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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-77 欲望に勝る理由なし
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…欲望戦隊という名の劇薬によって、ストーカーという猛毒を制す。
うまくいかない可能性もあったが、それでも欲望の強さだけならば宇宙中の誰よりもやばいということが確信を持って言えたので、悪くても相打ちにはなるだろうと考えていた時もあった。
だがしかし、結果としては…
「…まさかの大金星というか、悲惨なことになっているとは」
「これ、オイラ来る意味あったのかなぁ☆?」
監獄の奥深く、隠された部屋。
その一室に、ミゾルテの本体があり、その部屋に春たちは突入していた。
オンライン上で蠢いている今、間違いなくここにいるだろうということでやってきたのは良いのだが…室内が凄惨なことになっている。
「どうしてこうなった…いや、恐らくは欲望戦隊の欲望がここからも溢れたのか」
毒を以て毒を制すはずが、よりやばいことになっていないだろうか。
状態を説明したら、確実に管理者とかそういう類にぶっ飛ばされそうな状態になっていたのである。
ひとまず混沌としているのでさくっと掃除して、綺麗に整える。
ログイン状態だとしても現実でも備えている可能性があったので、対応できるように色々と事前に用意していたわけだが、ここにきてまさか掃除用具が役に立つとは正直思っていなかった。
「ロロが来てから、掃除任せていた分不安もあったが…うん、何とか綺麗になったな」
「おー、だいぶすっきりしたぜぇ☆」
監獄内の隠された場所らしいので、誰かが訪れるようなことは無いだろうが、あの惨状は流石に放置しておくと、迷い込んだ脱獄囚がいたとき、精神に異常をきたしかけない。
女神の姿になっているゆえか精神的に強化されていたようで、シルリアスさんの方も堕天使だからか耐えきったようだが…アレはもう、人にお見せできない状態としか言いようが無いだろう。
「さてと、こっちも綺麗になったけど…彼女が、現実世界のミゾルテ…中三病さんのストーカーか」
凄惨な状況だったがどうにかこうにか整えたことで、心なしか寝かされたままのミゾルテの本体の呼吸も穏やかになっているようだ。
既にログイン用の機器も外しており、意識不明のようだが眠っているような状態なので、問題は無いはずである。
「ふむふむ…こうやって確認すると、酷い状態だったようだぜぇ☆。ただ、あっちで欲望戦隊とかいう奴らに何かされたのか、中身はどうにかこうにか矯正されたぜぇ☆」
「矯正?」
「悪意あるものを得るために、感覚が優れていたが…それゆえに、ねじ曲がったりひねくれていた部分が、叩きなおされた形跡が確認できたよぉ☆。うーん、これ相当精神的に何か大きな影響を与えなければいけないのに、何をどうやったのかなぁ☆?」
…ミゾルテ、もとい悪食の義体の一つと呼ばれているらしい彼女。
その元となったもののために、何やら常人にはないものが備わっていたそうだが、この堕天使が色々なミスを犯していたようで、そのせいで普通に動かずに、狂っていた部分があったらしい。
ただ、今診察したところ、どうやら狂っていた部分に相当大きな衝撃があったのか、中身の状態としては驚くことにまともに近い状態にまで戻っていたようである。
本当に、何をやらかしたのだろうかあの欲望戦隊。相当追い詰められていたところを逆転したという情報までは入ってきているが、あの劇薬が毒を癒してしまうとは…世の中、わからないものである。
「変態による強制人格矯正かぁ…これ、大丈夫なのかな?」
「ふむ、オイラたちの感性では何とも言えないが…この状態なら、回収しても問題ないだろうなぁ☆」
よっこいせっと、ミゾルテをわきに抱える堕天使シルリアスさん。
そのまま持ち運ぶのかと思いきや、次の瞬間には服のポケットを開きその中に彼女を入れてしまった。
スポッ
「…え、四〇元ポケット?」
「違うよぉ☆。これ、ワームホールの一種で、直接送っただけなのさぁ☆」
どこに送ったのかはともかく、これで回収は完了したらしい。
変態の手によって矯正されたとはいえ、どういう変化があるのかは不明だが…ここで色々と中身をどうにかする手間は省けたようで、ひとまずは解決したというべきなのだろうか。
まさかの欲望戦隊の大活躍によって、色々と想定していた手間も大幅に省けたようで、少しだけ安堵の息を吐くのであった…
「…あ、でもまだ解決してないことがあった」
「ん?何かあるのぉ☆?」
…これ、結果として中三病さんが救われることになったと思うけど…そうなると、クエスト達成ということになって、しっかりと欲望戦隊に報酬を上げないといけないんだった。
うーん…まぁ、問題ない…よね?手間が省けた分、報酬ちょっと上乗せするのは別に良いけど、元から予定していたブラックバットのテイムチャンスは…女神の姿に近いこれを渡すのは良いのか…非常に悩ましいが、ここはしっかり約束を守らないといけないか。
仮にテイムできたとしても、彼らならヤバいことはできないだろう…多分。
うまくいかない可能性もあったが、それでも欲望の強さだけならば宇宙中の誰よりもやばいということが確信を持って言えたので、悪くても相打ちにはなるだろうと考えていた時もあった。
だがしかし、結果としては…
「…まさかの大金星というか、悲惨なことになっているとは」
「これ、オイラ来る意味あったのかなぁ☆?」
監獄の奥深く、隠された部屋。
その一室に、ミゾルテの本体があり、その部屋に春たちは突入していた。
オンライン上で蠢いている今、間違いなくここにいるだろうということでやってきたのは良いのだが…室内が凄惨なことになっている。
「どうしてこうなった…いや、恐らくは欲望戦隊の欲望がここからも溢れたのか」
毒を以て毒を制すはずが、よりやばいことになっていないだろうか。
状態を説明したら、確実に管理者とかそういう類にぶっ飛ばされそうな状態になっていたのである。
ひとまず混沌としているのでさくっと掃除して、綺麗に整える。
ログイン状態だとしても現実でも備えている可能性があったので、対応できるように色々と事前に用意していたわけだが、ここにきてまさか掃除用具が役に立つとは正直思っていなかった。
「ロロが来てから、掃除任せていた分不安もあったが…うん、何とか綺麗になったな」
「おー、だいぶすっきりしたぜぇ☆」
監獄内の隠された場所らしいので、誰かが訪れるようなことは無いだろうが、あの惨状は流石に放置しておくと、迷い込んだ脱獄囚がいたとき、精神に異常をきたしかけない。
女神の姿になっているゆえか精神的に強化されていたようで、シルリアスさんの方も堕天使だからか耐えきったようだが…アレはもう、人にお見せできない状態としか言いようが無いだろう。
「さてと、こっちも綺麗になったけど…彼女が、現実世界のミゾルテ…中三病さんのストーカーか」
凄惨な状況だったがどうにかこうにか整えたことで、心なしか寝かされたままのミゾルテの本体の呼吸も穏やかになっているようだ。
既にログイン用の機器も外しており、意識不明のようだが眠っているような状態なので、問題は無いはずである。
「ふむふむ…こうやって確認すると、酷い状態だったようだぜぇ☆。ただ、あっちで欲望戦隊とかいう奴らに何かされたのか、中身はどうにかこうにか矯正されたぜぇ☆」
「矯正?」
「悪意あるものを得るために、感覚が優れていたが…それゆえに、ねじ曲がったりひねくれていた部分が、叩きなおされた形跡が確認できたよぉ☆。うーん、これ相当精神的に何か大きな影響を与えなければいけないのに、何をどうやったのかなぁ☆?」
…ミゾルテ、もとい悪食の義体の一つと呼ばれているらしい彼女。
その元となったもののために、何やら常人にはないものが備わっていたそうだが、この堕天使が色々なミスを犯していたようで、そのせいで普通に動かずに、狂っていた部分があったらしい。
ただ、今診察したところ、どうやら狂っていた部分に相当大きな衝撃があったのか、中身の状態としては驚くことにまともに近い状態にまで戻っていたようである。
本当に、何をやらかしたのだろうかあの欲望戦隊。相当追い詰められていたところを逆転したという情報までは入ってきているが、あの劇薬が毒を癒してしまうとは…世の中、わからないものである。
「変態による強制人格矯正かぁ…これ、大丈夫なのかな?」
「ふむ、オイラたちの感性では何とも言えないが…この状態なら、回収しても問題ないだろうなぁ☆」
よっこいせっと、ミゾルテをわきに抱える堕天使シルリアスさん。
そのまま持ち運ぶのかと思いきや、次の瞬間には服のポケットを開きその中に彼女を入れてしまった。
スポッ
「…え、四〇元ポケット?」
「違うよぉ☆。これ、ワームホールの一種で、直接送っただけなのさぁ☆」
どこに送ったのかはともかく、これで回収は完了したらしい。
変態の手によって矯正されたとはいえ、どういう変化があるのかは不明だが…ここで色々と中身をどうにかする手間は省けたようで、ひとまずは解決したというべきなのだろうか。
まさかの欲望戦隊の大活躍によって、色々と想定していた手間も大幅に省けたようで、少しだけ安堵の息を吐くのであった…
「…あ、でもまだ解決してないことがあった」
「ん?何かあるのぉ☆?」
…これ、結果として中三病さんが救われることになったと思うけど…そうなると、クエスト達成ということになって、しっかりと欲望戦隊に報酬を上げないといけないんだった。
うーん…まぁ、問題ない…よね?手間が省けた分、報酬ちょっと上乗せするのは別に良いけど、元から予定していたブラックバットのテイムチャンスは…女神の姿に近いこれを渡すのは良いのか…非常に悩ましいが、ここはしっかり約束を守らないといけないか。
仮にテイムできたとしても、彼らならヤバいことはできないだろう…多分。
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