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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.1-78 成し遂げるのも命がけ

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―――クエスト報酬として、明記はしていた。
 それに今回、欲望戦隊の働きは非常に大きなものであり、評価に値しただろう。

 ゆえに、非常に、物凄く、滅茶苦茶渋っていた様子ではあったが…それでも、女神は約束を守ったようだ。


【とはいえ、あくまでもチャンスというだけであり…なおかつ、テイム。果たして、うまくいくのだろうか、ブモッ】

 脅威は去り、崩壊した島から出た後、黒き女神によってクエストの達成が認められ、予定通りの報酬は与えられた。
 何やら他にも色々とやったのもあり、数点ほど追加報酬もあったようだが…そんなものよりも、彼らにとって非常に重要なものがあった。

 黒き女神の姿を模した、ブラックバットのテイムチャンス。
 これまで数多くの女性型のモンスターのテイムを狙い、幾度となく失敗してきた欲望戦隊。
 何度も何度も絶望を味わいながらも、不屈の精神で立ち上がり、チャンスがあればどうにかして得ようと画策していたのはわかっている。

 その中で、今回は事情があったとはいえ、ついに一番大きなチャンスを得ることに成功したのだ。


 しかしながら、これはまだチャンスに過ぎないことを、彼らのテイムモンスターでもあるマッチョンは知っている。
 テイムの条件が満たされたとしても、確実に得られるのかは別。
 これで失敗すれば、骨折り損のくたびれ儲けになるのだが…どうなるのかはわからない。

 ただ、マッチョンとしては、うまくいってほしいと思うところもある。

 
 綺麗な女の子モンスターだからという理由ではない。
 黒き女神に似たモンスターということは、場合によっては彼らの抑止力になりえるからだ。
 正直、自分一人ではフォローしきれないこともあり…ならば、多少は彼らの欲の矛先を分散できるものがいれば、負担が得るのではないかという思いがある。

 欲望戦隊がいかに欲望に忠実な化身とはいえ、一応は、戦隊の名が付くだけに悪ではない。
 後輩への負担が増えるのは心苦しいが、分散して多少は楽になってほしい。

 まぁ、まずはブラックバットのテイム条件である『仲良くなる』ができるかどうかの話だが…流石に、星の数ほどやらかした経験を持つ彼らならば条件を容易く達成し、テイムへの道を…












「…歩めそうだったけど、奥さんとお孫さんにばれたって。仲間が増えるのは良いけど、人の知らないところで何命がけのような面倒ごとに首を突っ込んでいるんだと、説教を喰らったそうだ」
「うわぁ…」

 平和になった大要塞島。
 女神の第二神域にもした島がいつまでもボロボロではまずいと言うことで、その復興作業を行っていたのだが、その最中にマッチョンから連絡をもらい、欲望戦隊がどうなったのかという話を聞くことが出来た。


 まぁ、家族が自分のあずかり知らぬところで、相当ヤバいことに首を突っ込めば、肉親であれば心配するだろう。
 しかも、やらかした理由が欲望によるものだと聞けば、心配した分激怒してしまうのも無理はない。

 マッチョンからの内容では、宇宙の星の一つになりかけていたとかいなかったとか…巻き込んだ自覚はあるので、少々申し訳なくもなる。

 だがしかし、彼らの活躍によって中三病さんが救われているので、そのあたりの説明も行ってどうにかこうにか怒りを鎮めてもらえたらしい。


「一応、愛の欲望とかがあることで、多少は機嫌が直って…目の前でブラックバット抹消なんてことは避けられて、チャンスは与えられたらしい」
「愛欲のほうの欲望が強く出ていて良かったなぁ…これでうっかり、いつものような色欲のほうの欲望だったら」
「絶対に、チャンスを消されただろうね…」

 そして最終的には驚くべきことに…なんと、ブラックバットのテイムに成功したようだ。

 正直言って、絶対に失敗するかそれ以上のやらかしを行う可能性が高かったのに、その予想すら裏切られた形だろう。
 今回の件、どれだけ欲望戦隊は想定していたことをひっくり返していくのだろうか。

 とにもかくにも、最初こそ不安定すぎた中三病さんをストーカーから救出する作戦は成功したともいえるのであった…






「…しかし、曲がったというか、常識外れた愛は怖いな」

…世の中愛の形は色々とあれども、やばいのはやめてほしい。
 ああ、でもさすがにそんなもの、自分に向けられる可能性はないか…

「でもハル、女神としての信仰ありそうだけど、それはそれで怖い言葉あるよ。狂信者とか…ああいうのもある意味、今回のストーカーのような愛を向ける人達だし、出てきてもおかしくないよね」

 やめて、絶対にそんなことは無いと言い切れないのが普通に怖い。


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