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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-69 どこかのヘリは落ちやすいと聞くが
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「うっぎょえぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ひでぇぇぇぇぶ!!」
―――奇声を上げ、吹っ飛ばされる欲望戦隊。
回転したり一直線にぶっ飛んだりと様々な飛ばされ方をして、地面に激突する。
「ぐふっ…つ、強いな…中三病のストーカー…」
ぐぐっとタローンが何とか起き上がりつつ、相手を見据える。
目の前にいるのは、中三病のストーカーをしているという女性プレイヤー…『ミゾルテ』。
大要塞島の内部に進入し、中三病のところへ攻め込む彼女を阻むために戦闘しているのだが、いかんせん相手が強い。
人数として、欲望戦隊側は効果力のマッチョンやアティがいないが、それでも防御力は優れている。
なので、まともに相手をすればダメージは簡単に入ることが無いはずなのだが…
「ふふふ、当り前よ。仮に、彼が無敵になっても大丈夫なように、固定ダメージを与えるスキルを強化しているもの」
「鉄壁の防御と言えども、それは厳しいな…」
攻めてきているのは、ミゾルテ一人のみ。
他にテイムモンスターなどは引き連れておらず、単身でやってきたようだが、それでも集団を相手にしてもものともしない、実力を持っているようだ。
その代わりに身に纏っているのは、巨大な鎧。
まるでスーパーロボットと言われるようなものを動かし、力を振るっているようだ。
「くそ、こういう時にアティがいればフォレストデストロイヤーを加えての戦隊合体ができるというのに…!!」
「いないのであれば仕方がないが、それでもこれは厳しいぞ!!」
そんな巨大ロボットとのような装備を持つ相手にして、欲望戦隊は良く戦ったと言えるだろう。
だてに各地で動き回り、手に入れようとして襲われたり、何かとそういう類を相手にする機会もあったがゆえに、体格差がとんでもなくあってもひるむことが無い心がある。
そして何よりも、勝てる見込みがない絶望があったとしても、彼らは戦いを諦めるようなことはない。
何故ならば、彼らには突き動かすだけのものもがある。
「…だが、ここで負けれはクエスト失敗の、テイムチャンスを逃す!!いや、力で勝ったとしても、それでは中三病があのストーカーから救われたとはいえぬ!!」
「ストーカー、圧倒的な戦力差何を言うのか!!」
「我々がここで諦めたら、結局何も得られない!!」
「得るものが無ければ、意味が無いだろう!!」
「「「「我々の欲望を満たすためにも、悪しき欲望が満たされぬように徹底的に全力を出すべきなんだぁぁぁぁ!!」」」」
びしっとポーズを決めながら叫ぶ、欲望戦隊。
もうちょっとまともな目的であれば、それなりの戦隊ものとしての印象は付いただろうが、彼らは欲望に忠実なのでそううまくいくことはない。
だがしかし、その欲望で燃え滾る炎は、例え別種の変態力が物凄い相手だとしても、消されるようなことはない。
「こうなったら皆、アレをやるぞ!!」
「アレ…まさか、アレか!!」
気合や欲望があっても、この状況で勝てるわけがない。
相手との実力の差は既に、理解しているつもりだ。
けれどもそれは、彼らがそのままであればの話であり…可能性があれば飛びつくしかない。
賭けに出る彼らの行動は、果たして吉と出るのか凶と出るのか…
「…むぅ、やはり厄介だ。システムへの侵入経路特定、輸送ラインの差し止めをしたが…20%ほどしか出せなくなったのに、ゲーム上ではまだ、動いているぞ」
「え、この欲望戦隊が決死の覚悟で戦っているような相手、今20%ぐらいしか力出してないの!?」
「戦闘中に徐々にデバフも追加されたが…それでも、とんでもないな」
欲望戦隊が賭けに出ていたその頃。
オンライン内の動きを画面で観察しつつ、フロンの解析作業がようやくひと段落付いたところで、衝撃の事実が上がってきた。
「弱体化に成功し、相手も理解しているようだが…状態をどう生かせば良いのか、最適な回答を最速で選び、対応しているようだ。こりゃ、まともな人間なら相手ももならないだろうが…思った以上に、まともではない欲望戦隊だからこそ、やりあえるのだろう」
「まともな人間扱いされなくなったか…」
戦闘力としての意味なのか、人間としての意味なのか…後者の方の可能性を否定できない。
これまで積み重ねてきた数々のことを考えると納得はできるので、問題は無い。
それはともかくとして、大体の解析作業が済んだ今、オンライン上でのアバター名が『ミゾルテ』となっている中三病のストーカーに関しての情報は出てきた。
最初こそ、確かに人間であり、どこにでもいる一般人の類かと思われていたが…それはあくまでも、今の肉体での話だ。
「何はともあれ、これは専門外というべきか…ふむ、これだと、専門家のほうに任せるべきか」
「専門家?」
解析した結果を見て、フロンは動く。
彼女は確かに色々とぶっ飛んだことも可能だが、それはあくまでも自分でやれる範囲が広いだけで、全てに特化されているわけではない。
こういうことに関しては、より強力に動けるような人のほうが最適だと判断して、連絡を取り始める。
「本当は、孫の孫のそのまた…もっと孫の頼みを聞きたいところだけどねぇ。やれないことは、素直に人に頼るのも一手さ」
やれないことがあるならば、その道のプロに頼めばいい。
頼まれた人にとっては迷惑そうな気がしなくもないが、やれるのであれば仕方がないこと…なのだろうか。
そう思いつつも、欲望戦隊は長く持たないだろうし、さっさとやるべきことならばそれで良いかと、フロンの判断に任せるのであった…
「…というか、この戦いを見ているとどっちも人間なのか、怪しくなりそう」
「人外の身になるあなたが言うのもどうなのかしら」
…女神の心も、強靭ではない。言葉のナイフは誰にでも突き刺さる。
「ひでぇぇぇぇぶ!!」
―――奇声を上げ、吹っ飛ばされる欲望戦隊。
回転したり一直線にぶっ飛んだりと様々な飛ばされ方をして、地面に激突する。
「ぐふっ…つ、強いな…中三病のストーカー…」
ぐぐっとタローンが何とか起き上がりつつ、相手を見据える。
目の前にいるのは、中三病のストーカーをしているという女性プレイヤー…『ミゾルテ』。
大要塞島の内部に進入し、中三病のところへ攻め込む彼女を阻むために戦闘しているのだが、いかんせん相手が強い。
人数として、欲望戦隊側は効果力のマッチョンやアティがいないが、それでも防御力は優れている。
なので、まともに相手をすればダメージは簡単に入ることが無いはずなのだが…
「ふふふ、当り前よ。仮に、彼が無敵になっても大丈夫なように、固定ダメージを与えるスキルを強化しているもの」
「鉄壁の防御と言えども、それは厳しいな…」
攻めてきているのは、ミゾルテ一人のみ。
他にテイムモンスターなどは引き連れておらず、単身でやってきたようだが、それでも集団を相手にしてもものともしない、実力を持っているようだ。
その代わりに身に纏っているのは、巨大な鎧。
まるでスーパーロボットと言われるようなものを動かし、力を振るっているようだ。
「くそ、こういう時にアティがいればフォレストデストロイヤーを加えての戦隊合体ができるというのに…!!」
「いないのであれば仕方がないが、それでもこれは厳しいぞ!!」
そんな巨大ロボットとのような装備を持つ相手にして、欲望戦隊は良く戦ったと言えるだろう。
だてに各地で動き回り、手に入れようとして襲われたり、何かとそういう類を相手にする機会もあったがゆえに、体格差がとんでもなくあってもひるむことが無い心がある。
そして何よりも、勝てる見込みがない絶望があったとしても、彼らは戦いを諦めるようなことはない。
何故ならば、彼らには突き動かすだけのものもがある。
「…だが、ここで負けれはクエスト失敗の、テイムチャンスを逃す!!いや、力で勝ったとしても、それでは中三病があのストーカーから救われたとはいえぬ!!」
「ストーカー、圧倒的な戦力差何を言うのか!!」
「我々がここで諦めたら、結局何も得られない!!」
「得るものが無ければ、意味が無いだろう!!」
「「「「我々の欲望を満たすためにも、悪しき欲望が満たされぬように徹底的に全力を出すべきなんだぁぁぁぁ!!」」」」
びしっとポーズを決めながら叫ぶ、欲望戦隊。
もうちょっとまともな目的であれば、それなりの戦隊ものとしての印象は付いただろうが、彼らは欲望に忠実なのでそううまくいくことはない。
だがしかし、その欲望で燃え滾る炎は、例え別種の変態力が物凄い相手だとしても、消されるようなことはない。
「こうなったら皆、アレをやるぞ!!」
「アレ…まさか、アレか!!」
気合や欲望があっても、この状況で勝てるわけがない。
相手との実力の差は既に、理解しているつもりだ。
けれどもそれは、彼らがそのままであればの話であり…可能性があれば飛びつくしかない。
賭けに出る彼らの行動は、果たして吉と出るのか凶と出るのか…
「…むぅ、やはり厄介だ。システムへの侵入経路特定、輸送ラインの差し止めをしたが…20%ほどしか出せなくなったのに、ゲーム上ではまだ、動いているぞ」
「え、この欲望戦隊が決死の覚悟で戦っているような相手、今20%ぐらいしか力出してないの!?」
「戦闘中に徐々にデバフも追加されたが…それでも、とんでもないな」
欲望戦隊が賭けに出ていたその頃。
オンライン内の動きを画面で観察しつつ、フロンの解析作業がようやくひと段落付いたところで、衝撃の事実が上がってきた。
「弱体化に成功し、相手も理解しているようだが…状態をどう生かせば良いのか、最適な回答を最速で選び、対応しているようだ。こりゃ、まともな人間なら相手ももならないだろうが…思った以上に、まともではない欲望戦隊だからこそ、やりあえるのだろう」
「まともな人間扱いされなくなったか…」
戦闘力としての意味なのか、人間としての意味なのか…後者の方の可能性を否定できない。
これまで積み重ねてきた数々のことを考えると納得はできるので、問題は無い。
それはともかくとして、大体の解析作業が済んだ今、オンライン上でのアバター名が『ミゾルテ』となっている中三病のストーカーに関しての情報は出てきた。
最初こそ、確かに人間であり、どこにでもいる一般人の類かと思われていたが…それはあくまでも、今の肉体での話だ。
「何はともあれ、これは専門外というべきか…ふむ、これだと、専門家のほうに任せるべきか」
「専門家?」
解析した結果を見て、フロンは動く。
彼女は確かに色々とぶっ飛んだことも可能だが、それはあくまでも自分でやれる範囲が広いだけで、全てに特化されているわけではない。
こういうことに関しては、より強力に動けるような人のほうが最適だと判断して、連絡を取り始める。
「本当は、孫の孫のそのまた…もっと孫の頼みを聞きたいところだけどねぇ。やれないことは、素直に人に頼るのも一手さ」
やれないことがあるならば、その道のプロに頼めばいい。
頼まれた人にとっては迷惑そうな気がしなくもないが、やれるのであれば仕方がないこと…なのだろうか。
そう思いつつも、欲望戦隊は長く持たないだろうし、さっさとやるべきことならばそれで良いかと、フロンの判断に任せるのであった…
「…というか、この戦いを見ているとどっちも人間なのか、怪しくなりそう」
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