいのはやめてほしい。
ああ、でもさすがにそんなもの、自分に向けられる可能性はないか…
「でもハル、女神としての信仰ありそうだけど、それはそれで怖い言葉あるよ。狂信者とか…ああいうのもある意味、今回のストーカーのような愛を向ける人達だし、出てきてもおかしくないよね」
やめて、絶対にそんなことは無いと言い切れないのが普通に怖い。
10
お気に入りに追加
2,048
あなたにおすすめの小説
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【☆完結☆】転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい
うどん五段
ファンタジー
昔やっていたゲームに、大型アップデートで追加されたソレは、小さな箱庭の様だった。
ビーチがあって、畑があって、釣り堀があって、伐採も出来れば採掘も出来る。
ビーチには人が軽く住めるくらいの広さがあって、畑は枯れず、釣りも伐採も発掘もレベルが上がれば上がる程、レアリティの高いものが取れる仕組みだった。
時折、海から流れつくアイテムは、ハズレだったり当たりだったり、クジを引いてる気分で楽しかった。
だから――。
「リディア・マルシャン様のスキルは――箱庭師です」
異世界転生したわたくし、リディアは――そんな箱庭を目指しますわ!
============
小説家になろうにも上げています。
一気に更新させて頂きました。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる