490 / 718
Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-77 欲望に勝る理由なし
しおりを挟む
…欲望戦隊という名の劇薬によって、ストーカーという猛毒を制す。
うまくいかない可能性もあったが、それでも欲望の強さだけならば宇宙中の誰よりもやばいということが確信を持って言えたので、悪くても相打ちにはなるだろうと考えていた時もあった。
だがしかし、結果としては…
「…まさかの大金星というか、悲惨なことになっているとは」
「これ、オイラ来る意味あったのかなぁ☆?」
監獄の奥深く、隠された部屋。
その一室に、ミゾルテの本体があり、その部屋に春たちは突入していた。
オンライン上で蠢いている今、間違いなくここにいるだろうということでやってきたのは良いのだが…室内が凄惨なことになっている。
「どうしてこうなった…いや、恐らくは欲望戦隊の欲望がここからも溢れたのか」
毒を以て毒を制すはずが、よりやばいことになっていないだろうか。
状態を説明したら、確実に管理者とかそういう類にぶっ飛ばされそうな状態になっていたのである。
ひとまず混沌としているのでさくっと掃除して、綺麗に整える。
ログイン状態だとしても現実でも備えている可能性があったので、対応できるように色々と事前に用意していたわけだが、ここにきてまさか掃除用具が役に立つとは正直思っていなかった。
「ロロが来てから、掃除任せていた分不安もあったが…うん、何とか綺麗になったな」
「おー、だいぶすっきりしたぜぇ☆」
監獄内の隠された場所らしいので、誰かが訪れるようなことは無いだろうが、あの惨状は流石に放置しておくと、迷い込んだ脱獄囚がいたとき、精神に異常をきたしかけない。
女神の姿になっているゆえか精神的に強化されていたようで、シルリアスさんの方も堕天使だからか耐えきったようだが…アレはもう、人にお見せできない状態としか言いようが無いだろう。
「さてと、こっちも綺麗になったけど…彼女が、現実世界のミゾルテ…中三病さんのストーカーか」
凄惨な状況だったがどうにかこうにか整えたことで、心なしか寝かされたままのミゾルテの本体の呼吸も穏やかになっているようだ。
既にログイン用の機器も外しており、意識不明のようだが眠っているような状態なので、問題は無いはずである。
「ふむふむ…こうやって確認すると、酷い状態だったようだぜぇ☆。ただ、あっちで欲望戦隊とかいう奴らに何かされたのか、中身はどうにかこうにか矯正されたぜぇ☆」
「矯正?」
「悪意あるものを得るために、感覚が優れていたが…それゆえに、ねじ曲がったりひねくれていた部分が、叩きなおされた形跡が確認できたよぉ☆。うーん、これ相当精神的に何か大きな影響を与えなければいけないのに、何をどうやったのかなぁ☆?」
…ミゾルテ、もとい悪食の義体の一つと呼ばれているらしい彼女。
その元となったもののために、何やら常人にはないものが備わっていたそうだが、この堕天使が色々なミスを犯していたようで、そのせいで普通に動かずに、狂っていた部分があったらしい。
ただ、今診察したところ、どうやら狂っていた部分に相当大きな衝撃があったのか、中身の状態としては驚くことにまともに近い状態にまで戻っていたようである。
本当に、何をやらかしたのだろうかあの欲望戦隊。相当追い詰められていたところを逆転したという情報までは入ってきているが、あの劇薬が毒を癒してしまうとは…世の中、わからないものである。
「変態による強制人格矯正かぁ…これ、大丈夫なのかな?」
「ふむ、オイラたちの感性では何とも言えないが…この状態なら、回収しても問題ないだろうなぁ☆」
よっこいせっと、ミゾルテをわきに抱える堕天使シルリアスさん。
そのまま持ち運ぶのかと思いきや、次の瞬間には服のポケットを開きその中に彼女を入れてしまった。
スポッ
「…え、四〇元ポケット?」
「違うよぉ☆。これ、ワームホールの一種で、直接送っただけなのさぁ☆」
どこに送ったのかはともかく、これで回収は完了したらしい。
変態の手によって矯正されたとはいえ、どういう変化があるのかは不明だが…ここで色々と中身をどうにかする手間は省けたようで、ひとまずは解決したというべきなのだろうか。
まさかの欲望戦隊の大活躍によって、色々と想定していた手間も大幅に省けたようで、少しだけ安堵の息を吐くのであった…
「…あ、でもまだ解決してないことがあった」
「ん?何かあるのぉ☆?」
…これ、結果として中三病さんが救われることになったと思うけど…そうなると、クエスト達成ということになって、しっかりと欲望戦隊に報酬を上げないといけないんだった。
うーん…まぁ、問題ない…よね?手間が省けた分、報酬ちょっと上乗せするのは別に良いけど、元から予定していたブラックバットのテイムチャンスは…女神の姿に近いこれを渡すのは良いのか…非常に悩ましいが、ここはしっかり約束を守らないといけないか。
仮にテイムできたとしても、彼らならヤバいことはできないだろう…多分。
うまくいかない可能性もあったが、それでも欲望の強さだけならば宇宙中の誰よりもやばいということが確信を持って言えたので、悪くても相打ちにはなるだろうと考えていた時もあった。
だがしかし、結果としては…
「…まさかの大金星というか、悲惨なことになっているとは」
「これ、オイラ来る意味あったのかなぁ☆?」
監獄の奥深く、隠された部屋。
その一室に、ミゾルテの本体があり、その部屋に春たちは突入していた。
オンライン上で蠢いている今、間違いなくここにいるだろうということでやってきたのは良いのだが…室内が凄惨なことになっている。
「どうしてこうなった…いや、恐らくは欲望戦隊の欲望がここからも溢れたのか」
毒を以て毒を制すはずが、よりやばいことになっていないだろうか。
状態を説明したら、確実に管理者とかそういう類にぶっ飛ばされそうな状態になっていたのである。
ひとまず混沌としているのでさくっと掃除して、綺麗に整える。
ログイン状態だとしても現実でも備えている可能性があったので、対応できるように色々と事前に用意していたわけだが、ここにきてまさか掃除用具が役に立つとは正直思っていなかった。
「ロロが来てから、掃除任せていた分不安もあったが…うん、何とか綺麗になったな」
「おー、だいぶすっきりしたぜぇ☆」
監獄内の隠された場所らしいので、誰かが訪れるようなことは無いだろうが、あの惨状は流石に放置しておくと、迷い込んだ脱獄囚がいたとき、精神に異常をきたしかけない。
女神の姿になっているゆえか精神的に強化されていたようで、シルリアスさんの方も堕天使だからか耐えきったようだが…アレはもう、人にお見せできない状態としか言いようが無いだろう。
「さてと、こっちも綺麗になったけど…彼女が、現実世界のミゾルテ…中三病さんのストーカーか」
凄惨な状況だったがどうにかこうにか整えたことで、心なしか寝かされたままのミゾルテの本体の呼吸も穏やかになっているようだ。
既にログイン用の機器も外しており、意識不明のようだが眠っているような状態なので、問題は無いはずである。
「ふむふむ…こうやって確認すると、酷い状態だったようだぜぇ☆。ただ、あっちで欲望戦隊とかいう奴らに何かされたのか、中身はどうにかこうにか矯正されたぜぇ☆」
「矯正?」
「悪意あるものを得るために、感覚が優れていたが…それゆえに、ねじ曲がったりひねくれていた部分が、叩きなおされた形跡が確認できたよぉ☆。うーん、これ相当精神的に何か大きな影響を与えなければいけないのに、何をどうやったのかなぁ☆?」
…ミゾルテ、もとい悪食の義体の一つと呼ばれているらしい彼女。
その元となったもののために、何やら常人にはないものが備わっていたそうだが、この堕天使が色々なミスを犯していたようで、そのせいで普通に動かずに、狂っていた部分があったらしい。
ただ、今診察したところ、どうやら狂っていた部分に相当大きな衝撃があったのか、中身の状態としては驚くことにまともに近い状態にまで戻っていたようである。
本当に、何をやらかしたのだろうかあの欲望戦隊。相当追い詰められていたところを逆転したという情報までは入ってきているが、あの劇薬が毒を癒してしまうとは…世の中、わからないものである。
「変態による強制人格矯正かぁ…これ、大丈夫なのかな?」
「ふむ、オイラたちの感性では何とも言えないが…この状態なら、回収しても問題ないだろうなぁ☆」
よっこいせっと、ミゾルテをわきに抱える堕天使シルリアスさん。
そのまま持ち運ぶのかと思いきや、次の瞬間には服のポケットを開きその中に彼女を入れてしまった。
スポッ
「…え、四〇元ポケット?」
「違うよぉ☆。これ、ワームホールの一種で、直接送っただけなのさぁ☆」
どこに送ったのかはともかく、これで回収は完了したらしい。
変態の手によって矯正されたとはいえ、どういう変化があるのかは不明だが…ここで色々と中身をどうにかする手間は省けたようで、ひとまずは解決したというべきなのだろうか。
まさかの欲望戦隊の大活躍によって、色々と想定していた手間も大幅に省けたようで、少しだけ安堵の息を吐くのであった…
「…あ、でもまだ解決してないことがあった」
「ん?何かあるのぉ☆?」
…これ、結果として中三病さんが救われることになったと思うけど…そうなると、クエスト達成ということになって、しっかりと欲望戦隊に報酬を上げないといけないんだった。
うーん…まぁ、問題ない…よね?手間が省けた分、報酬ちょっと上乗せするのは別に良いけど、元から予定していたブラックバットのテイムチャンスは…女神の姿に近いこれを渡すのは良いのか…非常に悩ましいが、ここはしっかり約束を守らないといけないか。
仮にテイムできたとしても、彼らならヤバいことはできないだろう…多分。
0
お気に入りに追加
2,029
あなたにおすすめの小説
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる